ξ゚听)ξツンと星空と海風のようです

126: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:25:08.24 ID:3Ia+C9II0
―5月13日(日曜日)―

―時刻・AM6:53―

(;-ω-)「……や……っと、ね、眠くなってきたお」

あの後、奇数を501まで数えたブーンは落ち着く事をあきらめベッドに入った。

それでも結局、眠れないままこんな時間になってしまった。

どうして眠れないかといえば……



(;゚ω゚)(なんで、しぃちゃんは僕を誘ったんだお? )

(;゚ω゚)(これは俗に言う『フラグ』ってことかお? )

(;゚ω゚)(いやいや、落ち着くお。ここで先走ったら、ただの勘違い野郎もいいとこだお)

(;゚ω゚)(でも、しぃちゃんから誘ってくれたお)

(;゚ω゚)(そう考えたら、この間の観覧車の中での出来事がフラグを立てたのかもしれんお)

(;゚ω゚)(いやいや、そんなまさか)

(;゚ω゚)(でも、もし、しぃちゃんが……)

(;゚ω゚)(落ち着くお。しぃちゃんが僕をどう思っているかは関係ないお)



128: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:27:39.46 ID:3Ia+C9II0
(;゚ω゚)(僕はしぃちゃんをどう思ってるんだお? )

(;゚ω゚)(ていうか、何で僕はこんなにドキドキしてるんだお? )

(;゚ω゚)(もしかして僕は……)



一晩中そんな事を考えて眠れなかった。

そして、一つの結論に達したときようやく眠気が出てきた。

(*-ω-)「……zzz……しぃちゃん……」

空が白み始めるどころか、完全に夜が明けたころ。ブーンはようやく眠りについた。



(*-ω-)「……zzz……僕は……」








(*-ω-)「……zzz……僕は……君を好きになってしまったようだお……」



131: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:29:44.48 ID:3Ia+C9II0
―5月13日(日曜日)―

―時刻・AM10:52―

(*゚ー゚)「……」

美府駅前の大きな街路樹。駅前では一番目立つ代物なのでよく待ち合わせに利用される。
その樹の下でしぃは腕時計を見て、時間を確認する。

(*゚ー゚)「……よく考えたら、ブーンが時間どおりに来るわけ無いんだっけ」

先日の事を思い出ししぃはため息をつく。

(*゚ー゚)「……はぁ、ドックンみたいに待ち合わせの時間を、30分早く言っておけばよかったかな? 」

そんな事を呟きながら、腕時計を見るともう一度ため息をつく。
時間はさっき確認してから1分も進んでいなかった。

⊂ニニ(;`ω´)二⊃「ブーーーーーン!!!!!!! 」

(*゚ー゚)「えっ? 」

しぃが時計から視線を上げると、ものすごい勢いでブーンが走ってきた。

(;^ω^)「ご、ごめんお! 待ったかお? 」

ブーンはしぃの前で急停止すると肩で息をしながら、しぃに声をかける。

(;゚ー゚)「えっ? 別に待ってないよ。まだ、時間前だし」



132: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:31:20.47 ID:3Ia+C9II0
ブーンはポケットから携帯を取り出し、時刻を確認すると、安堵の息を漏らす。

(;^ω^)「よかったおー。遅刻するかと思ったお」

(;゚ー゚)「それより、何で間に合ってるの? 」

しぃは率直にたずねる。

Σ(;^ω^)「そりゃ、いくらなんでもひどいお! 」

(;゚ー゚)「ご、ごめん。でも、ドックンとツンちゃんがこの間、言ってたんだもん」

(;^ω^)「まぁ、否定できないのが情けないお」

ブーンは頬をコリコリと掻く。

(*^ω^)「でも、しぃちゃんと二人で遊びに行くのが楽しみだったから、頑張って朝起きたお」

(;////)「ま、また、そんなこと言って……。からかっちゃ、ヤダよぉ」

そういって、しぃは俯いてしまう。

(*^ω^)(やっぱり、しぃちゃんはかわいいお)

(;////)「ね、ねぇ。そろそろ行こうよ」

( ^ω^)「お? そうだったお。せっかく、遅刻しなかったのに電車に乗り遅れたら意味ないお」

こうしてブーンとしぃは駅の中に入っていった。



134: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:33:32.42 ID:3Ia+C9II0
―時刻・PM2:44―

(*゚ー゚)「面白かったねー」

(;^ω^)(正直、しぃちゃんが気になってそれどころじゃなかったお)

映画を見終えた二人は映画館から出てきた。

(*゚ー゚)「……? ブーンはおもしろくなかった? 」

しぃは反応の無いブーンの顔を心配そうに覗き込む。
下から上目遣いで覗き込む姿は、どことなく子猫を思わせる。

(;^ω^)「そ、そんなことないお。面白かったお」

(*゚ー゚)「ホント? よかったぁ。なんか無理やり付き合せちゃったかなって、心配してたんだ」

ブーンの言葉を聞いてしぃは、ぱぁっと花が開いたように明るい笑顔を浮かべる。

(*^ω^)(そんな笑顔を見せられたら、何を見た後だって幸せになれちゃうお)

しぃの笑顔につられるようにブーンも笑顔になる。

(*゚ー゚)「ん? ブーンどうしたの? 急にニコニコして」

(;^ω^)「な、なんでもないお。それよりお腹空かないかお? 」

なんとなく心情を見透かされた気になったブーンは慌てて話をそらした。



136: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:35:35.55 ID:3Ia+C9II0
(*゚ー゚)「お昼、食べて無いもんね。私もお腹空いたよー」

( ^ω^)「じゃあ、そこのマックお昼にするお」

(*゚ー゚)「そうだね。ブーン行こ! 」

そういってしぃは横断歩道に駆け出す。

(;^ω^)「おっ! 」

しぃが駆け出した矢先にブーンは咄嗟に、しぃの手を掴む。

(;^ω^)「し、しぃちゃん。まだ信号変わって無いお」

(;゚ー゚)「あっ、ゴメン! ちょっと浮かれちゃったみたい」

しぃはブーンに頭を下げるとあることに気がつく。

(;゚ー゚)「……あっ」

( ^ω^)「お? どうかしたかお? 」

(;////)「……ぁ、その……」



139: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:39:36.54 ID:3Ia+C9II0
しぃが真っ赤になって俯くと、チラチラと自分の右手を見ている。
その視線に気付いたブーンはしぃの右手へと視線を向ける。

(*^ω^)「……」

そのしぃの右手はしっかりとブーンの左手が握っていた。

(*^ω^)「……しぃちゃんにひとつ聞きたいお」

(;////)「ははは、はい!! な、なに? 」

(*^ω^)「こ、このまま繋いでちゃ、ダメかお? 」

(;////)「だだだだ、ダメなんかじゃないよ! 」

(*^ω^)「ほ、ほんとかお? 」

(;////)「……(コクリ)」

しぃは黙って頷く。

(;^ω^)(これは脈アリなのかお? )

しぃの手の温もりを感じながらそんな事を考えていると,、
しぃが消え入りそうな声でブーンに話しかける。



141: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:42:10.45 ID:3Ia+C9II0
(;////)「ああああ、あのね、ブーン。私からひとつお願いしても、いいかな? 」

(;^ω^)「いいお。(なんだお? この状況でお願いって何が来るんだお)」

(;////)「あのね、手を繋ぐなら、そんな、ただ掴むだけじゃなくて、
      ……その、ちゃんと繋ぎたいな」

最後のほうはほとんど聞き取れないような小さな声だったが、
しっかりとブーンには聞こえた。

(*^ω^)「わかったお」

そういうとブーンは掴んでいた手を一度離し、
改めて手を繋ぐと、グッと少しだけ強く握った。

(*^ω^)「これでいいかお? 」

(;////)「……」

しぃは何も言わず、その代わりに、繋いだ手をキュっと握り返した。

(*^ω^)(おっおっお、しぃちゃんのこの可愛さは、はっきり言って反則だお)




143: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:44:22.74 ID:3Ia+C9II0
―時刻・PM6:54―

( ^ω^)「もう、すっかり暗くなっちゃたお」

二人が美府駅に降りると既に空は夕焼けの時刻を過ぎ、夜の帳が降りはじめていた。

(*゚ー゚)「ホントだ。まだまだ、日が暮れるのは早いねー」

( ^ω^)「家まで送るお」

(*゚ー゚)「いいよー。ブーン、帰るの遅くなっちゃうよ? 」

( ^ω^)「そんなの構わないお」

(*゚ー゚)「……じゃあ、お願いします」

二人はどちらとも無く手を繋ぐと歩き始めた。

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「……」

二人は住宅街を黙って歩く。

(;^ω^)(もう、腹をくくったお! 今日、このまま告白するお!! )

今日一日、しぃとデートしてブーンは決意を固めていた。
昨日の夜に、しぃを好きになったかもしれないという結論に達したブーンは、
それが確信に変わっていた。



146: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:48:01.25 ID:3Ia+C9II0
( ^ω^)「しぃちゃん」

(*゚ー゚)「なに? 」

( ^ω^)「僕、しぃちゃんが好きだお」

(*゚ー゚)「……え」

( ^ω^)「だから、僕の彼女になって欲しいお」

(*゚ー゚)「……」

日はすっかり暮れ、すでに星が煌めき始めた空の下、

ブーンの声だけが静かに、しぃの耳に反響する。












(*////)「…………(コクリ)」



149: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:50:23.42 ID:3Ia+C9II0
しぃは何も言わず、ただ頷く。
そして、少し間を置いてから顔を上げブーンを正面から見据えて、言葉を紡いだ。

(*゚ー゚)「……私も、ブーンが好き。だから私を、ブーンの彼女にしてください」

しぃは、しっかりとした声で一言一言を噛みしめるように言い切った。

(*゚ー゚)「……ブーン」

しぃは愛しい人の名を呼ぶと、そっと目を閉じる。

( ^ω^)「……しぃ」

ブーンもそれに応えるように、愛しい人の名を呼ぶと、しぃの肩に手を置き、顔を近づける。


二人の距離が少しづつ近づく。




その距離が0になった時。





何の変哲も無い住宅街の一角の、どこにでもある様な小さな公園の入り口は……



150: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 06:51:02.25 ID:3Ia+C9II0









二人の大切な、思い出の場所になった。











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