( ^ω^)は18歳になったようです

29: 第四話 :2007/09/04(火) 01:16:09.15 ID:7/E2CeXQ0
第四話『神業』

(; ω )「まさか……」

(; ∀ )「なんて事を……」

奴がレジに差し出したのは一冊、あの時チョイスしたエロ本だけ。
考えられない。まさか、カモフラージュをしないなんて。
エロ本のカモフラージュは、隣町の本屋と並ぶ基礎中の基礎の筈。
それをやらないなんてありえない。
あの奇跡的な挙動の一つ一つが偶然だったというのかッ!

(  ω )「アレはたまたまだったのかお……」

ボクは正直失望していた。
アレほどの行為を一瞬で行う歴戦の勇者と思われる男。
彼がこんなイージーミスを犯すなんて……

(;<○>∀<○>)「……違うッ!アレは全て計算済みの行為なんだッ!」

(;゚ω゚)「おまっ!きめええええええええええええええええ!」

限界以上に目を見開いたジョルジョの叫び。
ボクはその顔のキモさの余り、その言葉の意味に気付く事が遅れた。



31: 第四話 :2007/09/04(火) 01:17:31.43 ID:7/E2CeXQ0

(´・ω・`)「税込みで650円になります」

('A`)「じゃ、丁度で。それと袋はいいです」

(´・ω・`)「ありがとうございました。またお越しくださいませ」

( ゚ω゚)「――――ッ!」

言葉が浮かばない。
確かに、確かに複数の本を買えば紙袋に入れるペースが遅れる。
そもそも袋に入れる時点でかなりの時間を必要とする。
ならば単品、袋なしなら時間は劇的に短縮されるだろう。
だが、一歩間違えば変態扱い。奴はそれが怖くないのか?

( ∀ )「あれが……」

(  ω )「もう、言うなお……」

もう、ボロボロだった。
入店したときに満ち溢れていた自信。そんなものはとうに朽ち果てていた。
そしてついさっき、まさに神業としか言えない行為を見た時、ボクは確かに聞いたんだ。
枯れ木の折れる様な、心にヒビの入る音を。

第四話『副題:敗北の味は酷く苦く』糸冬



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