('A`)は案山子のようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:00:18.35 ID:CoxWFsOU0
('A`)「暇だなあ」



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:02:28.14 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「おチュンチュンwwwおチュンチュンwww」

('A`)「そこの豚雀 誰の許可で作物を食っているんだ」

( ^ω^)「知ったことじゃねえおwww米うめえwwww」

('A`)「やれやれ」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:04:14.11 ID:CoxWFsOU0
('A`)「とはいっても辞めさせないとだめだよなあ」

('A`)「でも俺案山子やし 動けんし。どうしたものか」

('A`)「そんなこと言ってる間に作物が次々と・・・」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:05:50.74 ID:CoxWFsOU0
('A`)「ああ、人間たちが頑張って作った米が食われてゆく。スズメがおいしそうに食べている」

('A`)「米ってうまのかなあ」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:09:31.39 ID:CoxWFsOU0
ξ゚听)ξ「チュンチュン」

('A`)「こりゃかわいらしい雀。メスかな」

( ^ω^)「おっおっ」

('A`)「こいつ興奮してやがる」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:11:01.87 ID:CoxWFsOU0
('A`)「お、豚雀がアプローチをかけているぞ」

('A`)「おお、つっつかれてるつっつかれてる」




('A`)「これが噂のチュンデレってやつか」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:13:24.02 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「いたいお」

ξ゚听)ξ「ふんっ」

('A`)「ああ、飛んでっちゃった。見事にフられたな」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:15:18.46 ID:CoxWFsOU0
( ;ω;)「ウッウッッ」

('A`)「あらら、泣いちゃったよ」

( ^ω^)「米うめえwwww」

('A`)「早くも立ち直ったよ」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:17:11.41 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「あんたいつもここで突っ立って何してんだお」

('A`)「仕事だ」

( ^ω^)「何もしてないのに仕事かお。楽なもんだお」

('A`)「してなくもないんだが」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:19:37.25 ID:CoxWFsOU0
('A`)「主にお前たちみたいなのから米とか米とか主に米とか守るのが仕事だ」

( ^ω^)「守れてないお」

('A`)「だよなあ。でも俺動けないし」

( ^ω^)「ごはんは食べてるのかお」

('A`)「ごはん?米のことか?」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:22:29.64 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「そうだお。ミミズとかも結構いけるお」

('A`)「そうはいうがなあ」

( ^ω^)「うちの親父もそうだお。あまりごはんをたべなくなってから動かなくなったお」

('A`)「そうなのか」

( ^ω^)「あれ?動かなくなってからごはん食べなくなったんだっけ?」

( ^ω^)「まあどっちでもいいお」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:24:13.16 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「そんなことより物は相談だお」

('A`)「一応俺はお前の敵なんだがなあ」

( ^ω^)「さっきのあの子のことだお」

('A`)「ほうほう」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:27:15.84 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「もし今度見かけたら、ブーンはとってもすごいやつだって言っといてほしいお」

('A`)「自分で言えばいいだろうに」

( ^ω^)「そこをなんとか」

('A`)「まあそれくらいなら…というかお前ブーンっていうのか」

( ^ω^)「みんなそう呼ぶお」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:28:56.85 ID:CoxWFsOU0
('A`)「ああ、いってしまった」

('A`)「了承してしまったがいちおうおいはらうべき相手なんだがなあ」

('A`)「まあどっちにしろ暇だったしな」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:31:45.91 ID:CoxWFsOU0
('A`)「これは…仕事なのだろうか」




('A`)「おや、さっきの子だ」

ξ゚听)ξ「チュンチュン」

('A`)「おいこら、勝手に米を食うんじゃない」

ξ゚听)ξ「きゃ、びっくりした!急に声掛けないでよ!びっくりするじゃない!」

('A`)「…すんません」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:34:08.38 ID:CoxWFsOU0
ξ゚听)ξ「それにしてもあんたぶっさいくね」

('A`)「いきなり失礼な雀だなあ」

ξ゚听)ξ「ほかの畑のあんたみたいのはもっとかっこうよかったわよ」

('A`)「あいにく俺はこの畑のことしか知らんのよ」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:37:43.02 ID:CoxWFsOU0
ξ゚听)ξ「そうなの。もったいないわね」

('A`)「何がだ」

ξ゚听)ξ「この畑のほかにもたくさんの場所があるのにあなたはここしか知らないじゃない」

('A`)「それがもったいないというのか」

ξ゚听)ξ「そうよ」

('A`)「そうか」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:41:55.29 ID:CoxWFsOU0
('A`)(ほかのばしょは、そんなにいいところなのだろうか)

ξ゚听)ξ「どうしたの?」

('A`)「俺はな、お前たちのように羽がないからとべない。足が一本しかないから人間のようにあるけない
   
   その足も地面にささえられてようやく立っていられるんだ。とてもほかの場所になんていけない」

ξ゚听)ξ「なぜ、そうなのかしら」

('A`)「さてね」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:44:43.07 ID:CoxWFsOU0
('A`)「そういえば、あのブーンとか言うスズメがいるだろう」

ξ゚听)ξ「いるわね」

('A`)「あいつすごいぞ」

ξ゚听)ξ「へえ、なにが?」

('A`)「…え?」

ξ゚听)ξ「だからあいつの何がすごいというの?」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 02:47:23.17 ID:CoxWFsOU0
('A`)「なにって・・・ほら、すごいじゃないか…みるからに」

ξ゚听)ξ「そうかしら?たとえばどんな所が」

('A`)「え・・・と・・・ほら!あれだ!すごいデブだ!」

ξ゚听)ξ「たしかに!」

('A`)ξ゚听)ξ「あっはははははっは!!」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:00:31.88 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「なにかとてつもなく馬鹿にされてる気がするお」

(´・ω・`) 「ばーか」

( ^ω^)「うるさいお」


――数日後



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:04:32.05 ID:CoxWFsOU0
川 ゚ -゚) 「カァーカァー」

( ^ω^)「うげげ、烏だお」

( ^ω^)「かかわりたくないから僕は帰るお」

('A`)「じゃあな」

川 ゚ -゚)「カァー!」

('A`)(なんだ、俺に威嚇してるのか?)



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:08:14.10 ID:CoxWFsOU0
川 ゚ -゚)「カジカジ」

('A`)「ちょ…おまっ、噛むな!」

川 ゚ -゚)「ほう、私の姿をみて逃げないやつは初めてだな」

('A`)「流れるようなきれいな黒い羽根…間違いない、カラス…!」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:10:20.51 ID:CoxWFsOU0
川 ゚ -゚)「面白いやつだ」

('A`)「こっちとしてはあまり面白くないぞ。見ろ、軸の棒がボロボロだ」

川 ゚ -゚)「元からだろうそれは」

('A`)「うぐぅ」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:14:09.63 ID:CoxWFsOU0
('A`)「しかし、おもったより大きいな」

川 ゚ -゚)「この辺にはスズメとかの小型の動物しか生息していないからな。私は比較的大型かも知れん」

('A`)「小難しい言葉をつかうやつだ」

川 ゚ -゚)「気に食わんか」

('A`)「いやべつに」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:19:48.79 ID:CoxWFsOU0
('A`)「しかし、珍しいな。カラスはこの辺では見かけなかったが」

川 ゚ -゚)「ここから太陽が昇ってから真上にくるまでの間飛ぶと人間たちの里がある私はそこから来た」

('A`)「そりゃ難儀だな。何かあったのか」

川 ゚ -゚)「私たちは人間たちの”おこぼれ”を食べて生活していたのだがそれが気に食わんらしくてな。追い出されたよ」

('A`)「難儀だな」

川 ゚ -゚)「難儀だ」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:22:33.19 ID:CoxWFsOU0
川 ゚ -゚)「実のところ人間を出し抜いて生活することは可能だったのだ」

('A`)「ほう」

川 ゚ -゚)「しかし私は人間の里を去ることにしたのだ」

('A`)「それまたどうして」

川 ゚ -゚)「わからん」

('A`)「わからんか」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:25:49.59 ID:CoxWFsOU0
川 ゚ -゚)「私はしばらくそこの森で滞在させていただくとしよう」

('A`)「森?」

川 ゚ -゚)「お前の後ろにあるじゃないか」

('A`)「うしろ…見たことないな」

川 ゚ -゚)「難儀だな」

('A`)「難儀だ」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:29:50.83 ID:CoxWFsOU0




( ^ω^)「うひひいーwwwお米おいしーwww」

(´・ω・`)「ああ、そんなに食い散らかして。また太るよ」

('A`)「済まない人間たち。俺はもう案山子として意味がないみたいだ」

('A`)「でもそれなら俺は何なんだ」

('A`)

('A`)「おれは」

( ^ω^)「何をぶつぶついってるんだお」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:34:32.66 ID:CoxWFsOU0
(´・ω・`)「そういえばさいきんずいぶん遠くの人間の里から動物がきてるらしいね」

( ^ω^)「そういえば、そんなことツンがいってたお」

('A`)「そういえばあのカラスも人間の里から来たと言っていたな」

川 ゚ -゚)「そのとおりだ」

('A`)「うお、後ろから話しかけるなよ。びっくりするだろ」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:37:39.66 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「ひぎぃいい!カラスだおおお!」

川 ゚ -゚)「騒々しいな、ブーンとやら。私はお前に危害を加える気はない」

( ^ω^)「ならいいお」

('A`)「いいのか」

川 ゚ -゚)「私はクーとでも呼んでくれ。里ではそう呼ばれていた」

(´・ω・`)「ぼくはショボンだよ」



('A`)「…」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:40:08.50 ID:CoxWFsOU0
('A`)「やれやれここもすっかり溜まり場だな」

( ^ω^)「サーセンっすwwww」

川 ゚ -゚)「そういえば、お前には名前があるのか?」

('A`)「ない」

( ^ω^)「そいつはドクオだお」

('A`)「はぁ?」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:42:49.59 ID:CoxWFsOU0
(´・ω・`)「ぼくらの間ではそう呼んでるんだよ」

( ^ω^)「おっおっ」

('A`)「ドクオ…じゃあおれはドクオだ」

川 ゚ -゚)「いいのか」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:48:23.05 ID:CoxWFsOU0
ξ゚听)ξ「あら、みんな揃って何してるの」

( ^ω^)「あっツン!いまあ2wせdrft6y7  つつくなお!つつくなお!」

ξ゚听)ξ「あ、あんたいきなり顔が近いのよ!」

('A`)「俺の肩の上であばれるな。きしむだろ」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 03:59:54.20 ID:CoxWFsOU0
ξ゚听)ξ「へえ、人の里から逃げてきた子たちの話してたんだ」

( ^ω^)「でも不思議だお。人の里は食べ物に苦労しないわ住み家には苦労しないわでいいところって聞いてたお」

(´・ω・`)「そんなところからわざわざ来るなんて変だよね」

('A`)(そういえば人間たちはこの畑に来なくなったな)



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 04:05:04.69 ID:CoxWFsOU0
ξ゚听)ξ「何ひきかと話したけど、それがどうもわからないらしいのよね」

(´・ω・`)「なにがわからないんだい」

ξ゚听)ξ「なんでここに来たのかが、よ。逃げてきたっていうのが一番しっくりくるみたいよ。よくわからないけど」

('A`)「お前もそうなのか」

川 ゚ -゚)「そうだな、よくわからんが、逃げてきたという方があっているだろうな。何から逃げてきたのか、私にもわからんが」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 04:08:57.23 ID:CoxWFsOU0
('A`)「人間からじゃないのか」

川 ゚ -゚)「人間も私たちを恐れたり嫌ったりはするが滅多なことで殺そうとはしない。人間を怒らせなければ実際ブーンの言う通り、住みやすいのだから」

ξ゚听)ξ「私たちを追い払うのにドクオを使うくらいだものね」

('A`)「相変わらず失礼なやつだ」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 04:15:44.16 ID:CoxWFsOU0
( ^ω^)「そうなると、僕らにはいくら考えてもわからないってことだおね」

川 ゚ -゚)「そうだな。当事者ですらわからんのだからな」

ξ゚听)ξ「ブーンじゃ一生かかってもわからないでしょうけどねー!」

( ^ω^)「な、なにおー!!」

(´・ω・`)「ああ、二人ともまってよー」


川 ゚ -゚)「全く騒々しいやつらだな」

('A`)「まったくだ」



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