( ^ω^)あり得たかも知れない可能性が集まるようです

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/07(金) 20:28:57.28 ID:Q1tEEYiz0
「計画は順調に進んでいる」
ビルとビルの間。町の喧騒からは一歩遠のいた場所で、奴は言った。
黒のコートと目深に被った皮の帽子。
表情は見えないが、声の響きからして厳格そうな雰囲気は漂ってきている。

「内々に事を済ませるつもりか……?」
雑貨ビルの壁に背を預けながら、男へ返す私。
自分の長い黒髪が揺れ、長い沈黙があり、


「それがアンタの望みだろう」


低い重低音が響いた。
私は思わず笑い出す。

「確かにな」
「……俺は行くぞ。決行の日時は変わらない」

それだけ言って、男はまた道路へと歩みを進めた。
無言で見送り、私は摩天楼を仰ぎ見る。星一つない夜空は、洞々とした黒だけを身にまとっている。

すん、と鼻を駆け抜ける排気ガスの匂い。
ああ確か、男からは夜霧の匂いがしていたはずだ。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/07(金) 20:31:33.38 ID:Q1tEEYiz0
その5『誰の視点かわからないプロローグ』
ミステリー、推理小説と言った「誰の視点か」が重要な物語に最適だろうか。

『プロローグの持つ意味』が断然深くなる手法。
これをうまく使えるようになれば、きっと一人前だネ!
いやごめん、言いたかっただけです。ネ、って言いたかっただけです。

さてそれはさて置き。
その手のものは、プロローグで引き込む力は>>18に比べればガタ落ちするだろうか。
それでもプロローグの意味をばらした後の『なる程』と思わせる力はピカ一だ。


インパクトをとるか、スロースタターな深さを取るかは作者の配分次第だと思う。
最近でこの手法を取り入れたブーン小説はリプレイだろう。



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