('A`)ドクオと( ^ω^)ブーンが旅行をするようです

62: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:43:34.86 ID:QPQ2+/zg0
 公開審問に漸く辿り着いたと思ったら、その耳に入ってきたのは刎頸の言葉である。それも、同じ風呂に入った阿部が被告人で
あるということから、道下は肝を潰した。
 ――――あの、いい男の首がこの村の男によって落とされるなんて。

ミ,,゚Д゚彡「この判決について、被告人からは異議はあるか――?」

 厳しい口調で阿部に問い詰める村長の口調には、いささか怒気が含まれている。その口調に促されるようにして、人だかりの
目は一斉に阿部の方へと向けられた。
 
N| "゚'` {"゚`lリ「無い。村に来て早々に騒動を起こしただけでなく、畜生と交わってしまったんだ。それくらいの罪は当然だろうさ」

ミ,,゚Д゚彡「――本当に良いのだな?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、村に来たばかりだし、許より尾張の両親から勘当された身だ。今さら俺が死んだって、誰も屁とも思わないだろうさ」

 村長はふん、と鼻を鳴らすとぐるりと群集の方を見遣った。

ミ,,゚Д゚彡「傍聴人の中に、この男を今一度弁護しようと思う者はいないか?」

 言って、村長は傍らに置いていた脇差を手に取り、おもむろに鯉口を切る。群集に、冷や水を打ったような緊張が走った。



66: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:45:35.27 ID:QPQ2+/zg0
ミ,,゚Д゚彡「――沈黙を以って否とする。異議がなければ、私が断行人になろう」

 短い沈黙が流れた。
 しかし、群集の誰にとっても、その沈黙は恐ろしく長いものに感ぜられた。
 やがて、眉間に皺を寄せていた村長から、最後の言葉が発せられる。

ミ,,゚Д゚彡「群集からの異議も無し。よってこれより被告人阿部の斬首を――――」

「――異議あり!!」

 突然、群衆の中から声が発せられた。その声とは即ち、道下のものであった。
 群集が二手に割れ、道下と村長との間には道が出来る。その道を、道下はしっかりとした足取りで進んでいった。

「村長、僕から当該判決について異議があります」

 村長と対峙すると、その華奢な身体のどこから発せられるのか、道下ははっきりとした口調で村長に言う。

ミ,,゚Д゚彡「――――名を申せ」

「道下正樹です。被告人である阿部さんの面倒を見ていた者です」



69: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:47:48.07 ID:QPQ2+/zg0
ミ,,゚Д゚彡「道下か――――。この中で、一番被告人について知っている者だろうな。発言を認めよう」

「有り難うございます」

 言って、道下は大きく深呼吸すると阿部の方を見遣る。

「被告人である阿部さんは、私の家に寝泊りしていました。そして次第に懇意になるうちに私は、被告人と同じ風呂に入ったとき
 尾張での素性を知るに至りました」

 同じ風呂に入った、という件で、群衆の間にどよめきが起こった。

ミ,,゚Д゚彡「静かに。意見陳述はまだ終わってないぞ」

 その一声で、広場は静寂を取り戻す。

「――――被告人は、尾張で童を姦して死に至らしめたことにより、ここ、vip峡に来ざるを得なくなったのです。それは、唯に
 被告人だけに責任がある訳ではありません。1尺を越えようかという被告人の陰部は、とても常人の緋門に収まりきるものでは
 ありません。被告人は、vip峡に来た当初から、遣る方ない性欲に苛まれてきたものと察することが出来ます」



73: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:50:09.49 ID:QPQ2+/zg0
ミ,,゚Д゚彡「――――つまり、再び人と――男と交わらなかった分だけ、一応の情状酌量の余地はあると?」

「いえ、それだけではありません」

 そこでまた、道下は安倍、もとい阿部を見る。当の阿部はうつむき加減で瞑し、黙していた。

「――私にも監督責任がありました。なので、この事件については、私も被告人と同等の処罰を受けるべきです。そして、私も
 刑を受ける分、その刑を軽くして頂けないかと考える所存です。また、被告人はvip峡に来て1週間で犯行に及んでしまいましたが、
 初犯である事も考慮し、極刑は不相当であると考えます」

 掟に厳しいvip峡においての、針の穴を通すような弁護は非常に難しかったが、阿部を護りたい一心で道下は朗々と陳述してのけた。

「――――以上で私の意見陳述を終わります」

 言って、道下は村長を見据えた。群集もまた、視線を村長の方へと移す。

ミ,,゚Д゚彡「ふむ――」

 一斉に目を向けられた村長は、阿部の方を見る。依然として、阿部は黙していた。



79: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:53:22.56 ID:QPQ2+/zg0
ミ,,゚Д゚彡「被告人は、極刑に処せられても構わないか? それとも、減刑を望むか?」

 発言を促され、阿部はゆっくりと双眸を開く。

N| "゚'` {"゚`lリ「俺は、どうなったって構わない。なんせ、子牛を掘って死なせてしまった外道もこの世に居ることだからな。
        学のある村長さんなら、それくらい知っているだろう?」 

ミ,,゚Д゚彡「無論だ。http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/712346.html)の事だろう?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ。それだ。全く、困ったものだよ。世界には、俺のような輩がゴロゴロと居やがる。尤も、
         http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1121506726/のような輩も居るがな」

ミ,,゚Д゚彡「それは構わないが、自分の処断刑についての意見は無いのか?」

N| "゚'` {"゚`lリ「敢えて言うなら、そこにいる可愛い道下クンを始め、周りの皆さんに判断を委ねるよ。それが全体意思なら、
         村長さんも文句は無いだろう? いわば、皆さんは裁判員だ」

 そう言って、阿部は道下と目を合わせ――――微笑んだ。

ミ,,゚Д゚彡「分かった。では、村民に意見を請うことにしよう。被告人への死刑求刑は不適当だと考える者はそのまま直立し、
     死刑がふさわしいと考える者はその場に坐せよ。採決は、今から3分後とする――――」



83: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:55:46.37 ID:QPQ2+/zg0

 *

 燦然と太陽が照りつける中で、村人は迷っていた。群衆の中には、この一連の事件で実際に阿部によって損害を被った者が
十余人と居たからである。無論、彼らの家族も居れば、阿部によっては何の被害を受けなかった者も居る。
 群集は、ざっと見積もったところで五十人強だろうか。それほど採決に困る人数でもない。中には隣同士で耳打ちする者も居れば、
独りで遠くを眺めて考え込んでいる者も居る。

 阿部、村長とともに広場の中心に居る道下は、額から流れ出る汗を拭って蒼穹を見上げていた。
 村長は審問場を詮方なく歩き回り、時折、恐らくvip峡に流れる前の生活で手にしたであろう、懐中時計を目にしていた。
 阿部はと言うと、流石に奉行所で鍛え上げられた身体にも後ろ手に縛り上げられての半時ほどの放置プレイは辛いのか、
全身からうっすらと汗を滲ませている。
 3分間が、皆に長く感ぜられた。それこそ、もしや審判の時は訪れないのではないかとも感ぜられる程に。
 だが、村長の足音が止むと、その時はやって来た。

ミ,,゚Д゚彡「それでは、今から採決を行う。この中で、成人でない者は採決に参加できないので、暫らく審問場から遠ざかるように。
      場合によっては、見てはならぬ事になるやも知れぬ。採決に参加する意思が無い者も、同様とする」

 その言葉で、群集から10人ばかりの者が抜けた。
 彼らが十分遠ざかったのを見計らって、村長が徐に口を開いた。



86: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:57:19.84 ID:QPQ2+/zg0
ミ,,゚Д゚彡「では――――、被告人には死刑が相当であると考える者はその場に坐せよ」

 刹那のざわめきの後、幾人かが腰を下ろした。その中には宇兵衛の姿もある。 
 だが――――、

ミ,,゚Д゚彡「――極刑を望む者は、他には居ないか?」

 群衆の中で、村長の言うようにその場に坐した者は、片手でも数えられる程であった。
 群衆の中には、なにやら逡巡している様子の者も居るが、それでも彼らは直立している。 

 クマゼミが――――いやに騒がしかった。

 暫らく時は流れるが、坐そうとする者は一向に増える様子はない。それを見計らい、村長は審判を下した。

ミ,,゚Д゚彡「――反対多数。よって、被告人の刑を一等減ずる事とする」

 道下の勝利であった。審問場は喧騒に包まれた。
 それまで口を真一文字に結び、阿部の方を見つめていた道下は、感極まって安部に駆け寄り――抱擁した。
 鼻を汗が混じった阿部の雄臭い匂いが衝き、道下は噎せそうになるが、それでも道下は力強く阿部を抱き締めた。
 道下にとっての、初めての男同士の抱擁は、男としての悦びを呼び覚ますかのようだった。
 思えず、道下は阿部の分厚い胸板に顔を埋めて泣いていた。



88: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 22:58:46.14 ID:QPQ2+/zg0
ミ,,゚Д゚彡「――――但し!!」

 阿部と熱い抱擁を交わす道下の背後から、村長の怒号が浴びせられる。

ミ,,゚Д゚彡「被告人は極刑こそ避けられるものの、一等減じた刑は避けられない。その刑とは即ち、宮刑である」

 群集が、動揺の色に包まれる。それば、道下にも同じことであった。 
 宮刑とは即ち、男を不具にする刑である。道下は、将来にわたって一度も阿部に抱かれる夢を断たれることになるのだ。
 慌てて後を振り返った道下に、村長は容赦なく言葉を浴びせる。

ミ,,゚Д゚彡「そしてその断行人は、道下正樹とする!!」

「待ってください!!」

ミ,,゚Д゚彡「発言は容れない! 被告人はその嗜好から、再犯の可能性が非常に高いものと考えられる。再犯の防止という
     観念からも私は死刑を求刑したのだが、この度は私の寛大な措置により、命だけは救済しておく事とするのだ!
     これについては独り被告人だけでなく、その弁護人である道下も受け容れるべきであり、道下にも監督責任があった
     ことから、断行人としての道下に、阿部の陽物を刎ねることを命ずるものである!!」



91: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:00:41.17 ID:QPQ2+/zg0
 言って、村長は鞘に収めたままの脇差を道下の足元に放って寄越す。どさりと、無機質な音が響いた。

ミ,,゚Д゚彡「道下、vip峡の刑法の処断刑の重さについては知っている筈だよな?」

「村長!! ですが!!」

ミ,,゚Д゚彡「嫌なら、私が貴様の陽物もろとも刎ねても構わないのだぞ?」

 道下は、目の前で威容を放つ、氷のように冷酷な村長を睨みつけた。
 確かに、vip峡に流れてくる者の殆んどは、何かしら素性に傷が付いている。それゆえvip峡の秩序維持のために、
罪を犯した者に対しては重い刑罰が科せられ、余程のことがない限り村長が独断で量刑を行う仕組みになっているのだ。
それを考えれば、道下もが宮刑に問われることは存外珍しいことではない。
 
「阿部さん――僕は、どうすれば――――」

 ふらふらとした足取りで、道下は未だ磔にされている阿部の許に歩み寄る。

「ねぇ、阿部さん。僕はまだ阿部さんにイかされてないよ? 折角男色の悦びを覚えそうになったのに、それじゃああんまり
 じゃないか――」



95: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:03:38.06 ID:QPQ2+/zg0
 策が浮かばずに道下は訊ねるが、当の阿部は応えない。
 覚えず、道下の目からは幾筋もの涙が流れていた。

「ねぇ、阿部さん。自分は、もう男として生きていくことが出来なくなっても嫌なの? もしそれでも良いと言うのなら、
 僕もろとも自分のモノを――――」

 村長だけでなく群集も見ているというのに、道下は汗臭い阿部の胸板にしがみついて際どい発言を繰り返す。
 そんな道下を見かねてか、胸の中でさめざめと泣く道下に囁きかけた。

N| "゚'` {"゚`lリ「――道下クン」

 突如、耳元で発せられたイイ男の声に、道下は身を強張らせる。

N| "゚'` {"゚`lリ「――道下クン。俺は、自分の犯した罪は受け容れる積もりだ。君の心遣いは、とても嬉しかったよ。
        君は間違いなく、俺が見てきた中で一番魅力的だ――――」

「でも阿部さん!? 罪を受け容れるってことは、もう阿部さんの大好きな、男同士の交わりも出来なくなってしまうんだよ!?」

N| "゚'` {"゚`lリ「――君にまで罪を負わせたくない。そんな事になって君の許嫁が悲しむようなら、俺は迷わず宮刑を選ぶさ。
         そして、君がその断行人になってくれるのなら、もうこれ以上言うことは無い」



99: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:05:05.55 ID:QPQ2+/zg0
 言って、阿部は道下の瞳を覗き込むと、穏やかな笑顔を浮かべた。
 ウホッ、いい男――――。

N| "゚'` {"゚`lリ「それに道下クン、本当に短い間だったけど、俺は君を愛していたよ。君になら、喜んで自分の男を捧げることが
         出来そうだ。そして、俺は君だけのモノになるんだ――――」

「――阿部さんは、怖くないの?」

N| "゚'` {"゚`lリ「ああ。だが、俺の人生の終わりは腎虚で終わらせたかったが、それも叶わないのが少し心残りだよ」

「――莫迦だね阿部さん」 

 声を震わせて、道下は言う。その頬には、幾筋もの涙が伝わっていた。

「阿部さんが不具になっても、まだ後ろの穴があるじゃないか。許嫁が居ないところで、僕が果てしなく阿部さんを掘り続けるよ」 

ミ,,゚Д゚彡「弁護人道下!! 遅滞なく阿部に対して刑を断行することを命ずる!」

 阿部と道下の濃厚な抱擁は意にも介せず、村長は大音声をあげた。



101: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:06:42.92 ID:QPQ2+/zg0
N| "゚'` {"゚`lリ「ほら、早くしないと君の息子まで持っていかれるぞ。それじゃあ俺が楽しめなくなるじゃないか」

 道下が行動を移すのには、少しく間が必要だった。
 これが後生だとばかりに、道下は阿部を今一度狂おしいほどに抱きしめる。 

「――あの世でまた出逢えたら、ホイホイ付いていきます。その時は――――優しくしてください」

 ふっ、と阿部は鼻から息を漏らすと、

N| "゚'` {"゚`lリ「俺はノンケだって構わないで喰っちまう人間なんだぜ?」

 道下は安心したのか、

「僕、阿部さんみたいな人好きですから――――」

 と、満面の笑顔で言った。
 生まれて初めて、心の底から笑えた気がした。
 きっと、今まで閉ざしていた未開発の心が、阿部の手によって開拓されたからであろう。



108: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:08:36.04 ID:QPQ2+/zg0
「これが――――男色の悦びなのか」

 濃厚な接吻を交わすと、道下は脇に転がっている脇差に手をやり、すらりと刀身を抜く。よく磨き上げられた刃に、
まだ幼さを残した道下の顔がくっきり映った。
 道下は、その脇差の重さを噛み締めるように、瞑じて深呼吸する。
 
 ――――阿部さんは、僕にやられる事を望んでいるんだ。僕がやらなきゃダメなんだ

 心の中で独白する。

 ――――指に神経を集中させ、一刀のもとに全てが終わるようにしなければ。

 やがて、周りの雑音が耳に入らなくなった。

「それじゃ――――やります」

 十分神経を研ぎ澄ますと、淡々とした口調で道下は村長に告げる。
 右手に脇差を刀身のままぶらつかせて、阿部の許にゆっくりと歩み寄る。
 阿部については云うまでも無く、審問場に居る誰もが道下の挙動を注視していた。
 やがて、道下と阿部との間に間合いが無くなった。そして、余った方の左手で阿部の褌の端を掴み――――引き抜いた。



113: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:11:19.77 ID:QPQ2+/zg0
ミ,;゚Д゚彡「ム――――ッ」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「ほう――――」
 
 阿部の股間が、鬱陶しく照りつける夏の日差しに晒される。
 審問場の空気が、一瞬のうちに氷のように張り詰めた。だが、それとは裏腹に、熱い血が巡る阿部の陽物は燦然と光り輝く
太陽を指して、苦しいほどに雄雄しく屹立していた。
 老若男女、全ての視線が阿部の陽物に注がれた。それに応じるかのように、窮屈な褌から解き放たれた阿部の陰茎の怒張は
益々大きくなった。
 驚懼とも戦慄とも取れる村人たちの念は、益々高まっていくばかりであった。何故と云うに、子宮と並んで生命の根源とも
云うべき阿部の陽物が、同じく生命の根源と云うべき太陽を真っ直ぐに指していたからである。阿部の陽物は、生命そのもので
あった。まさしく陽物であった。そして、その生命が今まさに一刀の下に断たれようとする現実に、村人という村人が恐怖した
のである。
 それは、生命の根源が絶たれようとする瞬間だった。 

ミ,;゚Д゚彡「――――道下、何をしている!! 早く刑を執行せよ!!」

 村人の間に流れた妙な空気を振り払うかのように、村長が必要以上に大声を上げた。

N| "゚'` {"゚`lリ「道下クン、こんなに大勢に見られちゃ恥ずかしいよ。早いとこやってくれ」

 後手に縛られたまま、股間を疼かせて阿部はねだる。その意を汲んで、道下は両手で脇差を握りなおすと――――陽物にあてがった。



115: 5分ほど小休止します  ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:12:57.52 ID:QPQ2+/zg0
「――――阿部さん、あの世でヤりましょう」

N| "゚'` {"゚`lリ「そうだな。それでは、先にあの世に行っておくよ」

「――――何を言っているんです。死にはしませんよ?」

N| "゚'` {"゚`lリ「――俺にとっては、死ぬも同然さ」

 云って、阿部は蒼穹に目を遣る。

 深呼吸。

 群集は沈黙し、

 太陽は南中まで昇りきり、

 少しばかり凪いでいた風が、完全に止んだ。

N| "゚'` {"゚`lリ「――――いいぞ」

 短い言葉が、阿部の口から発せられる。

 それを聞き、道下は意を決して脇差を振り下ろした――――



119: ラストスパート  ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:18:13.84 ID:QPQ2+/zg0
 *



 *



 *



(^ω^; )「――何だお、このハチャメチャな文章は」

 和装本を読了し、ブーンは高岡の顔を見上げて云った。篝火は、相変わらず盛大に燃え盛っている。

从 ゚∀从「酔った勢いで書いたからそんなになってしまったんだ。作者は今頃深く反省しているだろうさ」

(´・ω・`)「まぁ、その本を読んで、vip峡の歴史が少しばかりお分かり頂けたと思う」



123: ◆spzKjTJd5o :2007/10/14(日) 23:20:12.77 ID:QPQ2+/zg0
(^ω^; )「まさか、この作中のいい男が5年ごとに起こる厄災の原因だとでも言うのかお?」

从 ゚∀从「その通りさ。道下の手によってパイプカットされた阿部は、その後どうなったと思う?」

 暫し首を捻って考えた後、ブーンはおずおずと尋ねる。

(^ω^; )「――――リアル八ツ墓村?」

从 ゚∀从「違うよ。全然違うよ。阿部は、陰茎を切り落とされた瞬間に――――絶命したのさ」

(^ω^; )「斬首でもないのに死んでしまったのかお? それまた何で?」

从 ゚∀从「さあ、何せ古い文献しか残ってないから、詳しい死因は闇の中だ。しかし、阿部はその命と引き換えに、vip峡に
    途轍もないモノを残して行ったんだ」

 そう言って、高岡は祠へと歩み寄り、その中に手を突っ込んだ。



戻る次のページ