('、`*川新聞部が嘘吐きを探すようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:24:07.21 ID:XiS83QCRO

ツン。
デレの双子の姉で、サッカー部のマネージャー。

VIPのサッカー部は、県内で強豪に数えられるほど強い。
先週末に行われた大きな大会でも結果を残した。

だがたまには休みを、という意見で、今日は早くに部活は終わった。

ξ;゚听)ξ「だから一緒に帰ろうって、玄関で待ち合わせをしてたの」

今日はまだ火曜。
デレも、インタビュー内容は明日報告する気だったのだろう。

ξ;゚听)ξ「そしたらトイレに行くってメール来て……
      暫らく待っても来ないから探しに行ったけど、どこにも居ないのよッ……!!」

('、`*川「焦るのは分かるけど、落ち着いて……。
     何か思い当たる節とかある? 最近その……変だったとか」

ξ;゚听)ξ「わかんない……でも、確かに判るのよ!
      昔あの子が迷子になった時も、こんな胸騒ぎがしたのッ!!」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:26:09.00 ID:XiS83QCRO

双子は何かを共感するというが、これもそうなのか。
とにかくツンは焦りっぱなしで、2人の胸にも悪い予感が包まれる。

('、`*川「……私は3、4階を探してくるわ。
     でぃちゃんは転校生の所に行って、話を聞いてきて」

(#゚;;-゚) 「はい!」

('、`*川「あと、携帯にはずっと掛け続けてて。
     30分探しても見つからないなら……また此処に」

ξ;゚听)ξ「はい……」

そして3人は合図もなく部室を駆け出る。


もう太陽は、その姿を海に沈ませていた。






10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:27:28.34 ID:XiS83QCRO








 第5話「デレ誘拐事件(後編)」









12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:28:59.10 ID:XiS83QCRO

(;#゚;;-゚) 「もしもしッ!?」

『おぉでぃ、珍しいのじゃー。なんじゃ?』

3階にある2年生の教室を目指し、でぃは携帯片手に走っていた。
さっきから何事かとチラチラ見られているが、人も疎らだし気になどはしていられない。

(;#゚;;-゚) 「デレさんから何か連絡なかった!?」

『デレから? 何もないのじゃ』

(;#゚;;-゚) 「そう……突然ごめん」

『でぃ? なにかあったのj』

妹者が言い終わる前に、プツッと音を立て電話は切られた。
慣性で携帯は閉じたがポケットには戻さず、でぃは走る。

VIP高校はA棟とB棟に校舎が別れ、部室があるのがB、教室はAだ。
新聞部の部室は1階の端。
目的の教室に行くには、階段を昇り渡り廊下を通り……。

だからか、でぃの息は切れ始めていた。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:31:34.87 ID:XiS83QCRO

(;#゚;;-゚) 「デレさん……!」

自分やペニサスや妹者とは、全くタイプの違う人間。
一言に尽きるデレの性格は、優しい。
常に皆を気に掛け、常に皆と一緒に楽しむ事を好んだ。

今この状況の原因が何かは分からない。
だが、嘘吐きの事をどこか確信めいてるペニサスとでぃにとっては、焦らざるをえない。

だから我武者羅に、走る。







( 、 ;川「ひぃ……ふぅ……はひぃ……」

彼女を除いて。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:34:44.61 ID:XiS83QCRO

勢い良く飛び出たはいいが、目的の3階どころか2階へ上がる階段で力尽きた。
ペニサスは50mリタイアという好成績を叩きだした事もあり、
体育の成績も万年Z。最強のアルファベットである。

( 、 ;川「くひぃ……くひぃ……おぇッ!!」

少し走っただけでえづく有様。
階段の踊り場でorzする彼女の姿は、もはや醜態だ。

――――なぜ、自分はここまでしているのだろう

ペニサスの頭が勝手に考えだす。

さっきまで嘘吐きの話をしていたから、最悪の事態が見えたのかもしれない。
それともツンの様子を見て、これは大変かもしれないと思ったのか。

だがそのどれもが、彼女を怒らせた。

('、`♯川「理由なんか……簡単じゃない……!
     部員守れないでなにが部長よッ!!」

叫ぶ。根性を叩き直すように。
そしてまた階段を昇り始めたペニサスの足は――――


('、`;川「まぁでもね……倒れたら大変だしね……」

遅かった。というか歩いていた。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:38:07.56 ID:XiS83QCRO

一段一段を踏みしめるように昇り、やっとこさ2階へと上がる。
その時見せたペニサスの表情は、最高の笑顔だった。

ξ;゚听)ξ「あッ! 居ましたか!?」

('、`;川「うぇッ!? あ、い……居ないわねぇ……」

ξ;゚听)ξ「そうですか……もう、どこに居るのよッ!」

私もう一度1階探してきます!と、ツンは翔ぶように今来た階段を下りていった。

('、`*川「……若いっていいなぁ」

などとババァじみた事を言ってる場合ではない。
ツンはもう1、2階を探し終えたようなのに、ペニサスはまだ2階。
素直に手伝ってと言えばよいのだが、突然現われたツンに驚き、嘘を吐いた。

こういう状況は、その人間性を表すものだ。

('、`*川「よし……! 3階ね? 行ってやるわよ」

もう一度気合いを入れたが、ペニサスは手摺りに掴まりながら、よたよたと3階を目指した。

('、`;川「まぁアクティブな部じゃないしね……うん……」

言い訳を自分に聞かせるように、彼女は階段を昇る。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:40:21.11 ID:XiS83QCRO

そういえば昔、七不思議の件でこの階段調べたなぁ……。

と、七不思議を12個解いた彼女は呟く。

('、`*川「懐かしい……」

焦りすぎて逆に冷静になったペニサスは、普通に歩きながら階段を昇りきった。
そしてまた、今度は3階の住民と出会う。

(*゚∀゚)「あ」

('、`;川「……あ」

げ、といった表情に瞬時になるペニサス。
だが向こうは、彼女の気などお構いなしに嬉々と駆け寄ってきた。

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ、ペニッ! 写真買って!」

('、`;川「だが断る! 今急いでるのよ!」

野球部事件で味を占めた写真部つーは、デジカメ片手に甘い声を出しながら擦り寄る。
ペニサスはげんなりとした顔をしながら、必死に彼女をあしらった。

デレ探しも忘れず、とりあえず目の前にあった女子トイレを覗いた。

('、`*川「居ないわね……」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:44:17.13 ID:XiS83QCRO

(*゚∀゚)「ねぇねぇいーじゃーん!
     大スクープだよッ!? 大スクープッ!!」

('、`;川「んな事よりさ、デレちゃん見なかった?」

(*゚∀゚)「……。
     ……写真買ったら教えてあげる」

('、`;川「……最低ね、アンタ」

(*゚∀゚)「人の事言えるかなー?」

あの言い方と間から予想されるのは、知っているか、買わせるための嘘か、だろう。
しかし状況も状況、ペニサスは嫌々ながらも了承した。

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ! 持つべきものは友、だねッ!
     んじゃコレ見てー」

そう言って差し出されたのは、左手に持っていたカメラの背面。

一応に新聞部に置かれている物とは全く違う。
普段から研いてるのか、はたまた新調したのか。
薄暗いのに光るのが分かる、薄い青色のデジカメ。

(*゚∀゚)「ピピッとな……コレコレ」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:46:32.43 ID:XiS83QCRO

ささっと操作をすると、背面のディスプレイに画像が映し出された。
その発光で薄暗い廊下に浮かび上がる、覗くように見る2人の顔。

暫らく画像を見てから、ペニサスは口を開いた。

('、`*川「……あのね、つー。
     こんな変態写真をなんで私が買わなきゃならないのよ」

(*゚∀゚)「わかってないなぁーペニペニは。
     いい? この男は生徒会に入ってるし、バスケ部でエース、なんて言われてる奴なのさ」

('、`*川「ふーん……立派なパパラッチになったね」

(*゚∀゚)「んでさ、これ、何してると思う?」

('、`*川「誰かの靴の匂い嗅いでる」

ペニサスの言う通り、それは玄関で靴に鼻を突っ込んでいる男子生徒の画像。
軽く茶にした短髪と横顔、それなりに格好いい風に見えた。

行為を除けば、だが。

(*゚∀゚)「んでこの靴の持ち主は……デレだよ。
     この下にB17って書いてあるから、上はB16。デレの出席番号だね」

('、`;川「なッ!? それを早く言いなさいよッ!!」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:49:28.15 ID:XiS83QCRO

(*゚∀゚)「んでコイツさ、さっき見たよ? わりとついさっき。
     4階の美術準備室に入ってった。目が恐かったから追わなかったけどねー」

('、`*川「ッ!」

バッと後ろを振り返り、4階への階段を見る。
すぐに携帯を出すと、階段を上りながら小声で話始めた。

('、`*川「……もしもし、でぃ?
     さっきの金髪の子連れて、4階の美術準備室に来て。急いでね」

電話を切り、ペニサスは静かに携帯を閉じる。
ソロリソロリと4階まで上がり切ると、その教室を探す。

(*゚∀゚)「……ねね、なんかあったの?」

('、`*川「……デレちゃんが居なくなったのよ」

(*゚∀゚)「……やばいじゃん。アイツ、凄い女たらしって噂だよ?」

なんとなく壁に添い歩きながら、小声で言葉を交わす。
つーも事態を重く見始めたのか、携帯を取出しマナーモードに切り替えた。

(*゚∀゚)「……てゆかさ、先生呼んだ方がよくない?」

('、`*川「……役に立たないわよ、あんな奴ら」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:53:34.77 ID:XiS83QCRO

憎々しげに、ペニサスはそう言った。

(*゚∀゚)「……? どういう……」

('、`*川「……静かに……!」

静かな廊下に響いていたのは、殺しきれなかった2人の足音と小声。
あとは階下からの雑音くらいだったが、ある教室の扉の前までくると、ある声が聞こえた。

('、`*川「……」

上を見て、教室を確認。

[美術準備室]と書かれた、白いプレート。

次にペニサスは、その扉に耳をやりながら携帯を開き電話を掛けた。


「……ったく、いい加減観念しろよ?
 痛くはさせたくねぇんだからさー」

「……」

「チッ……まぁいいや。時間も時間だしちゃっちゃと……」

「……ッ!」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:56:10.05 ID:XiS83QCRO

「……つーかさっきからバイブがうるせぇな。
 またツンの糞貧乳野郎か?」

「……ん? 部長?」


('、`*川「……間違いないね」

(;*゚∀゚)「……アヒャヒャ……突撃すんの?」

('、`*川「……うん。ま、作戦はあるよ。
     まずつーが……」

(;*゚∀゚)「アレ? 私参戦決定してる?」

('、`*川「当然。んで、まず私が扉を開けるから、つーは写真を撮って。
     そしたら職員室まで走って逃げる。馬鹿はつーを追うから、
     私はここに隠れて、出て行ったらデレちゃんの所に行くわ」

(*゚∀゚)「……私のが大変じゃない?」

('、`*川「……そんな事ないわよ。ほら、準備して」

少しブツブツ言いながら小首を傾げ、不満そうにしながらもフラッシュを焚く。
といってもボタン一つだが。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 17:57:54.40 ID:XiS83QCRO

(*゚∀゚)「……おk」

('、`*川「……よし、んじゃ行くわよ?」

正面から見て左に引く扉。
ペニサスは屈みながらその左端に移動し、両手の平をペタリと扉に付ける。

(*゚∀゚)「……1、2の3、でよろしく」

('、`*川「わかった……頑張ってね」

グッと力を込め、ペニサスは更に背を低く丸める。
つーは扉の前に堂々と立ち、カメラを構えた。

('、`*川「1……」

(*゚∀゚)「2の……」

('、`*川「3ッ!!」

(#*゚∀゚)「写真部だこんにゃろォォオ!!!!11」

ガラッ!と一際強い音がして、扉が開かれる。
中は薄暗かったが、つーはそのままシャッターを切った。



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 18:01:02.90 ID:XiS83QCRO
  _
(;゚∀゚) 「なッ!?」

パシャと音がして、部屋を一瞬光が襲う。
つーは確かに、さっきの画像の男とデレを見た。

(;*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ!! この変態野郎ォ!!」

挑発し、すぐさまダッシュ。まさに撮り逃げだ。
引きつった笑いだったが、男から表情は見えない。
  _
(♯゚∀゚) 「チッ! 待てコラァ!!」

結果、作戦通り男を部屋から追い出す事に成功した。
ダダダダダ……と段々小さくなっていく音。
階段を掛け降りる音だろう。

とりあえず半分だが、作戦は順調だ。
バレないよう必死に縮こまっていたペニサスはすぐに部屋に入り、扉を閉め鍵を掛けた。

('、`*川「よし……電気電気……」

壁に手をあてスイッチを探る。
やがてそれらしい感触を見付け間髪なく押すと、パチリいう音と共に視界に色が着いた。



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 18:03:09.01 ID:XiS83QCRO

('、`;川「まぶしッ……
     ッ! デレちゃん!!」

「ん……んー……!」

口をガムテープで塞ぎ腕を後ろで縛られ、上を下着のみにされた少女。
ペタンと床に座り、言葉にならない呻きと共に泣く……デレが居た。

すぐにペニサスは駆け寄り、口のガムテープをゆっくりと剥がす。
少し痛そうではあったがなるべく優しく取りきると、デレは大きく息を吸った。

ζ(;―;*ζ「ぷはッ! ……はァ……はァ……部長ッ……」

('、`*川「ちょっと待ってね、今紐を切るから……」

立ち上がり、周囲を見る。
ちょうど机の上にハサミがあったので、それを使いデレの両手首を縛るビニール紐を切る。
赤く滲む紐の跡が痛々しかった。

ζ(;−;*ζ「あ……ありがとうございま……」

デレが言い終わる前に、ペニサスは彼女を抱き締める。
デレは一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに大きく泣きだした。

( 、 *川「大丈夫……もう来ないから……大丈夫」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 18:05:32.86 ID:XiS83QCRO

ただ安心させたくて、ペニサスは優しくそう言い聞かせる。

泣き声と共に、大丈夫、大丈夫……と、虚しい部屋でそれはずっと続いた。









(;*゚∀゚)「うわわわわわわわわァッ!!」

一方つーは、必死に逃げていた。
2段飛ばしがいつの間にか3段飛ばしになり、踊り場で曲がる時に転びそうにもなった。

焦りながら、追われながら。
こういう状況になると、人は思わぬ力を発揮する時がある。

実際、今がそうだろう。
写真部のつーがバスケ部のエースに中々追い付かれないなど、奇跡という他ない。



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 18:06:52.04 ID:XiS83QCRO

しかしそれでも男と女。
2階へと降りる階段に入る所では、もうギリギリという位置にあった。

(;*゚∀゚)「やだやだやだやだやだやだッ!!」

駄々っ子のように走るつーと、追うバスケ部エース。
つーが階段半分まで行った時、男の方が捕まえられると思った時。

助けはやって来た。

ξ;゚听)ξ「つーちゃん!?」

(;*゚∀゚)「うわわッ!? そいつが犯人だぁッ!!」
  _
(♯゚∀゚) 「チッ! 退け貧乳ッ!!」

階段を昇り、踊り場に出てきたツン。
その横を叫びながらすり抜けるつー。

そして男は、つーに言われ自分をキッと睨みつけるツンを、腕を横に払い吹っ飛ばした。

(;*゚∀゚)「使えNEEEEEEEEE!!」

キャッと言う声が後ろから聞こえ、思わずそう言ってしまう。

儚い希望ならいらない。
そんな事を自然と思った彼女の前に現われたのは……



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 18:08:45.68 ID:XiS83QCRO

(;#゚;;-゚) 「ッ!? つーちゃん!?」

またしても頼りにならなそうな助け。
直ぐ様、退いて!と叫び、つーはまたしても助けの横をすり抜ける。

すぐにつーとは違う、退け!が響いたが、今そうしたばかりのでぃが避けれる筈もない。
あえなくバスケ部のエースは新聞部のエースと衝突、横転した。

(;*゚∀゚)「ナイスでぃ!! 役に立つじゃんッ!!」

でぃが人質に取られても、恐らくこの女は逃げるだろう。
そんな事を感じさせる言葉だった。

(;# ;;- ) 「……ッ、いったぁ〜」
  _
(; ∀ ) 「いってぇな糞ッ……」

すたこらさっさと逃げたつーに対し、蹲っていた2人が身体を起こす。
お互い強く打ったのだろうか、腰を押さえながら立ち上がった。

そんな身体に鞭を打つ、上方から叫ぶような声。

「避けてぇッ!!」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/26(金) 18:11:58.57 ID:XiS83QCRO

(;#゚;;-゚) 「ま、またッ!?」

ハッと気付いたでぃが、声の方を見る。
そこには踊り場を目一杯助走に使い、階下へと向かいダッと走るツンが居た。

ξ♯゚听)ξ「うぉぉぉぉぉぉぉぉおりゃぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!11」

叫びながら彼女は、段が始まるギリギリの端で、飛んだ。
しかも、ただ飛ぶだけではない。足を前方に出し、だ。
  _
(;゚∀゚) 「はッ!?」

その叫びに気付き、見上げるのが遅すぎた。
すでにツンは空中で態勢を整えきっていて、吸い込まれるように男の腹へと、
ツン渾身のドロップキックが炸裂した。

  _
(; д ) 「うぼげぇッ!?」

聞いた事のないような呻きと共に、大袈裟なほど男は吹っ飛んだ。
対しツンも下手くそな受け身で軽く声を上げたが、すぐに起き上がると男の元に駆け、蹴りを加えまくる。

(#゚;;-゚) 「ド・ロ・ッ・プ・キ・ッ・ク……見事ナ……」

ξ♯゚听)ξ「死ねッ! 死ねッ! 死ねッ! 死ねッ! 死ねッ!!」


暫らくしてやって来た、つーが呼んだのであろう教員。
真っ先に押さえたのは他でもないツンだったが、この事件には一度蹴りがつけられた。



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