( ^ω^)は18歳になったようです
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 00:35:00.88 ID:dQUjj5lz0
- 第八話『講習』
師曰く、エロ本購入というものは非常に恥ずかしいものだ。
長年購入してきた自分でさえ、レジが女子なれば時間を改めてしまう。
自分でさえそうなのだ。若輩者の貴君らでは、男の店員でも失禁してしまうだろう。
だが、それらは全て心の問題なのだ。
だからお前ら、
(’A`)「恥は捨てろ。それが一番手っ取り早い」
(;^ω^)「……」
(;゚∀゚)「……」
言葉一つ出ない。まさに絶句。そうとしか言い様が無かった。
ボクらはスケベと呼ばれる事を何よりも恐れるピュアボーイズ。
トイレに行く時は「お花を摘みに」と、頬を染めながら言ってしまうピュアボーイズ。
大の時は「世界に一つだけしか咲かない花を摘みに」そう言ってしまうほどの純情さ。
そんなボクらが恥を捨てるなど……
- 7: 第八話 :2007/09/06(木) 00:38:02.08 ID:dQUjj5lz0
('A`)「無理、だろうな。だから最初に教える事は、恥の軽減方法だ」
(;^ω^)「それを早く言ってくださいお」
(;゚∀゚)「心臓が止まるかと思いましたよ」
('A`)「まずは格好。とにかく無難な格好を選べ」
なるほど、木を隠すなら森の中と言う所か。
その点においてボクは完璧だろう。何故なら
('A`)「まずブーンはアウト」
(;^ω^)「えっ、何でですかお?」
('A`)「お前、黒尽くめとか……厨二病丸出しの格好じゃ誰だって覚えるぞ」
(; ω )「あああ……」
( ゚∀゚)「じゃあ俺はセーフですか?」
('A`)「全然。パンツイン、リュック、バンダナにケミカルウォッシュ。その組み合わせはオタ過ぎる」
(; ∀ )「ぐはぁ……」
('A`)「店には不特定多数の客が来るんだ。だから、普通は一々客の顔など覚えていない。けどな」
- 9: 第八話 :2007/09/06(木) 00:39:49.56 ID:dQUjj5lz0
- 唐突な沈黙。
その沈黙は重く、たった何秒間かの時間がまるで数時間の様に長く感じられる。
そして……師匠が小さく溜息を吐いた後、ようやく次の句が紡がれた。
('A`)「特徴的な奴ってのは、嫌でも覚えちまうんだよ」
(;^ω^)「つまり、この格好ではアウトって事ですかお?」
(;゚∀゚)「普通の格好だと思ったんだけどなぁ……」
('A`)「……お前らの格好なら、厨二病とガチヲタってとこか」
(;^ω^)「それって、なんですかお?」
('A`)「何って、渾名だよ渾名。特徴的な奴はな、渾名が付けられちまうんだよ」
(;゚∀゚)「まさか店員が俺を見ながらひそひそ話してたのって……くぁせdrftgyふじこp;@」
唐突に奇声を発しながらのた打ち回るジョルジョ。
きっと思い当たる節があったのだろう。
その点ボクは……
- 10: 第八話 :2007/09/06(木) 00:41:28.93 ID:dQUjj5lz0
- (;゚ω゚)「くぁせdrftgyふじこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉまいがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
思い当たる節がありすぎて死んだ。
百万十回死んだ。百万回生きた猫余裕で越えた。ナンテコッタイ。
今まで、「あのハニーフェイスな坊やってかわいくない?」と言っていると思っていたアレ。
「母性本能くすぐるって言うか、可愛い系って言うか」と言っていると思っていたアレ。
それらは全て嘲笑だったのか。
もういいや、どうせだから百万十一回目に突入しとこう。
( ω )「あばばばばばばばばばば」
( ∀ )「あががががががががががが」
〜〜〜
('A`)「落ち着いたか?」
(;^ω^)「ご迷惑おかけしましたお」
(;゚∀゚)「サーセン」
- 12: 第八話 :2007/09/06(木) 00:44:01.71 ID:dQUjj5lz0
- ('A`)「よし、それじゃあユニクロ行こうか」
( ^ω^)「あ、ちょっと待ってください」
('A`)「ん、庶民の味方ユニクロに何か問題でもあるのか?」
( ^ω^)「いえ、そうじゃなくてですね、学生服なんてどうですかお?」
師匠は最初の方で目立たない無難な格好と言った。
ボクはその言葉で、一つの名案が浮かんだのだ。
夏休みではあるものの、補修や部活などのせいか、学生服を着ている人間は結構多い。
ならば学生服はカモフラージュになるのではないか。そう考えたのだ。
だが
( ゚∀゚)「あれ、師匠?」
( A )「……それだけは止めとけ」
……師匠の反応は、まるで昔の古傷を抉られた様な、悲壮感の漂うものだった。
見ているこちらまで死にたくなる様な、そんな死臭漂う表情。
いったい師匠の過去に何があったというのだろうか。
- 15: 第八話 :2007/09/06(木) 00:46:03.25 ID:dQUjj5lz0
- ( ゚∀゚)「なにか、あったんですか?」
( A )「友人がな、制服でエロ本を買おうとして……レジで説教されたんだよ。店員のババアに……」
(;^ω^)「うわぁ……」
なんという恥辱。なんという羞恥プレイ。
そんな事されてしまったら間違いなく本屋恐怖症か引きこもりコース。
本屋にそれほどまでに恐ろしい罠があったとは。
ボクらはその犠牲を無駄にしてはならない。その犠牲を糧にしなければ、彼も報われない。
(;^ω^)「で、その人は……」
('A`)「一時期引きこもってたけど……まぁ、今は元気だな。言動におかしいとこがあるけど」
(;゚∀゚)「……」
(;^ω^)「……」
第八話『副題:本屋には罠がいっぱい』糸冬
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