( ^ω^)は18歳になったようです
- 36: 第六話 :2007/09/04(火) 01:21:32.66 ID:7/E2CeXQ0
- 第六話『毒男』
('A`)「はぁ……恥、捨ててるよなぁ」
公園のベンチに座り、つい先ほど買ったエロ本を見つめながら、俺はため息を吐いた。
初めてエロ本を買った時の事は、今でも目を閉じれば思い浮かぶ。
中一の冬休み、お年玉を握り締めて近所の駄菓子屋で買った。
あのときの胸の熱さ、初めてエロ本で抜いた時の感動は今でも思い出せる。
だが、20になった今はどうだ。
恥じらいなどどこにも無い。ときめきもどこにも無い。
エロ本はエロければ、あとはどうでもいい。
そんな浪漫も糞も無い思考だけでエロ本を買っている。
('A`)「彼女もいねえしなぁ……かといって……」
風俗は駄目だ。あれは値段が高すぎる。
一発抜くのにヘルスならエロ本13冊分、ソープに到っては50冊分だ。
そんなコストパフォーマンスの悪いものに貧乏学生が金を出せる訳が無い。
- 38: 第六話 :2007/09/04(火) 01:23:04.07 ID:7/E2CeXQ0
('A`)「ハァ……」
俺は何をやっているのだろう。
体が丈夫な訳でもない。頭が良い訳でもない。
ただ漠然と周囲に流されて大学へと進学し、そこで意欲的に何かを学ぼうという事も無い。
ただ適当に授業を受け、単位を取れればどうでも良いなどと考えている。
多分、ずっとこのままなのだろう。
好きな人に告白も出来ないまま就職し、漠然とした日常を過ごすのだろう。
童貞のまま。
('A`)「……欝だ……」
死のうかな。どうせ良い事ないし。
そんな事を考えながらページを捲る。
目に映るのは目の大きな少女が恥らいながらセーラー服を脱ぐ姿。
何気なく話を追ってみると、どうやら弟が借りたDVDを割ってしまったらしい。
('A`)「いやもうありきたりすぎだろ……」
何たるありがち。何たるドジッ子姉。何たる意外とでかい胸。
ああもう大好きだ。エロいの大好きだ。
食費削ってエロ本買っちゃうくらいに大好きだ。
もうやっちゃうぜ。漫画と一緒にやっちゃうぜ。
- 41: 第六話 :2007/09/04(火) 01:25:05.47 ID:7/E2CeXQ0
(*'A`)「DVD!DVD!」
(*^ω^)「「DVD!DVD!」」(゚∀゚*)
(*'A`)「DVD!DV……あれ?」
(*^ω^)「「DVD!DVD!」」(゚∀゚*)
(;'A`)「……」
……なんなんだこいつらは。いったいどこから現れた。
何でこんなにノリノリなんだ。訳が分からん。
(*^ω^)O彡゚「「DVD!DVD!」」゚ミO(゚∀゚*)
それにしても、何でこいつらはの目はこんなに輝いているのだろう。
なんで、俺の眼にはこいつらが眩しく映るのだろう。
……そいつは考える迄も無い事だった。
きっと、こいつらは俺が無くしたあの頃のときめき。
そいつを持っているんだろう。
だから、俺はこいつらから眼が離せないのだろう。
第六話『副題:こんな絡まれ方はいやだシリーズより抜粋』糸冬
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