( ^ω^)スーパーロボット大戦BOON のようです

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:17:47.91 ID:M4fMsOMw0
  _  
( ゚∀゚)「正規のパイロットに選ばれたんだろ? 何をそんなしけた面してんだよ」
(´・ω・`)「……正規、か」

長岡の発した言葉を自らも呟き、そのままショボンはうつむく。
元々下がった眉が、さらに沈んでいるように見えた。

(´・ω・`)「……名前だけさ、正規パイロットなんて」

そう言ってショボンはポケットに手を入れると、そこから一枚の折り畳まれた紙を取り出した。
綺麗に折れ線が付けられたそれをショボンは広げ、そして虚ろな瞳で見つめる。
その後ろから、長岡が興味深そうに覗いていた。
  _  
( ゚∀゚)「……なんだそれ?」
(´・ω・`)「今までのテストの結果さ。……ひどいもんだよ」

紙に表れていたのは、ショボンの言う「テスト」の結果のグラフであった。
全部で六回分のデータが記されていたが、そのどれもが素人目の長岡が見ても良いとは言えないものである。
一番成果の高いものでも、最高値の半分に達するぐらいだった。
  _  
( ゚∀゚)「ふーん。でもよ、数字が悪くても動かせるんだろ?」
(´・ω・`)「ふーん、って……まあ動かせることは動かせるけど……」
( ゚∀゚)「じゃあいいじゃん。愛があればラブイズオーケー」
(´・ω・`)「……はぁ」

ショボンは呆れと疲れが入り混じった息を吐き、紙をまた折り畳んでポケットにしまう。
並び立つ二人の表情は、見事なまでに対照的だった。
  _  
( ゚∀゚)「大丈夫だーって! 俺の作った頼れる兵器の数々がお前にはついてるぞ!」
(´・ω・`)「頼れる兵器?」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:20:19.66 ID:M4fMsOMw0
  _  
( ゚∀゚)「よくぞ聞いてくれたな!」

瞬間、ショボンは「しまった」と後悔した。
これから起こる事態を容易に想像できたショボンは辟易し、再び溜め息を漏らす。
既に彼の目の前には、喜色満面とした長岡の表情、そして、どこからか取り出された分厚い企画書の束があった。
  _  
( ゚∀゚)「まずはこれだ!」
(´・ω・`)「これは……銃かい?」

長岡が提示した企画書の一枚には、シンプルなデザインの銃が描かれていた。
しかし、どこかデザインが乱調で、ところどころ絵としての出来上がりがよろしくない。
専門的な言葉を使うならば、作画崩壊を起こしていた。
  _  
( ゚∀゚)「ただの銃じゃねえぞ! 撃った瞬間、まぶしい光で相手の目をくらませるんだぜ!」
(´・ω・`)「うおっまぶしっ……目くらましはともかく、威力はどうなんだい」
(;゚∀゚)「えっ!」
(;´・ω・`)「いや、えっ、じゃなくて……」

すると、長岡はいきなり言葉を濁し始めた。
どうやらまぶしい光を出すことしか頭になかったせいで、肝心の武器としては何の効果もないらしい。
ショボンもそれに気付いたのを知ると、長岡はさっさと次の企画書を差し出した。

(´・ω・`)「ちゃんと使えるものにしてくれよ……」
( ゚∀゚)「まあ見ろよ、こっちこそ本命だぜ! その名も“レーザービーム”だ!」
(´・ω・`)「ん、名前は強そうじゃないか」

ショボンはわずかな期待を胸に企画書を覗く。
だが、目を通した時点でそこにあるのが彼の想像とは全く違うことに気が付いた。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:22:35.10 ID:M4fMsOMw0
(´・ω・`)「なんだいこれ……野球の道具じゃないか」

企画書の紙面上には、適当に描かれた野球道具一式と、その名称として確かに「レーザービーム」と記載されていた。
ショボンはそういう形の武器なのかと思ったが、どこにもそれらしいことは書かれていない。
むしろ、説明の部分にはただ一言、「バックホーム」とだけしかなかった。
  _  
( ゚∀゚)「これでお前も安打製造機!」
(´・ω・`)「敵と野球で戦えとでも言うのか君は……アイ○ンリーガーじゃあるまいし」
( ゚∀゚)「でも、オ○マだって野球ロボットとして育ったんだぜ?」
(´・ω・`)「そういう問題じゃない」

冷たく言われ、長岡は「ちぇー」と不満そうに企画書をしまう。
ショボンは「どうしてこんな奴が主任なんだろう」と、何度目かもわからない疑問を抱いていた。
  _  
( ゚∀゚)「じゃあこれはどうだ? “瞬間固着トリモチガン”」
(´・ω・`)「なんかまたどっかの未来から来たのが言いそうな名前だね」

とりあえずショボンは企画書を受け取ると、さっさとその性能だけ目を通す。
何やら名前の通り、一瞬で固まる液体を発射するものらしい。
念のために隅々まで、それこそライトで紙を透かすまでに確認したが、特におかしな点は見られなかった。

(´・ω・`)「あれ、これ使えるんじゃないか」
( ゚∀゚)「そうだろ! ア○ンアルファなんて目じゃないぜ!」

ここぞとばかりに胸を張る長岡に、ショボンは少しだけ苛立ちを覚える。
しかし、その技術力は認めようと、自分の中で収めるに留まった。

(´・ω・`)「じゃあ、早速実用化に向けて進んでくれるかい」
( ゚∀<)「うん、それ無理♪」
(;´・ω・`)「はあっ!?」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:24:41.02 ID:M4fMsOMw0
油臭い作業着を着たいかつい男のウインクは、とても気味が悪い。

当然ながら、ショボンはこの言動に面食らう。
そして、その理由を問いただすが、長岡は全く悪びれる様子もなかった。
  _  
( ゚∀゚)「いやー、瞬間固着剤を作るまではいいんだけどさー。大量に作れるようなもんじゃないんだよねー」

当たり前のようにさらっと答える長岡に、ショボンは全身の力が抜けていくのを感じた。
どうやら長岡が言うには、固める固着剤はあるものの、戦闘に十分なほどの分量は確保できないらしい。
ショボンはだったら何故あれほど自信満々で薦めたのか聞きたくなったが、湧き出る疲労感の方が勝っていた。
  _  
( ゚∀゚)「あ、でも既に実用段階には入ってるんだぜ? 警備用のロボットが装備してるぞ」
(´・ω・`)「……もういい、熱意はわかったよ」

そう言ってショボンはその場を離れようと思ったが、長岡がそれを引き止めた。
どうやら、まだ自作の兵器自慢がし足りないらしい。
全く減っていない企画書を覗き、ショボンはどうやって逃げるか画策するが、果たしてそこに救いの手が差し伸べられた。

ξ ゚听)「長岡さーん! ちょっといいですかー!」

長い金髪を一つに束ね、汚れた作業着ではごまかせない可愛らしさを携えた少女がぱたぱたと、二人の元へ駆け寄ってくる。
その手には何かしらのファイルが持たれており、急いで来たのか、少し息が荒くなっていた。
  _  
( ゚∀゚)「おう、どうした嬢ちゃん」
ξ ゚听)「はい、ちょっと……あ、なんか話してました?」

彼女の名は荒巻ツン。長岡は慣れた態度で話すが、何を隠そう彼女こそ荒巻コーポレーション社長、荒巻スカルチノフの一人娘である。
未だ高校生という若さながら、ロボット工学の分野で類まれない才能を発揮し、若き革命児とまで呼ばれている。
この秘密裏に進められているDプロジェクトにおいても、まさに中核を成す人物だった。



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:26:52.46 ID:M4fMsOMw0
(´・ω・`)「そういうことなら僕は退散するよ」
( ゚∀゚)「あっ、待てぇルパーン!」

良い口実ができたと、ショボンはすぐさま踵を返す。
長岡が捕まえようとするのもあっさりとかわし、その場を後にしていった。
  _  
( ゚∀゚)「ちっ、逃がしたか……」
ξ ゚听)「あのー?」
( ゚∀゚)「奴はとんでもないものを盗んでいきました……」
ξ ゚听)「あのー……」
( ゚∀゚)「……あなたの心です!」
ξ ゚听)「そうですか」
( ゚∀゚)「冷てえなぁ」

観念したジョルジュは企画書の束を脇にしまうと、ツンと共に格納庫の奥へと歩いていった。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:28:36.57 ID:M4fMsOMw0
――奥多摩山中。

太陽はとうに沈み、月の光もおぼろげな時刻。
鬱蒼とする木々は闇夜を殊更に深め、辺りに人影などありはしない。
あったとしてもそれは人ならざるものとして扱われるであろうその場に、不釣合いな機影が存在していた。

着陸時の噴射で地面に空気の螺旋が形成され、NRPは三脚の車輪を外に出す。
数本の木が折れ、騒音が辺りに広がったが、それに気付くような者もいない。
人の住み着かない山奥であることと、少し離れた場所に自衛隊駐屯地があることが大きかった。

NRP格納部のハッチが徐々に開いていき、中に三機の駆動兵器の姿が確認できる。
クーの2CH-VR、ブーンの2CH-VG、そして、ドクオの2CH-VB。
闇夜に紛れるため、機体にはそれぞれ特注の迷彩コートが被せられていた。

川 ゚ -゚)「これより作戦を開始する。各機体、起動せよ」
( ^ω^)('A`)「了解」

クーの号令を受け、ブーンとドクオの両名は機体のメインエンジンを動かす。
その際にドクオはメインカメラを動かし、モニターで格納庫内の様子を確認した。

('A`)「……そういや、やけに修理器具や換えのパーツも多いんだよな……」

格納庫内には駆動兵器の他に、専用の部品が入ったコンテナが何個か搭載されていた。
何事かあった時のためのフォローだと好意的に受け取ることもできるが、ドクオの心中はそうではなかった。

偵察任務においてのその数はまるで、“何かあることを前提としている”ように受け取れるのだ。
しかも、その“何か”とは駆動兵器に損傷を起こすようなことである可能性が高い。
その内容も、既にドクオは検討が付いていた。

('A`)「……起こるな、戦闘が……」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:31:10.28 ID:M4fMsOMw0
ドクオの脳裏に、駆動兵器での初めての出撃、初めての敗北が浮かび上がる。
あの時に感じた恐怖や絶望は何よりもリアルなものとしてドクオを捕らえ、そして今も離さない。
そんなものと向き合いながらも、ドクオは未だコックピットの中にいる。

( ^ω^)「うぅ、緊張してきたお。ドクオは平気かお?」
('A`)「……平気じゃねえよ、また下手こいたらたまんねえからな」

機体の通信機から、2CH-VGに搭乗したブーンの声がドクオに届けられる。
それは、いつもと全く同じ調子の言葉であった。
それによって、ドクオはわずかに感情の波を抑えることができた。

('A`)(ブーンは気付いてるのかね……)

ドクオにとって、共に戦火を潜り抜ける存在であるブーン。
かつては答えが出ないと知りつつも、戦争の意味を問いかけたこともあった。

ドクオにはそんな彼が子供に見えたり、はたまた憧れを抱くような人物に見えたこともある。
頼りにしているのも事実だが、同時に無駄に迷惑をかけたくないとも思っていた。

だから、今は疑問を己の中に留め、ドクオは物言わぬ兵士に徹する。

ハッチが限界まで開かれ、虚ろな月明かりの下にそれぞれのシルエットが浮かび上がった。

川 ゚ -゚)「迎えが来るのは明朝九時だ。それでは各機、発進」
( ^ω^)('A`)「了解!」

駆動音と共に、隊列を組んだ三機が格納庫を飛び出す。
木々の隙間を駆け抜けながら、目的地である首都――東京へと向かう。

――そして、そこに現地の協力者が待っているはずであった。



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:34:06.77 ID:M4fMsOMw0
――東京。

大規模なビル郡が立ち並ぶ都心から少し離れれば、緑化計画によって植えられた木々がぽつぽつと目立ち始める。
公園で遊ぶ家族連れ、ゲートボールに励む老人、リストラされて途方に暮れるサラリーマン。
慌しい都会の光景でなくとも、この街は様々な人間像が交差する場所で埋め尽くされている。

しかし、この日に限ってはそんなリアリティを根底から覆すような、悲惨な出来事が行われていた。

(’e’)1「オラオラ大人しくしやがれ! イー!」
(’e’)2「抵抗する奴は食っちまうぞ! イー!」

子供達の育成の場である幼稚園を、全身黒タイツの連中が占拠していた。
傍目から見るとただの変態にしか見えないが、集団なので怪しげな宗教団体にも見える。

建物の中にいた子供達や保母は恐怖に慄く――こともなく、その様子をわいわいと眺めていた。

「あはははは! ダセェ! 何その格好! ダッセェー!」
「あたしの方が絶対センスあるー!」

(’e’#)1「ダサい言うな! センスって、お前らみんな同じ服だろ!」

彼らもれっきとしたセントジョッカーという秘密結社の戦闘員なのだが、そのことごとくが子供達に舐められていた。

「ねえねえ! ビーム出せんの? てか出せ! ビーム! ビーム!」
「じゃあ俺にはアイス出せー!」
「あたしガツンとみかんがいいー!」

(’e’#)1「出ねえよ馬鹿! アイスは親に買ってもらえ!」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:37:07.32 ID:M4fMsOMw0
騒ぎを聞きつけた近隣の住人が何人か駆けつけてはいるものの、特に何もすることなくその場で終わっていた。
何せこの調子なので、幼稚園の方で用意された催しか何かだと勘違いするのである。
しかし、包囲はされているものの、特に幼稚園に何らかの被害が及んでいるわけでもなかった。

(’e’)1「おい! お前ここの保母だな! 子供の親に身代金を要求しろ! イー!」
从'ー'从「あれれ〜? 先生脅されちゃってるよ〜? こわいね〜みんな〜?」
(’e’;)1「いや、だから……」

リーダー格と思われる戦闘員の男が保母の女性を脅すものの、全く信じられる様子はなかった。
しかし、それ以前にこの女性がとてつもなくのんびり屋なのか、端から危機感を持つのかどうかも怪しい。
平気で子供に尻を触られたりしているものの、全くと言って困るような素振りも見せていなかった。

(’e’)1「俺達は本物なの! いいから親に連絡しろ! イー!」
从'ー'从「それじゃあ〜みんな〜? ヒ〜ロ〜を呼ぼうか〜?」
(’e’;)1「だから聞けよ!」

こういう時だけ子供達は声を合わせ、「助けてー!!」と大合唱を始める。
戦闘員はその様子に疲れ気味に肩を落とすが、次の瞬間、本当にヒーローがやってきた。

「そこまでだ!!」

(’e’)1「だ、誰だ! イー!」

いつの間にやら、子供達のいる建物の外に別の変態五人組の姿があった。



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:39:59.88 ID:M4fMsOMw0
「どこかで誰かが呼んでいる!悪を倒せと叫んでる!」

( ,,゚Д゚)「ゴルァレッド!」

('A`)「喪男ブルー!」

ξ゚听)ξ「ツンデレイエロー!」

(*゚ー゚)「冴えないグリーン!」
  _  
( ゚∀゚)「おっぱいピンク!」

( ,,゚Д゚)('A`)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)「五人合わせてニュー速戦隊!ヴィップレンジャー!!!」
( ゚∀゚)「YES! プリキュ(ry」

テレビ番組でやっている戦隊物の如く、勇ましくヴィップレンジャーが悪を討つために参上した。

(’e’)1「またお前らか! イー!」
( ,,゚Д゚)「悪のあるところ、ヒーローありだぜ! ゴルァ!」

やたら叫ぶ赤い人が勇ましくポーズを決め、やはり叫ぶ。
そのやりとりを見た子供達は、やんややんやと歓声を飛ばし始めた。

('A`)「今のセリフ、結構カッコイイな」
(*,,゚Д゚)「そ、そうか? 照れるなゴルァ!」

「なんかヒーローの方も格好ダサいぞー!」
「そもそもヒーローには見えなーい!」

しかし、すぐに無邪気と言うにはあまりにも辛辣な言葉が、戦闘員だけでなくレンジャーの方にも飛び火していた。



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:42:11.37 ID:M4fMsOMw0
从'ー'从「みんな〜? ヒ〜ロ〜が来たから、座りましょうね〜?」

「はーい!」
「とっきゅーしれーいー! ○ルブレイーン!」
「かーけぬーけーろー♪ ソ○ブレーイン、いますーぐー♪」

のん気に歌を口ずさむ子供達はさておき、戦闘員は建物の外へと躍り出る。
そして、戦闘員は奇声を上げつつ広がるように動き、レンジャーをあっという間に取り囲んだ。
睨み合い、一触即発のふいんきが漂うが、そこへ少々緊張感のない声が聞こえてきた。

川 ゚ -゚)「遅れてすまない」

たなびく長い黒髪、モデルのようなすらっとした体型、そして見るものを虜にする美貌。
およそ戦いの場にはふさわしくないような容姿の女性が、コンビニ感覚で輪の中に入っていく。
そのあまりに堂々とした様子に、戦闘員達もつい無言で見送ってしまった。

( ,,゚Д゚)「また遅刻か博士、ゲームもほどほどにしろよゴルァ」
川 ゚ -゚)「すまん、どうしてもカ○ラが倒せなくてな。あの四回攻撃はチートではないのかと」
('A`)「今度は新○太郎伝説か……」

場違いな様相で場に割って入り、場違いな会話を女性は繰り広げる。
しかし、博士と呼ばれる彼女こそレンジャーのブレイン的存在であり、欠かせない要員なのだ。

ξ゚听)ξ「博士、アイツは楽に倒す方法がありますよ」
川 ゚ -゚)「だめだ! 今は再戦のためのレベル上げ中なのだ、そこから先は言ってはダメだ!」
(*゚ー゚)「あ、あの……戦闘員さんが待ってますよ……」
( ゚∀゚)「そうだぜ、それにようやく密林から爆乳御仏八百万(ばくにゅうみほとけやおよろず)が届いたばっかりなんだ」
( ,,゚Д゚)('A`)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)川 ゚ -゚) 「それはどうでもいい」
  _, ,_
( `Д´)「やだやだ! おっぱいおっぱい!! やおよろぉず! やおよろぉず!」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:44:39.37 ID:M4fMsOMw0
(’e’#)1「お前らいつまで小粋なトーク繰り広げてんだ! イー!」
(’e’#)23「そうだ! それにカ○ラは半分の玉を使えば一瞬で撃破できるんだよ! イー!」
(’e’#)1「だからお前も何をアドバイスしてんだ! イー!」

改めて戦闘員は身構え、レンジャーもそれに応える形で身構える。
ただ一人、博士だけが無言で立ち尽くしていた。

( ,,゚Д゚)「博士! ここは危険だから逃げ……」
川  - )「……」

赤い人が博士に振り返った瞬間、その表情が一変する。
スーツ越しでもわかるかの如く緊張し、それはすぐに他のレンジャーにも伝わっていった。

(;,,゚Д゚)「お前らまただ! 早くここから逃げろ!」
(;'A`)「建物から子供達を避難させるぞ!」

レンジャーはなりふり構わず建物の中へと急ぎ、取り残された戦闘員は呆然とそれを見送る。
事態に気付いた戦闘員はそれを追いかけようとするが、すぐにその場に漂う剣気に気が付いた。

川  - )「ほう……半分の玉か……」
(’e’;)1「なんかこの状況……前にもあったような……」

次の瞬間、博士の懐から彼女の身長と同じぐらいの日本刀が姿を現す。
体全体を使って彼女は刀身を鞘から器用に抜き放ち、そのままあろうことか片腕でそれを担ぐ形で構える。
その身から放たれる異様な殺気に、戦闘員はいつぞやの如く凍りついた。

川  - )「やってくれた喃……戦闘員よ」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/20(土) 21:46:40.35 ID:M4fMsOMw0
細身からは考えられない体勢から、彼女はその剣先に全身の力を込めていく。
しかし、このような細腕でまともに長刀を扱うことができるのか。
自らを取り囲む複数の戦闘員を相手に立ち回ることができるのか。

できる、できるのだ。

川  - )「た、種ぇ……」
(’e’;)全員「お、お戯れをぉおおお!!」

ようやく命の危機に気付いた戦闘員は散り散りに逃げるが、時既に遅し。
博士の太刀は一振りで五人、返す刀で十人を斬り捨てる。
レンジャーは繰り広げられる惨事を子供達に見せないようにするのが精一杯であった。



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