( ゚∀゚)ジョルジュはバトンを渡すようです

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 10:57:16.85 ID:CsoimlSv0

(*゚ー゚)「じゃあさ、私と友達になってよ」

( ゚∀゚)「……あ?」

(*゚ー゚)「と・も・だ・ち。あれだよ、人差し指をお互いにつき合わせて認識するヤツ」

(;゚∀゚)「それはどこぞの宇宙人限定だと思うが……」

告白とかされたのは初めてだが、フラれた後に友達になろうなんて普通言うもんだろうか?
漫画とかドラマとかではそんな展開一度も見たことはないのだけれども。

しかし、彼女の笑顔に嘘はなければ裏もあるように見えない。

この後の行動はすでに決まっている出来事であり、俺がどうこうするわけじゃないけど。
別に相手から友達になろうと言われているのならばそれを断る理由はないはずだ。

そして、この笑顔を拒絶する理由だって、だがして見つかるもんじゃない。

ふと、彼女から手が差し伸べられていることに気づく。
良いならば握手をしようということなのだろう。

何をどこまで俺が考えているかは理解出来ない。

けれど、俺の身体はその手を取っていた。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 10:58:29.38 ID:CsoimlSv0

(*゚ー゚)「ん、じゃあこれで私とジョルジュくんはお友達ということね」

( ゚∀゚)「……というか、俺アンタの名前知らないんだが」

(*゚ー゚)「あれ? 言ってなかったかしら?」

言ってない。
聞いてない方もどうかと思うが。

彼女は俺と握った手をそのままぶんぶん振るいながら、笑顔で俺に名前を告げた。

(*゚ー゚)「私の名前はしぃ。これから、よろしくね」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:02:03.20 ID:CsoimlSv0




しぃは、本当にデレとは正反対なタイプだった。

これは友人になった後に色々聞いたことなのだが
彼女のクラスでは女子を纏めているリーダー的存在らしく、男子からの人気も結構高い。
知らない人は殆どいないくらいの有名人らしい。

俺は知らなかったみたいだけど。

しかし、俺の相棒の方は知っていたそうで、俺と友人になった時は物凄い驚いてしばらく俺の背中で呆然としていたのであった……。
ちなみに、本人の目の前で。

(*゚ー゚)「……割と傷つくわね」

(;゚∀゚)「うん、素直にゴメン」

とは言え、会わせて欲しいと言ったのはコイツからである。

こちらが謝らなくてはいけない筋はないのだが、多分この状況だったら謝ってしまうだろう。



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:03:40.84 ID:CsoimlSv0

ζ(゚ー゚*ζ「……」

それにしても、デレの人見知りはひどいものだった。
相手をちらちら見ようとしているのだけど、自ら近づこうとする意思はまるで見られない。

これでは仲良くなんてなりようがない。

俺がフォローすべきなのだろうか?
ここでフォローしていいのだろうか?

自分が考えたところで、ここでの行動はすでに決定している。
だから悩んでも意味がないのだけれど、それでも俺は悩んでいた。

先ほど取り戻した記憶が、そうさせていた。

誰も行動を起こさない一瞬。
初めて動いたのは――――しぃだった。

彼女は俺に見せたような笑顔で彼女に近づいていくと、俺の時と同じように、手を出した。

(*゚ー゚)「初めまして、デレさん」

ζ(゚ー゚*ζ「……」

(*゚ー゚)「私ね、あなたと友達になりたいの。だからジョルジュくんに紹介してもらったのよ」

ζ(゚ー゚*ζ「…………」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:04:44.85 ID:CsoimlSv0

(*゚ー゚)「だからお願い、私と友達になってくれないかな?」

邪気のない、しぃの微笑み。
そこに強制はないし、また彼女も嫌ならば仕方がないと思っていることだろう。

どちらにせよその選択は自らの意思で行わなければいけない。
だから俺は彼女から助けの視線を向けられても徹底的に無視することにしていた。

だけどさ。

この笑顔の傍にいたくないなんて思うヤツが、いるとは俺は思えない。

ζ(゚ー゚*ζ「……うん。わっ、私も、友達になりたいよ」

(*゚ー゚)「よし、これで私とあなたは友達ね」

彼女は、手を取った。

自ら意思でちゃんとその手を取ったのだ。


 『これで、ようやくスタートラインに立った』



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:06:23.05 ID:CsoimlSv0

そんな想いが、シンクロする。

同時に流れ込んでくる記憶。
次に流れてきたのはかなり途切れ途切れではあるが、彼女との、『しぃとの思い出』だった。

彼女だけじゃなくて、そこにはデレもいる。俺たち三人の記憶だ。

何となく思うけれど、これはきっと『繋がり』だ。

本当に思い出さなければいけない記憶へと向かうために必要な、記憶の架け橋。

……なんか色々と思い出してしまった。

これから俺とデレとしぃはとても仲良くなる。
親友同士といっても差し支えないほどに。

今思い出した記憶に、核心は入ってないけれども、それは楽しすぎた日常の記憶。

死にたくないと、思わせてしまうような記憶だ。
けど、それ以上に。

( ゚∀゚)「思い出せない方が良いなんて、思えるわけないよな。
     こんな楽しかったのに」

世界が、崩壊する。

さあ、取り戻しに行かなければならない。
忘れたくない記憶じゃないくて、思い出さなければいけない記憶を。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:07:50.54 ID:CsoimlSv0




ζ(゚ー゚*ζ「こっ、告白されちゃったの!」

目覚めてから最初の発言は驚くべき仰天発言だった。

いかんいかん、驚くと仰天はほぼ被っているな。
ここは驚くべき爆弾発言だった、に言い換えるべきある。

とかそんなことはどうでも良いっつーの。えっと、それでなんだっけ?

(*゚ー゚)「えっと、ごめんデレ。もう一度言ってくれるかしら?」

と、一緒に弁当を食べているらしいしぃが、ウインナーを食べようとしてる状態のまま口を開いていた。

その言葉に俺も多少は冷静になり(慌てたところで喋れないし)周りを確認する。
どうにも昼休みらしく、俺とデレとしぃの三人で固まって弁当を食べている。

そして真っ赤になっているデレ。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:08:48.50 ID:CsoimlSv0

彼女は小さくなりながら、もう一度同じ言葉を吐いた。

ζ(゚ー゚*ζ「……だから、告白されたの」

二回も言われれば流石に理解は出来る。
理解出来たといっても、冷静な判断が下せるとは限らない。

(;゚∀゚)(*;゚ー゚)「なっ、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!」

どこぞの調査隊のような声を上げる馬鹿二人。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:10:29.17 ID:CsoimlSv0

(*゚ー゚)「なるほど、いつの間にかデレも罪を告白されるほどに徳を得たのか」

ζ(゚ー゚*ζ「違うよ! そもそも私キリスト教じゃないし!」

(*゚ー゚)「うん、分かってるわよ。良かったわねデレ、今日はお赤飯炊かないとっ!」

ζ(゚ー゚*ζ「うわーん! こっちのボケはどう突っ込めばいいかも分からないよー!」

しばらくして、冗談を返せるくらいの余裕が出来たらしい。
……まぁ、冷静に考えてみれば告白されたってのもおかしい話ではない。

しぃと付き合うようになって、デレは『人前で』話し、笑うようになった。

それはしぃがやたら目立つため、隠れて会話をするってことが難しくなったからなのだが、まぁ結果オーライだろう。

そのため、多少男子にも『陰気な女の子』から『内気な可愛い女の子』という種別で見られるようになったのだ。
まぁ、その激しい人見知りのせいで告白するヤツは今までいなかったけど。



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:12:17.42 ID:CsoimlSv0

ζ(゚ー゚*ζ「そっ、それでどうしたら良いかなって皆に聞きたくて」

(*゚ー゚)「ふーん……ねぇねぇジョルジュ。どうすれば良いと思う? だってさ」

何か妙にニヤニヤした表情でこちらに振ってくるしぃ。
それに釣られて必死な表情でこちらを見つめるデレ。

こちらに答えを求めているのか。

ただ、返せる言葉は一つしかないだろう。
間違いなく、ここは守ってやる状況ではない。

( ゚∀゚)「そんなん俺が決めることじゃねえよ。そういうのはデレ自身が決めることだ。
     付き合いたければ付き合えばいいし、付き合いたくなければ付き合わなければいい。
     そうじゃないと相手にも失礼だろうよ」

ζ(゚ー゚*ζ「……そっ、そうだね」

(*゚ー゚)「……」

何で非難染みた視線を向けるんだ、しぃ。

その視線は俺にとって居心地の悪いモノだった。
今の俺でそうなのだから、当時の俺にとっては耐え難いものなのだろう。

その後は、どこか重苦しい雰囲気の中、食事が進んでいった。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:13:33.69 ID:CsoimlSv0




(*゚ー゚)「あんな言い方して、良かったの?」

放課後。
デレは告白の返事をすると先に教室を出て行き、俺は日直の仕事をしていたらしぃが来て、そして開口一番にそう言った。

何のことかと言えば、間違いなくそれはアイツのことなんだろう。

俺は軽くため息をつきながら、彼女に答えを返す。

( ゚∀゚)「他に何を言えっていうんだ、悪いが俺はあれがベストの解答だったと思ってる」

(*゚ー゚)「……うん、私もそれは同意。でもそれは、気持ちを無視して、の結果よ」

( ゚∀゚)「気持ち、ね」

誰の気持ちのことだろう。やはりデレの気持ちだろうか。

それとも、俺の気持ちか。

あの時の俺がどういう気持ちでああ言ったかは正確には定かではない。
少なくとも、見ていた俺と同じような気持ちではなかったのだろう。

だけど、同じ俺だから、何となく理解は出来る。



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:15:12.08 ID:CsoimlSv0

――――期待。

これをきっかけに彼女が更に大きく成長してくれるのではないかという、期待。

どんな切なさよりも、どんな想いよりも、俺の中ではそんな気持ちがもっとも大きかったんだと思う。

( ゚∀゚)「俺はさ、アイツと一緒にいるだけで良いんだ。アイツの成長を見守れれば良いんだ」

(*゚ー゚)「それは……恋心かしら?」

( ゚∀゚)「違うよ、使命感だな。アイツを大切に思っていたヤツとの、約束だから」

(*゚ー゚)「…………デレの、両親?」

( ゚∀゚)「それも違う。ぶっちゃけ約束した相手は覚えてないんだ」

約束の相手は、どうやら記憶を喪失する前に忘れてしまっていたらしい。
では、思い出しようがない。

アイツの両親は、俺たちがまだ小学生になる前に亡くなっていた。
だから、そんな約束していてもおかしくはないかもしれない。

だが、俺がデレと親しくなったのはその両親が死んだ後である。

約束した相手も分からない。
だけど、それだけは守っていかなくてはならない、大切な役目。



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:16:07.88 ID:CsoimlSv0

しぃはそこまで聞いて諦めたようにため息をついた後、いたずらっ子のような笑みを浮かべて言い放つ。

(*゚ー゚)「……何か格好良いね、その役目私にくれない?」

( ゚∀゚)「残念だけど、この役目だけは譲れないんだわ、これが」

(*゚ー゚)「なるほど、それは至極残念」

全く残念じゃなさそうな声で言いやがるしぃ。
夕焼けに照れされた笑顔を見ていて、思わず俺は見とれてしまう。

その時、俺はあまり興味なさそうな口ぶりで、彼女に質問を放っていた。

( ゚∀゚)「あのさ、聞いちまうけど……俺に告白したのって、俺とデレ、どっちが目的だったんだ?」

(*゚ー゚)「……両方かな」

( ゚∀゚)「さいですか」

(*゚ー゚)「さいなのです」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:17:53.76 ID:CsoimlSv0

――――…

しばらく日時が経って、デレが告白された相手と付き合い始めたということを聞いた。

相手のことは知らなかったし、無理に知る気もなかった。
デレから紹介受けるくらいになればいいな、って思ってしまうくらいだ。

とはいえ、先のことは覚えてないけど、付き合い続けるならば一度は会っておかないといけない。
役目を譲ることになるかもしれないから。

しぃは良くデレの相談に乗っているらしい。

デートコースとか、恋人ってどういうことをすればいいかとか、そんな相談。
いかにも年頃の女の子らしいなぁ、と思いつつもあのデレがそんな話をする日が来るなんて予想もしてなかった。
何か、感慨深いモノを感じてしまう。

そんなことを話しているデレは、楽しそうだ。
しかし、彼氏と二人きりの時のデレはその笑顔を見せているのかが、不安になった。

――…



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:19:27.70 ID:CsoimlSv0

それからまたしばらく経った、とある休日の雨の日。

家で惰眠を貪っている俺の家のインターホンが鳴り響いた。
しばらく俺はそのままにしていたが、今日は家には両親がいないということに気づいたらしく、慌てて玄関に向かう。

ドアの先には、全身を雨で濡らしたデレが立っていた。

( ゚∀゚)「……デレ!? お前傘も差さずに何やってんだ!? トトロかお前は!?」

状況を理解出来ずワケの分からんボケをしている俺。
ってかトトロは傘を差していたような気がする。

しかし、そのボケにツッコミを返すどころか、何も言わないデレ。
俺が顔を覗き見ると、そこには表情はなく、涙と雨がごっちゃになっていて、泣いているのかも分からない状況だった。

何か、あったのか。

( ゚∀゚)「……とりあえず上がれ、このままじゃ風邪引くから、どうにかしよう」

そう言うと、デレは小さく頷いた。

とりあえず彼女にそのまま風呂に入るように指示を出して、何か着替えを探す。
俺が行動している中、思考を巡らせる。
いったい何が起きたのだろうか、と。



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:20:30.84 ID:CsoimlSv0

考えられるのは……やはりあの彼氏だろうか?

ここからはあまり想像はしたくないが、そういうことが起きてしまったのだろうか?

だとすれば、あの時の俺の判断は大いに間違っていたということになってしまう。
まぁ、何にせよ、デレ自身から聞かなければ本当のことは分からない。

彼女が風呂から出るまで、あまり時間はかからないはずなのに、ひどく長く感じた。



 結論から言えば、俺が予想していたような、最悪ではなかった。
 ただ単純に、彼氏と別れてしまったというだけだった。
 どうして?
 そんな疑問だけが頭に集中する。



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:21:41.29 ID:CsoimlSv0

ζ(゚ー゚*ζ「……一緒にいて、楽しかったよ。すごい楽しかったんだよ、彼と過ごした時間は」

( ゚∀゚)「そっか」

ζ(゚ー゚*ζ「でも私は、あの人のことを好きじゃ、なかったんだ」

( ゚∀゚)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「勿論、友達としては好きだったよ? けど、それ以上の想いは見つけられなかったよ。
     だから彼がそれ以上を望んだ時、私は応じることが出来なかったの」

( ゚∀゚)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「私は正直に言って、彼もそれを受け入れた。だから、別れたの」

( ゚∀゚)「……そっか」

最後の言葉は飛躍していたが、何となく理解出来る。

相手から友達以上の好意はないと言われれば、恋人の関係を継続しているのは辛いだろう。
それは人それぞれだ、それで別れたって彼を攻めることは出来ないし、デレも攻めることは出来ない。

そして、また。

その後友人としての関係を継続し続けていられる人達ばかりじゃあ、ない。



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:23:22.09 ID:CsoimlSv0

世の中、しぃみたいなヤツばかりじゃないのだ。
フラれてしまえば、相手と会いたくなくなる気持ちも分かる。

ζ(;ー;*ζ「人と別れるのって、辛いね」

( ゚∀゚)「そうだな。それは恋人だけじゃなくて、友達と別れるのも、とても辛いよ」

ζ(;ー;*ζ「うん、私はいつもジョルジュと一緒だったから、初めて知った」

( ゚∀゚)「そうかもしれないな」

ζ(;ー;*ζ「辛いね……本当に辛い」

( ゚∀゚)「じゃあ、もう誰かと知り合ったり、近づいたりするのは、やめるか?」

それは、
我ながらきわどい言葉だと思う。

もしも、これをデレが肯定してしまったら、彼女はずっと弱いままになるかもしれない。
そんな可能性を秘めている言葉。

しばらく、無言の時間が経過する。
それはとても短くてとても深い時間、デレは小さな声で、けれどはっきりと言った。



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/26(日) 11:25:06.31 ID:CsoimlSv0

ζ(;ー;*ζ「辛いけど……それ以上に楽しかったから」

( ゚∀゚)「そうか、それじゃあ、頑張ろうぜ」

ζ(;ー;*ζ「……」

( ゚∀゚)「まぁ、でも今だけは……とりあえず泣いとけ、そしてまた明日から笑顔で学校だ」

ζ(;ー;*ζ「…………うん」

彼女は、また泣き始めた。
俺がその辺の色男だったりしたら、抱きしめてやったり頭を撫でてあげたり出来るのだろうけど。
俺の役割は彼女と一緒にいることだから、それ以上のことは出来ない。

ただ、そばに居てやる。
彼女が泣き止むまで、ただその傍に居る。

……想いはいつの間にか重なっていたらしく、すでにこの世界で自由に動けるようになっていた。

思い出したのは今過ごした時間の記憶。ここからは記憶そのものを辿って思い出していくらしい。
それじゃあとっとと世界を崩壊させて、先に行こう。

ただ、一言だけデレに向けて言わせて欲しい。

ただ、一言だけ。

( ゚∀゚)「……頑張ったな」



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