ξ゚听)ξツンと星空と海風のようです

608: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 13:59:39.34 ID:GMYVJWfZ0
〜 12年後 〜

―4月某日―

( ^ω^)「ただいまだお」

リビングの扉を開いてブーンが入ってくると
一人の少女が嬉しそうに駆け寄ってくる。

*(‘‘)*「とーちゃん。おかえり! 」

( ^ω^)「おー、ヘリカルまだ起きてたのかお? 」

自慢の娘の頭をなでながらブーンはネクタイを緩める。

(*゚ー゚)「あなた、お帰りなさい」

( ^ω^)「ただいまだお」

*(‘‘)*「とーちゃん、ほんよめ! 」

(*゚ー゚)「こら、ヘリカル。お父さん疲れてるんだから無茶言わないの」

ブーンにお気に入りの絵本を突き出すヘリカルをたしなめるようにしぃが言う。



611: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 14:01:15.69 ID:GMYVJWfZ0
*(‘‘)*「やーだ、とーちゃんほんよむお! 」

しかし、ブーンの口癖を真似る愛娘の姿に、夫婦そろって苦笑するしかなかった。

( ^ω^)「しかたないお。とーちゃん着替えてくるから部屋で待ってるお」

*(‘‘)*「わかったお! 」

返事をしたヘリカルは、「ぶーん」と叫びながら自分の部屋に戻っていった。

(*゚ー゚)「疲れてるんじゃない? 私が行こうか? 」

( ^ω^)「かまわんお。 娘の顔見たら疲れなんか吹っ飛ぶお」

ブーンはそういい残して、リビングを出て行く。

(*゚ー゚)「もう、娘には甘いんだから」

そんなブーンを見ながらしぃは幸せそうに微笑んでいた。



615: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 14:02:46.69 ID:GMYVJWfZ0
(*゚ー゚)「さて、肉じゃが温め直さないとね」

しぃは愛しのだんな様の為にコンロに火を点ける。
そこに着替えたブーンがなぜか戻ってきた。

( ^ω^)「しぃの笑顔でも、疲れが吹っ飛ぶお」

どうやら、この一言を言うために戻ってきたようだ。

(*゚ー゚)「もー、いい歳して何言ってるの? 」

( ^ω^)「お? 何か変なこと言ったかお?」

しぃの言葉にブーンは真顔で首を傾げる。

(*^ー^)「んーん。言ってないよ」

( ^ω^)「ならいいお」

微笑みながら答えるしぃにブーンが納得していると、部屋からヘリカルの声が届く。

『とーちゃん、おせーお! 』

(*゚ー゚)「ほら、ヘリカルが待ってるわよ? その間にご飯の用意しておくから」

( ^ω^)「じゃあ、お嬢様のご機嫌でも取ってくるお」

そういって、ブーンは再びリビングを後にした。



618: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 14:04:20.15 ID:GMYVJWfZ0
( ^ω^)「ヘリカルお待たせだお」

*(‘‘)*「とーちゃん、おんなのこをまたせるのはどうかとおもうお! 」

(;^ω^)「へ、ヘリカル、何言ってるお」

*(‘‘)*「このあいだ、つんちゃんとままとあそびにいったとき、
     とーちゃんはむかしから、じかんにだらしないおとこだったって
     つんちゃんがいってたお」

(;^ω^)「ほ、ほかには何か言ってたかお? 」

*(‘‘)*「んっとね。そしたらままが『ぷろぽーずもまたされたしね』って、
     いってわらってたお」

(;^ω^)「……」

*(‘‘)*「そしたらつんちゃんも『それだけは、うちのほうがひどいわよ』っていってたお」

娘の無邪気な言葉にブーンの疲労は吹っ飛ぶどころか倍増した。

*(‘‘)*「とーちゃん。いいから、はやくほんよめお! 」

そんなブーンのことなどお構いなしにヘリカルはブーンを急かした。

(;^ω^)「お? じゃあ読むお。『昔々、ある所に……』 」



620: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 14:06:20.92 ID:GMYVJWfZ0
( ^ω^)「『幸せに暮らしましたとさ。 めでたし、めでたし』……お? 」

*(- -)*「すぴー……すぴー」

ブーンが本を読み終えたときにはすでに娘は寝息を立てていた。

( ^ω^)「やれやれ、少しは大人になったのかと思ったら、まだまだ可愛いもんだお」

娘のあどけない寝顔にブーンは疲れが癒されたような気がした。

*(- -)*「……とーちゃん、まま、だいすきだお」

( ^ω^)「……ヘリカル、とーちゃんも大好きだお」









ブーンはしばらく娘の頭を撫でたあと、娘の部屋を後にした。



623: ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 14:07:49.08 ID:GMYVJWfZ0
( ^ω^)「お? 今日は肉じゃがかお」

リビングに戻ってきたブーンは
キッチンから漂う香ばしい香りを楽しむように食卓につく。

(*゚ー゚)「ヘリカルは、もう寝たの? 」

( ^ω^)「寝たお。相変わらず寝つきがいいお」

(*゚ー゚)「ふふ、あなたそっくりね」

しぃは肉じゃがを小鉢に盛り付けるとブーンの前に置き、
サラダ、焼き魚など他の料理をテーブルに並べた後、冷蔵庫からビールを取り出す。

(*゚ー゚)「あなた、少し飲まない? 」

( ^ω^)「お? しぃから言い出すとはめずらしいお」

(*゚ー゚)「今日はいいお知らせがあるのよ」

そういって、一通の封筒をブーンに手渡した。









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