('A`)ドクオと( ^ω^)ブーンが旅行をするようです

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:42:38.78 ID:cP7PqJph0
第18幕:vip峡



 突然、ふたりのすぐ後ろで声がした。

从 ゚∀从 「その心配には及びませんよ、ハハハ」

('A`;) 煤i^ω^; )

 高原の彼方に消えていくバスをいつまでも見送っていたふたりは、突然の甲高い声に狼狽する。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:45:19.67 ID:cP7PqJph0
 振り返ると、ぴしっとしたスーツを着た長髪の男が、黒塗りのセダンタイプの車の脇に立っていた。
 白髪が混じっていないところを見ると、歳は40には届いていないだろう。すこし不謹慎だが、どことなく
マイケル・ジャクソンの風貌があった。
 車は、よく市街地を走っているタクシーかハイヤーのようだ。
 街中ではあまり見かけないフェンダーミラーが特徴的である。

('A`;)(^ω^; )「え、ええと……」

 完全に不意を突かれた形で言葉に詰まっているふたりをよそに、男は尚も甲高い声を発する。

从 ゚∀从 「おふたりさん!!」

('A`;)(^ω^; )「は、はい……」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:48:02.84 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「これからvip峡に行くんでしょう!?」

('A`;)「え、ええ……。その積もりですが……」

从 ゚∀从「正直、これからバスの乗り継ぎをするのは面倒じゃないですか!?」

(^ω^; )「正直面倒ですが……、vip峡に行くにはバスしか無いんですお……」

 完全に長髪の男に主導権が握られた形で、ぎこちない会話は進む。

从 ゚∀从「なんなら私が、この車でお二方をお送りいたしましょう!! ささ、乗って乗って」

 そう言うと、男は機敏な動作でトランクと車の後部座席のドアを開けて、バス停に突っ立っているふたりの方へ手招きした。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:50:48.26 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「何しているんです。早く乗りませんか」

 再度、大きな動作で手招きをする。

('A`;)「いえ、何と言うか……」

(^ω^; )「そもそも、あなたは誰ですかお?」

 当然の疑問だ。
 いきなり見知らぬ男に『車に乗れ』と言われてホイホイと付いていく輩は、相当なゆとりでない限りいない。幾ら
ふたりにとっては渡りに船だったとしても、必要以上に警戒するのが普通である。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:52:56.01 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「ああ、申し遅れました。私は、『旅籠vip峡温泉』の支配人をしております、ハインリヒ高岡と申します。
 怪しい人間じゃないですよ」

(^ω^; )「怪しい人間に限って、『自分は怪しくない』って言うものですお…………」 

('A`)「――それに、高岡さん。なんで、私たちを見るなり『vip峡へ行く』と判断したんですか? 身なりだけじゃ
 そんな判断、とても出来ないでしょう」

从 ゚∀从「簡単なことですよ。私は旅館の支配人。どうやら今日は男ふたりの宿泊客が来るらしい。それに、vip峡へ行く
 公共交通機関と言えば、普段は客足も少ない赤字路線のバスしか無い。コレだけの情報があれば、ここのバス停で
 張っていればどんな人が宿泊客かは簡単に分かる、ってもんです」

('A`)「――ま、いいでしょう。じゃあ、まずは名刺交換といきましょうか。支配人なら名刺ぐらい持っているでしょう?」

 そう言うと、ドクオは財布から会社の名刺を取り出して高岡に差し出す。
 彼の眼光には、いささか訝りの念が含まれていた。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:55:26.59 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「はいはい。名刺ぐらい、お安い御用です」

 高岡は、なんでもないという風にゆったりとした動作で、スーツの胸ポケットから名刺を1枚取り出す。
 少しのあいだ名刺の裏表を確かめると、それをドクオに差し出した。

 ふたりの名刺が交わされる。

('A`)「――はい。たしかに、『旅籠vip峡温泉』の総支配人、ハインリヒ高岡さんとなっていますね」

从 ゚∀从「はい。そちらこそ、東京の会社に勤めるドクオさんですね」

 ふたりは互いの名刺を確認し終えると、それぞれ自分が名刺を取り出した部位に仕舞った。

从 ゚∀从「これで信じてくれますね? ――それとも、まだ証明が必要ですか?」

 いささか挑戦的な語気を含んだ声で訊ねる。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:57:30.46 ID:cP7PqJph0
('A`)「――いえ、結構です」

( ^ω^)「――この車は、どこへ行くのですかお?」

 ドクオからの質問が終わると、今度は脇になっていたブーンが高岡に問う。

从 ゚∀从「決まっているじゃないですか。私の経営する旅館、『旅籠vip峡温泉』ですよ。お客さんを、
 バスの乗り継ぎであまり待たせるのも酷だろうとの念から、最近になって送迎を始めたんですよ」

( ^ω^)「――バスに乗るよりも、早く着くのですかお?」

从 ゚∀从「言うまでも無く。なんなら、次のバスの発車時刻をそこの時刻表で確かめても良いんですよ? 
 次が出るのは、およそ1時間後になっている筈ですから」

( ^ω^)「――わかりましたお」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:59:33.20 ID:cP7PqJph0
 ブーンは、『どうする?』と言った風にドクオと目配せをする。ドクオの目には、依然として少々の訝りの念が
残っていたものの、その口からは何も言葉は発せられなかった。
 ブーンは、無言の返事を承諾と解した。
 
( ^ω^)「――では、ご好意に甘えさせて頂きますお」

('A`)「――私も」

 ふたりは足許に下ろしていた旅行鞄を持ち上げると、高岡の方へと歩き出した。

从 ゚∀从「どうぞどうぞ。ささ、ご遠慮なさらずに……」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:02:39.43 ID:cP7PqJph0

 高岡がハンドルを握る車は、交通量が少ない山道をスピードをあげて走る。
 景色は、途中までは見晴らしの良い高原の道だったが、高原から下り坂に差し掛かると途端に近くの山々が視界を遮ってくる。
スカイラインはいつまでも続かず、バス停から10分ぐらいのところで、林道のようなくねった道に変わった。
 夏の森は、深緑に覆われている。
 森といったもスギやヒノキなどの針葉樹が多いが、それでも疎らにある広葉樹の木々を眺めていると、なるほど
木の生命力というか、夏の自然の営みを感じ取ることが出来た。
 日差しは強いが、薄雲が広がっているのと木々が葉を大きく広げているために、林道は薄暗い。
 木漏れ日が、妙に眩しかった。



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:04:36.59 ID:cP7PqJph0
 左手には、羊歯などが繁茂した山肌。右手には、鬱蒼とした木立と赤褐色に錆びたガードレール。
 窓を開けていると、遠くの方から鶯の啼き声が聞こえてきた。

 高岡の車は、その林道を爆走している。
 カーブも多いので、後部座席に座っているふたりは何度も「安全運転でいいですよ」と頼んだものだが、当の高岡は、

从 ゚∀从「大丈夫ですって。心配ご無用です」

 と言うだけで、まったく取り合う様子が無い。
 まあ、実際、高岡はかなりのハンドル捌きでコーナーをすいすいとクリアしていった。生活道路と言うのか、林道の
途中には何本も分かれ道や合流路があったが、高岡は全く動じる様子も無く然るべき道へと車を走らせる。
 標識らしい標識も無いところからすると、高岡にとっては随分走り慣れている道なのだろう。



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:06:20.44 ID:cP7PqJph0
('A`)「この道は、普段からよく使われているんですか?」 

从 ゚∀从「ええ。vip峡に通じる道路はこの1本しかないですからね。vip峡に暮らす人々は、生活用品を手に入れる時などは
 皆がこの道を使いますよ。それに、旅行客もこの道を通ってしかvip峡に行けませんからね。利用する人じたいが
 少ないんですが、けっこう重宝されていますよ。バス路線にもなっていますし……」

 そういった途端、一台の対向車がすれ違っていった。何のことはない、ふつうの軽トラックだ。
 ドライバーは、結構な高齢者に見られた。

( ^ω^)「――若い人は、vip峡にはどれぐらい居るんですかお?」

从 ゚∀从「数えるほどしか居ませんよ。vip峡と言っても、単なる集落でしかないですからね。母集団も少なければ、
 もともと開墾集落だったので農業ぐらいしか生業がない。そうなれば、少子高齢化・過疎化は必然です。観光資源も
 有るんですが、シーズンに左右されますし、旅館業を営むのは我々しか居ないんですよ」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:08:57.01 ID:cP7PqJph0
( ^ω^)「なるほど。まさに『秘境』ってわけですかお」

从 ゚∀从「『秘境』とは言っても、ちゃんと電気・水道・ガスは通ってますよ。老後の隠居生活にvip峡はどうです? 
 悪くはないと思いますがね。アハハハハ」

( ^ω^)「――考えてはおきますお」

 
 長い間林道を走っていると、頭上の木立が疎らになって林道が明るくなってくる。
 その分、左手の山肌が切り立ってきた。落石防止用のネットが岩肌に掛かっているのが見える。
 木立が疎らになるころ、対面通行だった道路が片側2車線になった。路面の瀝青の様子からしても、それほど古い道でない
ことが伺える。
 後部座席のふたりは、そのことを少し疑問に思ったが、林道を暫らく走っているうちに謎は解けた。



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:10:48.60 ID:cP7PqJph0
 完全に頭上の木立が消え、大きな左カーブを超えると視界がぱっと広がる。

 そこには、ダム湖が広がっていた。

 どうやら、今走っている太い道は、工事用の役割を果たしていたようだ。路面の凹凸が少ないことから、先ほどの
林道と比べてけっこう整備が行き届いていることがわかる。
 ダム自体も、コンクリートのくすみが少ないので、そんなに古くはなさそうだ。

从 ゚∀从「『vip峡ダム』です。此処まで来たら、vip峡はもうすぐですよ」

('A`)「こんなところにダムがあるんですね……」

 窓の外を眺めながら、感慨深げにドクオは呟く。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:13:03.81 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「まあ、もともとが渓谷ですからね。ダムを造りやすかったんですよ。それに、このダムは農業用水を供給
 しますし、水力発電によってvip峡の電力を賄ってもします。また、建設当初は、雇用の創造と業者へのカネの
 ばら撒きという側面もあったようで、それほど地元の反発も受けることなくダムは建設されました」

 あと、治水にも役立っていますよ、と高岡は付け加える。

( ^ω^)「――景観を理由に、ダムの反対運動……、ダム闘争は起きなかったんですかお?」

从 ゚∀从「vip峡の住人たちは、あまり景観なんか考えちゃいないんですよ。言ったでしょう? 旅館業を生業としている
 のは、我々『旅籠vip峡温泉』の従業員しかいないんです。それに、私たちも安定した電力が欲しかったですしね。
 まさか、温泉の熱を利用して地熱発電にしろ、とも私たちは言えないですし」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:15:47.01 ID:cP7PqJph0
('A`)「結局、出来るべくしてダムは出来たんですか……」

从 ゚∀从「そういうことです」

 ドクオは、改めてダムを見遣る。
 道路の右手に広がっているダムは、それほど大きくない。しかし、小さいながらもダムは漫々と水を湛えていた。

('A`)「高岡さん、ここは先日の台風はどんな具合だったんですか?」

从 ゚∀从「ん〜、人的被害はゼロです。台風の東側に入ったので風は強かったんですが、雨はそれほど降らなかったですね。
 とは言っても、ご覧の通りダムは満水ですが」

 車は、ダム湖畔の源流の方から堰の方へと走っている。
 先ほどは道の右手側は鬱蒼と茂った林で見えなかったが、どうやら川沿いの道を走っていたようだ。 
 堰のところにバス停があった。車は、その脇を素通りする。
 過ぎ去ったダムのほうを振り返ってみると、轟音を立てて水が流れ落ちていた。



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:17:52.67 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「さて、vip峡ダムを過ぎて、目の前の山々を越えると、いよいよvip峡です。もう暫らくのご辛抱を」

 やけに陽気な様子で、高岡は後部座席のふたりに話しかける。勿論、視線は前方から逸らさない。

( ^ω^)「長かったお…………」

('A`)「ああ、正直、こんなに時間が掛かるとは思わなかったな…………」

 再び道が狭くなり、カーブの多い道に戻る。
 道路の左手は依然として山肌であるものの、右手は先ほどと違って木々が生い茂っていない。川を挟んで向こう側の
山から、遥か遠くまで山が連なっているのが見える。下の方を見遣ると、先ほどのvip峡ダムから続く川が流れていた。
 なんだか、絶壁を走っているような錯覚に囚われる。
 もし高岡がハンドル捌きを誤れば奈落の底だ。それでも、高岡は速度を落とす気配を見せない。



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:20:17.42 ID:cP7PqJph0
('A`;)「高岡さん、そんなに急がなくて良いですってば……」

从 ゚∀从「大丈夫ですって、平気平気。早く着くほうが良いでしょう? 急いだお陰で、あと5分ぐらいで着きますよ」

('A`;)「――それは何よりです」

 そう言うドクオの額には脂汗が浮かんでいる。顔面も蒼白だ。

( ^ω^)(――もしかして、酔ったのかお?)

('A`;)(バーロー…………)

 どうやら、荒い運転で酔ったようである。
 高岡がハンドルを握る車は、そんなドクオの様子なんかお構いなしに山合いの道を疾走していった。



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:22:37.55 ID:cP7PqJph0
 山裾のカーブを幾度となく曲がって、

 急な坂道を登って、下って、 

 今まででいちばん半径が大きそうなカーブを越え、

 途端に視界が開けて、

 車が路上で停車。

 それまで背中で感じていた加速度が失われた。

 エンジンが止まった。



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:25:01.67 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「遠い所からようこそ。此処が、日本で最後の秘境と自負しておりますvip峡でございます。
 見晴らしが良いですから、いったんここで降りてください」

 そう言って、高岡は運転席から外に出る。

 促されたように、ふたりもドアを開けて外に出た。

 高岡が、ガードレールを背にしてふたりに向き直る。

从 ゚∀从「いい眺めでしょう? ここからvip峡を一望できるんですよ」

 そう言って、高岡は顔をガードレールの向こう側に向けた。



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:27:01.75 ID:cP7PqJph0

 切り立った山に四方を囲まれた、盆地のような場所に集落が広がっている。
 散村と言うのだろうか、住居の数は少なく、住居と住居との隙間には青々とした水田が広がっていた。
 そして、集落を縦に2分するかのように先ほどの川が流れていて、川の中ほどには比較的大きな橋が架かっていた。

从 ゚∀从「ここから見て、奥の方が南になります。私たちは、vip峡の北の方から来たわけです」

 いまドクオたちが立っている道は、一行から見て川に分断された左側、つまり盆地の東側に繋がっているようだ。
盆地の東側と西側とを比べると、明らかに東側の方が大きい。住居の数も東側の方が多いし、役場と思しき2階建ての
コンクリート造の建物も盆地の東側にある。

 では、盆地の西側と言うと、

从 ゚∀从「さて、今夜の宿ですが、盆地の西側にポツンとあります『旅籠vip峡温泉』になります」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:29:02.91 ID:cP7PqJph0
 西側の盆地には、建物は1軒しか無かった。だが、そこが『旅籠vip峡温泉』らしい。
 建物は、やはり一般の住居と比べると大きい。コの字型をした、木造2階建てのように見える。
 あと盆地の西側にある物と言えば、森と、建物の前にとられた広場と、広場の片隅に立っているバス停ぐらい。
 
('A`)「これがvip峡か……」

( ^ω^)「やっと着いたお……」

从 ゚∀从「どうもお疲れ様でした。長旅の疲れや、日ごろの鬱憤を存分に晴らしてください」

 そう言って高岡は慇懃に礼をすると、運転席に歩み寄る。

( ^ω^)「高岡さん、ちょっと」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:30:10.18 ID:cP7PqJph0
从 ゚∀从「? なんでしょう」

 呼び止められて、高岡がこちらを見る。

( ^ω^)「vip峡の観光名所か何かは、無いのですかお?」

从 ゚∀从「んー。強いて言えば、風光明媚な『vip峡』そのものが観光名所ですね。あと、山を分け入ったら
 滝もありますし、 美味しい食べ物も沢山あります」

( ^ω^)「おっ、例えば何ですかお?」

从 ゚∀从「vip峡を2分しています川では鮎が採れますし、山に入れば山菜や、熊に猪……ジビエも沢山あります。
 綺麗な水によって育てられたお米や地酒も美味しいですよ」



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 03:31:11.66 ID:cP7PqJph0
( ^ω^)「それは期待できそうですお」

从 ゚∀从「あ、あと」

 思い出したように高岡は付け加える。

从 ゚∀从「空気も美味しいですね」

 確かに、vip峡に薫る風は、都会暮らしが長いふたりには、肺の隅々に沁みるほど美味しかった。



第18幕:vip峡               了



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