('、`*川新聞部が嘘吐きを探すようです
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:35:19.04 ID:eIfSLUZBO
第9話「文化祭乱闘事件(後編)」
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:38:04.64 ID:eIfSLUZBO
(#゚;;-゚) 「……暇だな」
そりゃあ自分達でショボいなんて言われたら、来る人間も減るだろう。
しかも本当にショボいんだから笑えない。
一応学外の人間が普段の学校の様子や、体育祭などの模様を知るにはいい機会かもしれない。
んが、一日というのは案外短い。
今日が今日だけの特別な日である限り、わざわざ来る人は限られる。
まぁ簡単に言えば、新聞部の出し物への来客は0。誰も来ないのだ。
(#゚;;-゚) 「……お腹減った」
壁の時計を見ると、もう短い針は12を指そうとしている。
これも自分から望んだ当番なのだが、ここまで暇だと流石に辛い。
交替要員も来る気配はなく、でぃが今日何度目かのため息を付きかけた時。
l从・ー・ノ!リ人「んーッ!!」
(#゚;;-゚) 「……?」
間抜けな声と共に、ピンクな食いしん坊少女が現われた。
スキップのように足取り軽く、妹者はでぃが座る机にやって来る。
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:41:10.70 ID:eIfSLUZBO
受付、と書かれた白い紙が貼り吊られた普通の机。
その上に少しだけ湯気を出すたこ焼きを置くと、
おもむろに口に刺さるイカを引き抜き、その1本をでぃの前に差し出した。
l从・∀・ノ!リ人「さぁ! 食うのじゃ!」
(#゚;;-゚) 「いや……今口から……」
l从・∀・ノ!リ人「食うのじゃー!!」
潔癖症ではないものの、今の今まで唾液中を泳いでいたイカは食いたくなかったのだろう。
そんな嫌々と渋るでぃに業を煮やしたのか、
妹者はズボッと音がしそうな勢いで、でぃの小さな口にスルメを突っ込んだ。
(;#゚;д゚) 「お゙ぇ゙ッ!?」
半分ほどしか入らなかったが、それでも喉を刺激するには充分。
嘔吐感が勝手に込み上げ、イカにより押され膨らんだ頬が痛々しい。
l从♯・∀・ノ!リ「んなッ!?
そんなに妹者の口が不味いって言うのじゃ!?」
(;#゚;;-゚> 「ち、違……」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:44:12.07 ID:eIfSLUZBO
なのに妹者は謝りもせず、変な被害妄想を持ちキレてきた。
噛み合わないと随分欝陶しい性格である。
l从♯・∀・ノ!リ「折角買ってきてあげたのにヒドイのじゃ!
謝罪と賠償を要求するのじゃ!」
(;#゚;;-゚> 「ご……ごめん……」
l从・∀・ノ!リ人「わかればいいのじゃ〜」
(;#゚;;-゚> (……疲れる)
でぃのそんな気も知らず、妹者は取り出したもう一つのスルメに噛り付き喰らう。
うめぇwwwwwwwと欝陶しい事この上ない彼女の食事だが、言ってなんとかなる相手ではない。
もう諦め、でぃも口に刺さるそれを食べはじめる。
ちなみに綿菓子はたこ焼きにぶっ刺した。
l从・∀・ノ!リ人「喉乾いたのじゃー」
(#゚;;-゚) 「こんなにしょっぱい物を口に入れてれば、そりゃ乾くさ……」
l从・∀・ノ!リ人「お茶飲みたいのじゃースルメ固いのじゃー」
(#゚;;-゚) 「……」
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:48:11.02 ID:eIfSLUZBO
妹者のお陰で幾分かはマシとなったが、スルメはスルメ。
弾力あるその食間と、噛めば噛むほど味が出る特性のせいもあり、
いつかのように2人はクチャクチャと、マナー?何それ食えるの?感丸出しに食事を続けた。
l从・∀・ノ!リ人「ところで、でぃは何してるのじゃ?」
(#゚;;-゚) 「受け付け」
l从・∀・ノ!リ人「……必要なのじゃ?」
別に入場料があるわけじゃないが、もしかしたら内容について質問があるかもしれない。
まぁ今年度いくつも新聞は出したが、学校の人間からの質問は無いし、
そもそもこの展覧に来る人すらも居ないのだ。
受け付けの存在に疑問を抱くのもおかしくはない。
(#゚;;-゚) 「……まぁそんな事は準備の段階で気付いてたけど」
l从・∀・ノ!リ人「なら遊びに行くのじゃッ!
早くしないと文化祭終わっちゃうのじゃ!!」
(#゚;;-゚) 「え? ……あ、うん」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:52:13.35 ID:eIfSLUZBO
妹者とでぃはクラスが違う。それどころか中学も。
中学時代から寒い生活を送っていたでぃを、4月に一目見ただけで興味を持ち、寄ってきた妹者。
その理由は諸説あれど、早々にクラスから浮いていたでぃに話し掛け、部活にまで誘ったのは彼女だ。
もともと兄が新聞部所属で、楽しいらしいから行こうと元気に、半ば強引に誘われる。
部長が楽したいが為に即戦力の部員を探していた新聞部では、このちっこい2人の入部を考えたが
('、`*川「まぁデレちゃんより使えればいいや」
という部長のありがたい言葉により、晴れて新聞部への所属が決定した。
ちなみにここまで、でぃに選択権は与えられてない。
だが蓋を開けてみれば、あっちにこっちにと遊び惚ける妹者に対し、
人と話すのは苦手と言っていたでぃは、取材という壁があれば平気で、毎日真面目に頑張っていた。
そんな本当に、ひょんな事から誕生した新聞部のエース。
彼女が居なければ、今年度の新聞は穴だらけであったろう。
新都社「新聞部の軌跡」より抜粋
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:54:43.93 ID:eIfSLUZBO
(#゚;;-゚) 「あ、でも部長が来るかもしれないし……」
すでにスルメを食べ終え、たこ焼きに楊枝を刺しながら妹者が言う。
l从・∀・ノ!リ人「このたこ焼き、部長がくれたのじゃ」
(#゚;;-゚) 「……全く来る気ないな、あの人。
まぁそれなら私が居なくなっても把握してくれるか……」
l从・∀・ノ!リ人「んじゃ、文化祭巡りに行くのじゃ!」
(#゚;;-゚) 「いやまだ食べ終わってな……」
l从・∀・ノ!リ人「また戻ってきて食べればいいのじゃ!」
またも強引に妹者は、浴衣の裾から少しだけ出る指で、でぃの腕を掴む。
急に立たされ引っ張られでバランスを崩しながらも、
でぃはスルメをたこ焼きの器に置いた。
l从・∀・ノ!リ人「ん? 誰か来たのじゃ」
(#゚;;-゚) 「え?」
まさか、と思い出入口を見ると、確かに誰かが立っている。
どこか既視感もある微笑と共に、その人は教室に入ってきた。
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 19:57:46.51 ID:eIfSLUZBO
(#゚;;-゚) 「あ……いらっしゃいませ……」
l从・∀・ノ!リ人「いらっしゃいませ……?」
ミセ*゚ー゚)リ「いらっしゃいましたw」
くすりと笑い、彼女はさっそくと言わんばかりに左の壁にに広がる新聞へと目を移す。
格好は普通の、今日の場合は普通ではないかもしれないが、普通の制服だ。
ただセーラー服は白く、カーディガンを羽織っている。
それでもこの高校の生徒に間違いはない。
胸の校章がなによりの証拠だ。
ミセ*゚ー゚)リ「君たちは新聞部?」
(#゚;;-゚) 「はい……」
l从・∀・ノ!リ人「おぉ、今日初めて高校生として見られたのじゃー……」
ミセ*゚ー゚)リ「知ってるよ、妹者ちゃんでしょ?
可愛いって評判だよw」
l从*・∀・ノ!リ「いや〜ん、照れるのじゃ〜」
両頬に手をやり、ブリッ子のように身体を振らす妹者。
言わずもがな素だが。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:01:08.72 ID:eIfSLUZBO
そんな様子にまたくすりと笑うと、彼女は反対の壁にある新聞を見るために移動をする。
ミセ*゚ー゚)リ「いっぱいあるんだね〜。
……へぇ〜」
そんな、どう見ても初見の感想を洩らす女生徒。
かなりの流し読みっぷりだったが、ある記事に目が止まり、口を開いた。
ミセ*゚ー゚)リ「あ、このパンが失踪したってやつ。
私も気になってたんだー。何かわかった?」
(#゚;;-゚) 「……なぜです?」
ミセ*゚ー゚)リ「いや私もその場にいてね……突然消えたから驚いちゃってさーw」
l从・∀・ノ!リ人「残念ながら進展は無いのじゃー」
ミセ*゚ー゚)リ「ホントにー?w なにか隠してるんじゃなーい?」
(#゚;;-゚) 「私達は……真実は隠しません」
ミセ*゚ー゚)リ「そう……」
女生徒はまた歩み、一番新しい新聞に目を通す。
つまりその新聞が今ある最新記事なのだが、
彼女は読みおわると首を傾げ妹者達の方を向いた。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:06:06.49 ID:eIfSLUZBO
ミセ*゚ー゚)リ「あれ? なんで載ってないの?」
(#゚;;-゚) 「……なにがです?」
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ長岡の事。
停学の理由、もう皆知ってるよ?」
(#゚;;-゚) 「……知ってるならいいじゃないですか」
ミセ*゚ー゚)リ「真実は隠さないんでしょ?w」
(#゚;;-゚) 「何が言いたいんですか」
ピリッとした空気が部屋を包んだ。
発生源は誰であろう でぃだが、本人は引く気はないようだ。
ずっと睨みつけたまま、視線を外さない。
ミセ*゚ー゚)リ「そんな怒らないでよ……。
……ねぇ、今日誰かココに来た?」
(#゚;;-゚) 「なぜ聞くんですか」
ミセ*゚ー゚)リ「隠すの?w」
まさに嘲笑。
でぃを嘲笑う女生徒に、妹者はすでにプッツンいきそうだ。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:09:34.90 ID:eIfSLUZBO
(#゚;;-゚) 「……あなたで初めてです」
ミセ*゚ー゚)リ「だろうねw だって真実隠すんだもん。
そんな新聞なんか……誰も見たくないよw」
l从♯・∀・ノ!リ「言わせておけば好き勝手ぇッ!!
なんなのじゃお前は!! さっきからッ!!」
ミセ*゚ー゚)リ「だからジョルジュ長岡の事を教えてよ」
(#゚;;-゚) 「……!?」
l从♯・∀・ノ!リ「あの変体野郎はうちの部員を襲ったのじゃ!!
なんとか無事で済んだけど……妹者達だって載せれるなら載せたいのじゃッ!!」
ミセ*゚ー゚)リ「載せればいいじゃない?」
(;#゚;;-゚) 「妹者落ち着いて……」
l从♯・∀・ノ!リ「あの変体の父親が力持ってるのじゃ!
学校からも言われたし……妹者達だって悔しいのじゃッ!!」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:12:55.58 ID:eIfSLUZBO
妹者は、半泣きだった。
よっぽどあの事件の、デレ誘拐事件の結末が気に入らなかったのだろう。
あんな言い方で自分達を馬鹿にされたのが悔しくて悲しくて、
でも黙っていたら腹の虫が鳴り納まらなくて、妹者は吠える。
l从♯;д;ノ!リ「なにも知らないくせに勝手な事ばかり言うななのじゃあッ!!」
ミセ*゚ー゚)リ「……そう、よく分かったよ。
ごめんね、泣かせちゃってw」
また彼女は、くすりと笑う。
でも確かにその顔は、眉尻が下がった困った顔、悲しい顔であった。
l从;д;ノ!リ人「泣いてなんかないのじゃ〜!!」
(;#゚;;-゚) 「泣いてるよ……」
ついに本格的に、えんえんと妹者は泣きだしてしまった。
そんな彼女の頭を撫で、なんとか宥めようとする でぃ。
偶然視界に入った綿菓子を見つけると、それをたこ焼きから抜き、妹者に渡す。
妹者は真っ赤な目でそれを見つめ、パクッと口にした。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:16:33.16 ID:eIfSLUZBO
(#゚;;-゚) 「……美味しい?」
l从う∀;ノ!リ人「美味しいのじゃぁ〜……」
なんとか治まった様子を見て、でぃは一息付いた。
ふと扉の方を見たが、既に誰も居ない。
あの口振りはまず間違いなく、停学の理由を知らなかったのだ。
でもそれを聞きに来る、その理由。
この前しぃが教育委員会に知らせると言っていたが、まさかその回し者だろうか。
そんな事を考えていたでぃの口が突然開き、口内に甘い味と香りが広がる。
妹者がまたでぃの口に、今度は綿菓子を差し込んだのだ。
l从う∀;ノ!リ人「でぃも……食べるのじゃぁ……」
半ベソで言う妹者を見て、でぃは笑顔で頷いた。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:19:02.75 ID:eIfSLUZBO
写真部。
つーが部長を務めるこの部活では、今年は喫茶店をやる事と相成った。
と言っても写真部部室は狭すぎて無理なため、B棟3階の空き教室で行う。
何げにかなり立地条件のいい教室だったりするのは、また得意の写真でも使った結果なのだろうか。
ともかくそんな訳で、写真部喫茶店は中々の賑わいを見せ、
その繁盛に協力する浴衣の2人組に、部長自らオーダーを聞きに向かっていた。
(*゚∀゚)「いんやぁ〜、随分と似合ってるねぇ!」
ξ゚听)ξ「なーんか、つーに誉められても嬉しくないのよねー」
ζ(゚ー゚*ζ「そうかな? 私は嬉しいよ?」
ツンとデレは身衣を変えず、腹拵えをしようとここにやって来た。
派手な姿ではあるが、その浴衣でも周りから浮くという日ではない。
むしろつーのメイドさん姿の方が、外を歩けば注目されそうだ。
(*゚∀゚)「アヒャヒャ、デレちゃんは素直で可愛いねぇッ!
それで、ご注文は何かな?」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:25:10.35 ID:eIfSLUZBO
ξ゚听)ξ「なにもクソも、食パンしかないじゃない」
(;*゚∀゚)「食パ……トーストって言ってよ、トーストって!」
案内された席に座り、手渡されたメニューには
・トースト(生)
・トースト(焼)
・トースト(バター)
・トースト(苺ジャム)
・トースト(ピーナッツ)
と、明らかにジャムを変えるだけの手抜き料理がズラッと並べられていた。
(*゚∀゚)「部員が少ないから、手の込んだのは出来ないんだよねー」
ζ(゚ー゚*ζ「……部員居たんだね、写真部って」
(*゚∀゚)「そりゃ居るさッ!
……みんな風景写真くらいしか撮らないけど」
ξ゚听)ξ「それが普通じゃない、学生なんだから」
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:30:11.24 ID:eIfSLUZBO
(*゚∀゚)「そーなんだけどさー……。
っとと、忘れるトコだった。注文は?」
ツンは苺ジャムとオレンジジュース、デレも同じく。
仲いいねーとつーは笑い、オーブンが置かれた簡易キッチンへと向かった。
ζ(゚ー゚*ζ「そういえばツンちゃん」
ξ゚听)ξ「ん?」
ζ(゚ー゚*ζ「ブーンくん。よかったの? 一緒に文化祭巡りしなくて」
ξ゚听)ξ「いいのよあんなのは。
どうせ今、アイツ店番だし」
あの一件以来、ツンはデレに付き添う事が増えた。
他にはつーとも仲が良くなったようだが、それは些細な事。
それよりもデレとツンの仲向上により、煽りを受けたブーンの被害はデカい。
が、それはまた別の話。
(*゚∀゚)「ほいほーい、おっ待たせー!!」
他のウェイトレスも居ないのに回転しながら、両手に皿を持ちつーが来た。
2人の前にそれを置き、ジュースを取りにまた戻り、また回転しながらやって来る。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:33:24.58 ID:eIfSLUZBO
ξ゚听)ξ「……もう少しテンション下げなさいよ」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ、ごゆっくりどうぞー!」
また回転しながら去っていく。
デレはそれをぽかーんと見ていたが、ツンに促され冷めぬ内にと食事を始めた。
おかわりで時間を潰すのは学生、ひいては女子高生の常套手段だ。
店からすれば欝陶しいやもしれないが、どうせドリンクバーなんかで元は取れない。
それぐらいは黙認して貰いたいものだ。
ζ(゚ー゚*ζ「あとで演劇部行かない?」
ξ゚听)ξ「えー……つまんないわよ」
ζ(゚ー゚*ζ「そうかなぁ……
ほら、白雪姫だよ? 見ようよー」
ξ゚听)ξ「……まぁ、しょうがないわね。
でも特別なんだかr「アヒャァッ!?」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:37:44.16 ID:eIfSLUZBO
ζ(゚ー゚;ζ「な、なに!?
つーちゃん……だよね? 今の声」
ξ゚听)ξ「あんな奇声はアイツだけでしょ。
ま、ゴキブリが出たーとかじゃないの?」
ζ(゚ー゚;ζ「え゙ッ!?」
レジ前で携帯を持ちながら、つーが出した奇声。
あまりの変声に、その場にいた全員が彼女の方を向いている。
暫らくして動きだしたつーは他の人には目も向けず、ツンとデレの元へと走ってきた。
(;*゚∀゚)「やばッやばッやばッやびゃッやびゃびゃびゃびゃびゃwwwwwwww」
ζ(゚ー゚;ζ「おおおおおお落つちていよ!!」
ξ;゚听)ξ「……どうしたのよ」
貰いゲロならぬ、貰い焦り。
そんなデレを尻目に、つーは2つ程の深呼吸をして、こう言った。
(;*゚∀゚)「ジョ……ジョルジュが来たんだよォッ!!」
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:42:37.48 ID:eIfSLUZBO
(#゚;;-゚) 「どこ行ったのよ……」
あの後、妹者は涙目でタコ焼き4つを流すようにかっ食らうと、
でぃをA棟まで引っ張り、そのまま2人は遊んでいた。
ふとでぃが尿意を催しトイレに行き戻ってみると、妹者の姿はどこにも見つからない。
携帯に掛けても出ず、結局妹者を探しにB棟まで、でぃは戻っていた。
(#゚;;-゚) 「はぁ……落ち着くって事を知らないんだからな……」
どうせ匂いか音にでも釣られ、フラフラとどこかに行ったのだろう。
そうに違いない。絶対にそうだ。
が、でぃには特定の匂いや音など判別できないし、
例え分かったとしても何にでも興味を持つ妹者の行き先など、皆目検討もつかない。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:45:15.34 ID:eIfSLUZBO
(#゚;;-゚) 「…………ん?」
しかし彼女の耳に、何か定期的に響く音が聞こえた。
それは、ドドドドドドドドという聞き慣れない音と、
アヒャヒャヒャヒャヒャと、どっかで聞いたような音。
後ろから聞こえるその音に気付き振り向いた瞬間、でぃの身体は、浮いた。
(;#゚;;-゚) 「なッ、なに!?」
(;*゚∀゚)「でぃ!! なにボーッとしてんのさぁッ!!」
(;#゚;;-゚) 「いやッ……つーちゃん!?」
その白黒メイドさんは、立っていたでぃの小さな身体をお姫様抱っこし走る。
しかも迷う事なく息も切らさず、何処かの教室を目指すように走り続けた。
(;*゚∀゚)「り、理科室でいいんだねッ!?」
ζ(゚ー゚;ζ「うんッ……あそこならッ」
(;#゚;;-゚) 「あ、デレさんに……ツンさん」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:48:24.90 ID:eIfSLUZBO
その後も、つー御一行は走り、なぜかつーは笑い、ものの数分足らずで理科室に着いた。
(;*゚∀゚)「た、たのもーッ!!」
両手の塞がるつーの代わりにでぃが扉を開き、傾れ込むように4人が教室に入る。
それを迎えたのはハインのナイスリアクション。
从;゚∀从「な、なんだァ!? 仮装パーティかッ!?」
('、`*川「Nice boat.」
慌てて振り向いた白衣と違い、ペニサスは何故か余裕そうな顔。
最後に入ってきたツンが扉を閉め鍵を掛けると、はぁ……と3人はため息を付いた。
('、`*川「どしたの?」
ζ(゚ー゚;ζ「ぶ、部長……」
(;*゚∀゚)「ジョ、ジョルジュが来たんだよぉ……。
見つかったらフルボッコだよぉ……」
('、`*川「ジョルジュ? ……停学中は来ちゃいけないのに?」
从;゚∀从「つーか、勝手に入ってくんなよ」
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:51:04.43 ID:eIfSLUZBO
ξ♯゚听)ξ「……大体ッ、今更なにしに来たのよアイツ!!」
(;*゚∀゚)「だから復讐だってば……アタシら終わったな」
(#゚;;-゚) 「ドロップキック+蹴り入れまくり、
ですからね。ツンさんは……」
全員が思い思いに喋る中、机上に置いてあったペニサスの携帯が鳴り出す。
('、`*川「おっとテル、テル……」
携帯を耳にあて、ペニサスは機械越しに自分に用がある人間の声を聞いた。
『もしもし!? しぃだけどッ!!』
('、`*川「……ただいま電話に出る事が出来ません。
ピーッと鳴ったらご用件を」
『ふざけてる場合じゃないのよッ!!
今ジョルジュ君が来てるの!』
('、`*川「知ってる。今さっき聞いた」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:53:34.55 ID:eIfSLUZBO
『そう……それじゃあ皆集めて、どっかに隠れてて!
今ギコ君が飛び出しちゃってッ……』
('、`*川「大変だねぇー……」
なんて呑気な事を言っていると、突然携帯からの音が遠くなった。
『――――ちょっと何やっ―るのあ――達ッ!!』
('、`*川「……? おーい、もしもーし」
『―――――止め―さいギコ君ッ!!』
雑音と、遠く聞き取りにくいしぃの声。
さらに小さい音だったが、ゴルァという声?と共に、
キャーッ!という女性の金切り声が、確かに機械から聞こえた。
('、`*川「ちょっとしぃ? どうしたの?」
『ペニッ、今ちょっとッ―――また後で掛けるからッ!!』
('、`;川「ちょ、しぃ!?」
もしも、までペニサスが言った所で、電話は向こうから切られた。
何事かと皆がペニサスを見るが、聞きたいのはペニサスの方だ。
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:55:45.74 ID:eIfSLUZBO
首を傾げその意を無言で告げると、今度はつーの携帯が鳴り響く。
(;*゚∀゚)「もしもしッ! 何かあったのッ!?」
ペニサスの電話相手はしぃと分かったのだろう、親戚であるつーは焦っていた。
だが次に飛び込んできた情報は、もしかしたら彼女にとっては朗報なのかもしれない。
(*゚∀゚)「……うん、また何かあったら電話して。
んじゃ、気を付けてね? うん、ばいばい」
スッと耳から離し、電話を切るつー。
珍しく静かに、皆に自分が聞いた事を教える。
(*゚∀゚)「ジョルジュの所にギコが行って……喧嘩になったらしいよ。
しかも野球部員、バスケ部の部員まで来て大乱闘だってさ……」
ξ゚听)ξ「……仲悪いからね、アイツら。
ていうかバスケ部の連中、皆嫌ってるし」
('、`*川「……リーダー来て興奮したのかも。
まぁとにかく、ココから動かない方がいいね」
ζ(゚ー゚*ζ「……はい」
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/09(金) 20:59:43.65 ID:eIfSLUZBO
从 ゚∀从「そのジョルジュ?ってのは、何処に居んだ?」
(*゚∀゚)「体育館だって……バスケ部が出し物やってるし」
('、`*川「……はぁ、馬鹿ばっか」
結局そのまま騒動が納まるまで、6人は理科室に籠もっていた。
でぃが妹者の事を思い出すのにそれ程時間は掛からなかったが、
どうせ小学生にしか見えないという冗談のような本当により、好きにさせる事にした。
その間妹者も頑張っていたのだが、それもまた、別の話。
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