( ^ω^)俺がブーンを育てるようです

5: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:08:46.50 ID:2jPG9R2t0

ブーンはすぐにでも学校へ行くと言ったが、矢部医師は許してくれず、結局一週間後退院となった。
明日からは、ブーンが再び学校へ行くことになる。

そう思うと、俺も不安なわけで。
いや、きっとブーンのほうが不安でいっぱいだろう。

しかし、人間には人生の中で越えなきゃいけない壁があるんだと思う。
ブーンはもう三度目だけど……

人生は平等じゃない、とますます実感する今日この頃だ。



6: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:11:48.83 ID:2jPG9R2t0

――あきる野市民病院

1 「本当にお世話になりました」

矢部医師 「いえいえ、これからが大変な時でヤンス」

( ^ω^) 「また、パワ○ロの相手してやんよwwwww」

1 「こ、こらっ! そんな口聞くんじゃない!」

矢部医師 「かかってこいでヤンス!そういえばあのキャラが……」

( ^ω^) 「あー、それはねー……」

1 「……」

1 「ロビーで待ってるか……」



9: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:17:18.43 ID:2jPG9R2t0

――ロビー

1 「ふー……。やっと退院か」

1 「それにしても、これからが問題だn 「おい!!」

1 「んあ?」クルッ

夜神レフト 「君は……1じゃないかい?」

1 「あ、ああ……(こいつ誰だっけ?)」

夜神レフト 「懐かしいなぁ、元気か?」

1 「ああ、まぁ……(どーしよ、カマかけてみるか)」



15: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:22:14.55 ID:2jPG9R2t0

1 「えっとー、この間お会いしましたよね?」

夜神レフト 「え?」

1 「ああ、昨年の――」

夜神レフト 「は?」

1 「ああ、高校時代の――」

夜神レフト 「ふざけるなっ! この僕を、夜神レフトを忘れるだとっ!?」

リュークン 「レフト……可哀想な子」



23: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:28:26.26 ID:2jPG9R2t0

1 「あ、夜神君か。小学校の時の」

夜神レフト 「ああ、やっと思い出したか」

1 「いつ以来だ?」

夜神レフト 「君の結婚式以来じゃないかな?かな?その後、嫁とはどうだい?」

1 「六年前に、事故で……」

夜神レフト 「そうか……。すまない、大変な生活送ってるんだな」

1 「なんとか頑張ってるよ。ところで、夜神君は今なにやってんの?」

夜神レフト 「僕かい? 新世界の神をやってるよ」

1 「そうか……。すまない、大変な病気を持ってるんだな」



夜神レフト (病気?僕は病気なんて患ってないぞ)

リュークン 「ククッ、お前の頭に聞いてみな」



33: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:33:54.70 ID:2jPG9R2t0
1 「ところで、今日は何の用事だい?」

夜神レフト 「知人が退院するんでね、挨拶にきたのさ」

1 「そうか、奇遇だな。俺の息子も今日退院するんだ」

夜神レフト 「子供もできたのか。一度、見てみたいな。事故かなんかかい?」

1 「いや、ちょっとストレスで倒れちゃってね。クラスで色々あったらしくて」

夜神レフト 「可哀想に。僕も教師をしているが、それは担任のミスだよ。息子さんの異変に気づけなかった担任が悪い」

1 「そう言ってもらえると、ありがたいよ……」

夜神レフト 「なに言ってるんだよ、友達じゃないか」

1 「夜神君……」



43: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:42:02.96 ID:2jPG9R2t0

夜神レフト 「ま、教師の僕に任せてくれれば、その担任に説教くらいしてあげよう」

1 「ありがとう。お、息子が来たようだ」

夜神レフト 「僕の知人も来たようだ。それじゃあ、これで」

1 「ああ」

⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン ♪

1 「ちょwww 病院で走るなwwwww」

夜神レフト 「おいおい、退院祝いに来たのに元気だな」



51: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:46:28.84 ID:2jPG9R2t0

(^ω^) 「お?」

1 「こっちみんなwwwww」

夜神レフト 「こっち見ないでくれ……」

1 「ん?」

夜神レフト 「ん?」

1 「……」

夜神レフト 「……」

( ^ω^) 「あれ? トーチャンと先生って知り合いなのかお?」




夜神レフト 「僕はこれで……」

1 「待ってくれないか^^」



62: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:52:04.82 ID:2jPG9R2t0

夜神レフト 「……」

1 「……」

夜神レフト 「本当に申し訳ない!」ガバッ

1 「……」

夜神レフト 「僕が気づいてさえいれば、こんなことにはならなかった。僕は本当に馬鹿だ」

夜神レフト 「本当にすまなかった!」

1 「……」

(;^ω^) 「それなんて土下座?」




リュークン 「新世界の神が土下座とか、チョ〜うけるんですけど〜」



72: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 21:57:45.98 ID:2jPG9R2t0
夜神レフト 「……」

1 「……」

(;^ω^) 「……トーチャン」

1 「……夜神君」

夜神レフト 「……」

1 「確かに君に過失があったかもしれない」

夜神レフト 「……」

1 「でも、土下座はやめないか?俺たち、友達だろう?」

夜神レフト 「1……」

1 「代わりと言っちゃあなんだが、ブーンがクラスにうまく復帰できるように協力してくれ」

夜神レフト 「あ、ああ……!」

1 「ちゃんと約束は守ってくれよ!」

夜神レフト 「もちろんさ!」



80: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 22:02:39.80 ID:2jPG9R2t0

( ^ω^) 「あの〜話が読めないんですが」

1 「ログ参照」

( ^ω^) 「は?」

夜神レフト 「ログとは、履歴、情報をとっておくこと。またその情報のこと。つまり、このスレを読めと言うことさ」

( ^ω^) 「は? 意味わかんねーこと言ってんじゃねぇお。ここは現実世界だお。2chの中じゃねぇんだお」

( ^ω^) 「今までと変わらない、普通の世界なんだお。わかったかお、妄想カス共」

1 「はっ……俺は一体なにを」






夜神レフト 「ここは普通の世界? 新世界じゃなかったのか!?」

リュークン 「レフト、ここの医者が診察受けるように、だって」



84: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 22:07:56.77 ID:2jPG9R2t0

―― 1の家

ガチャ

1 「ふ〜、疲れたぁ」

( ^ω^) 「ただいま、だお」

1 「そうか。ブーンにとっちゃただいまだなwww」

( ^ω^) 「やっぱ家が一番だおwwww」

1 「お前外出禁止なwwww ずっと一番の家にいろwwww」

( ^ω^) 「てめぇwwww」


――病院

夜神レフト 「L……。こんなことをしても意味はない。監禁なんてやめて、すぐに僕を開放するんだ!」

矢部医師 「僕はLじゃないでヤンス。それから、脳波に異常がないか検査するでヤンス」



89: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 22:11:57.40 ID:2jPG9R2t0

1 「なあ、別に明日すぐに学校行かなくてもいいんだぞ?」

( ^ω^) 「僕は行きたくてしょうがないんだお」

1 「でもさぁ……」

( ^ω^) 「乗り越える壁は、待っていたってやってこないお。自分から向かっていかないと」

1 「そうか。じゃあ、今日は早く寝ような」

( ^ω^) 「把握だお。おやすみお」

1 「おやすみ……」

1 (明日、明日が怖い。夜神君もいるから大丈夫だとは思うが……)

1 (……頑張れ、ブーン)



95: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 22:15:55.00 ID:2jPG9R2t0
――病院

矢部医師 「異常があったでヤンス。2、3日入院するでヤンス」

夜神レフト 「頼む! 友人との約束を守らなくちゃいけないんだ!休んでる暇はないんだ!」

矢部医師 「友人、などの架空の人物を取り上げる。これは、妄想でヤンス。脳が危ないでヤンス」

夜神レフト 「頼むから……」

矢部医師 「あなたに友人はいないでヤンス。はい、三回復唱するでヤンス」

夜神レフト 「私に友人はいないでヤンス。私に友人はいないでヤンス。私に友人はいないでヤンス」

夜神レフト 「……」

夜神レフト 「あれ? 僕に友人なんていたのか?」



リュークン 「病院って怖えー」



107: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/07(金) 22:21:26.82 ID:2jPG9R2t0

不安。不安。不安。
俺の心を占めるのは、不安という感情ばかり。
俺でさえ、こんな気持ちになるのだから、ブーンの心情はどれほどのものなのだろう。

これほど夜明けが怖いと思ったことはない。
嫁が死んだ晩さえこれほど恐怖にはかられなかった。

頼む、頼むから――

明日、ブーンが心からの笑顔で帰ってきますように。



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