('、`*川新聞部が嘘吐きを探すようです

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:19:55.63 ID:J4I9jvhrO

('、`;川「はぁ〜……疲れた。
      私はここに座って指示出すほうが性に合ってるわ……」

デレ誘拐事件から2日。

部室に入ってきたペニサスは、ため息と共に自席へとついた。
でぃ、妹者はすでに部室に居るが、デレは暫らく休むという事で欠席中。

だが幸い大事になる前に救出できて、むしろツンの方が着地時の青痣がひどかった。

(#゚;;-゚) 「お疲れさまです部長。
      それで、どうなりました?」

('、`*川「……ジョルジュは3週間の停学。
     新聞部によるこの件の記事作成は認めない。以上」

l从♯・∀・ノ!リ「んなッ!? 停学はおかしいのじゃ!!
       なんで退学じゃないのじゃ!?」

('、`*川「バスケ部を全国に導けるから。
     それに成績優秀だし、親が県議員だし。
     ま、最後が一番ね。学校へ資金援助してるらしいから、彼のパパは」

(#゚;;-゚) 「そんな理由で……」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:22:40.21 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「そんな所よ、此処は。
     まぁあの校長が3週間の停学を認めただけでも、今回はマシな方よ。
     それもこれも、ほとんどお姉さんのお陰なんだけどね」

(*゚ー゚)「そうそう、誉め讃えなさい」

(#゚;;-゚) 「……なんでいるの?」

(*゚ー゚)「暇だから」










 第5.5話「4−1=1」




7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:24:07.13 ID:J4I9jvhrO


ケロッとした顔で空席に座る生徒会長しぃ。
今回はペニサスの、生徒の味方として、校長への直訴を取り次いだ。

l从♯・∀・ノ!リ「……でも、やっぱりおかしいのじゃ」

(#゚;;-゚) 「……私もそう思う」

('、`*川「それでいいわよ。
     自分の正義を一度でも曲げると、それが何だったのか忘れちゃうから」

(*゚ー゚)「……今は我慢して、学校に従って。
     この件は匿名で教育委員会に報告しておくから」

('、`*川「どーせ何もしちゃくれないけど……」

(*゚ー゚)「しないよりはマシよ。いつか実になるわ」

そう言うとしぃは席を立つ。
暇とは言ったが、それも方便だろう。彼女の本当の目的は、念を押す事。

(*゚ー゚)「それじゃ、よろしく頼むわよ。
     でぃもペニの言う事を聞いて、おとなしくしてるのよ?」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:26:03.20 ID:J4I9jvhrO

(#゚;;-゚) 「……」

('、`*川「こっちだってこれ以上の、黒い言い争いなんかしたくないわよ。
     ……それにデレちゃんだって、向こうが反省するならいいって言うしね」

l从♯・∀・ノ!リ「むー……」

唸る妹者の頭を軽く撫で、微笑しながらしぃは部室を出ていった。

それでもどこか煮え切らない思いのある2人とは違い、
ペニサスはこれ以上事件を引っ張るのを拒んでいる。
静かな怒りと一緒に、どこか諦めている節もあった。

('、`*川「さて……と、今日はもう木曜日だし、今週は休刊かな」

(#゚;;-゚) 「……あ、インタビューはどうなったんです?」

('、`*川「なんか転校生に怒られて中止になっちゃったみたい」

(#゚;;-゚) 「そうですか……まぁ今回ばかりはしょうがないですね。
      とりあえずバスケ部以外の大会成績でも載せておきます」

('、`*川「いや休刊でいいってば。
     もう時間的にも間に合わないし……」

l从♯・∀・ノ!リ「うんにゃ! 刊行はするのじゃ!」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:28:52.34 ID:J4I9jvhrO

(#゚;;-゚) 「はい。デレさんがゆっくり休める為にも、休刊は反対です」

なにが何でも刊行はしたい、という2人。
新聞部として出来る事は、新聞を出す事。

心配性のデレを少しでも安心させるためにも、やるべきだと。
2人はそう力強く、ペニサスに言った。

('、`*川「……了解。
     んじゃま、頑張ろうか」

(#゚;;-゚) 「いえ、部長は座っててください」

l从・∀・ノ!リ人「妹者たちが2人でやるのじゃー!
       部長はせいぜいゆっくり顎で指示をするのじゃー!!」

せいぜいゆっくり顎で指示。ペニサスは小首を傾げその意味を探る。
軽く馬鹿にされてる気もしたが、ペニサスもそれが自分らしいと、そう思った。

('、`*川「んじゃま、お言葉に甘えさせてもらうわねー」

(#゚;;-゚) 「はい。それで、私は取材に行ってきますか?」

('、`*川「そうだねぇ……。
     大会成績とかは学校のHPで見れたっけ?」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:31:46.98 ID:J4I9jvhrO

l从・∀・ノ!リ人「ガンガン見れるのじゃ。
       でも前に転載したら、生徒会に怒られたのじゃー……」

(#゚;;-゚) 「それは妹者が悪い」

('、`*川「んじゃあメインは大会成績の掲載、サブに細かい記事でよろしこー」

ゆるい指示だが、待ってましたと言わんばかりに2人は行動を開始した。
でぃは取材のため部室を出ていき、妹者はPCに向かいHPから情報を下ろしての記事作成。

暫らくカチャカチャとした音が続いていたが、ふと妹者が椅子ごと振り返った。

l从・∀・ノ!リ人「そうじゃそうじゃ、忘れる所だったのじゃ」

('、`*川「ん? どした?」

l从・∀・ノ!リ人「パン失踪事件で、一つ新しい証言を聞いてたのじゃ」

('、`*川「へぇ、どんな?」

妹者はまた椅子でクルッと振り向き、ガサガサと崩れた紙の山を漁る。
すぐにそれは見つかり、ペニサスの方を向かず読み出した。

l从・∀・ノ!リ人「えーと確か……
       あの日の放課後に、校舎裏で潰れた珍味パンを見た、って人が居たのじゃ」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:34:49.53 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「潰れた? どんな風に?」

l从・∀・ノ!リ人「……うーむ、この絵からして……」

妹者は手に持っていた紙を床に置き、椅子から下りる。

l从・∀・ノ!リ人「こうなのじゃ!」

ガサッと音を立てる紙。
妹者がそれを踏ん付けたからだ。

('、`*川「踏んだ……? 珍味パンを?」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ〜」

('、`*川「その人はパンを買いに行った人?」

l从・∀・ノ!リ人「……忘れたのじゃ。誰かもサッパリなのじゃ」

('、`*川「ふむ……」

顎に手をやり、一人考えるペニサス。
妹者は踏んだ紙を拾うと、その表面を手で払い山の上へと乗せた。

l从・∀・ノ!リ人「少しは役にたったのじゃ?」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:38:41.54 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「……うん、かなり」

l从*・∀・ノ!リ人「おぉ、よかったのじゃ。
        したらば妹者は作業に移るのじゃ〜」

機嫌よく鼻歌交じりに、また妹者はPCを弄り始める。
ペニサスは頭に浮かんだ考えを忘れぬよう、1枚の紙を取りそれへと記し出した。

その紙にはすでに半分ほど字が書かれており、タイトルが如く上には【嘘吐きの考察】とあった。

l从・∀・ノ!リ人「……むむ、バスケ部は中々強いのじゃ。
       サッカー部も頑張ってるのじゃ……」

('、`*川「……残り2つのパンは証言が取れてる。
     なら潰されてたのは消えたパン……やはり人の手で?」

l从・∀・ノ!リ人「野球部はそんなになのじゃ……。
       ……なのになんで、キャプテンの写真がこんなにデカイのじゃ?」

('、`*川「……潰した……元々パンには興味が無かった……?
     なら自分の力を試すために……それでも潰したりはしないか」

l从・∀・ノ!リ人「……ニコニコ見るのじゃ」

('、`*川「……珍味パンを潰す……これはちょっと危険思考ね。
     平気で何でもやる人間かもしれないわ……」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:41:19.66 ID:J4I9jvhrO
l从・∀・ノ!リ人「作業用BGM……と」

('、`*川「……ふぅ」

l从・∀・ノ!リ人「……ふぅ」

('、`*川「……遊んでないよね?」

l从;・∀・ノ!リ人「ももも、もちろんじゃ……」

('、`*川「なら私、ちょっと席を外すけど……」

l从;・∀・ノ!リ人「い、いってらーなのじゃー!」

('、`*川「……いって来る」

さっきまで書き加えをしていた紙を持ち、ペニサスは部室を出ていく。
妹者は小さく手を振りながら、その後ろ姿を見送った。

そしてペニサスが出ていくと、暫らく閉まったままの扉を見つめ、呟いた。

l从・∀・ノ!リ人「……VIPでも見るのじゃ」

気分屋の妹者、ペニサスに誉められた時点でさっきまでの怒りなどはどこかへと消し飛んでいった。

今そんな彼女の頭にあるのは、「また転載でもするのじゃー」と、
「今日の晩ご飯は何なのじゃ?」だけ。

ムードメーカー担当の妹者は、戻ってきたでぃに怒られるまでネットを満喫していた。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:43:01.45 ID:J4I9jvhrO








 【VIP高校新聞は、今週はお休みです】








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