('、`*川新聞部が嘘吐きを探すようです

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:47:03.96 ID:J4I9jvhrO

理科室の机は特別である。
やる事が特殊なので、当然と言えば当然だが。

例えば、4人以上が座る事になるので、大きい。
妙に冷たくヒンヤリとしており、なぜか落書きがしやすい。
そのためか下ネタの落書きが無駄に目につく。

流し台が付いてる、色が紺だ、よりもそれらが先にあげられるのは面白い。
個人的観念だが。

しかしながら、その机でショートケーキを食べる、というのは全国的に見ても珍しい事だろう。
そんな理科室の机が、彼女の高校にはあった。


('、`*川「それでさ、パン事件の事どう思う?」

从 ゚∀从「突然消えたってやつだろ? んなもん知るか」

それっぽい、白衣を着た女生徒。
前述した通り、彼女の前にはショートケーキ。
フォークを使って押し切り、立体の三角になったそれを口に運ぶ。

ちなみに苺は乗ったまま。楽しみは取っておくタイプらしい。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:49:34.69 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「そんな事言わずにさ、科学部部長として見解を聞かせてよ」

从 ゚∀从「あー……購買の中から盗ったんじゃねぇの?」

('、`*川「それだったらおばちゃんが覚えてるでしょ。
     それにケースを見せて貰ったんだけど、あれは浮かさないと取れないね」

从 ゚∀从「ケースって、どんなケースなんだ?」

新聞部部長、ペニサスは胸ポケットから手帳を出すと、まだ何も書かれてないページを開く。
背のクリップで手帳に付いていたボールペンを使い、サラサラとケースの絵を書き始めた。

('、`*川「一本足の鉄製丸テーブル、足は1m弱。
     それに赤い布を掛けて、上にパンを3つ。それに被せる、透明のケース。
     ガラスのケースだと思ってたけど、プラスチックだった」

从 ゚∀从「ま、透明なら一緒だな」

新聞部ならばメモを取りながら聞く話だが、彼女はケーキを食べながらだ。
それもどこか興味なさそうな反応。今にも、ふーんと言いそうな顔だ。

('、`*川「プラスチックだから指紋が残るけど、まぁ私らにそこまでの技術ないし」

从 ゚∀从「あー……ケースが浮いた、ってのは無かったのか?」

('、`*川「中身が突然消えた。それだけだね……。
     だからさ、私一つの推理をしたんだけど……聞きたい?」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:52:14.32 ID:J4I9jvhrO

从 ゚∀从「その推理に科学的根拠は?」

('、`*川「ない」

从 ゚∀从「帰れ」

キッパリと言うと、苺にフォークをぶっ刺し口へと運び、モグモグと食べる。
甘い苺の薫りが、ペニサスの鼻をついた。

从 ゚∀从「ここは科学部。んで俺はその部長。
     不思議事件はオカ研持ってけ。あいつら食い付いてくるから」

少しクリームが付いた銀紙を丸め捨てながら言う。

('、`*川「やだよ、同好会の連中は好きじゃない。
     漫研なんか私ら利用する気満々だし」

从 ゚∀从「大袈裟な……漫画載せたいだけだろ?」

('、`*川「素人の漫画なんかつまらんわ!」

从 ゚∀从「お前が言うなよ」

所詮真似事、所詮学生のお遊び。
彼女らの活動などそんな物なのだが、本人たちにもプライドがあるようだ。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:56:05.85 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「ま、とにかくさ。
     今回はハインの力が必要かもしれないから、目だけ通しておいて」

手帳に挟んでおいた、小さく折り畳まれた1枚の紙。
それを開きペニサスは、科学部部長ハインに渡した。

从 ゚∀从「嘘吐き?……なんぞこれ」

('、`*川「あ、他言無用だからね。んじゃよろしこー」

从 ゚∀从「おい! なんだよコレ!」

('、`*川「あー腰が痛い……」

叫ぶも、ペニサスは腰をトントン叩きながら部屋を出ていってしまう。
あっさりと無視された彼女は、一つ舌打ちし紙を見た。

从 ゚∀从「……ったく、俺は録音機じゃねえんだぞ」

立ち尽くすハインは紙に目を落としたまま、ため息と共にそう呟いた。






36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:57:09.32 ID:J4I9jvhrO








 第6話「新聞部ボヤ騒ぎ事件」








38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 18:59:19.39 ID:J4I9jvhrO

科学部部室を出、ペニサスは自分の部を目指す。
腰を押さえながらの情けない歩き方だが、それには理由がある。

先週の休刊に際し、次は出さないと怪しまれるとしぃに言われ、現部員総動員の取材が行われた。

といっても所詮3人。
それに目新しいものが毎週毎週見つかるわけもない。
しかし後ろには、鬼の顔した生徒会長。

止むをえず板挟みの新聞部は、今日11月7日水曜日まで、毎日の取材を行っていた。

('、`;川「そのお陰で腰が痛いの痛くないのって……」

まさしく這いずり回っていたペニサスが、誰に言うわけでもなく呟いた。

11月に入ってからというもの寒さが厳しくなりだし、学校のファンヒーターも稼働しだした。
しかもB棟は人がいないからか尚更寒く感じ、それが腰を悪くしているのかもしれない。

('、`*川「コタツで暖まりたい……みかんが恋しい……」

自然と狭くなる歩幅。この時期のスカートほど、辛いものはないだろう。
しかも制服。もはや嫌がらせだ。

そんなわけで願望を口にしながら、やっとといった感じにペニサスは部室に着いた。



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:00:55.14 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「はぁ……寒寒寒……」

ちょっと冷たい扉に左手の指を掛け、開いた。




 l从;・∀・ノ!リ人「とりっきゅあとりゃっ!!
         ……噛んだのじゃ」


('、`*川「……?」

開いた途端に現われた、暖かい部屋の熱風と、オレンジ色したカボチャを被った妹者。
ぬくそうな被り物を付け、噛んだ事から後ろを見る。

l从;・∀・ノ!リ人「あれ? とり? とら? なんじゃ?」

(* ;;- ) 「……トリック・オア・トリート」

l从・∀・ノ!リ人「そう! それなのじゃ!
       簡単に言うとお菓子くれッ! なのじゃ!!」

('、`*川「……ハロウィン?」

l从・∀・ノ!リ人「いえす!」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:04:03.50 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「11月なのに?」

l从・∀・ノ!リ人「バタバタしてたからしょうがないのじゃ!」

そのあまりの無邪気さに軽く吹き出し、ペニサスは制服の腰位置のポケットを漁った。

('、`*川「あ、あったあった。はいコレ」

l从*・∀・ノ!リ人「わーい、ガムなのじゃ!!」

嬉しそうに妹者は、1枚の板ガムを空に掲げるように持った。
ふとペニサスは、さっきからちんまりと、いつもの席に座っている少女を見る。

('、`*川「……でぃちゃんもいる?」

(* ;;- ) 「……私は……いいです」

('、`*川「でもそれ付けてるし……」

(* ;;- ) 「……」

('、`*川「……恥ずかしいなら被らなきゃいいのに」

(* ;;- ) 「妹者が……どうしても、って……」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:06:13.78 ID:J4I9jvhrO





l从・∀・ノ!リ人 クチャクチャ

(#゚;;-゚) クチャクチャ

('、`*川 クチャクチャ

(#゚;;-゚) クチャクチャ「そろそろ文化祭ですね」

l从・∀・ノ!リ人 クチャクチャ「楽しみなのじゃー」

('、`*川 クチャクチャ「もうそんな時期かー」

l从・∀・ノ!リ人 クチャクチャ

(#゚;;-゚) クチャクチャ

('、`*川 クチャクチャ

l从・∀・ノ!リ人「……味無くなってきたのじゃ」

(#゚;;-゚) 「……私も」

('、`*川「アゴいてぇ……」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:08:49.53 ID:J4I9jvhrO

部活動もせず、ヒーターの前に椅子ごと集まりぼんやりとした雑談。
ちなみにでぃのカボチャは、ペニサスの頭へと移動していた。

昼休みも這いずり回った3日のおかげで、今週分の記事も集まっている。
そんなわけですっかり3人は休憩モードに入っていた。

そんな久しぶりのまったりとした時間を送る部室に、ガラガラっと、そんな音が響いた。
背中にヒヤリとした空気と音に気付き、打ち合せをしたかのように3人が同時に振り向く。

('、`*川「……あ」

(#゚;;-゚) 「……あ」

l从・∀・ノ!リ人「……あ」



ζ(゚ー゚*ζ「ご無沙汰してましたー……」

開いた扉の先。そこに立っていたのは、金髪の巨乳。
約1週間ぶりに部室に来た新聞部員。

それはどこか恥ずかしそうに軽くはにかむ、デレだった。



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:12:40.50 ID:J4I9jvhrO

ζ(゚ー゚*ζ「……みんな、ただいm」

l从♯・∀・ノ!リ「おっそいのじゃデレ!!」

ζ(゚ー゚;ζ「え……?」

('、`*川「ホントよ3日間大変だったんだから」

ζ(゚ー゚;ζ「ご……ごめんなs」

(#゚;;-゚) 「休刊もしちゃいましたし」

ζ( ー ;ζ「……ごめんなさい」

来るや否や文句をぶちまける3人。
しかもその場で、学校備え付けのヒーターの前で首だけ回して、だ。

デレも突然、しかもそんな状態でキレられるとは思ってはいなかっただのろう。
だからか困惑でもしたのか、おろおろと戸惑い泣きそうになっていた。

('、`*川「まぁでも……」

そんな彼女に向けられたペニサスの声。
ふと涙目な顔を上げたデレに、今度は3人口を揃え言う。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:14:09.62 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「お帰り、デレちゃん」

(#゚;;-゚) 「お帰りなさい、デレさん」

l从・∀・ノ!リ人「デレお帰りなのじゃー!」

お帰り、と。

ζ(゚ー゚*ζ「……ただいま」

ぐすっと、涙を堪えるように鼻をすするデレ。
たった1週間だったが、全員がまた仲間に出会えた嬉しさを溢れさせていた。

l从・∀・ノ!リ人「デレもこっち来て暖まるのじゃー」

ζ(゚ー゚*ζ「……あ、ちょっと待って。
      ツンちゃーん、もういいよ?」

デレが言いながら部室に入ると、開けっ放しのドアから女生徒がやって来た。
同じ髪色髪型ながら、性格が全く違う姉。ツンだ。

ξ゚听)ξ「感動の再開はすんだの?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん!」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:17:13.18 ID:J4I9jvhrO

(;#゚;;-゚) 「あ、ドロップキックの人だ……」

でぃが若干ビビりながら呟いた言葉は、小さくて聞こえなかったらしい。
そのままツンは、無駄に偉そうな雰囲気を醸し出しながら、デレの隣に立った。

ξ゚听)ξ「一応お礼、言っとこうと思ってね。
      デレを助けてくれて、どうもありがとう」

('、`*川「どういたしまして」

ξ゚听)ξ「別に心配なんかしてなかったけど、
      無事帰ってきてちょっとは安心したわ」

(#゚;;-゚) 「……凄い心配してましたよね?」

ξ゚听)ξ「私は無駄な怪我しちゃったけど……あ、別に痛くなんかないんだからねッ。
      ただちょっとだけ痛かっただけなんだから……」

l从・∀・ノ!リ人「……どっちじゃ?」

ξ゚听)ξ「とにかく……ありがと。
      そしてデレ! もう私に心配掛けさせないでねッ」

ζ(゚ー゚*ζ「うん……ごめんね」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:19:22.14 ID:J4I9jvhrO

ξ゚听)ξ「それじゃ私は帰るけど……。
      デレ、本当に一人で大丈夫なの?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。催涙スプレー買ってくれたし大丈夫!」

ξ*゚听)ξ「あ、あれはたまたま買っただけよ……。
      それに電話くれれば、駆け付けなくもないからね?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、ありがとツンちゃん」

ξ゚听)ξ「それじゃ、暗くなる前に帰りなさいよ?
      心配じゃなくて、ご飯が冷めちゃうから言ってるんだからねッ」

ζ(゚ー゚*ζ「うん! ばいばーい!」

右手を振ったデレに対しツンも手を振り返したが、
何かに気付いたように急にそれを止め、耳を赤くしながら早歩きで退出した。


('、`*川「……失礼だけどお姉さん、変わってるね」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですか?」

(#゚;;-゚) 「かなり概要が掴みにくい感じの会話でした……」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:22:55.77 ID:J4I9jvhrO

そう言われ軽く疑問に思いながらも、すぐにいつもの微笑に戻るデレ。
あまり深く考えるのは苦手らしい。

立ってるのも疲れたのか扉を閉めると、自分の椅子を持ち上げヒーター前へとやって来た。

ζ(゚ー゚*ζ「お邪魔しまーす」

l从・∀・ノ!リ人「真ん中に入るのじゃー」

(#゚;;-゚) 「真ん中……真ん中?」

3人の真ん中に入れと言われても分からないが、左端に居た妹者が動き、スペースを作った。
そんなわけで左から、妹者、デレ、ペニサス、でぃ。

なぜかこの4人が揃うと、更にゆったりとした時間になるらしい。
それぞれゴゥンゴゥンと唸る白い長方形に手をかざし暖まりながら、
久しぶりに4人での雑談タイムとなった。

('、`*川「これ暖かいけど、離れると倍寒くなるのよねー」

(#゚;;-゚) 「諸刃の剣ですよね……」

ζ(゚ー゚*ζ「……なんでカボチャ被ってるの?」

l从・∀・ノ!リ人「遅れハロウィンが流行ってるのじゃー」

ζ(゚ー゚*ζ「へぇー、知らなかった……」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:24:58.21 ID:J4I9jvhrO

('、`*川「……あ、ガム飲んじゃった」

(#゚;;-゚) クチャクチャ

ζ(゚ー゚*ζ「あ、そうだ部長。今年の文化祭は何するんですか?」

l从・∀・ノ!リ人「んじゃ? 部活でも何かやるのじゃ?」

('、`*川「文化部は何かやる決まりなのよねー……面倒くさいなぁ」

(#゚;;-゚) 「去年はなにを?」

ζ(゚ー゚*ζ「えーと確か……全クラスと部活の出し物を調べて、
      号外として配ったり貼ったりしたんだったかな?」

('、`*川「大変だったなぁ……わざわざ注目ポイント!とか書いたりさ」

ζ(゚ー゚*ζ「私は楽しかったですよ……?
      なんか、先に文化祭を見てる感じで」

l从・∀・ノ!リ人「おぉ、面白そうなのじゃー!」

(#゚;;-゚) 「今年もそれで?」

('、`*川「え゙ー……一覧を生徒会が出すのが遅くて、取材するのがなぁ……」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:28:03.04 ID:J4I9jvhrO

ζ(゚ー゚*ζ「50近くありますからね……」

l从;・∀・ノ!リ人「そ、そんなにあるのじゃ!?」

('、`*川「同好会も出すとこ多いし、個別に出す人も居るしで、ね」

(;#゚;;-゚) 「50……」

ζ(゚ー゚*ζ「刷った数百枚を出入口で配り、町に出て配りで……それも大変だったなぁ」

('、`*川「……それでもやりたい?」

l从;・∀・ノ!リ人「……ちょっと」

(;#゚;;-゚) 「……勘弁です」

l从・∀・ノ!リ人「……あ! お化け屋敷とかやりたいのじゃ!」

('、`*川「出た、妹者ちゃんの閃き」

(#゚;;-゚) 「新聞部関係ないじゃない……」

l从・∀・ノ!リ人「……じゃあ縁日」

(#゚;;-゚) 「駄目」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:31:10.24 ID:J4I9jvhrO

l从・∀・ノ!リ人「……映画上映?」

(#゚;;-゚) 「駄目」

l从♯・∀・ノ!リ「じゃあ何もしたくないのじゃ!」

(;#゚;;-゚) 「怒んないでよ……。
      それにそういうのはクラスでやればいいじゃない……?」

l从・∀・ノ!リ人「それもそうなのじゃー」

(#゚;;-゚) 「またコロッと態度を……」

('、`*川「……てゆーかさ、何も私達が聞く必要ないんじゃない?」

ζ(゚ー゚*ζ「? 何をですか?」

('、`*川「いや、出し物の内容やら、注目ポイントやらさ。
     プリントでも配って、紹介して欲しかったから書け!ってスタイルでよくない?」

ζ(゚ー゚*ζ「……それもそうですね」

('、`*川「あと配布も無し。そういうのは生徒会の仕事よ。
     私達は纏めて貼るだけ。よし決定」

l从;・∀・ノ!リ人「も、もう決まりなのじゃ!?」

('、`*川「うん」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:33:06.12 ID:J4I9jvhrO

(#゚;;-゚) 「……なんか、出し物というより裏方ですね」

ζ(゚ー゚*ζ「あ! スペースを借りて、今年の新聞を掲示するとかどうですかね!?」

('、`*川「えー……だるぃー……」

(#゚;;-゚) 「めんどくさがらずやりましょうよ……。
      ……部長、今年で最後なんですから」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですよ。なんだったら私が担当してやりますから」

l从・∀・ノ!リ人「妹者も手伝うのじゃ〜」

('、`*川「う〜む……ま、君らがそこまで言うなら……」


といった具合に、文化祭の話は進んだ。
デレも部活を続けるようだし、今心配する事も特にはないのだろう。

それ故か、前方からの妙な匂いに気付くのが遅れた。

(#゚;;-゚) 「……なんか、焦げ臭くありません?」

('、`*川「……そう?」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:34:56.07 ID:J4I9jvhrO

ζ(゚ー゚*ζ「……確かになんか……焦げ臭いような」

l从・∀・ノ!リ人「誰か焦げたんじゃないのじゃ?」

('、`*川「最近コレ点けれるようになったし、埃が焦げてんじゃない?」

(#゚;;-゚) 「でもなんか……」

ツンと鼻をつく匂い。
それは明らかに、段々と強くなってきた。

(;#゚;;-゚) 「やっぱり匂いますよ……」

l从・∀・ノ!リ人「焦げ臭いのじゃー……」

('、`*川「……何だろう。謎の事件やもしれんな」

ペニサスの言葉を気に、それぞれが仮定の条件を言い出す。

l从・∀・ノ!リ人「スカートが焦げたのじゃー?」

(#゚;;-゚) 「時限式の放火装置じゃ?」

('、`*川「いやいやこれは嘘吐きが……」

ζ(゚ー゚*ζ「……あの、ヒーターの隙間に紙が入り込んでるんじゃ……?」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:37:09.38 ID:J4I9jvhrO

(#゚;;-゚) 「……」

l从・∀・ノ!リ人「……」

('、`*川「……」

言われ、3人はゆっくりと周囲を見渡す。
そこら中にある、紙、紙、紙。
むしろ紙しかない部屋だ。

しかも隣の机の上には、妹者のラクガキ山。
1枚や2枚がヒラリと落ちて、ヒーターの隙間に入っても……

('、`;川「なんらおかしくねぇ!」

(;#゚;;-゚) 「部長! 煙がッ!」

l从;・∀・ノ!リ人「しょ、消火器ぃー!」

ζ(゚ー゚;ζ「まずヒーターを消さないとッ!」






67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/29(月) 19:39:04.62 ID:J4I9jvhrO


一気にてんやわんやの騒ぎとなった部室だったが、幸い大事には至らなかった。
匂いの発生源はデレの予想どおり、隙間に入った紙。それが焦げたから。


定規を駆使した取出し作業で、なんとか難を逃れた部室。
煙も少量で、防火装置も反応せずに済んだ。

妹者が廊下から頑張って持ってきた消火器をぶちまけていたら、
それはそれで大変な事になっていただろう。


とにかく、デレも無事復帰した新聞部は、こんな珍騒動で再スタートをした。



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