ξ゚听)ξツンと星空と海風のようです

175: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 07:29:44.53 ID:3Ia+C9II0
―6月14日(水曜日)―



ブーンとしぃが付き合い始めて一ヶ月が過ぎた。




本格的に梅雨入りした関東地方は、連日雨が続き、その日も朝から雨が降ていた。
夜になっても止む事のない雨は容赦なく窓に叩き付けられ、耳障りな不協和音を奏でていた。

ξ;凵G)ξ「どうして? どうしてこんな事になっちゃたんだろう? 」

ツンは一人ベッドの上で枕に顔を埋め泣き崩れる。

ξ;凵G)ξ「私が一番近くにいるのに……。誰よりもあいつの事を分かってるのに」

その整った顔立ちをクシャクシャに崩し、子供のように泣き続ける。

ξ;凵G)ξ「なんで、あいつは私じゃなくて彼女を選んだんだろう? 」

問いかけても問いかけるべき相手はそこにはいない。

ξ;凵G)ξ「ねぇ、なんで私じゃないの? なんで私を選んでくれないの? 答えてよ! 」

枕から顔を上げ、枕元に置かれた写真立てに向かって叫ぶ。
それは癇癪を起こした子供のようだった。

ξ;凵G)ξ「お願いだから、私を愛してよ……。こんなのもう耐えられないよ……」



178: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 07:32:55.53 ID:3Ia+C9II0
写真立てを手に取ると、そっと胸に抱く。まるで愛しい人と抱擁をするように。

ξ;凵G)ξ「なんで、私を愛してくれないの? ……彼女がいるから? 」

写真は何も答えない。

『実は、僕に彼女が出来たんだお! 』

代わりに愛しい人から言われたうれしそうな言葉が、ツンの耳にリフレインする。

ξ;凵G)ξ「……ブーン」

ツンは愛しい人の名を呟くと、再び枕に顔を埋め泣き崩れた。

降り続いていた雨はいつの間にか上がり、
雨雲の間から空がのぞき始めた頃、その嗚咽は次第に小さくなった。

そして、空が白み始め数日振りに朝日が顔を出した頃、嗚咽は静かな寝息に変わっていった。

ξ--)ξ「……ブーン」








泣き腫らした目を瞑り、眠りに落ちていても、呟くのは愛しい人の名であったことは誰も知らない。



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