( ^ω^)がタイムスリップしたようです

21: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/10(火) 23:39:37.54 ID:Wv78zeEb0
  
−1940/5・・・徴兵から1ヶ月経過−

 VIP帝国とラウンジ国との戦争は5ヶ月目を迎えた。
  国境付近では各地で戦闘が発生。ブーン達の部隊の地下壕は国境から五十kmほどのところにある。
   前線の部隊が後退してきたときに備えて、地下壕付近の農村に塹壕を掘っていた・・・・


ブーン達が徴兵されてから1ヶ月が経った。

ショボンは一緒にタイムスリップしたのかどうか分からなかった。

この1ヶ月で分かったことは・・・

『どうやらブーン達は戦時中にタイムスリップしてしまった』こと。

『開戦してから3ヶ月しか経っていない』こと。

それだけだった・・・



22: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/10(火) 23:41:26.90 ID:Wv78zeEb0
  
それからというもの、毎日のように訓練を課せられた・・・

ちなみに運良くドクオとは同じ隊に入れた。

開戦当時は30名程度居た小隊だったが、国境付近の戦闘で構成人数は4人にまで減っていた。そして一人は知らない間に脱走していた・・・

そこにブーン達が加わったのである。

ミ,,゚Д゚彡「そういえば名前を言ってなかったな。俺はフサギコ少尉だ。ちなみにこの隊の隊長だ。」

( ^ω^)「内藤ホライズンだお。流れ的に二等兵だおwww」

('A`)「同じくドクオ二等兵です。(フサギコだと・・・?)」

( ´∀`)「モナー上等兵です。狙撃なら任せてくれモナ」

(=゚ω゚)「ぃょぅ伍長だょぅ。通信員でもある。よろしく。」



23: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/10(火) 23:43:31.01 ID:Wv78zeEb0
  
(=゚ω゚)「ちなみに今は退却命令が出ているが、そのうち前線に向かうと思うょぅ」

ミ,,゚Д゚彡「本部との連絡は地下壕の無線機を使う。衛生兵はこの前の戦闘ではぐれちまった。」

(;'A`)「少尉殿、質問があるのですが宜しいでしょうか。」

ミ,,゚Д゚彡「?なんだ??」

(;'A`)「出身はオワタ町ですか?」

ミ,,゚Д゚彡「ん?そうだが・・・?」

(;'A`)「フサギコ酒店はご存知でしょうか?」

ミ,,゚Д゚彡「知ってるも何も、オレが店主を務めていたんだ。・・・今は店は休業中だがな」

( ^ω^)「!!!」

ブーン達は察した。目の前の軍服姿の男性が町の変わり者の若き頃であることを。



24: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/10(火) 23:45:50.75 ID:Wv78zeEb0
  
( ^ω^)「フサギコのじいさんは・・・あんたなのかお!?」

ミ,,゚Д゚彡「じいさんじゃねぇぞゴラァ!!」

(;^ω^)「すまそーww」

('A`) (しかし、教科書通りだとこの戦争はあと7年も続く・・・しかも勝敗ははっきりとついていない。生き残れるのかな・・・・)

そして次の日、ブーン達にやっと武器が支給されることになる。

ミ,,゚Д゚彡「脱走したヤツが使っていた拳銃とライフルだ。鉄兜は二人分ある。」

('A`)「俺、体ちっせーからライフル扱いづらいだろうから拳銃で良いわ。」

( ^ω^)「じゃあブーンはライフルかお。」

ミ,,゚Д゚彡「早速射撃訓練を!・・・と言いたいところだが、こんな小さい隊には弾薬その他の配給は滅多に来ない。」

('A`)「無駄に弾は使えないわけか・・・」

( ´∀`)「そういうことモナ。さぁ、今日はもう地下壕へ帰ろう。」

( ^ω^)「おつかれーっすwww」

・・・その時だった。



27: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:02:08.62 ID:PAWQlbk70
  
ヒュンヒュン!パシュシュシュシュ!!

2,3発、空中を弾が飛んでいき、6発ほど地面に着弾し砂煙があがった。

(=゚ω゚)「敵襲だ!!総員戦闘体制!塹壕に隠れるんだょぅ!」

(;^ω^)「なんだお!!」

(;'A`)「うわち!あちょ!あちょちょ!!ww」

全員が急いで塹壕に隠れた。



28: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:05:52.28 ID:PAWQlbk70
  
ミ,,゚Д゚彡「敵は・・・あの小屋の中か。見たところ4人程度か?」

(=゚ω゚)「あの小屋は農夫が休憩するために使っていた小屋だょぅ。」

( ´∀`)「そういえばあそこの農夫はラウンジで育ったんだったけか?」

ミ,,゚Д゚彡「そうだったな。しかしこの不利な状況でよく攻撃してきたもんだな。」

(=゚ω゚)「急な戦争なもんで気でも狂ったんだと思うょぅ。」

隊長、ぃょぅ伍長、モナー上等兵は至って冷静だった。

それに比べてブーン達は・・・

(;´ω`)「一体何なんだお!?!?」

(;'A`)「この時代の農夫って武器持ってんのかよ!?」

急すぎる敵襲、頭上を飛んでいく本物の銃弾。そして銃声。

おもちゃの銃でサバイバルゲームをした事しかない一般高校生に、急に訪れた体験したことのない生と死の境。

全てが恐怖であり、信じられない状況であった。



29: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:08:05.95 ID:PAWQlbk70
  
ブーン達は恐怖のあまり手も足もガクガク震えていた・・・

ミ,,゚Д゚彡「おいおい、大丈夫かぁ?敵は訓練もされていない民間人だぞ・・・」

ミ,,゚Д゚彡「・・・よし。モナー!ぃょぅ!! 着剣!!」

( ´∀`)(=゚ω゚)「イエッサー!!!」

二人は「銃剣」という、ナイフのようなものを銃の先に装着した。

(=゚ω゚)ノ「準備完了だょぅ」

( ´∀`)「同じく準備完了だモナ」

ミ,,゚Д゚彡「よし、俺と新参二人で援護射撃をする。敵の銃撃が止んだ隙に一気に進め!!」

( ´∀`)(=゚ω゚)「イエッサー!!!」



30: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:14:03.10 ID:PAWQlbk70
  
ミ,,゚Д゚彡「内藤!ドクオ!いつまで腰抜かしてるんだ!!援護射撃の準備をしろ!」

(;^ω^)「わ、わかりましたお!」

あまりの大声にビックリして咄嗟に言ってしまったが、援護射撃なんてどうすればいいのか分かるはずもない。

ちなみにブーン達は実弾を撃ったことはないが、基本的な銃の扱いは学んでいた。

(;^ω^)「とりあえず敵を撃てば良いってことかお・・・?」

(;'A`)「そういうことだろ!!・・・多分。」

とにかく撃たなければこっちがやられてしまう。

そう思ったブーンは、塹壕から頭を少しだけ出すと・・・

木造のボロ小屋があって、その小屋の中に2人、小屋の後ろに1人、手前の地面に1人が伏せていた。

( ´ω`)「撃つの嫌だお・・・人を撃つなんて出来な...」

ガキン!!

金属に何かがぶつかるような音と共に、ブーンの頭に衝撃が走った。



32: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:17:34.36 ID:PAWQlbk70
  
・・・死んだ・・・

ブーンはそう思った。

( ´ω`)「頭に銃弾が当たったのかお・・・?即死かお?通りで痛みが無いわけだお・・・」

???「・・・い!」

???「おい!ブーン!」

(;'A`)「死んだら帰れないぞ!元の世界に戻れなくて良いのか!?」

(;゚ω゚)「ハッ!」

(;'A`)「ブーン!!よかった!!生きてたか・・・」

(;゚ω゚)「ブーンは・・・死んでないのかお!?」

(;'A`)「あぁ。敵の弾が地面に着弾して、その衝撃で小石が飛んできたんだ。それが当たったんだろう」

( ´ω`)「・・・」



33: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:20:42.85 ID:PAWQlbk70
  
ブーンはこの時『いっその事なら、もう死んでも良かった』と思った。

この恐怖から逃げられるのなら、死んでもいい。

これ以上怖い思いはしたくない・・・

その時、ブーンの頭の中にツンが現れた。

ξ゚听)ξ「い・・・て!」

( ´ω`)「幻覚・・・?ツンは何を言いたいんだお・・・?」

ξ゚听)ξ「い・・・ってきて!」

( ´ω`)「オカズが無きゃ、いくらブーンでもイけないお・・・」

ξ゚听)ξ「生きて帰ってきて!!!」

( ´ω`)「・・・」

(;゚ω゚)「!!!」


―――――ブーンの中の何かが爆発した。



34: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:23:50.37 ID:PAWQlbk70
  
( ^ω^)「ドクオ・・・!ここで死んだら皆に会えなくなっちゃうお!!」

(;'A`)「さっき言っただろうが・・・急にどうしたんだよ・・・」

( ^ω^)「撃つべし!」

(;'A`)「ん・・・?あぁ・・・。」

(#゚ω゚)「農夫だか陰毛だか知らねぇがさっさと死ねぇぇぇ!!」

(;'A`)(陰毛ではないだろ・・・)

――ドォン!!!!



36: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:29:38.55 ID:PAWQlbk70
  
初めての射撃の反動に、ブーンは倒れそうになった。

それでもなんとか耐えて、続けて敵めがけて引き金を引く。

ドンッドンッドンッ!!

ミ,,゚Д゚彡「よし!前進開始!!」

ぃょぅとモナーは姿勢を低くしながら小屋へと進んでいき、手前の石垣に隠れた。

ドンッドンッドンッ!カィーン!!

8発目を撃つと同時にクリップ弾倉が排出される。

(;^ω^)「ちょww何か出てきた・・・てコレが空になった弾倉かお!」

ブーンは急いで次の弾倉を装填しようとするが、これがなかなか出来ない。



37: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:32:54.85 ID:PAWQlbk70
  
ブーンが装填に戸惑っている間、ドクオは打ち続けていた。

パンッ!・・・パンッ!・・・パンッ!・・・パンッ!

(;'A`)「くそ・・・反動が大きくてマトモに打てねぇ・・・」

ドクオが5発目を打とうとしたその時だった。

モナー達めがけて小屋の奴らが何かを投げたのをブーンは見た。

そしてモナーはそれをすぐに投げ返す。

(;´∀`)「伏せろぉぉぉ!!」



38: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:36:19.54 ID:PAWQlbk70
  
次の瞬間、凄まじい爆音と共に小屋が吹き飛んだ。

(;´∀`)「やったか・・・?」

(=゚ω゚)「いや・・・あの柵の裏にまだ居るんだょぅ!」

そう言うとぃょぅは隠れている敵に向かって走り出し、敵の胸部に銃剣を突き刺した――――




その後、ブーン達は地下壕へと戻り、今日のことを本部へと連絡した



40: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:40:35.95 ID:PAWQlbk70
  

 ―地下壕―

ミ,,゚Д゚彡「なんであんな奴らが手榴弾まで持ってんだ?」

( ´∀`)「ふもとの人たちによると、ラウンジの軍人と関係を持っていたそうです」

ミ,,゚Д゚彡「となると・・・ここの地下壕の存在は敵も知っているかもしれないな。」

( ^ω^) (となると・・・ってドナルドに似てるおwww)



41: ◆yZOo6tUHDs :2006/10/11(水) 00:44:15.29 ID:PAWQlbk70
  
('A`)「・・・」

(=゚ω゚)「どうしたドクオ二等兵、元気ないように見えるょぅ」

('A`)「いや・・・俺等はこんなことしてる場合じゃないんです・・・」

(=゚ω゚)「どういうことだょぅ?」

('A`)「俺たちはこの時代の人間じゃない。鞄の中に入っていた携帯電話を見ただろう?」

( ´∀`)「たしかに見たことの無い機械が入ってたモナね。一時は敵のスパイかと思ったモナ・・・」

( ^ω^)「でもドクオ、フサギコのじいさんは元の世界でも生きてるお。ついていけば何かカギが見つかるかもしれないお」

('A`)「確かにそうだけど・・・」

( ^ω^)「今はとにかく自分の身を守って、元の世界へ戻る方法を見つけなきゃいけないんだお。ショボンの行方も捜さなきゃだお」

('A`)「・・・そうだな」

(=゚ω゚)「なんだかよく分からないが解決したならそれでいいんだょぅ」

ミ,,゚Д゚彡「今日はもう休め。今日だけ見張りは俺達がしてやるぞゴラァ」

( ^ω^)('A`)「ありがとうございます・・・」


そうしてブーン達は戦争に飲み込まれていった――――――――



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