('A`)は案山子のようです
- 73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 04:39:48.99 ID:CoxWFsOU0
- _
( ゚∀゚)「おんや、カラスと案山子がなかよさそうにしてるなんてめずらしい」
('A`)「やけに派手な鳥だなあ。鳥だけに色とりどり…なんてな」
川 ゚ -゚)「それでうまいこと言ったつもりか」
('A`)「なんかすみません」
_
( ゚∀゚)「アハッハハh!色とりどりと鳥をかけたのか!!こりゃあ一本とられた!あっはあはははh!」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「ドクオ、その得意そうな顔でこっち見るのやめろ」
- 75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 04:45:52.11 ID:CoxWFsOU0
- _
( ゚∀゚)「失礼、俺はジョルジュ長岡。俺はインコで長岡っていう人間と旅をしてたんだからジョルジュ長岡」
川 ゚ -゚)「で、そのジョルジュ長岡さんがなぜここに」
_
( ゚∀゚)「逃げてきた」
('A`)「お前さんも原因不明の逃亡者かい」
_
( ゚∀゚)「いんや、長岡に食われそうになってな。それで逃げてきた。まいったよあはは」
('A`) 川 ゚ -゚)「……」
- 76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 04:49:38.81 ID:CoxWFsOU0
- _
( ゚∀゚)「なかなか豊かな土地だな。しばらくここに住み着くとするかねえ」
('A`)「あんた、旅をしたって言ったな」
_
( ゚∀゚)「ああ、そうだよ」
('A`)「どんなばしょに行ったんだ?」
_
( ゚∀゚)「そりゃあいろいろさあ。何なら今度はなして聞かせてやるよ」
('A`)「ほんとか」
_
( ゚∀゚)「おうよ」
- 79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 04:54:26.88 ID:CoxWFsOU0
- 川 ゚ -゚)「変わったやつだな」
('A`)「お前も十分変わったやつだと思うが」
('A`)「OK、おちつけ。俺が悪かったから噛まないで」
川 ゚ -゚)「それよりお前、ジョルジュの話を聞きたいのか」
('A`)「わからん」
川 ゚ -゚)「わからんか」
- 81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:04:54.26 ID:CoxWFsOU0
- (´・ω・`)「また住人が増えたようだね」
( ^ω^)「まあ、こちらに危害を加えて粉ければ僕は歓迎するお」
(´・ω・`)「あれ、新参を隠れ見してるのツンじゃない?」
ξ゚听)ξ「ジョルジュさんって…素敵…」
( ^ω^)「ぼくは決してやつをゆるさない!」
(´・ω・`)「はあ・・・やれやれ」
- 82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:10:44.10 ID:CoxWFsOU0
- _
( ゚∀゚)「・・・で、一週間後そこには元気に走り回るジョンの姿が!」
('A`)「なるほど!」
_
( ゚∀゚)「ありゃ、もうこんな時間か」
ξ゚听)ξ「ええー、もうおわりー?」
_
( ゚∀゚)「ごめんな嬢ちゃん。また今度な」
(#^ω^)「・・・・・・」
- 85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:14:20.20 ID:CoxWFsOU0
- ξ゚听)ξ「あら、ブーン。不機嫌じゃない。何かあったの?」
(#^ω^)「なんでも・・・ないお」ビキビキ
ξ゚听)ξ「そうは見えないんだけど・・・」
( ^ω^)「もう・・・帰るお」
ξ゚听)ξ「?」
('A`) 川 ゚ -゚)「難儀だな」
ξ゚听)ξ「??」
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:20:53.40 ID:CoxWFsOU0
- 川 ゚ -゚)「ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「ん?クーさんか」
川 ゚ -゚)「インコとは人語を解するという」
_
( ゚∀゚)「まあね」
川 ゚ -゚)「お前は人間と意思疎通が可能なのか?」
_
( ゚∀゚)「やけに難しい言葉をつかうねえ」
川 ゚ -゚)「どうなんだ」
_
( ゚∀゚)「まあすこしなら」
- 91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:26:18.64 ID:CoxWFsOU0
- 川 ゚ -゚)「そうか・・・ありがとう」
_
( ゚∀゚)「いや、なんの」
_
( ゚∀゚)「いっちまったか」
_
( ゚∀゚)「あの話し方がクーさんの距離の取り方なのかもなあ」
_
( ゚∀゚)「難儀なことだ」
- 92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:29:18.15 ID:CoxWFsOU0
- 川 ゚ -゚)「他種との意思疎通…鳥と人間の間には成立する。なら鳥と案山子の間にも意思疎通は成立するのだろうか」
川 ゚ -゚)「わからない」
川 ゚ -゚)「・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・・わからない」
- 94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:30:38.93 ID:CoxWFsOU0
- ('A`)「今日は雨か」
('A`)
('A`)「雨かあ」
('A`)
('A`)「暇だな」
- 96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:35:27.10 ID:CoxWFsOU0
- (´・ω・`)「あめだ」
( ^ω^)「これじゃあドクオのところいけないお」
ξ゚听)ξ「そうね」
(´・ω・`)「ドクオ・・・ひとりぽっちのドクオ」
( ^ω^)「それはぼくがつけたあだ名だお」
(´・ω・`)「ドクオは今さみしいのかな」
- 97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:36:35.72 ID:CoxWFsOU0
その夜のことだった。
- 98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:40:35.08 ID:CoxWFsOU0
- ( ^ω^)「な、なんだお!!!」
ξ゚听)ξ「きゃああ!」
(´・ω・`)「地面が・・・ゆれてる!?」
大雨大風に加え
地震が起こった
震源地は
人間の里
- 103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:45:59.62 ID:CoxWFsOU0
- 川 ゚ -゚)「ゆれは・・・治まったか」
川 ゚ -゚)「しかしこの風この雨ではしばらく動けないな」
_
( ゚∀゚)「おさまったかあ」
_
( ゚∀゚)「なんかいか地震にあったことがあるがこれはでかいな」
_
( ゚∀゚)「・・・」
- 104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:50:21.27 ID:CoxWFsOU0
- 夜が明ける
太陽があらしの終わりを告げ、辺りを照らす
_
( ゚∀゚)「こりゃ・・・ひどいな」
_
( ゚∀゚)「ん?ありゃウミネコさんじゃないか。なぜこんなところに」
(,,゚Д゚)「あわわわ」
_
( ゚∀゚)「おまけにあんなに慌てて」
- 106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 05:58:03.58 ID:CoxWFsOU0
- (,,゚Д゚)「へ?インコ?なんでこんなところに」
_
( ゚∀゚)「あんたも相当場違いだと思うが」
_
( ゚∀゚)「何があったか詳しくおしえてくれや」
(,,゚Д゚)「おれもなにがなんだか・・・。台風が来るってんでよそからたくさんの人間が避難してきてたんだが
来たんだが・・・」
(,,゚Д゚)「いきなり地面が怒り出してな・・・そりゃひどいもんだったよ。地面は割れるわ人間の家は壊れるわ。
それで火がついて里ごと焼けてるんだよ・・・」
_
( ゚∀゚)「こっちはまだましな方か・・・」
- 108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:00:55.03 ID:CoxWFsOU0
- ('A`)「ああ」
('A`)「あれが空かあ。見上げてみると高いもんだな」
('A`)「あれが森か」
('A`)「あそこにみんないるんだな」
('A`)「しかしまいった」
('A`)「体がバラバラになっちまった」
- 109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:04:34.91 ID:CoxWFsOU0
- ( ^ω^)「ドクオがいないお!」
(´・ω・`)「かぜで飛ばされちゃったのかな」
ξ゚听)ξ「あ!こっちにいるわよ!」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
('A`)「よう三馬鹿スズメ」
- 110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:06:58.09 ID:CoxWFsOU0
- 川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
ξ゚听)ξ「あ、クーさん」
('A`)「とうとう姿かたちまで案山子じゃなくなっちまった」
川 ゚ -゚)「大丈夫なのか」
('A`)「そうみたいだ」
- 111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:10:20.65 ID:CoxWFsOU0
- _
( ゚∀゚)「長岡から聞いたことがあるな」
_
( ゚∀゚)「人間以外の動物は危険を嗅ぎつけるのうりょくが強いって」
_
( ゚∀゚)「謎の逃亡者のしょうたいはこれか」
- 113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:12:27.08 ID:CoxWFsOU0
- 「そう、そのとおりだジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「あんたは」
- 115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:17:55.16 ID:CoxWFsOU0
- ('A`)「いがいと悪い気分じゃない」
('A`)「今まで見れなかったものも見れるしな」
('A`)「しかしもうみんなが俺の肩にとまることもないのはうれしいようなさみしいような」
川 ゚ -゚)「わたしが噛んだりしたから・・・折れてしまったのか」
( ^ω^)「ぼくたちがつついたから布がはげてしまったのかお」
ξ゚听)ξ「わたしがドクオの上で暴れたから紐ゆるんでしまったの?」
(´・ω・`)「ぼくが・・・」
('A`)「ちがうぞ」
- 116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:20:48.51 ID:CoxWFsOU0
- ('A`)「たしかにおまえらにやられた傷は億千万」
('A`)「でもそれがあってもなくても今日俺は壊れただろう」
('A`)「頭だけになってしまったが、作物はだめになってしまったが、案山子じゃなくなったが俺はドクオになれたよ」
('A`)「ありがとう」
- 118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:24:19.48 ID:CoxWFsOU0
- _
( ゚∀゚)「ドクオさん」
('A`)「ジョルジュか」
_
( ゚∀゚)「やっぱり壊れちゃったか」
('A`)「軽量化だ」
('A`)「ところでそこの人間は誰だ」
- 121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:26:57.26 ID:CoxWFsOU0
人間「―――――-」
_
( ゚∀゚)「―――――」
人間「―――――――」
_
( ゚∀゚)「無理なダイエットはいかんですよ、と彼が」
('A`)「余計な御世話だ。というかだから誰なんだ」
- 125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:33:17.73 ID:CoxWFsOU0
- _
( ゚∀゚)「俺の主、長岡さ」
('A`)「なに?」
('A`)「どうしてここに」
_
( ゚∀゚)「いやね、長岡は俺が逃げた後しばらく人間の里にいたらしいんだけどおいだされたんだと。
それで流れ流れてそこの人間の集落まできたら誰もいない。しめしめと思ってそこで飯を食い今日まで暮らしてたんだと」
('A`)「最低だな」
_
( ゚∀゚)「ああ最低だね」
- 126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:40:07.98 ID:CoxWFsOU0
- ('A`)「いつの間にか三馬鹿スズメがいないな」
_
( ゚∀゚)「無理もない、人間が近づいたんだもの」
_
( ゚∀゚)「クーさんは逃げてないみたいだけどね」
川 ゚ -゚)「・・・・・・まさかそいつ私らを食べるとか言わんだろうな」
_
( ゚∀゚)「――――――?」
長岡「――――www」
_
( ゚∀゚)「カラスは美味しくないから食べないよwwwwと彼が」
長岡「―――――」
_
( ゚∀゚)「でもインコは美味しんだよね、と彼が」
_
( ゚∀゚)「ってうわあああああ!」
- 132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:47:12.99 ID:CoxWFsOU0
- ('A`)「で、その人間さんは俺に何か用なの」
_
( ゚∀゚)「ドクオさん。今あなたに3つ選択肢がある。一つは長岡に頼んであなたを修理してもらいまた案山子として生活する。
もう一つはこのままの状態で生活する。二つとも今までとそう大差ない生活ができるとおもう」
('A`)「もう一つは」
長岡「――――――」
_
( ゚∀゚)「長岡はドクオさんに興味を持っている。一緒に旅をしないか、と言っている」
- 134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 06:52:25.56 ID:CoxWFsOU0
- 川 ゚ -゚)「まってくれ」
_
( ゚∀゚)「ドクオさんを引き留めるの?クーさん」
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「いや、ちがうか」
_
( ゚∀゚)「―――――」
長岡「―――――」
('A`)「・・・・・・」
長岡「―――――」
( ゚∀゚)「―――――」
- 137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 07:00:37.93 ID:CoxWFsOU0
- 女学生「ああ、長岡教授。生きてたんですか?」
長岡「ひどいなあ。そういう言い方ってあるかい?」
長岡は長い旅を終え、自らの研究室を構える大学へと帰ってきていた。
女学生「だって、例の大地震のあったころその周辺にいたらしいじゃないですか」
長岡「ああ、その時運よく東京を離れていたからね。何とか無事だったよ」
- 139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 07:02:54.99 ID:CoxWFsOU0
女学生「ジョルジュちゃんも元気ですか」
長岡「もちろんだとも」
女学生「教授のことだから食べたと思いましたよ」
長岡「ははは。一回逃げられたよ」
女学生「・・・・・・」
- 141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 07:07:26.72 ID:CoxWFsOU0
- 女学生「ジョルジュちゃんひさしぶりー」
インコ「オッパイ!オッパイ」
女学生「相変わらずのセクハラっぷりだねー・・・それと」
女学生はジョルジュの籠の隣にいるおとなしい聡明そうなカラスに目をやる。
長岡「ああ、その子はあたらしい旅の仲間さ」
カラス「…・・・」
- 143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 07:13:14.54 ID:CoxWFsOU0
- そして無造作にリュックに刺されたバスケットボール大の球体。
そこには不細工な顔が描かれていた。
女学生「これはなんです?」
長岡「私の旅仲間、案山子のドクオ君だ」
そういいながら恭しく顔の描かれた汚い布を外す。
外された九体から黒ずんだわらが露出する。
女学生「それどうするんです?」
- 145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 07:18:57.91 ID:CoxWFsOU0
- 長岡「僕の旅は終わった。でもドクオ君の旅は終わらない」
そういうと長岡はカラスの首にスカーフのようその布をに巻きつけた。
そのあとジョルジュとカラスが向きあいくちばしを動かした。
まるで言葉を交わすかのように。
そのあと、ぴょんぴょんとあいている窓まで移動し、こちら向いた。
静かに短くカァ、と啼き
窓から 飛び立っていった。
- 146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/21(日) 07:22:03.39 ID:CoxWFsOU0
女学生「教授、今回はどこへいかれたんですか?」
カラスが見えなくなるまで送った後、長岡が振り返る。
長岡「話して聞かせよう。長くなるぞ」
庭では三羽の雀が無邪気そうに戯れていた。
end
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