ξ゚听)ξツンと星空と海風のようです

121: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:16:19.76 ID:3Ia+C9II0
―5月12日(土曜日)―

( ^ω^)「ふーさっぱりしたお。やっぱりお風呂は日本の宝だお」

バスタオルで頭を拭きながらブーンは自室に戻り、机に設置されたPCの前に腰掛ける。

( ^ω^)「あとは、風呂上りの冷たいコーラだおー♪」

鼻歌を歌いながら机の下の小型冷蔵庫からコーラを取り出し、のどを潤す。

( ^ω^)「ぷはー。この一杯のために生きてるようなもんだお」

コーラに満足したブーンはいつものように、PCを起動するとオンラインRPGにログインする。

( ^ω^)「今日はちょっと遅くなっちゃったお」

時計を見ると時刻はPM10:30を少し回ったところだった。
ブーンはログインするとすぐにリストを開きログイン状況を確認する。

( ^ω^)「お? しぃちゃんもログインしてるお」



122: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:18:39.25 ID:3Ia+C9II0
Boon『しぃちゃんおまたせだお』

Shi『あ、ブーン! 今日は遅かったね』

Boon『ごめんお。ちょっとお風呂で居眠りしちゃったお』

Shi『お風呂で寝るとおぼれちゃうよー? 』

Boon『さっき溺れかけて慌てて出てきたお』

Shi『もー。ブーンは仕方ないなぁ』

Boon『今日は何するお? 』

Shi『そろそろ、新しい武器が欲しいからお金貯めたいんだよねー』

Boon『じゃあ、レベル上げも兼ねて動物系のモンスターを狩りに行くお』

Shi『そうだね。最近、毛皮系が高く売れるしね』

Boon『じゃあ、街の南門で待ってるお』

Shi『おっけー、装備整えたらすぐ行くね』



……



123: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:20:25.76 ID:3Ia+C9II0
狩りに出て約二時間後。二人は戦利品を整理するべく街に戻ってきた。

日付は変わり時刻はもうすぐAM1:00になろうかという頃。

Shi『ねぇ、ブーン。明日っていうかもう今日だけど、暇? 』

Boon『暇だお』

Shi『あのね、お母さんの知り合いから映画のチケットもらったんだけど、行く? 』

Boon『いいお! 早速、ドクオとツンにも連絡するお!! 』

Shi『まって』

Boon『お? 』

Shi『ゴメン。チケット2枚しかないの。だから、二人で行かない? 』

ブーンはその瞬間、口につけていたコーラを吹きそうになった。

(;^ω^)「ちょ、二人って、それなんてギャルゲーだお? 」

Shi『やっぱり二人じゃ、イヤかな? 』

ブーンが返事に困っていると、しぃからそんな言葉が届く。

(;^ω^)「いやいやいや、そんなもったいないことするわけねーお!!! 」

急いでブーンは返事をした。



125: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:22:46.92 ID:3Ia+C9II0
Boon『そんなことないぽ』

(;^ω^)「あ、打ち間違っちゃったお」

Shi『じゃ、明日の11:00に美府駅で待ち合わせね♪ お休み、落ちまーす。ノシ』

その言葉を最後に【Shi】はログアウトした。

ブーンはしばらく画面を見ながら呆然としていた。

(;^ω^)「……僕があのしぃちゃんと、デート? 」

無言のままブーンは固まる。もちろん画面の中の【Boon】も硬直したままだ。

(;^ω^)「と、とりあえずログアウトするお」

すぐにログアウトの処理をしてPCの電源を落とす。

(;^ω^)「えっと、どうするお? 」

気を落ち着かせようと深呼吸をするが、どうしても動悸は治まらず心臓が早鐘のように打ち鳴らされる。

(;^ω^)「えっと、こういう時は素数を数えたらいいんだお」

飲みかけのコーラを飲み干すとブーンは素数を数え始めた。

(;^ω^)「えーっと、1・3・5・7・9・11・13・15・17・19・21……」

それでも動揺したブーンは素数ではなく、奇数を数えていた。



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