( ^ω^)ブーンの住む世界が大変なことになっているようです

194: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:05:11.68 ID:0DncrGtd0
0:17現在

( ^ω^)の能力「氷」
('A`)―心停止による死亡―
(´・ω・`)の能力「音」
(◎―◎)「操作」
( ´_ゝ`)「読心術」
( ゚∀゚)―消滅?―
残り人口 132人



205: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:33:12.03 ID:0DncrGtd0
( ^ω^)「何をする気だお!もうドクオには何もしないでほしいお!」
(◎―◎)「……」

先生は指を曲げた。表情も無く。

ドクオの体が動き出した。

( ^ω^)「!!……いや、生きてるわけ無いお……離れなきゃ、殺されてしまうお」
(´・ω・`)「大人になったな」
(◎―◎)「どこまで大人か、先生が試験してあげよう」
( ´_ゝ`)「先生、ブーンはドクオの死体を破壊する気です」
(◎―◎)「本気の様だな」
( ^ω^)「負けないお……負けないお!」

ブーンはひたすら、指を曲げた。
ドクオから、少しずれた場所に。



206: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:33:28.37 ID:0DncrGtd0
(◎―◎)「どうやら、殺せないようだな。ハハッ」
(´・ω・`)「がら空きですよ、先生」
( ´_ゝ`)「そうはいかないぞ、ショボン」
(´・ω・`)「!!不意をつかれたなぁ…グハッ」

ショボンが、フーンに殴られている。
武道の達人は伊達じゃないTEIJINのようだ。

( ;ω;)「く、くそぉぉぉ!うわああああぁぁぁぁぁ!」

指を、曲げた。
今度こそ、ドクオを楽にしてやるために。

(◎―◎)「ちっ」

先生は魔法の対象を兄者に変えた。

( ^ω^)「兄者に……?何を企んで居るんだお?」
( ´_ゝ`)「う、うあああああ!」

兄者の攻撃が、激しくなる。
「筋肉増強」よりも、遥かにすさまじい。



207: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:33:50.91 ID:0DncrGtd0
(´・ω・`)「………」

ショボンの目にほとんど活気が残っていない。
ブーンが殺らなければ、先生か、兄者を。

( ^ω^)「兄者、済まないお」

兄者が砕ける。
多分、この罪悪感と恐怖は、「氷」を持つ者にしか分らないのだろう。

(◎―◎)「……操られている方を殺るとは」
( ^ω^)「兄者がかわいそうだお」
(´・ω・`)「うっ……うっ……」
(◎―◎)「きれい事を」

先生の対象は、確実にブーンだった。
何とかしてさけなければ。
ブーンは必死に考えた。
"元"先生と、その"元"生徒の指が同時に曲がる。



208: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:34:24.55 ID:0DncrGtd0
(◎―◎)「……壁か……つまらんな」
( ;^ω^)「危ないところだったお」

ブーンは地面にあらん限りの魔力をぶつけた。
見事、計算通りに大きな氷の壁が完成したのである。
対象が見えなければ、魔法は当たらないのだ。

( ^ω^)「大丈夫かお!いま回復してやるお」
(´・ω・`)「済まない……」

ブーンは「回復」の指を曲げた。
だが、なにも起こらない。

( ^ω^)「捨てたんだったお……くそッ…」
(´・ω・`)「先生がくるかも。先に行っていいよ。君は勇者だ。必要があれば、僕の力を使うといい。」
( ^ω^)「!何を行って居るんだお!絶対に一緒に地上に戻るんだお!」
(´・ω・`)「ブーン……」

(◎―◎)「感傷に浸る暇があれば、対策でも練っておけよクソガキどもが」

絶体絶命。ブーンはこの四字熟語が最も似合う瞬間だと思った。



214: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:51:03.66 ID:0DncrGtd0
( ^ω^)「……」
(◎―◎)「ククク……どっちがどっちを殺したら面白いんだろうな。俺はこう思う。お前だっ―……!!指がッ……」
( ^ω^)「甘く見過ぎだお。戦いを楽しみすぎだお。先に殺せば助かっていたのに……」
(´・ω・`)「よくやったな。男だがほれぼれするよ」
( ^ω^)「やめてほしいお」
(◎―◎)「く、くそ……」
(´・ω・`)「生徒を虐待する悪い先生にはそれなりの罰を―」

ショボンが震える指を曲げる。
空気が激しく揺れたかと思うと、魔法の対象となっていた先生は、
体中の穴という穴から血を吹き出して崩れていった。



215: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:52:30.55 ID:0DncrGtd0
( ^ω^)「ドクオ……」
(´・ω・`)「敵がまだいるかもしれない。『操作』は僕が貰おう」
( ^ω^)「そんなヤツの脳みそなんて食べたら気が狂ってしまうお」
(´・ω・`)「今は感情を優先したらまっているのは"死"だけだ。強い力を持つと、弱い力を持つ者を守ることもできる」
( ^ω^)「そうだお……じゃあ行くお」

こけむした街に二つの影。
つい20分前まで、三つだった影。

(´・ω・`)「神殿?なんか異様な気配を感じるね」

まっすぐ、まっすぐと進んだ先にあったのは、
真っ白な神殿だった。
コケなど全く生えていない、美しい神殿。



216: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 00:52:53.38 ID:0DncrGtd0

( ^ω^)「とりあえず、入るお。神様が守ってくれるかもしれないお」
(´・ω・`)「神なんて信じているの?」
( ^ω^)「魔法があればなんでもありだお」

希望と絶望。
両方を抱えて二人は神殿に入っていった。

( ^ω^)「うわぁ……きれいだお……」

きらびやかな装飾。あでやかな石像。
輝かしいステンドグラス。夢のようなマリア様。

(´・ω・`)「でも邪気しか感じない」
( ^ω^)「そうかお?すっごく気分がいいお」
(´・ω・`)「それ、危ない気もするね。『誘惑』かも」

マリアの前に近づく二人。



218: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:18:09.70 ID:0DncrGtd0
( ^ω^)「……なんかおかしいお」

マリアの顔が、かなしみで歪んでいる。
手に持っているのは、ダイヤモンド―

(´・ω・`)「ダイヤモンド」
( ^ω^)「あの石は……ドクオに前聞いたお。『蘇生』と『乱反射』……」
(´・ω・`)「うん。すごいね」
???「やあ!誰だい!僕の子供の前にいるのは!」

振り返った先に、全知全能の"ヤツ"が居た。
居てはならぬ、その存在が。

( ゚∀゚)「やあ、私の子供達。愛する人間。子供達」
( ^ω^)「ジョルジュ……消えたんじゃなかったのかお?」
(´・ω・`)「やばいな。魔力が尋常じゃない」

ジョルジュは今までと雰囲気が全く異なっていた。



220: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:18:35.18 ID:0DncrGtd0
( ゚∀゚)「今まで君たちは私を崇拝するだけだったのに」
( ^ω^)「……お前は神、そう言い体のかお?」
( ゚∀゚)「ご名答!私が神様だよ。みんなを作った、全てを作った!この地球も、宇宙も!」
(´・ω・`)「聞いてあきれるな」

ショボンが口をはさんだ。

(´・ω・`)「なら、それっぽいところを見せてくれ。神様」
( ゚∀゚)「イイノカナ?イイノカナ?ホントウニイイノカナ?」
( ^ω^)「やめた方がいいお、やつは本物かも……」
(´・ω・`)「そんなわけがないだろう。さあ、今すぐこの神殿ごと全てを消し去って見たらどうだ」
( ゚∀゚)「……それがお望みならば」

ブーンの意識が飛んでいった。
目が覚めたのは、雲の上。
俗に言う、天国みたいなところだった。



222: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:19:46.25 ID:0DncrGtd0
( ゚∀゚)「目が覚めた?」
( ^ω^)「……あれ、みんなは……」
( ゚∀゚)「この世に存在しているのは君だけだよ」
( ^ω^)「うっ……どういう……?」
( ゚∀゚)「僕は本当の神様なんだ。君は優勝だよ、戦いのね」

ブーンは頭の痛みをこらえながら、状況を整理しようとしていた。

( ゚∀゚)「じゃあ優勝の記念に説明してあげよう」
( ^ω^)「う……」
( ゚∀゚)「君たちは僕を神様って呼んでるけど、僕も君たちみたいなものなんだ」
( ^ω^)「……?どういう……?」
( ゚∀゚)「僕は"世界"というゲームを作っていたんだ。学校の宿題で」
( ^ω^)「……」
( ゚∀゚)「でも本当は、提出したらそれを壊さなきゃならなかったんだ」
( ^ω^)「お前は壊さなかったのかお?」
( ゚∀゚)「うん。だってもったいなかったんだもん」

わがままを言う子供の様に。
美しい姿でブーンの中の全ての憎悪を掻き乱していく。



223: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:20:22.11 ID:0DncrGtd0
( ゚∀゚)「で、いつのまにか"地球"ができちゃってて、生き物までできてたの」
( ^ω^)「お前が全てをコントロールしてるんじゃなかったのかお」
( ゚∀゚)「いや、そうじゃないんだ。地球のゲームだって、プログラミングはするけど内部の変数の動きまで全部を見てるワケじゃないだろ?」
( ^ω^)「……」
( ゚∀゚)「まあ君たちは非常に面白いバグみたいなものだったわけ」
( ^ω^)「僕たちの世界は、ゲームのプログラムみたいなものだったのかお」
( ゚∀゚)「その通りだけど、もういらないんだよね」
( ^ω^)「お前が……この争いを起したのかお」
( ゚∀゚)「だって一番早く生命を殺す方法だったんだもん」
( ^ω^)「お前が消せばよかったんだお」
( ゚∀゚)「お前らのいう神様の世界では、それは禁止されてるの」
( ^ω^)「作っておいて、理不尽だお」
( ゚∀゚)「ああ、ぐだぐだうるさいなぁ。さっさと消えろ」

神様が、指を向ける。



224: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:20:45.95 ID:0DncrGtd0
勝たなきゃ。例え神でも。
ブーンは死でも何でも覚悟をして、指を差し出す。

( ^ω^)「お前は、自分勝手すぎるお。消えろおおおおぉぉぉぉぉ!」
( ゚∀゚)「お前らが私に勝てるわけないだろぉ?アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

いろんな光景で見てきた。争いが始まってからというもの。
同時に指が曲がる。見飽きたていたが、コレで最後だとブーンは感じていた。



225: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:21:32.50 ID:0DncrGtd0
('A`)「よお、ショボン」
(´・ω・`)「やあ。ようこそバーb」
( ´_ゝ`)「バーボンは禁止だぞ」
(´・ω・`)「ショボン……よまれた……」
('A`)「www」
(´・ω・`)「www」
( ´_ゝ`)「www」
(◎―◎)「コラ!早く席に着け!授業を始めるぞ」

いつもと変わらない授業の風景。

('A`)「先生、俺の後ろの席が増えてます」
(◎―◎)「ん?本当だな……おかしいな……あとで撤去してもらうから、一時間だけキニスルナ」
('A`)「おk」



226: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:21:54.14 ID:0DncrGtd0
―天国にて―

( ゚∀゚)「ま、負けた……そんなはずはぁ……グハァァ」
( ^ω^)「お前は命を造り上げた。いつの間にか、造り上げた者は想像以上に強くなっていたようだお」
( ゚∀゚)「……最後くらいは神様っぽいことしてあげよう」
( ^ω^)「……」
( ゚∀゚)「今まで、たくさんの魔法があった。その中から好きなのを一つ、一回だけ使わしてあげる」
( ^ω^)「……『蘇生』がいいお」
( ゚∀゚)「そんなんでいいのか?お前が死んで誰かが復活するだけだよ」
( ^ω^)「この魔法って、対象さえ選ばなければ……」
( ゚∀゚)「あ、そうか。君は僕より頭がいいね。いいよ、ほら、もう使えるはずだ……私の子等よ……」

神様は安らかな顔で消えていった。

ブーンは右手の一差し指を曲げた。
平和な過去を強く意識して。
消えゆく意識のなかで、ブーンははっきりとみた。
笑いあう、友の姿を―



227: ◆x4rswkGbI2 :2006/03/05(日) 01:22:21.11 ID:0DncrGtd0
どうみても最終回です。
本当にありがとうございました。



戻るあとがき