('A`)ドクオと( ^ω^)ブーンが旅行をするようです

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 22:04:58.97 ID:QPQ2+/zg0
第27幕:男の契り


 ――さて、その夜のことである。
 許嫁とともに二人暮らしをしている道下が居に、阿部が転がり込むことになった。
 夜になって、その日の業を終えてしまうと道下の許嫁は早々と床に就く。
 今、道下は阿部が入っている五右衛門風呂を沸かしていた。

「阿部さん、熱くないですか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「いい湯だ、道下クン。月も一片の隈なく冴え渡っているし、文句なしだ。有り難う」

 屈んでいる道下の頭上からいい男の声がする。

「阿部さんが喜んでくれるなら――、これぐらい何でもないことです」

 いい男が喜んでくれている事を考えると、道下は頬を赤らめた。阿部に顔を見られるのはバツが悪いような気がして、下を向く。

N| "゚'` {"゚`lリ「――――道下クン、君も入らないか」

「えっ――――」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 22:06:54.76 ID:QPQ2+/zg0
 思わぬいい男からの誘いに、思わず道下は顔を上げた。そこには阿部の太陽のような眩しい笑顔があった。

「そんな、僕なんか――――」

N| "゚'` {"゚`lリ「なにも卑下することはない。君は十分可愛いよ。――それとも、やっぱり僕と一緒に入るのは嫌かい?」

「いえ、阿部さんと湯に入れるなら、本望です。唯――」

N| "゚'` {"゚`lリ「――許嫁のことが気になるかい?」

「――ええ、まぁ」

 そうである。
 道下は、許嫁を愛していた。そして、これからの人生を供に添い遂げるであろう女である。もう契ってしまった以上、道下には
貞操を守る義務があった。それは、独り道下の為だけでない。もしも許嫁や親たちが、道下が男とまぐわった事を知れば即刻
縁談は破断となり、手切れ金も用意しなければならない。 
 しかし、それでも道下の胸中には一片の迷いがあった。
 道下は、許嫁とはまだ正式には祝言を挙げていないわけだから、正式に契ったわけでもない。それに、道下は幼い頃から男の
裸に淡い恋心を抱いていたのである。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 22:08:36.16 ID:QPQ2+/zg0
N| "゚'` {"゚`lリ「じゃあ道下クン、俺は君に背中を向けておくよ。そうすれば、間違いは起きないだろう?」

「――――それならば」

 遂にいい男からの誘いに抗し切れなくなった道下は、その着衣を脱ぎ、褌も取っ払ってしまって――――、
 ――裸になった。
 一見、道下は自分の意志で脱いだかのように思われるが、恐らく、このいい男の前ではどんな男だって脱いでしまっただろうと
思われる。その意味では、道下は阿部によってスッポンポンにされてしまったようなものだ。

「それじゃあ、入ります――」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、遠慮せず入ってこい」

 道下が風呂釜に入ると、少しばかり湯が溢れた。しかし道下にとっては、どうでも善いことであった。
 阿部の背中には、彫り物は勿論刀による切り傷もなく、実に美しいものであった。
 道下は、目の前にある阿部の大きく逞しい背中に釘付けになった。項からは、ほんのりと良い香りが漂っている。これが男の
香りなのだろうかと、動悸を早めながら道下は思った。



8: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:11:45.51 ID:QPQ2+/zg0
「阿部さん、いい身体してますね――」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、曲りなりにも武家に勤めていたからね。日ごろの鍛錬は欠かせないさ」

 相変わらず道下に背中を向けている阿部は、背中越しに応える。

「僕、阿部さんのようないい男になりたいです」

N| "゚'` {"゚`lリ「はは、武家は止めておけ。主人に暇を出されたら、その日の飯にも窮するようになってしまうぞ」

「――阿部さんは、奥様とかはいらっしゃらないのですか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ン、どうやら、俺には女難の相があるみたいなんだ。それに、男ばかりの職場だったしね」

「そうですか――」

 男ばかりの奉行所に阿部がいる場面を想像し、道下は同僚の者たちに少しばかり嫉妬する。
 と、同時に、道下が心中にはある一つの疑問が浮かび上がっていた。



10: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:13:45.94 ID:QPQ2+/zg0
N| "゚'` {"゚`lリ「それにしてもvip峡という所は、噂に違わず住み良そうな土地だ。武家の暮らしが長かったお陰で、暮らしに
         慣れるには時間を必要としそうだが、最初に道下クンのようないい人に会えてよかった」

「――vip峡は、半分が落人集落みたいなものですから、外部の者を受け容れる風潮があるんですよ。例え、素性の知れない
 者であっても、取り敢えずはもてなすんです」

 確かにvip峡にはそのような風潮があったが、道下が自らの意志でもって流れ者と饗するのは初めてのことであった。
 自らの居を持ったばかりだというのも一つの立派な理由であるが、何より道下が阿部に心惹かれたことが大きな要因であった。
 しかし、道下は阿部という男に対して警戒心を全く抱いていなかったわけではない。と言うのも――――

N| "゚'` {"゚`lリ「道下クン」

「な――何でしょうか」

N| "゚'` {"゚`lリ「君は、なぜ僕が此処に来たかを訊かなくていいのかい? ――見ず知らずの男と同じ風呂に入るというのは、
     ちょっと危ないのじゃないのかな?」

 刹那、道下は目の前の逞しい男に恐怖感を覚えた。もしも取っ組み合いになれば、武術などカケラも知らない道下はあっという
間に組み伏せられてしまうだろう。況してや湯の中だから、顔を沈められたら一溜まりもない。
 元々vip峡に流れるような男だから、何らかの流血沙汰に関わっているかもしれないのだ。
 恐る恐る、道下は背を向け続ける男に訊ねることにした。



12: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:15:16.03 ID:QPQ2+/zg0
「尾張で――何があったんですか」

N| "゚'` {"゚`lリ「――言葉で説明するには、多言を要する。これは真面目な話だから、顔を向き合わせて話をしたい。いいかな?」

「――それで全てが分かるのなら、結構です」

 道下の言葉を合図に、阿部はゆっくりと振り向く。
 道下は、固唾を飲んでそれを見つめていた。
 そして、阿部が道下に向き合ったとき――――

「――――!?」

 道下は、異様なモノを目にした。そして、それに釘付けになった。

「――――阿部さん、これって」

N| "゚'` {"゚`lリ「――ああ、その通りさ。俺は今、キミに欲情しているんだよ」



14: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:16:37.22 ID:QPQ2+/zg0
N| "゚'` {"゚`lリ「――ところで、俺のキンタマを見てくれ。コイツをどう思う?」

 道下の応えは、最初から決まっていたも同じである。
 目の前の男が危険な者かも知れないと言うことも忘れ、道下は恍惚の表情で、こう云った。



15: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:16:58.91 ID:QPQ2+/zg0
     ヽ       j   .す
  大.   ゙,      l.    ご
  き    !      ',     く
  い    ',        ',    :
  で    ト-、,,_    l
  す    !   `ヽ、 ヽ、    _
   ;    /      ヽ、`゙γ'´
      /         \
      !   ト,       ヽ
ヽ__  ___ノ ,!   | | ト,       ゙、
  レ'゙ ,イ ./|!  .リ | リ ! .|! | ト|ト}
 ,イ ,/ ./〃/ / | / .リ/ //イ|.リ
// //ノノ  //゙ ノ'////|.リ/
´彡'゙,∠-‐一彡〃 ト.、,,,,,,,,,,,レ゙
二ニ-‐'''"´      /`二、゙゙7
,,ァ''7;伝 `        {.7ぎ゙`7゙
  ゞ‐゙''  ,. ,. ,.  l`'''゙" ,'
  〃〃"      !   |
              !  l
 !       (....、 ,ノ  !
 j        `'゙´  ,'
     ー--===ァ   /
      _ _   ./
\     ` ̄   ,/
  ` .、       /
   :ミ:ー.、._  /``'''ー-、
    `゙三厂´



18: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:18:09.34 ID:QPQ2+/zg0
N| "゚'` {"゚`lリ「――コイツがいけなかったんだよな。あろう事か、俺は組頭の息子をこの手にかけてしまった」

 云って、阿部は自らの陽物を鷲掴みにした。阿部のモノは長さだけでなく太さも申し分ないものであり、片手で握っても隙間が
出来てしまうほどであった。

「手にかけた――とは?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、俺はノンケもホモも喰っちまいうような男なんだ。あまりに組頭の坊主が可愛いものだったし、俺の股間も
ビンビンに反応したものだから、耐え切れずに厠で食っちまったのさ。それが不味かった」

「それだけなら、別に尾張から逃げ出す必要も無いじゃないですか。罪を雪いで、やり直すことは出来なかったのですか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「――道下クン」

 ふと、伏目がちに淡々と語っていた阿部が、相貌を道下のほうへ向ける。

「何でしょうか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「キミは、この俺を受け容れることができるのかい?」

 言って、阿部は道下に詰め寄った。



27: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:23:51.30 ID:QPQ2+/zg0
N| "゚'` {"゚`lリ「俺が掘ったのは、まだ女も知らない、今年で8つになる幼子だったんだ。キミなら大丈夫かもしれないが、
そんな幼子にこのモノをぶち込んだら、どうなると思う?」

「それは――――」

 道下は、言葉に窮した。
 男と交ったことすら無い道下は、とても1尺を超えようかという阿部の陽物を受け容れることが出来そうに無かった。況してや、
8歳の幼子となれば――――、

N| "゚'` {"゚`lリ「俺が掘ってしまった子供は、死んでしまった。当然俺のモノは未発達の菊門には辛すぎたようで、
肛門が裂けてしまったんだ。もう、俺も血だらけになった。それだけで大惨事なのに、厠で交わったばかりに、
         あろう事かその子は脱糞してしまったんだ。それが因で傷口から菌が入って敗血症になってしまい、
子供は命を落としてしまったのさ」

「――――――――」

N| "゚'` {"゚`lリ「その子は、組頭が40になってやっと授かった長子だったんだ。あろう事か、俺はその子に手をかけて
         死なせてしまった。俺が殺したも同然なのさ。事が組頭の知るところになるや否や、俺は暇を出された。
         もっとも、百人組の中でも真相を知る者は少なく、組頭の子も切れ痔が元で死んだことになっているが、
         組頭が居る尾張で俺が安穏と暮らすわけには行かないだろう?それに、男色のケがあることも知られたく
         なかったから、俺は尾張を離れることにしたんだ」



30: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:25:16.17 ID:QPQ2+/zg0
「そんな事が――――」

 目の前の男は、欲望に抗しきれずに幼子を襲ってしまったのだ。
 それは合意の上であったかも知れないが、結果として幼子が死んでしまったことに変わりは無い。

N| "゚'` {"゚`lリ「俺は、尾張を離れてvip峡に来たからには、心を入れ替えて日々の糧を稼ごうと思う」

 満月を仰ぎ見ながら、阿部は言う。道下は、黙ってそれを聞いていた。

N| "゚'` {"゚`lリ「ここの朝は早いんだろう? あまり夜遅くになっても仕方ないから、俺はもう湯を上をることにするよ」

「はい。では、僕はもう少し温まることにします」

N| "゚'` {"゚`lリ「いい湯だったよ。有り難う」

 そう言い残して、阿部は湯から出て手早く着替えると、道下の居へと戻っていった。
 独り残された道下は、そっと自らの股間を盗み見た。
 道下の陽物もまた、苦しいほどに勃起していた。



33: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:27:51.34 ID:QPQ2+/zg0

 *

 さて、この夜は何事も無く明けたのであるが、このときの阿部と道下との遣り取りを、vip峡の多くの者が覘いていたのである。
夜になったら深々と静まり返るvip峡だから、垣根越しに入浴を覘いていた者にも阿部と道下の会話は筒抜けだったのである。
 こうして、当の道下と阿部は知る所とならないまま、阿部の素性が知れ渡ってしまった。
 噂は風に乗り、vip峡を駆け巡った。  
 阿部がvip峡に流れてから3日と経たないうちに、阿部の存在だけでなく尾張で幼子を姦して死に至らしめた事までもが、
vip峡の住人全員に知れ渡った。だが、元々vip峡に流れてくる者がいわく付の者ばかりであったため、それによって阿部が
どうこうという問題には発展しなかった。
 しかし、阿部はvip峡でも事件を起こしてしまったのである。

 阿部がvip峡に流れ着いてから1週が過ぎる頃、牛馬の足腰が急に弱りだした。牛馬は犂を引くのに欠かせない家畜で
あったため、畑を耕すための犂が使えなくなるという由々しき事態となった。
 最初は、夏の暑さにやられたのであるかと思われたが、日陰の厩に繋いでいる馬も同様の症状だったのでその論は直ちに否定
された。流行り病も疑われたが、力が抜ける以外には表立った異変は認められないので、これも否定された。
 一向に異変の原因が分からず、農民だけでなく村長もが首を抱えていた。
 だが、ある日突然、騒動の下手人が捕まったのである。



36: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:29:19.29 ID:QPQ2+/zg0

 或る晩、まだ被害に遭っていなかった農民の一人――――宇兵衛とでもしておくか――――は、自分が丹精込めて育てた牛馬が
被害に遭ってはならないと、牛舎の隅で寝ずの番をしていた。
 子の刻を過ぎ、丑の刻に差しかかろうと云う時、牛舎に一人の影が認められた。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~(――――遂に出たか)

 宇兵衛は覚醒して影の方へ目と瞠った。
 最近は川魚の眼肉を食べるようにしていたお陰で、闇夜でも慣らせば目が利いていた。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~(――――あの図体は、男に違いねェ)

 息を殺して、男に気づかれないようにそっと近付き、干草に身を隠す。宇兵衛は、心臓が早鐘のように鳴るのが感じられた。
 いま、宇兵衛は忍び込んできた男と、牛一頭ごとに設けられた柵を隔てて対峙している。
 蝿が鬱陶しい。
 ――と、
  
 するり。

 静寂の中で、音がした。



39: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:31:45.21 ID:QPQ2+/zg0
 _、_
( ,_ノ` )y━・~(――――何だ。何をしている)

 音が何であるか判ずることが出来ず、宇兵衛は柵越しに隣の牛の寝床を盗み見る。
 ちらと見ただけだが、途端に宇兵衛は肝を潰しそうになった。
 先ず宇兵衛の目に飛び込んで来たものは――

 ――途轍もなく雄雄しく聳え立った肉塔であった。

 男は片手を陽物に添えて、熟睡している牛の背後へと廻りこむ。
 そして、余った方の手で牛の股間をまさぐった。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~(――――あのマラは――もしや)

 そして、男は自らの肉棒を、牛の菊門へとあてがい――――貫いた。
 牛は、突然のことにがばと身を起こしたが、男が牛の臀部をがっちりと掴んでいるために結合は解かれない。
 牛が激しく抵抗するその間も、男は後から牛を激しく攻めたてる。そのうち、牛の抵抗は目に見えて弱くなっていった。



44: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:33:23.30 ID:QPQ2+/zg0
 _、_
( ,_ノ` )y━・~(――――正気の沙汰じゃねェ)

 そう思いながらも、宇兵衛は事の始終を見届けていた。
 段々と男の腰の動きが速くなる。牛は大きく鳴くこと能はず、ぜいぜいと苦しそうに息をしている。
 牛舎の中には、激しく交わる音が響いていた。
 ――と、

 あおおーーーーーーーーっ!!!!

 男は絶頂を迎えると同時に、これまでに増して深く牛を貫く。
 牛は、その場に倒れこんだ。辺りに鉄臭い匂いが漂う。

 男は、ずるりと自らのモノを牛の肛門から引き抜く。
 暗くてよく見えなかったが、その陽物にはべっとりと液体が付着していた。それが精液だったのか血液だったのかは、宇兵衛には
判じかねたが、途轍もない大きさの陽物から、宇兵衛はその男が誰であるか見当がついていた。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~(――――間違いねェ。コイツが一連の騒動の下手人だ。そしてその名は――!!)

 宇兵衛はそう確信すると用意していた縄を握り締め、果てたばかりの男の背後を衝いた。



51: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:37:03.74 ID:QPQ2+/zg0

 *

 翌朝、vip峡の西側の広場に、黒山の人だかりがあった。そして、その中心には魔女裁判さながらに磔にされた阿部の姿がある。
 阿部は褌しか纏わずに全身ひん剥かれ、余すところ無く鍛え抜かれた体躯に陽光が照りつけている。肝腎の阿部はと言うと、
ただじっと天を見遣っていた。村人が阿部に声を掛けるが、それに応じる気配はない。

ミ,,゚Д゚彡「――これより、村の掟を破った者の公開審議を始める」

 村長の峻厳な言葉が響き、一瞬にして阿部を取り巻いていた人々の喧騒は止んだ。

ミ,,゚Д゚彡「――まず、被告人に質問する。被告人は、真に阿部高和であるか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「――ああ、俺は紛れもなく阿部高和さ」

ミ,,゚Д゚彡「審理を始めるにあたり、被告人は真実のみを述べることを誓うか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「俺が知っていることは洗いざらい喋る。だからさっさと審理を済ませてくれ」

ミ,,゚Д゚彡「略式裁判で済ませる予定だから、その心配はない」 

 こほん、と咳払いし、村長は手に持っている紙に目を落とした。



53: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:38:55.66 ID:QPQ2+/zg0
ミ,,゚Д゚彡「被告人、阿部高和は昨晩、vip峡住人の宇兵衛宅の牛舎に侵入し、その牛を姦した。これについては?」

N| "゚'` {"゚`lリ「――間違いないさ。そこの渋い親父さんが見ていることだろう?」

 ちらと澁澤の方を見遣る。澁澤は相変わらず細い目つきで、雁首から細い煙を燻らせていた。

ミ,,゚Д゚彡「では、被告人がvip峡に来てからこの1週間で、ここの牛馬のほぼ半数が原因不明の脱力状態に陥った。これについては
     ――――」



56: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:40:53.70 ID:QPQ2+/zg0
 人々が十重二十重に囲む中、フサと阿部との間で淡々と尋問が続けられる。
 太陽もすっかり昇りきり、炎天下の中で傍聴している者の額には、みな一様に玉のような汗が吹き出ている。
 人々が疲労を覚えだす頃、審問場に駆けてくる独りの若い男が居た。その男とは即ち、道下であった。

「はぁ――はぁ――」

 人垣まで辿り付くと、道下は肩で荒い息をする。少しく時間を置いて息を整えると道下は顔を擡げ、磔にされている阿部の姿を
はっきりとその目に映した。丁度、こんな感じでhttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader493216.jpg
 審問場では、丁度罪状認否が終わった頃であった。

ミ,,゚Д゚彡「では、罪状を述べる。被告人阿部高和は、村中の牛馬を姦し、自身の陽物を以ってその悉くを切れ痔にせしめた。
     これによって牛馬は足腰に力を入れて踏ん張ることができなくなり、結果としてvip峡の農民に多大な損害を与え、
     収穫高を減らしかねない事となった。被告人のこのような行為は器物損壊と言うべきであり、それ程重大に思われない
     かも知れぬが、vip峡に来てから1週間でこのような凶行に至ったことは、本来から被告人には獣姦の性向があり、
     再犯の可能性が非常に高いと思われることから、再犯の防止という観点からも、被告人を刎頸に処することが相当と
     考えられる」

「――ふ、刎頸」



戻る次のページ