( ^ω^)スーパーロボット大戦BOON のようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 20:47:35.29 ID:M4fMsOMw0
- 銀河に浮かぶ、無数の天体。
燃え上がる太陽、様々に姿を変える月、輪を侍らす土星……。
漆黒の空間の中で、その存在を示すかのようにそれぞれ星は個性を持つ。
そして、その中にはともすれば宇宙に反するような、真白なる星があった。
だが、白き星が他の天体と一線を画すのはそれだけではない。
この星は意思を持ち、自らの思考を持つ。
ただ、その息吹に生命らしさは感じられず……。
「……人類の……探査を……開始する……」
どこかで響いた声と共に、星の表面から何かが切り離される。
それはある程度進んだ後、速度を上げて一直線に地球へと向かう。
白き星はその様子を見届け、そしてその果てにある青き星をただじっと見つめていた。
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 20:49:14.67 ID:M4fMsOMw0
- 統一2ch暦八年……人々は未だ、争いの歴史を繰り返そうとしていた。
北半球に位置するν帝国の、起こるべくして起こった宣戦布告。
VIP、ラウンジ、ニーソク各国は様々な応対で戦争へと参加し、戦火は大陸全土へと広がっていった。
列国の軍事強化が進み、その中心には駆動兵器と呼ばれる人型の兵器の存在があった。
人型兵器――ロボットによる軍需産業は戦争の中で進歩し、より効率的、より強力な兵器としてのロボットが生み出されていく。
しかし、戦火から離れた場所に、純粋なロボット工学の進歩を続ける一つの島国が存在していた。
技術大国、日本。
その国内だけでなく、世界でもトップクラスの大企業である、荒巻コーポレーション。
企業を統べる荒巻社長は、若き頃に偶然にもネット上で地球に迫る危機を知り得ていた。
そして、その脅威に対抗するため、秘密裏に計画されたDプロジェクト。
超古代文明の遺産を得て、計画は順調に進められていく。
だが、それを隠すにも限界があった。
物語は、VIP国の基地にある組織から一つの情報が届けられるところから始まる……
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 20:51:33.09 ID:M4fMsOMw0
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/ / 了 /| | / // /__, ___/::::::::::/  ̄∠ 、__/ ' ' / i´
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――― S T A R T ―――
R O A D
C O N T I N U E
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 20:52:43.08 ID:M4fMsOMw0
- ――VIP国南部指令基地。
VIP国の主力兵器である駆動兵器を保有するその基地に、本国より一つの暗号伝聞が入ってきた。
状況が状況なだけに、基地もそれ相応の覚悟で閲覧したが、意外にもグレードは最低のCランク。
暗号の仕方も、一番簡単な縦読み方式であった。
それでも最初に閲覧したのは基地を担当する立場のフサギコだったが、その内容に彼自身も眉をひそめる。
本国から届けられたその情報は、一触即発の戦時下において、いささか場違いとも取れるような内容だったからだ。
( ,'3 )「未確認兵器の偵察……ですか?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ」
基地内の司令室にて、バルケンは少し前のフサギコと同じように眉をひそめた。
フサギコも若干訝しげな表情を作り、話を続ける。
ミ,,゚Д゚彡「なんでも、日本においてその……未確認兵器の開発が進められているそうだ」
( ,'3 )「未確認……と言いますと?」
ミ,,゚Д゚彡「知らん。だから未確認なんだろうよ」
フサギコはふう、と溜め息を吐きながら情報が書かれた文書をデスクの上に放る。
バルケンがちらりとその書面上を覗き見ると、余白をたっぷりと使った文面が確認できた。
( ,'3 )「つまり、何かを造っている、という情報だけなのですか?」
ミ,,゚Д゚彡「らしいぞ。どう考えても場末の仕事だな……全く」
フサギコは憎々しげにそう呟く。
それもそのはず、この南部指令基地は、もはやVIP国戦力の主力とも言っていい場所だからだ。
理由は駆動兵器を有している点であるが、フサギコ自身のキャリアにおいても、このような命令は遺憾であった。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 20:55:21.09 ID:M4fMsOMw0
- ( ,'3 )「それで、如何様に?」
ミ,,゚Д゚彡「もちろん作戦は遂行する。本国からの命令だからな。それに……」
そう言って、フサギコは顎に手を当て、何かを考えるような仕草を取った。
ミ,,゚Д゚彡「恐らくだが、何か……裏がありそうな気がするんでな」
先ほどは無碍に不満を発したようなフサギコだったが、その考えは別のところにもあった。
このような不確定な情報を、何故この南部基地に発信したのか、ということである。
ミ,,゚Д゚彡「この南部基地と他の基地との違いはなんだ?」
( ,'3 )「……駆動兵器、でありますか」
バルケンの答えを、フサギコはわかっていて頷く。
何故、このような指令がこの南部基地に届いたのか。どうして、このような戦時中に届けられたのか。
書面には作戦内容しか書かれていないものの、そこに存在する何らかの意図を、フサギコは感じ取っていた。
ミ,,゚Д゚彡「……今回の作戦には駆動兵器隊を使う」
( ,'3 )「!」
言葉には発しなかったものの、バルケンはその表情に明らかな驚愕を見せていた。
このような作戦に、基地の主力である駆動兵器を使うなどと、決してまともだとは言えない。
戦火が拡大し、いつ攻撃を受けるやも知れないこの基地にとって、もはや丸腰になるようなものであった。
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 20:57:55.23 ID:M4fMsOMw0
- ( ,'3 )「恐れながら、この基地の戦力はどうするので?」
ミ,,゚Д゚彡「……この前の作戦で鹵獲した兵器はまだ解析中か?」
( ,'3 )「はい」
一週間ほど前の作戦において、クーが鹵獲したν帝国の新型兵器は未だ解析を続けられていた。
操縦者の死亡や、核を動力とすることなどの理由で、扱いに細心の注意が必要とされていたからだ。
ミ,,゚Д゚彡「なら、戦力はあるんだな」
( ,'3 )「は……?」
バルケンはフサギコの言動に、当惑の表情で応えた。
しかし、その表情はすぐに驚愕のものに変わる。
直前の会話の内容から、自ずとその意味が把握できてしまったからだ。
(;,'3 )「ま、まさか核ですか!?」
ミ,,゚Д゚彡「使えはせずとも、相手は簡単にこの基地に手は出せんということさ……」
裏返ったバルケンの言葉に、フサギコはにやりと笑う。
その表情に、バルケンは背筋にぞくりと冷たい感覚を通らせた。
ミ,,゚Д゚彡「作戦は予定通りに行う。各員への伝達を急げ」
(;,'3 )「ハ……ハッ!」
体に染み付いているおかげで、バルケンの敬礼は咄嗟でも見事なものだった。
だが、やはりそのおぼつかない足取りに、隠し切れない動揺が含まれていた。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 20:59:52.83 ID:M4fMsOMw0
第00話
極めて近く、限りなく遠い世界に
-Deus ex machina-
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:00:39.91 ID:M4fMsOMw0
- ――太平洋上空。
世界で最も広大な海の上に、VIP国が誇る高性能輸送機、NRPの姿があった。
ステルス機能を存分に発揮し、幾多の雲を掻い潜るその姿は、まさに飛燕のようである。
今回の潜入という任務において、これほど向いている機体もなかった。
機内の貨物室で、三機の駆動兵器が静かにその時を待ち構える。
目的地の日本までは残すところ約四百キロ、到着は日本時間の午後二時ほどであった。
川 ゚ -゚)「それでは、作戦事項を確認する」
( ^ω^)('A`)「了解」
客室より大分開けたミーティングルームにて、機体に搭乗する三人の姿があった。
後ろ手に組んだクーが電光掲示板を操作すると、たちまち画面に文字が羅列される。
川 ゚ -゚)「今回の作戦は日本へ潜入し、未確認の兵器を偵察すること。行動は秘密裏に行われる」
クーの操作で画面表示が切り替わり、今度は日本国内の地図が映し出された。
川 ゚ -゚)「ここが潜入する場所となる荒巻コーポレーションのビルだ。
これだけの大会社なら、当然セキュリティも充実しているだろう。そこで……」
そう言うと、クーは懐から何かを取り出し、二人に見えるようにそれを掲げる。
取り出したのは、一片のマイクロデータチップだった。
川 ゚ -゚)「これを使って一時的にあちらのデータを改竄し、内部での行動を可能にする」
クーはチップを懐に戻し、再び掲示板の操作を行う。
すると、今度はビル内部の詳細なデータが表示された。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:02:54.70 ID:M4fMsOMw0
- 川 ゚ -゚)「国内でも有数の高さに広大な敷地面積、階数も五十を優に超える。公式ではな」
クーはわざと最後を強調して言う。
席に座ってそれを聞く二人も、当然その意味は理解していた。
川 ゚ -゚)「情報が事実ならば、恐らくは地下か、別の場所に大規模な施設を有していると思われる。
作戦は以上だが、何か質問はあるか?」
そう言って、クーは二人へと向き直る。すると、すぐにドクオが手を挙げた。
('A`)「チップを使うにも、その使う機会はどう作るんですか?」
川 ゚ -゚)「そこは多少実力行使となるだろう。装備に腕時計型麻酔銃も加えられている」
('A`)「……なるほど、了解しました」
偵察任務ということで、比較的“そういったこと”はしないと思っていたドクオだが、彼とて軍人である。
クーの言葉によって任務に対する覚悟が緩むことはない。
それは、もちろん隣で聞いていたブーンにも当てはまることだ。
ドクオの質問が終わると、今度はブーンの方が手を挙げた。
( ^ω^)「万が一見つかった場合は、どのような対処をするんですかお?」
川 ゚ -゚)「……必要な場合、射殺も許可されている」
クーの言葉を聞いて、ブーンとドクオは体に若干の緊張を走らせる。
もちろん二人がそれを想像しなかったわけではない。任務を遂行するためならば、当然のことと認識もしていた。
だが、相手は武装した軍人ではなく、民間人なのだ。やはり、相応の覚悟が必要だった。
('A`)「……外交問題になりかねないのでは?」
川 ゚ -゚)「そうならないように細心の注意を払えということだ。だが、情報では相手は兵器を極秘裏に扱っていると聞く。
そう簡単に大事にはしないはずだ」
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:05:08.26 ID:M4fMsOMw0
- 川 ゚ -゚)「質問は以上か?」
( ^ω^)('A`)「はい」
川 ゚ -゚)「よし、それでは装備の説明に移る」
再び電光掲示板を用いて、クーが説明を始める。
しかし、その時ドクオの思惑は別のところにあった。
('A`)(……やっぱ、それだけじゃないんだろうな、今回の任務は……)
今回の任務について、ドクオには気がかりな点がいくつか存在していた。
まず、VIP国が戦争中とはいえ、公式な外交もなく、いきなり潜入を行うということである。
日本という国は他国の戦争には常に中立を保っており、難民救助などはあっても決して軍事介入を行おうとはしない。
そんな国に、何故いきなり潜入などということを行うのか。
更には、そんな国がどうして未確認の兵器を造っているなどという情報が流れるのか。
次に、その情報はどこから得たものなのか。
現在も任務は遂行中だが、今回の情報はあまりに突然過ぎるのである。
一体どのようにして、この情報がVIP国に伝えられたというのか。
今までずっと中立だった国が、いきなり兵器を造っているなどと、にわかに信じられる話でもない。
VIP国が独自に調査を続けていたのだとしても、ドクオはそんな話を聞いたこともなかった。
('A`)(一番気になるのは……何故、俺達かってことだ……)
そして、最も気がかりな点。それは、「何故、駆動兵器を持ち出す必要があるのか」ということだった。
潜入、及び偵察が目的なら、今回の任務にこのようなものは過剰だと言える。
これではまるで、駆動兵器を用いるのが前提になっているようなものだ。
('A`)(……もしかして、既に上層部は知ってるんじゃないか? その“未確認の兵器”が何なのか……)
- 17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [前にも勘違いされたけど] 投稿日: 2007/10/20(土) 21:07:29.32 ID:M4fMsOMw0
- 川 ゚ -゚)「……以上で装備の説明を終了する。それでは、各自のコードネームを確認するぞ」
( ^ω^)('A`)「了解」
クーは使う必要のなくなった掲示板の電源を切り、二人の方へと近付いていく。
それに合わせて、二人の方もいそいそと机から立ち上がった。
川 ゚ -゚)「ブーン、お前のコードネームは?」
( ^ω^)「はっ! どうも、本田太郎ですお!」
川 ゚ -゚)「うむ」
見事な角度の敬礼が決まった後、クーはドクオへと視線を向ける。そして、同様の質問を繰り返した。
川 ゚ -゚)「ドクオ、お前のコードネームは?」
('A`)「はっ! こんにちは、松田一郎です!」
川 ゚ -゚)「うむ」
二人の姿勢が揃ったのを見て、クーは満足そうに頷く。
そうして、クーが軽く手を挙げ、二人は緊張させた腕を降ろした。
川 ゚ -゚)「私のコードネームは豊田花子だ。ゆめゆめ忘れぬようにな」
( ^ω^)('A`)「了解」
それぞれのコードネームは上層部より伝えられたものだが、流石に三人も由来までは聞かなかった。
上からの命令は絶対、そのような意識が働いたのである。
それでも一応、「日本で最もポピュラーな名前」だと説明はされていた。
川 ゚ -゚)「よし、それではそれぞれ日本について学んだことを述べてみろ。まずはブーン」
( ^ω^)「はっ! ブーンは日本の民俗学について学びましたお」
軽くおほん、と咳払いをした後、ブーンは自慢げに何かを取り出した。
- 18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [俺は科学者の作者じゃないよ] 投稿日: 2007/10/20(土) 21:09:43.52 ID:M4fMsOMw0
- ( ○ω○)「まじかるちぇ〜んじ!」
ブーンが取り出したのは眼鏡、バンダナ、リュックサック、そして穴空きグローブであった。
装着する時に何やら裏声で叫んだブーンだったが、クーとドクオは至って冷静にそれを受け止めた。
( ○ω○)「……」
川 ゚ -゚)「……?」
( ○ω○)「……ハァ……ハァハァ……」
川 ゚ -゚)「どうしたブーン、どこか苦しいのか?」
(* ○ω○)「……ぐ、軍服……女上官……萌え〜」
頬を染め、目元が垂れ下がり、熱い吐息を漏らしたブーンがクーに生温かい視線を送る。
表情にさえ出なかったが、クーは本能的にその場から二、三歩下がった。
川 ゚ -゚)「よし、ブーンもういい」
( ○ω○)「はっ!」
川 ゚ -゚)「では、次はドクオ」
('A`)「はっ!」
すると、ドクオは上半身を少し猫背気味に曲げ、何やら気だるそうな表情でどかっと椅子に腰を下ろした。
('A`)「……マンドクセ」
川 ゚ -゚)「……?」
無気力状態のままただ座り尽くすドクオに、クーは訝しげな目線を送る。
すると、ドクオはその視線に気付いた途端、急に落ち着きがなくなっていった。
汗をかき、きょろきょろと周りを見渡し、時折ちらちらとクーへと横目で覗く。
当然ながら、彼女にはその行動が何を意味するのか理解できなかった。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:12:20.12 ID:M4fMsOMw0
- 川 ゚ -゚)「……?」
('A`)(ビ、ビジンニ、ミツメラレテイル、ダト……)
川 ゚ -゚)「……」
(*'∀`)(モシカシテ……オレニキガアル、トカ……)
そうして、ドクオは突然「フヒヒヒ」と薄気味悪い笑顔をクーへと向ける。
クーは先ほどのブーンとはまた違った、おぞましいような悪寒を感じていた。
(*'∀`)「ア、アノ……」
川 ゚ -゚)「よし、ドクオもういいぞ」
('A`)(ウツダシノウ)
果たしてクーは何かを感じ取ったのか、少々強引にドクオの言葉を遮った。
川 ゚ -゚)「では、これにて終了する。各自、解散!」
( ○ω○)('A`)「了解!」
川 ゚ -゚)「ブーン、それはもう脱げ」
少々の疑問を残しつつも、ミーティングは終わりを迎える。
その後、ブーンとドクオは自室へ、クーは機体の点検で貨物室へと散っていった。
NRPは速度を落とすことなく、白雲を越しながら進んでいく。
日本本土への到着まで、もう間もなくというところであった。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:14:39.62 ID:M4fMsOMw0
- ――荒巻コーポレーション地下格納庫。
そびえ立つ近代的な都市郡の真下、そこに荒巻コーポレーションが有する地下格納庫は存在する。
スペシャリストとして各分野から選出された作業員、NA○A顔負けの技術力、何重にもされた防音壁、耐衝撃隔壁……。
優秀な人材と最先端技術の融合した、まさに奇跡とも呼べるような設備である。
その存在は一般市民の間では都市伝説として流布しているが、確証にまで至った者はいない。
だが、時折茶色のロングコートに帽子という、いかにもな風貌をした探偵が調査していたりもする。
「おーい! ここの部分にくっつけるのはこれでいいんだっけー!」
「違いますよ先輩ー! そこはまだ作業しなくていいんですってー!」
(´・ω・`)「……」
格納庫の一角にて、一人のしょぼくれた顔の男がじっと作業を見つめていた。
その視線は鋭いようで、奥に愛おしさを秘めるような、独特のものである。
彼の名はショボン=バーボン。
着ているものはここの作業服だが、この荒巻コーポレーション専属のテストパイロットだった。
_
( ゚∀゚)「おいショボン、おいおいショボン」
(´・ω・`)「なんで二回言うんだい」
すると、ショボンの背後より眉毛に特徴のある男が近付いて来た。
使い古された作業服を着て、油の臭いを感じさせる彼の名はジョルジュ長岡。
三度の飯よりおっぱいが好きそうな容姿をしているが、これでもここの整備技術主任である。
_
( ゚∀゚)「またぼーっと突っ立ってんのか、お前は」
(´・ω・`)「いいじゃないか別に。邪魔をするわけじゃないんだから」
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