( ^ω^)俺がブーンを育てるようです
- 7: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 20:42:22.13 ID:PM5CRyFY0
――放課後
(´・ω・`) 「集合!」
(´・ω・`) 「五月に入り、夏の総体まで二ヶ月を切った。なので、今回は一年生の種目決めをしようと思う」
( ^д^)9m (俺には中距離しかねぇな!)
(*゚∀゚) (私は……自分で決めるより、適正を見極めてもらうさね)
( ^ω^) (僕は短距離がいいお……)
( ´∀`) (モナは激しい種目は嫌だモナ……お腹すいた)
ノパ听) 「さあ、ウォーミングアップ開始だ! いつものメニューだぞ!」
( ^д^)9m (*゚∀゚) ( ^ω^)( ´∀`) 「はい!」
- 9: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 20:48:17.84 ID:PM5CRyFY0
- ノパ听) 「ヨーイ、ドン! ……ヨーイ、ドン!ほらほら、ブーン! もっとペース上げろおおおおお!」
(;^ω^) 「は、はひっ!」
木村 「ショボン……今回はどのように考えているんだい?」
(´・ω・`) 「大体は決まってるんだけどね。ちょっとまだ決め損ねてる人がいるんだ」
木村 「ハードルなら、俺がバンバン指導できるぞ」
(´・ω・`) 「ありがとう、木村。でも今回は、ハードルに適してるやつはいないみたいだ」
室犬 「砲丸投げなら、いつでも俺が指導できますよ」
(´・ω・`) 「よし、木村。俺らもウォーミングアップ開始だ」
木村 「そうだな」
室犬 「……」
室犬 「我慢はダメージを受け続けた分、倍にして返すんだぜ……」
- 12: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 20:55:21.59 ID:PM5CRyFY0
- 木村 「よし、ウォーミングアップも済んだな。それでは種目決めをする」
木村 「だがその前に……ショボン」
(´・ω・`) 「ああ。実は、もう三人の種目は決めてあるんだ。残る一人にだけ、テストを受けてもらう」
ざわ……ざわ……
(´・ω・`) 「プギャーは、3000mだ。これはもちろん実績から考慮した結果だ」
( ^д^)9m 「ですよねー」
(´・ω・`) 「つーは……短距離走。君には、天性の俊敏性を感じた」
(*゚∀゚) 「ほ、褒めても包丁しか出ないさね!」
(´・ω・`) 「そして最後は……」
(;^ω^) (dkdk……)
(´・ω・`) (ふふ、焦らして不安を増長させてやるか)
( ´∀`) (あ、おいしそうなチョコバー!……木の枝だったモナ)
- 15: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:02:09.45 ID:PM5CRyFY0
- (;^ω^) (早く言ってくれないかお……僕だけ決まってないとか無しにしてほしいお)
(;´∀`) (あ、そういえば冷蔵後にお刺身が残ってたモナ。早く帰って食べないと、痛んでしまうモナ)
(´・ω・`) (ふふ……二人とも焦ってるね。まだまだ焦らすよ……)
室犬 「喜べ!モナーは、俺と同じ種目だぞ!」
(´・ω・`) (まだまだ焦らして……。……)
( ´∀`) 「え? あ、はいですモナ(お刺身! お刺身!)」
(;^ω^) 「決まってないのは僕かお……」
(´・ω・`) ショボーン
- 18: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:08:05.01 ID:PM5CRyFY0
- 木村 「と、いうことだ。これからブーンは種目決めをする」
( ^ω^) 「は、はいですお」
木村 「短距離走、走り幅跳び、走り高跳び。この三つをテストする」
( ^ω^) 「……」
木村 「さあ、すぐにでも始めるぞ。体をもう一度温めて来い」
( ^ω^) 「わかりましたお……」
(♯´・ω・`) 「死ね! 氏ねじゃなくて、死ね!」
室犬 「ガッチムチ! ガッチムチ!」
- 22: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:11:25.93 ID:PM5CRyFY0
- (´・ω・`) 「さて、まずは走り幅跳びからだ」
( ^ω^) 「は、はいですお!」
タッタッタッタ
(´・ω・`) (正直、これは期待はできないんだがな……)
( ^ω^)ノ 「ブーン、いっきまーす!」
タッ、タッ、タッ、タッ
タッタッタッタッタッタッタ
タタタタタタタタ……
ザシュッ!
ノパ听) 「おおおおおおおおお!」
( ^д^)9m 「……」
- 24: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:20:04.59 ID:PM5CRyFY0
- /⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
| / 高記録、出すお!
( ヽノ タッタッタッタ……
ノ>ノ
三 レレ
- 26: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:20:36.19 ID:PM5CRyFY0
⊂⌒ヽ (⌒⊃
\ \ /⌒ヽ / /
⊂二二二( ^ω^)ニニ二⊃ 空も飛べるはず!
\ \_∩_/ / ザシュッ!
( (::)(::) )
ヽ_,*、_ノ
///
///
- 28: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:22:32.95 ID:PM5CRyFY0
/⌒ヽ
(^ω^ )
/| ヘ ……なーんてにゃ ───
//( (\\ ピタッ |3M|
⊂/ ( < ω > )\⊃ ───
∠」 └-ヽ ||
(;´・ω・`)「こりゃあかんな……ボツ」
ノパ听) 「走り幅跳びを甘く見たな! ばか者め!」
(;^ω^)「うう……。面目ないお」
木村 「しゃーない。次は短距離走だな」
- 29: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:27:40.14 ID:PM5CRyFY0
( ^ω^) (短距離そうかお。正直、一番気が楽だお)
( ^ω^) (とりあえず一生懸命走るだけだお!)
木村 「いちについて、ヨーイドン!」
ダッ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン !!
(´・ω・`) (速いな……)
タッタッタッタッタ…… ピッ!
室犬 「このタイムは……!」
(;^ω^)ハァハァ (……!?)
- 30: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:30:46.83 ID:PM5CRyFY0
木村 「いくつだったんだ? 室犬」
(´・ω・`) (これは……かなり期待できそうだ)
(*゚∀゚) (とんでもなく速かったさね)
( ^ω^)(僕の……僕のタイムは――!)
室犬 「ごっめ〜ん!押し忘れちゃった、テヘ☆」
(´・ω・`)「……」
木村 「……」
( ^ω^)「……」
室犬 「自重します……」
- 31: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:35:55.23 ID:PM5CRyFY0
- (´・ω・`)「しょうがない。室犬は後でフルボッコにするとして、高飛びでもやろうか」
(;^ω^)「え!? タイムはもう計らないのかお!?」
(´・ω・`)「タイムだけが評価じゃない。だから、次へ行こう」
( ^ω^)「は、はいですお……」
木村 「全く……なんで押すことくらいできないんだ」
室犬 「副部長、今日って追い風じゃありませんよね?」
木村 「ああ、むしろやや向かい風だな」
室犬 「そうですか……。これを見てください」
木村 「……? なんだ、ちゃんとタイム計っていたんじゃない……か」
室犬 「信じられますか?」
木村 「いや、信じられない」
室犬 「だから自分も、嘘をつきました」
木村 「……12秒01か」
- 32: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:38:35.42 ID:PM5CRyFY0
木村 「今年の一年は期待できるかもしれんね」
室犬 「そうですね。先輩の俺もウカウカしてられません」
木村 「ああ、お前には期待してないから、安心して抜かれろ」
室犬 「……トホホ」
木村 「まあ、でもこの部活を背負って立つのは……」
- 33: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:41:26.04 ID:PM5CRyFY0
- 木村 「ブーンかもしれないな……」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ←バー
i⌒i⌒i
| ヽ
/ 人__ヽ∩
/ / ヽ 飛べるわけありませーん!
/ / ● ● |
( | ( _●_) ミ
\ 彡、 |∪| (
\ ヽノ `ー´⌒\
\ /\ \、
\ / (  ̄)
\ | ( ̄ ̄ ̄ ̄)
\ ヽ/ / ̄ ̄
\__/
↑ブーン
(;´・ω・`) 「1m20、失敗っと……」
- 36: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:45:21.16 ID:PM5CRyFY0
- ―― 1の家
1 「……」
1 (最近、心なしか俺の出番が少ないような……)
1 (まあ嫁に比べたら……。って、不謹慎だなww)
1 (まだブーンも帰ってきてないし、エマニエル夫人でも見るか)
ウィーン……
ガチャ
1 「やべ!!」
ピッ! ……シーン
( ^ω^) 「ただいまだおー! 疲れたお!」
1 「あ、ああ。お帰り」
( ^ω^) 「なんか様子が変だお?」
1 「ぜ、ぜぜぜぜぜぜんぜん普通でよー!」
- 39: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:48:50.43 ID:PM5CRyFY0
( ^ω^) 「ま、いいお。お腹すいたから、飯でも食べるお!」
1 「オッケ〜ィ!」
( ^ω^) 「……」
1 「……」
( ^ω^) 「テレビでも見ようかお……」
1 「ダメ、ゼッタイ」
( ^ω^) 「テレビ……」
1 「ダメ、ゼッタイ」
( ^ω^) 「……」
1 「……」
- 41: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:52:10.96 ID:PM5CRyFY0
1 「さ、飯食べようか」
( ^ω^)(後で絶対、テレビつけるお)
1 「ブーン、学校はどうだ?」
( ^ω^) 「お! 毎日が楽しいお!」
1 「そうか、良かったなぁ。心配してた部活も、楽しそうだしな」
( ^ω^)「おっおっおっ! そういえば、今日種目決めがあったんだお!」
1 「へー、でどうだった?」
( ^ω^)「短距離走に決まりました!」
1 「ほ〜、得意分野でよかったなぁ」
(;^ω^)「だおだお!(他のがひどすぎるなんて言えないお……)」
- 42: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:55:15.95 ID:PM5CRyFY0
1 「おっと、嫁にご飯やってくるわ」
( ^ω^)「了解、だお」
キィ……パタン
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「テレビつけるかお」
ポチッとな
エマニエール アハハンアハハン エマ、エマ、エマワトソン
エマニエール……
(*^ω^)「ぺろっ……これは大人の味!」
1 「やべ、エマニエル夫人忘れてたわ……」
- 44: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 21:59:12.48 ID:PM5CRyFY0
- チーン……
1 (さっき、俺の出番が減ったきたなんて思ったけど)
1 (きっと、それだけブーンが成長したんだと思う)
1 (俺の手なんかいらず、ブーンが一人で歩いていくから……)
1 「……嫁」
1 「俺ってブーンの為になにかしてやれてんのかなぁ」
1 「あいつがどんどん成長して、もう追いかけることもできてないかもしれない」
1 「……」
(*^ω^) 「おーん! おーん! エマニエール!……」
( ^ω^) 「さて、ビデオ消すかお」
- 49: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/04(火) 22:06:33.86 ID:PM5CRyFY0
- 俺は考える。
自分の、父親としてのあるべき姿を。やらなければいけない事を。
ブーンの飯を作る、ブーンの話を聞いてやる、ブーンの為に働く。
それだけで、俺のやるべきことは足りているのだろうか。
……というか、これ以上俺にできることが思い浮かばない。
ブーンはすっかり成長した。徐々に一人歩きしてきている。
俺を置いて、先に進む。
この先、なにかブーンの身に起こっても、ブーンは自分で解決してしまうんだろうか。
解決できるにこしたことはない。ただ、親としては少し寂しいだけで……。
なんかつまらない報告になっちまったな。寝ていたのに、起こしちゃって申し訳ない。
嫁も一緒に願ってくれ。
きっと、明日も楽しい日常でありますように。
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