殺伐と仲良しなようです

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:09:07.00 ID:2rvi6mnWO
【シャキンは死んでいるようです】


目が覚めると私は死んでいた。

矛盾している。明らかに矛盾している。
が、しかし今の自分を表現するとやはりこう言わざるを得ない。


(`・ω・´)


鏡にうつる自分はどう見ても死んでいる。死者が鏡にうつるとはおかしな話だ。二流のホラー映画にありがちだ。
だが、可笑しくはない。

事実として生きている人間ではないのだ。やはりいつもとは違うことがあるのだろうか。

ひとまず私は顔を洗ってから朝食をとることに決めた。食事はできるのか確かめたかった。



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:10:54.31 ID:2rvi6mnWO
パンに半熟目玉焼きを乗せて、牛乳をマグカップにそそいだ。
某ジブリ映画をふと思い出した。

さて、パンをかじると塩味とパン独特の甘みを感じる。
舌触りも噛みごたえもあり、飲み込める。

食事はできるようだ。

とりあえず職場に行こうか。万一私が死んでいないとすれば無駄欠勤になってしまう。それは困る。無職になってしまう。

無職では生きていけない。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:12:29.71 ID:2rvi6mnWO
スーツに着替えてから私はもう一度鏡を見た。

そこにはちゃんと着替えた死者がうつっていた。

車に乗って職場まで行く。

職場に着いて車から降りるとおはようございます、と制服を着た15、6歳の女の子に挨拶をされた。

おはようございます、と言っておいた。

彼女は死者と会話ができるらしい。
何しろ私と言葉を交わせるのだ。

職場では初老の男性や、若い女性、いわゆる同僚というやつに話しかけられた。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:14:17.32 ID:2rvi6mnWO
(`・ω・´) 「最近では死者と話すのが流行っているんですか?」

そう言うと、困ったように苦笑いをして彼らは自分の席に戻った。

私は流行に疎いのできっとそうにちがいない。でなければどうして私に話しかけるのだ。


仕事の内容はいつもと変わらなかった。

事務的に教科書から必要な内容を板書し、適当な問題を生徒に答えさせるだけだ。

午後の授業で女子たちが私のほうを指差して笑っていた。

それはやはり私が死んでいるからだろう。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:16:44.07 ID:2rvi6mnWO
終礼が済み、放課後、私は昨日生徒にさせた小テストの丸付けをしていた。

簡単な基本問題ばかりなので先ほどから満点が続出している。
もっとも、定期テストではこうはいかないだろう。

丸、丸、丸、ばつ




そうだ、私は罰を受けなければならないのではないだろうか。

ふとそう思った。

私は、手を止めて何故罰を受けなければならないか考えた。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:19:08.82 ID:2rvi6mnWO
罰というからには私は罪を犯したのだ。
死者がこうして仕事をしていることは罪なのだ。

償う為に受けなければならない罰とは何だろうか。

警察に行ったも取り合ってもらえないだろう。
死んで償えればいいのだが私は死んでいる。

苛々して丸付け中のプリントいっぱいに大きなばつを書いた。
少しもすっきりしない。

私はその紙をぐしゃぐしゃにしてゴミ箱に捨てた。


そこで、シャキン先生電話です、という言葉で私は現実世界に戻された。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:21:44.91 ID:2rvi6mnWO
受話器をとると声が聞こえた。

電話から聞こえるものは普通声だが私にとってそれは特別なものだった。
私の待ち望んでいたものと言っても過言ではない声だ。


シャキン、きみもおいで


(`・ω・´) 「お前か、わかった、すぐに行く」

それ以上言葉はいらない。私達はそういう間柄だ。
先ほどの苛々した気分が嘘のように晴れていた。やるべきことは一つなのだ。


私は受話器をおくとすぐに

窓から飛び降りた。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:23:50.37 ID:2rvi6mnWO
そういえばここは5階だったかな。

だが、関係ない。
お前が呼んでいるのだから私は行かなければならない。


双子のお前とは小さい頃から一緒に過ごして、何もかも同じだと周りには驚かれた。

初恋までも同じ人だった。

その人の心を射止めたのはお前で、来月には結婚する予定。

お前が笑いながら彼女に言っていた言葉は私の悪口だったな。
憎かった、堪らなく憎かった。だから殺した。お前も、彼女も。



ああそうか、死んでいるのは私ではなく



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:26:05.93 ID:2rvi6mnWO

*****


(`・ω・´;) 後味の悪い役だったな

('A`) よお、出演おつかれー

(`・ω・´) ドクオか、今のどうだった?

('A`) あ、悪い、見てない

(`・ω・´) いや、そっちのほうが好都合

('A`) どんな話だったんだ?



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:28:05.16 ID:2rvi6mnWO
(`・ω・´) 主人公が嫉妬に駆られて双子の弟とその彼女を殺した話
      最終的に主人公も自殺

('A`) 激しく鬱だな、救いようがない
   しかもありがち

(`・ω・´) だよな

('A`) 双子ってショボン?

(`・ω・´) だと思うが最後まで書かれていない

('A`) ふうん……


( ´∀`) 何の話モナ?



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:29:33.47 ID:2rvi6mnWO
(`・ω・´) 鬱な役について

( ´∀`) なるほど
     モナには滅多にない役モナ

('A`) モナーには悩みごともなさそうだ

( ´∀`) 実際あんまりないモナ

(`・ω・´) いいことだ

('A`) うん、羨ましい

( ´∀`) あ、でも一つだけあるモナ


(`・ω・´) 何だ?



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:31:08.45 ID:2rvi6mnWO
( ´∀`) …レモn|゚ノ ^∀^) モナークー――ンッ!!


( ´∀`) a………


(;´∀`)


(;´∀`) じゃあ、モナはちょっと用事が出来たからいくモナ


(`・ω・´;) あ、ああ
      なんと言うか、頑張れ

('A`)ノ ガンガレ



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/27(土) 21:33:55.08 ID:2rvi6mnWO
('A`) あいつもレモナと共演したら鬱な役できそうだな

(`・ω・´) 俺もそんな気がする

('A`) それにしてもレモナかわいいのに何が不満なんだろ

(`・ω・´) 雌雄同体でネカマなところじゃないか?

('A`) ……(いいじゃん)


8話   了



|゚ノ ^∀^) 何で逃げるのー!?モナークーン!

(;´∀`) 何で追いかけるモナー!!?



戻る9話