( ^ω^)ブーンで学ぶ世界史

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:23:50.09 ID:Twb8REKP0
1453年、コロンブスの新大陸発見。

この広大な土地に、時のヨーロッパ人は我先に殺到した。

(,,゚Д゚)「銀が大量に採れるらしいぞ!! こいつは一儲けできそうだ」

 スペイン人は鉱山開発をする為に。

( ・∀・)「北の方からアジアに行けるかもしれん。ちょっと調べてみるか。」

 オランダ人は探検・交易路を確保する為に。

ミ,,゚Д゚彡「インディアンと交換できる毛皮だけで十分儲かるぜ。貿易拠点確保しまくれ!」

 フランス人は現地人と交易する為に。

皆、故郷に錦を飾るため交易目的で渡米した。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:24:25.93 ID:Twb8REKP0
だが、イギリス人だけは何故か違った。

ξ゚听)ξ「オランダに羊毛を売ればもっと儲かるわ。そのためにはもっと土地が必要ね。
     そうだわ! ブーンを追い出して土地を広げましょう」

(;^ω^)「ちょっと待っ……」

他にも……

ξ゚听)ξ「ルターってジジイがなんか始めたらしいわ。そうね…… 
     私がイングランドのキリスト教を取り仕切るわよ! 反対する者は処刑!」

(;^ω^)「そんな……僕はどうしたらいいんだお……」

ξ#゚听)ξ「いいから早く出て行って!」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:25:01.69 ID:Twb8REKP0
こうして貧しい農民や、イギリス国教会に従わない知識人はイングランドの居場所を失ってしまった。

そうして彼らは新しい世界へと移住していった。
家族を連れて移住した彼らは開拓を進め、いつしか13もの植民地を形成していた。

だが所詮は植民地。宗主国イギリスとは切っても切れない関係だった。

時に18世紀半ば。ここからアメリカ史は始まる。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:26:20.44 ID:Twb8REKP0
さて、18世紀中盤には大きな変化があった。

ξ゚听)ξ「機織の新発明『飛び杼』で綿布を大量生産、商敵のオランダもいないわ。
     もうヨーロッパに敵はいないわね。オホホホホ」

ミ,,#゚Д゚彡「畜生……イギリスの奴……
      一緒にオランダをフルボッコにしたら途端に裏切りやがって……」

オランダの没落(17世紀末)以降、英仏間の溝は深まるばかり。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:28:02.99 ID:Twb8REKP0
その一方で……
  _
(#゚∀゚)「ドイツの覇者は俺だあああああああああ!!!111!!11」

('A`;)「ぬわぁーー!! なんという勢い……しかもイギリスまで後にいやがる……」

日の出の勢いのプロイセン(まだドイツではない)に、オーストリアは苦戦していた。
しかも相手にはイギリスが付いている。単独では勝ち目は無い。

('A`)「お国様の中で味方してくれる方はおりませんか? っていうかボスケt……ん……お前は!!」

(・∀ ・)「負けそうなの? だっせー! まあ味方してやるよ」

('A`#)(また露助か……)

まずは胡散臭いロシアが名乗り出た。単に西方のプロイセンが目障りになっただけのようだ。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:28:58.51 ID:Twb8REKP0
('A`)「ほ……他には……」

ミ,,#゚Д゚彡「……俺だ」

('A`#)「なっ……フランスッ! 何故お前がここにいる!! 」

オーストリアが憤るのも無理はない。
というのも、フランス王家"ブルボン家"とオーストリア王家"ハプスブルク家"は1世紀以上も犬猿の仲だったからだ。
その仲に悪さは凄まじく、戦争があれば必ず敵同士になる程であった。

ミ,,#゚Д゚彡「慌てるな。今回は殺り合うわけじゃない」

('A`;)「どういう意味だ?」

ミ,,゚Д゚彡「良く見ろよ、イギリスの独尊っぷりを。捨て置けば必ず害となるはずだ」

('A`;)「それで曾祖父さんの曾祖父さんの代からの怨恨を無しにしようってのか。虫がいい話だな……」

ミ,,゚Д゚彡「手を貸してやろうってんだ。ありがたく受け取っておけ」

('A`)「…………すまない」

こうして、ブルボン家VSハプスブルク家の対立は終焉に向かった。
これがいわゆる『外交革命』である。
フランスをこうさせたのには、近代主権国家体制における『勢力均衡の原則』の影響があった。


勢力均衡とは「一国だけ強いと侵略し杉でやばくね? みんな同じ実力ならいいんじゃね?」っていう考えなんだぜ?
結構最近までも東西冷戦として残ってたりした重要な考えだったり。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:30:29.57 ID:Twb8REKP0
大国の墺仏露に攻められ、プロイセンは敗北寸前だった。

しかし……

(・∀ ・)「……やっぱやーめた」

ミ,,;゚Д゚彡(;'A`)「え?!」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:31:21.20 ID:Twb8REKP0
突然ロシアが裏切り退却を始めてしまう。
形勢は一気に逆転。
  _
(#゚∀゚)ξ#゚听)ξ「今よ!!」「無駄無駄無駄無駄無駄!!11」

ミ,,;゚ω゚彡(;゚A゚)「……」

オーストリアはプロイセンを止められず、フランスはアメリカやインドでもイギリスにボコされてしまう。
結果、オーストリアは惨敗。フランスはアメリカ・インドのほぼ全ての植民地を失った。

この『七年戦争』こそが、アメリカにとっての転機であった。
時に、1763年の話である。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:32:36.98 ID:Twb8REKP0
( ^ω^)「何かと因縁つけてくるフランス野郎がいなくなったお!
      これでイギリスに守ってもらう必要もなくなったお! 自由だお!」

ξ゚听)ξ「何馬鹿なこと言ってるの。もちろん戦争にかかった費用は植民地から集めるわよ。
     砂糖・鉄・印刷物……全てに税金をかけてやるんだから」

(#^ω^)「なんで勝手に税金を取るんだお!! 僕らは奴隷じゃないお!!」

ξ゚听)ξ「本国の議会で決まったからよ。そうね……後は紅茶の葉っぱにも税金をかけてあげようかしら」

(#^ω^)「なっ……僕らの意見も聞かずに何を決めてるんだお!!『代表無くして課税無し』だお!!」

ξ#゚听)ξ「植民地が何を言ってるの! いいからさっさとお金を出しなさい!」

(#゚ω゚)「ふざけやがってー! イギリスに金が回るくらいならこんな紅茶、海に捨ててやるお!!」

こうして急進派によって起こされたのが『ボストン茶会事件』である。
かくしてイギリスは激怒し、日用雑貨を規制して13植民地を締め上げる作戦に出た。



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:33:22.93 ID:Twb8REKP0
一方の一般国民は……

(#゚ω゚)「ふざけんなお!! こうなったら今すぐ独立だお!!」

(ヽ´ω`)「そんな……イギリスから独立しても僕らだけじゃ生きてけないお……」

(´・ω・) 「知らんがな」

・愛国派(独立したいよ派)
・国王派(自分、英国人っすから派)
・中立派(ぶっちゃけどうでもいいよ派)
の三派に分かれてgdgdな状況である。

(#゚ω゚)「全植民地のアメリカ人よ、団結せよ!!
      トマス=ペインさんの書いた『コモン・センス』を読めお!」

(´・ω・)「ふむふむ……」
  ↓
(`・ω・)「やっぱり独立した方がいいのか!」

でも、たかが植民地。自力で勝利は得られないだろう。
そこで彼らは考えた。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:34:15.95 ID:Twb8REKP0
      /⌒ヽ
      ( ^ω^)/ ̄/ ̄/   えっと……
      ( 二二つ / と)
      |   /  /  /
       |    ̄| ̄ ̄

      /⌒ヽ
      ( ^ω^)/ ̄/ ̄/  アメリカは独立国家になりましたお
      ( 二二つ / と)
      |   /  /  /
       |    ̄| ̄ ̄

      /⌒ヽ
      (;^ω^)/ ̄/ ̄/  だからイギリスを追っ払うために誰か味方してほしいお
      ( 二二つ / と)
      |   /  /  /
       |    ̄| ̄ ̄

つまり、アメリカVSイギリスの戦争ということにして外国を誘ったのだ。
これが『アメリカ独立宣言』の重要な意義である。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:35:19.05 ID:Twb8REKP0
ここで思い出してみよう。
18世紀後半のイギリスは海外に広大な植民地を有し、『第一次大英帝国』となっていた。
これが達成されるまでに様々な戦争での勝利があった。
即ち、「負け続けた各国」の恨みを買ってるわけで。

(lll゚ω゚)「なんで外国は加勢してくれないんだお?
       でもなんとかイギリス軍を追い返したお……」

ミ,,゚Д゚彡(なんかアメリカが勝ちそう? そろそろ頃合か……)

ミ,,゚Д゚彡「やあやあ、アメリカ君。君も傍若無人なイギリスの被害者なんだね?
      私もかねがね加勢したいと思っていたところだよ。さあ、勝利まで頑張ろう!」

(,,゚Д゚)「俺も出ようじゃないか。昔イギリスにはしてやられたからな。それにうちの王家はフランスの親戚なんだ」

( ・∀・)「イギリス? ボッコボコにしてやんよ」

(;^ω^)(こいつら……)

アメリカの優勢が決まった途端、掌を返したように味方につくフランス・スペイン・オランダ。

(・∀ ・)「海上封鎖されてるの? みんなちょっと集まってくれYO
     アメリカに物資送ってさ、イギリスに襲われたら反撃してマヌケ面拝むのって良くね?ww」

ここぞとばかりにイギリスを馬鹿にするロシア。
しかし意外にもスウェーデン・デンマーク・プロイセン・ポルトガルが賛同し、
露瑞丁普葡による『武装中立同盟』が成立した。



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:36:22.31 ID:Twb8REKP0
(#゚ω゚)「もう観念するんだお! ヨーロッパのほとんどの国はアメリカを認めてるんだお!!」

ξ*><)ξ「なっ、なによっ、みんなして私を目の敵にして……」
     (け、けっこうやるわね…… これ以上敵を作ると私も危ないわ)

すでにイギリスの孤立化は鮮明化しており、イギリスにとって戦争の長期化は敗北を意味する。

ξ;゚听)ξ「わかったわ…… 独立を認めてあげる。
      ついでにミシシッピ川より東側のイギリス植民地も譲ってあげる!」

(;^ω^)「え…… 急になんでそんなこと言うんだお?」

ξ///)ξ「べっ、別にヨリを戻したいわけじゃなくて……
     あんたのところの綿花が輸入できなくなると困るんだからっ!
     だからあげた土地でじゃんじゃん綿を育てて、私に貢ぎなさいよねっ!」

(*^ω^)「あ、ありがとうだお! 僕らも元々イギリス人だしイギリスは大好きだお!」

実際綿織物工業が育っていたイギリスでアメリカ産綿が消えることは死を意味したし、
世界一優秀なイギリス製品がアメリカから姿を消せば国家を維持できないことも明白であった。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 13:37:01.02 ID:Twb8REKP0
と言うのも、もともとアメリカは13の植民地から独立したものだ。
従ってもともと各自の統制はてんでバラバラ、反イギリスのために団結したに過ぎない。
独立したはいいものの、国家の方針すら定まらない有様である。

(*^ω^)「どんどん海を渡って商売するお! そのためには強力な中央政府が主導する必要があるお!」

(ヽ´ω`)「え……めんどくね? 西の方に土地貰ったからそこに移住して自由にやればいいじゃん。
      てか俺らもともと中央政府の命令が嫌で独立したんじゃねーの?」

前者は連邦派(フェデラリスト)、後者は反連邦派(アンチフェデラリスト)と呼ばれた。
しかし、連邦派支持者は富裕商人や大農園主などの少数派であったためにすぐに力を失ってしまう。
よって海外に積極的に商売をしようという「海洋国家指向」は、一旦消えることとなる。
(ってかヨーロッパの戦争に巻き込まれたくなかったから大陸国家指向になったんじゃね?)

その後しばらく、歴代大統領は西部開拓へと力を注いでいったとさ。



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