( ^ω^)ブーンは砂漠に生きるようです
- 4: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:09:30.03 ID:/7cq6OqP0
第十七話「帰還」
('∀`)「本当に、ありがとうございました」
( ^ω^)「ドクオ、その笑顔ばっちりだお。
やっぱり、君は落ち込んでいる顔よりも笑ってるほうがかっこいいお!」
あれから。
ブーン達はドクオとの約束を果たし、アサヒ村を後にした。
プギャーさんの商売の方も無事終え、再び彼らは砂漠を横断する。
目指すは、VIP。
自分たちの、帰るべき場所。
( ^ω^)「皆、元気にしてるといいお」
ξ゚听)ξ「十日も経っちゃったから、ショボンさん、心配してるかもしれないわね。
早く顔を見せて安心させてあげましょ」
- 6: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:10:19.13 ID:/7cq6OqP0
( ,,゚Д゚)「あいつらも元気にしてっかな」
ξ゚听)ξ「あいつらって、流石兄弟のこと?」
( ,,゚Д゚)「ああ。俺がいねぇと締りがなくなるからな。
特に兄者の方がよ」
(;^ω^)「何となく、想像できるお……」
流石兄弟という名を聞いて、すぐに二人の顔が思い浮かぶ。
あの個性的な二人の兄弟。
確か、今は盗賊を辞め、バーボンハウスで手伝いをしているはずだ。
- 7: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:12:12.66 ID:/7cq6OqP0
( ,,゚Д゚)「帰ったら、ぱーっと酒でも奢ってやらんとな」
( ^Д^) 「いいですね。今夜はバーボンハウスで飲みましょう」
( ,,゚Д゚)「お、プギャーさんも飲みますかい?」
( ^Д^) 「ええ。あそこのお酒は美味しいですからね。
すっかり病み付きですよ」
そう話すプギャーを、ツンはにやにやと笑いながら見つめ、
ξ゚听)ξ「お酒じゃなくて、ペニサス姉さんがもくて(ry」
(;^Д^) 「さ、さあ、早くVIPに戻って一杯やりましょうか!
バーボンハウスの皆も心配してるでしょうし!」
ツンの言葉を遮り、プギャーは歩みを速める。
それを見て、ブーンとツンは苦笑いしながら、後を追った。
- 9: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:18:24.33 ID:/7cq6OqP0
※
日が沈み、昼間の暑さが嘘のように、冷たい風がVIPに吹き荒れる。
そんな中、ぽつんと佇む一軒のバー、バーボンハウス。
その店内で、二人の従業員……流石兄弟が、暇をもてあましていた。
( ´_ゝ`)「時に弟者よ」
(´<_` )「何だ? 兄者」
( ´_ゝ`)「トランプやらんか? スピードで勝負しよう」
客用の椅子に座り、トランプをテーブルに広げながら、兄者は言った。
それを見て、弟者はテーブルを拭く手を止める。
(´<_`;)「兄者、客は居ないが、まだ営業中だぞ」
( ´_ゝ`)「いーよいーよ、どうせこの時間は暇だし。
それに、ショボンとペニサスっちは二階でゴロゴロしてんでしょ?」
- 17: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:25:50.72 ID:/7cq6OqP0
(´<_` )「しかしだな……仮にも営業中のバーで、店員が遊んでたらまずいだろう」
( ´_ゝ`)「あーあー、OK、弟者。俺に負けるのが怖いのだろう」
(´<_`#)「む……そんなことはない。それに、スピードでは俺の方が勝ち越しているはずだ」
( ´_ゝ`)「どうかなー、インチキしてたんじゃないの?」
兄者がそう言うや否や、弟者が布巾を投げ捨て、席に着いた。
(´<_`#)「そこまで言うならやってやろう。ただし、手加減はしないぞ」
( ´_ゝ`)「ktkr」
兄者は、心の中でしめしめと思いながら、トランプを配る。
その時、バーボンハウスのドアが開いた。
- 22: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:30:35.52 ID:/7cq6OqP0
( ^ω^)「ただいまだお――――!!」
思い切りドアを開け、そう叫ぶブーン。
その声に、流石兄弟はドアの方を振り返り、
(;´_ゝ`)「あ、あんたは……!」
( ^ω^)「おっお! 久しぶりだお! 真面目に働いてたかお? 」
(;´_ゝ`)「確か、えーっと……」
( ^ω^)
(´<_` )「ブーン、戻ってきたか」
( ´_ゝ`)「おお、ブーン!! 久しぶりだなこのおこちゃまがっ!」
(;^ω^)「今、名前忘れてたおね……」
- 30: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:36:23.72 ID:/7cq6OqP0
ξ゚听)ξ「ただいまー! あ、何か凄く懐かしい」
(*´_ゝ`)「ツンちゃん! おかえりなさい!」
(´<_` )「ちゃっかりツンの事は覚えているとは、流石だな兄者」
ブーンに続いて、ツンも店内へと入ってくる。
そして、最後に現れたのは、プギャーとギコだ。
( ,,゚Д゚)「おう、おめーら元気にしてたかゴラァ!!!」
(;´_ゝ`)「お、おやぶ――――ん!!」
ギコを見るなり、両手を広げ、華麗な跳躍で飛び掛る兄者。
ソレに対し、ギコは拳を軽く握り、
( ,,゚Д゚)「元気そうだな、兄者」
(メ;´_ゝ`)「ぐぉ……この裏拳の鋭さは……間違いなく親分……」
裏拳で、その変態を止めてみせた。
- 43: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:44:21.59 ID:/7cq6OqP0
( ^ω^)「あれ? ショボンさん達はどこにいるお?」
倒れている兄者を無視し、ブーンはキョロキョロと辺りを見回す。
いつもならバーに常駐している、ショボンとペニサスが、見当たらなかった。
(´<_` )「二人なら、上の階で休んでるよ。
ちょっと待っててくれ、呼んで来る」
弟者はそう言い残し、階段を上がっていった。
ξ゚听)ξ「やっぱり我が家が一番ね。宿生活はどうも落ち着かなかったわ」
( ^ω^)「だおだお。久々に自分のベットで寝れるお」
十日しか離れていないというのに、妙に懐かしく感じる。
木製のテーブル、広々とした店内、お酒やフルーツの香り……。
それら全てが、ブーン達を懐古感でいっぱいにさせた。
( ,,゚Д゚)「ふぃー。おい、兄者!! 今夜は飲むぞ!! そこの棚で一番うまそうな酒をつげやゴラァ!!」
( ´_ゝ`)「オス!!」
そんなブーン達を他所に、ギコはカウンターに腰を下ろし、
早速、無断で酒を開け始めている。
- 48: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:50:50.64 ID:/7cq6OqP0
(´<_` )「連れてきたぞー……って兄者、勝手に酒を開けたらまずいんじゃないか?」
二階から降りてきた弟者が、カウンターで飲んでいる兄者に注意する。
兄者は火照った顔を、弟者に向け、
(*´_ゝ`)「バーロォ、親分の帰還に祝杯もあげねぇで、牙猫盗賊……じゃなくて、護衛団がつとまるか!!」
( ,,゚Д゚)「ギコハハハ!! そうだぞ、働く時は働く!! 飲むときは飲む!!
そして、今は飲む時だゴラァ!!!」
(´<_`;)「親分がそう言うのでしたら……まぁ、俺からは何も」
(;´・ω・`)「ああ――――!!」
弟者の後ろから、ショボンが慌てて飛び出す。
カウンターに置かれた酒瓶を見て、目を見開いた。
(#´・ω・`)「これ、グランベリーアモールじゃないか!!
うちの店に三本しかないんだよ! 三本!!」
- 51: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 20:55:45.70 ID:/7cq6OqP0
( ,,゚Д゚)「何だよ、ケチくさい事いうなよ!! なぁ、兄者?」
( ´_ゝ`)「そうだそうだー! 祝杯くらいやらせろー!」
(;´・ω・`)「これいくらすると思ってるの!? あぁ、もう、だから兄者に任せたらダメだって言ったのに!」
がっくりと肩を落とすショボン。
その後ろから、顔を覗かせるのは、ペニサスだ。
('、`*川「あらあら、飲まれちゃったわね」
(;´・ω・`)「まったく……。祝杯あげるのはいいけど、せめてもう少し安いお酒に……」
ショボンがそう呟いた直後、
(*´_ゝ`)「二本目開けまーす!! とうっ!!」
(´<_`;)「兄者、流石に二本目はまずいんじゃないか?」
( ´_ゝ`)「おいおい、弟者! ノリが悪いぞ! 親分だって、もっと飲みたいですよねぇ?」
( ,,゚Д゚)「いや、それ甘くて俺は嫌いだゴラァ! 別のにしてくれ」
- 56: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:01:39.75 ID:/7cq6OqP0
騒ぎはじめる牙猫団。
テーブルを一つ占拠し、店の奥から酒樽を三個ほど持ってくる始末だ。
(´;ω;`)「もうダメだ。店閉めよう。旅に出よう」
('、`*川「まぁまぁ、たまにはサービスしてあげなきゃ」
涙を流すショボンを、ペニサスが笑いながら励ます。
その後ろから、そっと顔を覗かせるブーン。
( ^ω^)「あのー……ショボンさん、ペニサスさん、ただいまですお!」
ξ゚ー゚)ξ「ただいまー! 無事、戻ってきました!」
('、`*川「あら、お帰りなさい二人とも。いつ帰ってきたの?」
( ^ω^)「さっきですお」
('、`*川「なんだー、帰って来たなら、最初に言ってくれればいいのに。
ショボンさん、ほら、ブーン達が帰ってきましたよ」
- 59: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:04:29.36 ID:/7cq6OqP0
(´・ω・`)「……え?」
涙を拭い、そっと振り向くショボン。
( ^ω^)「ショボンさん、ただいまですお!」
ξ゚听)ξ「ただいま!」
(´・ω・`)「……」
(´;ω;`)「おかえりぃぃぃ!!!」
太い腕を大きく開き、ショボンは二人を抱きしめた。
(;^ω^)「痛い痛い痛い、すごく痛いですお!!」
ξ;゚听)ξ「苦し……ちょ、ショボンさん……」
- 63: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:13:07.07 ID:/7cq6OqP0
その夜、バーボンハウスは臨時休業の札を下げ、店中では宴会騒ぎが始まっていた。
時々、瓶の割れた音や衝撃音などが、外に漏れる。
しかし、それ以上に店内は笑い声で溢れていた。
( ,,゚Д゚)「でな、ブーンの奴、ついに会得したわけよ!!」
(´<_` )「えーっと、オーバーエクシードでしたっけ?
あと、親分。その話は3回目です」
( ,,゚Д゚)「だろ? それでよ、ジョルジュって腐れ野郎がいたんだが、もう相手にならねぇのなんのって!
奴も相当な強さだったが、相手にならなかったんだぞゴラァ!!」
(*´_ゝ`)「ブーンはワシが育てたんぞ。
あの時のボンバーサイクロンナックルがあったからこそ、今のブーンがあるんじゃい!」
一気に酒を飲み干し、ブーンの肩に手を回す兄者。
ブーンはその酒臭さに、少々顔をゆがめた。
(;^ω^)「は、はぁ。そうですおね」
- 66: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:17:07.74 ID:/7cq6OqP0
( ,,゚Д゚)「バカヤロウ!! 俺の特訓が無かったら、小僧はもう、もうあれだ!
三秒で、三秒でやられてたぞゴラァ!! そこんとこわかってんのか? おい、ブーン!!」
(;^ω^)「あ、はい。ありがとうございましたお」
酒乱の中心に座るブーン。
逃げようにも、ギコと兄者に挟まれ、身動きが出来ない状態であった。
('、`*川「ふふ、やっぱり子供たちが居た方が賑やかね」
( ^Д^) 「そうですね、元気になってきますよ。彼らを見ていると」
酒乱軍団とは少し離れたカウンター席で、プギャーとペニサスは静かに酒を飲んでいた。
('、`*川「プギャーさん、ブーン達の面倒を見ていただいて、ありがとうございました」
( ^Д^) 「いえいえ、むしろ彼らには沢山助けられましたよ。
彼らのお陰で、商品が元の5倍で売れ……あ、いや、ごほん」
- 70: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:21:09.16 ID:/7cq6OqP0
プギャーは咳払いをし、懐から光輝く何かを取り出す。
( ^Д^) 「これは、お土産です」
('、`*川「え、私に?」
( ^Д^) 「はい。お似合いになるかと思って……どうぞ」
プギャーが手渡した物は、指輪だった。
量は僅かだが、光り輝くそれは本物の宝石である。
('、`*川「いいんですか? こんな高そうな物を……」
( ^Д^) 「はい。ペニサスさん、あなたの為に買ってきたんです。
受け取ってください」
('、`*川「まぁ……」
うっとりと、プギャーを見つめるペニサス。
プギャーは静かにペニサスの手を握り、その指に指輪をはめた。
- 76: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:26:01.50 ID:/7cq6OqP0
プギャーは、ペニサスの視線に対し、微笑みで返す。
二人の男女の気持ちが、今、繋がろうと……
(;^Д^)「……何やら、視線を感じますな」
(´゚ω゚`)
(;^Д^) 「あ、ショボンさん。どうもお久しぶりです。
いやー、相変わらずここのお酒はおいしいですね!
流石というべきか、ねぇ? ショボンさん最高みたいな……ダメ?」
何も言わず、ショボンはプギャーの襟首を掴んだ。
(´゚ω゚`)「ちょっと店の奥まで来てもらおうか?
ええ、プギャーさん。旅の話をじっくり聞かせてもらいましょう」
(;^Д^) 「いや、いや――――!!」
店の奥へと引きずられていくプギャー。
残されたペニサスは、指輪を見つめたまま、
('、`*川「うふふ、指輪……ロマンチック……。
婚約? え、私が? うふふ、もうやだぁー、もー」
自分の世界に突入していた。
- 80: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:29:10.39 ID:/7cq6OqP0
※
そんな騒動が起こる最中。
店の前に、一人の男が現れる。
ミ,,゚Д゚彡「……」
大剣を背負った男、フサギコだ。
臨時休業と書かれた札をスルーし、入り口に手をかける。
一呼吸し、
ミ,,゚Д゚彡『エクシ―ド』
その言葉を――――唱えた。
- 94: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:34:31.77 ID:/7cq6OqP0
瞬間、触れていたドアが一瞬で『燃えた』。
木製のドアは一瞬、豪という音を立てて、炭と化す。
店内の騒動が、嘘のように静まり返った。
( ^ω^)「お……?」
( ,,゚Д゚)「……!!!!!」
店内の雰囲気が豹変する。
誰もが、感じていた。
突然の来訪者は
只者ではない。 この空気。
静かな、しかし虎の如く巨大な威圧感。
その張り詰めた空気を、気にした様子も無く、
フサギコは、ゆっくりと店内へと入り、辺りを見回した。
ミ,,゚Д゚彡「この中に、封魔はいるか?」
- 111: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:41:27.45 ID:/7cq6OqP0
その声が、静寂な店内に響く。
誰も、動かなかった。
――――否、誰も動けなかったのだ。
喋ったら、殺される。
そう思わざるを『得ない』ほどの殺気が、フサギコから発せられている。
( ´_ゝ`)「え、ちょっと……あんた何すか? 今日は臨時休業なんでサーセン。
今日はうちらだけで楽しむ感じなんでぇ、明日にしてもらえますかね、お客さーん」
(´<_`;)「ちょ……兄者」
その空気を察せず、兄者が千鳥足でフサギコに近寄る。
ミ,,゚Д゚彡「そいつは悪かったな」
( ´_ゝ`)「ええ、ほんとにサーセ……」
兄者の言葉が、最後まで発せられる事は無かった。
フサギコの掌が、兄者に向けられ――――
( ,,゚Д゚)「兄者、よけろぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!!!」
咄嗟に、ギコが叫ぶ。
しかし、それは余りにも『――――遅すぎた』
- 126: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:47:17.20 ID:/7cq6OqP0
(;´_ゝ`)「あ、あ、ああああぁぁっぁぁっぁあああああ!!!!!!!!!!」
豪、という音が、店内に響き渡った。
それは何かに火がついた時の音だ。
その何かとは、兄者……兄者自身の体だ。
(´<_`;)「兄者ァ!!!!」
(; _ゝ )「あああああああああ!!!! 熱いぃぃぃぃぃ!!!!!!」
兄者の体を、激しい炎が包む。
すぐに弟者が着ていた布服を脱ぎ、その炎に叩きつけもみ消そうとする。
( ,,゚Д゚)「水、水だ!! 早く水をぶっかけろゴラァ!!!!」
('、`*川「は、はい!」
ペニサスが、カウンター内にある飲み水の入った樽を持ち上げる。
手刀で樽を強引に開け、大量の水を兄者目掛けてぶちまけた。
- 143: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:52:55.04 ID:/7cq6OqP0
( _ゝ )「が……」
鎮火された兄者の体は、見ているだけでも痛々しいほどの状態だった。
上半身のほとんどが焼かれ、肌が黒く焦げている。
(;^ω^)「兄者さん!!」
(;^Д^) 「すぐに治療を!! ペニサスさん、もっと水を持ってきて!
ショボンさんは私の荷物の中にある薬草を!!」
(;´・ω・`)「あ、ああ!」
('、`*川「はい!」
二人はそれぞれの指示を理解し、行動を始める。
ミ,,゚Д゚彡「実に弱いな。少し手を加えてやっただけで、この騒ぎか」
(#^ω^)「あんた、何者……」
拳を構え、戦闘体制には居るブーン。
しかし、それを誰かの手が、制した。
( ,,゚Д゚)「久しぶりだな……フサギコ」
ミ,,゚Д゚彡「うん? 生きていたのか、弟よ。……いや、もう弟では、ないか」
- 154: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 21:58:07.97 ID:/7cq6OqP0
(;^ω^)「弟って……ま、まさか……」
ξ;゚听)ξ「ど、どういうことなの?」
ギコとフサギコは、無言のまま睨みあう。
ギコの視線に映るのは、憎悪だ。
その視線は、今まで一度も見たことがないほど、殺気に満ちている。
ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュを殺したのはお前か?」
( ,,゚Д゚)「……」
ミ,,゚Д゚彡「いや、違うな。岩使いのお前では、ジョルジュを殺せるほどの力はあるまい。
となると、この中の誰か、ということだな」
フサギコの視線が、ブーンとツンに向けられる。
そのまま、彼らのほうへ一歩踏み出し
( ,,゚Д゚)「それ以上、近づくな」
- 168: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 22:02:03.35 ID:/7cq6OqP0
ミ,,゚Д゚彡「弱者である貴様に用はない。
俺が探しているのはジョルジュを殺した奴だ」
( ,,゚Д゚)「そうかい。でもよ、俺はアンタに用があるぞ……嫌ってほどにな。
忘れたとは言わせねぇぞ」
フサギコは、鼻でふ、と笑い、
ミ,,゚Д゚彡「忘れたな。覚えていたとしても、思い出す価値もない。
くだらんことは、記憶に残しておかない主義なんでね」
くだらない?
くだらないと言ったのか、この男は。
あの時の 仲間
裏切り
過去 感情が
殺
湧き上がる 憎悪
『否』
- 175: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 22:03:45.05 ID:/7cq6OqP0
( ,,゚Д゚)『エクシ――――ドォォォォォォッッッ!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
- 195: ◆ExcednhXC2 :2007/12/06(木) 22:08:51.33 ID:/7cq6OqP0
岩石の鎧が、ギコを覆う。
そのままフサギコを睨み、歯を食いしばった。
こいつが……何をしたか……俺は……一秒たりとも、忘れた事はない!!!
( ,,゚Д゚)「フサギコォォォォ!!!!!!!!!!!」
店が揺れるほどの、咆哮。
湧き上がる怒りは、超越力となり己の力と成す。
矛先は、実の兄。 そして、親友の命を奪った男……!!
ミ,,゚Д゚彡「弱い犬ほど吼える、か」
( ,,゚Д゚)「るああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
因縁は、時を経て再び交じり合う。
憎悪と怒りのファンファーレが、砂漠に鳴り響く。
その先にあるのは……
第十七話 お終い
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