( ^ω^)は18歳になったようです
- 24: 第二話 :2007/09/04(火) 01:12:14.64 ID:7/E2CeXQ0
- 第三話『怪物』
拝啓
皆さん、ボクらは何時もの如く隣町の本屋に来ています。
未だ購入までは到っていないものの、あの領域から2m以上の距離ならば平静を保てる様になりました。
( ^ω^)「おっおっ、この調子ならもうすぐ買えるんじゃないかお」
( ゚∀゚)「だな。やっぱ俺らは無敵だぜ」
ボクらが組めばどんな困難にも打ち勝てるし、勝てる者など存在しない。
二人とも、そう心から確信していた。
だが……その根拠のない自信は、ある男の登場によって打ち砕かれた。
('A`)「あ……これにすっか」
やる気が全く無いかの様な言動と格好でエロ本コーナーに侵入したその男。
適当にエロ本を手に取った様にしか見えなかった。
だからこそ……
- 25: 第三話 :2007/09/04(火) 01:13:18.12 ID:7/E2CeXQ0
(;^ω^)「なっ……」
( ;゚∀゚)「まじ……かよ……」
だからこそ、ボクらは戦慄した。
あらゆる動作が自然すぎたのだ。
しかも、自然さの中にあらゆる動作が含まれている。
表紙に記載された作品名、作家名のチェック、表紙の絵師名。
そして……いや、これはボクの予想にしか過ぎない。
こんな事が出来る人間がいる筈が無い。人間にこんな事が出来る筈が無いんだ!
(; ω )「……ある筈が無いお」
(; ∀ )「……ある筈がねえ」
(; ω )「アイツ……あの一瞬で、金額、厚み、作家。その三つを統合して……」
(; ∀ )「……一番コストパフォーマンスの高い奴を選びやがった」
思わず腰が抜けそうになるが、そんな事は許されない。
ボクらはあの化け物の挙動全てを目に焼き付けなければならない。
天が与えてくれた機会を逃す訳には行かないのだ。
- 26: 第三話 :2007/09/04(火) 01:15:02.34 ID:7/E2CeXQ0
(;^ω^)「み、見失っちゃ駄目だお!」
(;゚∀゚)「分かっている、奴はレジに向かっている!」
ボクらは奴を舐めてなどいないつもりだった。
だが、エロ本コーナーさえ抜ければ後はどうとでもなる。
心のどこかでそんな事を考えていたのかもしれない。
だからこそ、そんな甘えた気持ちを粉々に吹き飛ばされてしまったのだろう。
そして――――ボクらはレジで更なる戦慄を味わう事になった。
第三話『副題:不審者ってレベルじゃねーぞ』糸冬
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