殺伐と仲良しなようです

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:17:53.48 ID:DoCvn0ZDO
息が上がって、気管が痛い

足がもつれて、腿がだるい

僕がなにをしたっていうんです

でも、逃げなくちゃ

後ろから……


犬…………犬が……




【( ><)ビロードは犬に追われるようです】



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:18:55.62 ID:DoCvn0ZDO
 その日の夕方、僕は授業を終えて友達と学校から帰ろうとしていました。


 同じクラスの友達、若月満寿夫(ワカツキマスオ)君と長岡ジョージ君。
 僕は二人を、わかってます君とジョルジュ君、そう呼びます。

 ジョルジュ君はどこかの国のハーフで、彼曰く

( ゚∀゚)「Georgeをフランス読みにしてジョルジュって呼んで、ジョージなんてやだ」

……らしいです。

 わかってます君は小学生の頃からのあだ名だそうな。そんな彼の口癖は、「わかってます」。

 さてさて、そんな僕たちは自転車を併走しながら、適当に次のテストの話なんかをしていたんです。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:20:21.75 ID:DoCvn0ZDO
( ><) 「そろそろ期末なんです!全く手をつけてないんです!」

( ゚∀゚) 「小学生時代からもう11年も勉強してるんだぜ…?
    そろそろ止めてもいい頃じゃないかな」

( <●><●>) 「それが現実逃避なのはわかってます」

( ゚∀゚) 「わかってますやビロードはまだましだけど俺は頭悪いから……」

 ビロード、っていうのは僕のあだ名なんです。稚内弘人(ワッカナイヒロト)がいつの間にかビロードに……。

( ><) 「そんなことないんです、僕も勉強なんて出来ないんです!」


 うん、数学的帰納法で虚数や三角関数を交えられるともうパニックなんです。わかるほうがおかしいんです。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:21:46.34 ID:DoCvn0ZDO
( <●><●>) 「大丈夫ですジョルジュ、よければ教えます」

( ゚∀゚) 「まじか!頼む!!真剣に!」

( ><) 「僕にもぜひ!………あれ?」


 僕の日常に異変が訪れたのはこの時でした。


(∴)

( ><) 「……大型犬なんです」

 僕らの前方およそ10メートルに、真っ黒な犬がいました。それだけならよけて走ればいいんです。

 でもその犬は……

(;<●><●>) 「目が……3つ」

(;゚∀゚) 「あるあr……ねーよwwww」


 じっと僕らを睨み付ける3つの目。
 僕らは、自転車に跨ったまま進むのを止めてしまいました。それほどの凄みがあったんです。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:23:23.53 ID:DoCvn0ZDO
 すると、犬はじりじりと、こちらに近づいてきたんです。

( ;><) 「え?ええっ?」

( ;<●><●>) 「これは……逃げますよ!!」

( ;゚∀゚) 「うわああ!!きた!!」

 みんなで逃げ始めた瞬間、犬が地を蹴るのを僕は横目で捉えました。

 そう、追いかけてきたんです。

 更に驚いたことに僕らが自転車のギアを一番重くして精一杯こいでも、犬はずっと付いてきました。
 吠えもせずに、ただ三つの目でこちらを睨んで追いかけてくるんです。


(;<●><●>) 「気味が悪いのですが、いかがでしょう」

( ;゚∀゚) 「わかってるよバカ!」


( ;><) 「ああっ!」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:25:49.07 ID:DoCvn0ZDO
 逃げている間に、僕らは狭い住宅街にきていました。
 そうすると必然的に道は狭いわけで。三人が併走できる筈もなくて。

 溝の蓋が開いていた場所に僕の自転車の前輪が落っこちたんです。


( ;゚∀゚)「ビロード!!?」

( ;><) 「逃げてくださいなんです!犬が来てるんです!!」

( ;゚∀゚) 「でも……おまっ……」

( ;<●><●>) 「ビロードが犬に……」


( ;><) 「早くっ!!!」

 一瞬ためらった後、数メートル先に現れた犬を見て2人は逃げてくれました。
 良かった……。

 でももう、僕は恐怖で鞄を前に持ち、がちがち震えるだけ。
 ここで犬に食べられて僕の人生終わりなんです。


(∴)



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:27:48.18 ID:DoCvn0ZDO
(∴) 「余計な手間をとらせるな」

 恐怖のあまりついに幻聴が、それも恐ろしく低い声が聞こえてきました。
 もしかしたら死神の声かもなんです。

(∴) 「一度しか言わない、聞け」

( ><) 「……」

 いや、犬が喋るなんて、ありえないんです。

(∴) 「今から168時間、お前は逃げる
   私は追いかける、それだけだ」

 僕の気持ちも無視です。
 どう見てもこの犬喋ってるんです。


( ><) 「え……?」


(∴) 「ただし、ある程度は逃げる時間を設けてやる
   その間にどこへ行っても構わない」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:28:34.69 ID:h7HzF9nMO

『殺すぞ』

俺がこう言うと大抵のチンピラはへたり込んで尿を漏らす
それを見た俺は情けをかけて言うんだ
『フ…今回は見逃してやる。行け…』

だがほとんどの奴は腰が抜けてしまい動けないので
見かねた俺は活を入れてやるため一言放つ
『オルァッ!』
とな
すると奴らは生命の危機を感じたのか瞬時に立ち上がり
よろめきながら(まるで生まれたての子鹿が必死に立ち上がろうとするかのごとく)
震える足を引きずり引きずり
ほうほうの体で逃げて行くのさ



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:29:37.24 ID:DoCvn0ZDO
( ><) 「えっと……」


(∴) 「詳しくはそいつに聞けばわかる、では開始だ」


そして犬は目を閉じてその場にしゃがみこんだんです。

( ;><) 「……そいつ……?」

(*‘ω‘ *) 「何ぼさっとしてるっぽ!?
      早く逃げるっぽ!!」

( ><) !!?

 振り向くと、普通よりずっと小さくて極端に胴の短い猫が頭上の塀に乗っていました。
 少し間があって、すとん、とその猫が自転車の籠に飛び乗ります。

(*‘ω‘ *) 「乗れっぽ!!!!」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:31:21.21 ID:DoCvn0ZDO
 思わず僕はその猫の言うとおり、自転車に跨りました。

(*‘ω‘ *) 「逃げるっぽ!走れっぽ!!」

 従うしかないような気がするんです。
 逃げなきゃ犬が怖いし。

( ;><) 「わかったんです!」

 今度は逃げても犬は追ってこなかったんです。
 なので、もう家に帰ることにしました。精神的にも肉体的にも疲れました。

 喋る猫は籠に未だ乗っていますがスルーの方向です。

(;*‘ω‘*) 「お前……何してるっぽ!?」

( ><) 「家に帰るんです」

(;*‘ω‘*) 「駄目っぽ!一週間逃げ切らないと駄目っぽ!!」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:31:58.23 ID:h7HzF9nMO

『殺すぞ』

俺がこう言うと大抵のチンピラはへたり込んで尿を漏らす
それを見た俺は情けをかけて言うんだ
『フ…今回は見逃してやる。行け…』

だがほとんどの奴は腰が抜けてしまい動けないので
見かねた俺は活を入れてやるため一言放つ
『オルァッ!』
とな
すると奴らは生命の危機を感じたのか瞬時に立ち上がり
よろめきながら(まるで生まれたての子鹿が必死に立ち上がろうとするかのごとく)
震える足を引きずり引きずり
ほうほうの体で逃げて行くのさ



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:34:31.11 ID:DoCvn0ZDO
( ><) 「どうしてなんです!?」

 非日常なんて嫌なんです。
 それでなくても最近姉がネバーランドの住人なのに。

(*‘ω‘ *) 「逃げ切らないとお前は死ぬっぽ。
      それだけじゃない、お友達も、家族も死ぬっぽ。」

( ;><) 「え……?」

(*‘ω‘ *) 「詳しいことは逃げはじめてから話そうかと思ったけど仕方ないっぽね……
      一旦家に帰るといいっぽ」

 意味がわからないんです。

 でも、猫はそれ以上何も言わなかったので僕は家に向かって走りました。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:38:15.72 ID:DoCvn0ZDO
 僕が玄関を開けると猫はするりと二階に先に上がっていきました。

 台所にはお母さんがいたみたいだけどそれより猫が大変。
 ただいま、も言わずに僕も続けて上がります。

( ;><) 「何で僕の部屋の位置を知ってるんです……?」

(*‘ω‘ *) 「匂いっぽ
      そんなことよりも時間があと41分しかないからよく聞けっぽ」

( ><) 「何なんですか……」

 短い足を畳に投げ出して座り、猫は話しだしました。

(*‘ω‘ *) 「これは、あの黒い犬、仮に名をゼアフォーとするっぽ……
      あいつと私の勝負だっぽ」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:40:40.47 ID:DoCvn0ZDO
 勝負?聞き返そうかと思いましたが大人しく聞いておかないといけないふいんき(ryです。

(*‘ω‘ *) 「あいつと私は……
      まあ、お前には到底思いも寄らない次元の生き物だっぽ

      ああもう説明が面倒だっぽ……あー、つまり勝負の内容を簡略化すると
      あいつが勝てばあいつは人間食べ放題、私が勝てばあいつは人間を食べない、だっぽ
 この一週間はいわば料理期間っぽ」

( ><) 「……」

 簡略化、しすぎじゃないですか?
 正直、何がなんだか全然わかんないんです。
 言おうとしたけど止めました。たぶん本当のことで、僕は逃げなきゃいけないんです。
 本能が素直にそう言ってます。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:42:28.36 ID:DoCvn0ZDO
 だってさっきの犬は本当に、本当に怖かったんです。
 追いかけてくるというなら、せめて家族も友達も巻き込まないで済む場所まで行かなくちゃ……。


(*‘ω‘ *) 「わかったら2分で準備しろっぽ
      まずは公共交通機関で逃げるから有り金全て持てっぽ」

( ;><) 「はいなんです……」

 リュックに財布と携帯、携帯充電器などを詰め込んでいきます。
 下着とお菓子と果物ナイフも、一応……。


( ><) 「準備出来ました」

(*‘ω‘ *) 「行くっぽよ、あと22分であいつは行動開始する」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:44:25.69 ID:DoCvn0ZDO
 下の階に降りるとお母さんと目があったんです。いつものように微笑んでいました。

J('ー`)し「あら、どこかにいくの?

( ><) 「えっと……ちょっと出かけてくるんです」

J('ー`)し「夕飯までには帰ってらっしゃいね」

 なるべく、笑顔で頷いたんです。

 玄関を出てすぐに自転車に跨ります。走りながら僕は聞きました。

( ><) 「どこへ行けばいいんです?」

(*‘ω‘ *) 「なるべく距離を稼ぐっぽ
      とりあえず駅まで急ぐっぽ!!」

幸い家から駅までは自転車で数分程度。
すぐに着きました。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:46:35.95 ID:DoCvn0ZDO
( ;><) 「リュックに入っててほしいんです!」

 彼女は大人しくリュックの隙間に潜り込んでくれました。猫を電車に乗せたら怒られてしまうんです。

 とりあえず県内で、なるべく遠くの切符を買って僕は電車に乗り込みました。
大きなリュックを背負っているので、周りの目線が少しだけ気になったけど……。

 進み出した電車の中、夕焼け空が窓に切り取られて印象画のようでした。

 明日は、見られないかもしれないんです。


『次はさいたまー( ゚∀゚ )さいたまー( ゚∀゚ )』

 僕はリュックを抱えて座り、アナウンスを聞きながら、暮れていくのをじっと窓から外を見ていました。




第一話 end



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:49:05.03 ID:DoCvn0ZDO

*****

( <●><●>) ここで打ち切りなのはわかってます

( ><) 逃亡臭なんです!!

(*‘ω‘ *) ぽっぽ!

( ><) そうなんです!残念なんです!!

(*‘ω‘ *) ぽっ

( ;<●><●>) ちんぽっぽ……
       ジョルジュだけ浮いてた気がするなんて言ってはいけませんよ

( ><) ゼアフォーさんの方が摩訶不思議なんです!


(∵)



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:50:59.61 ID:DoCvn0ZDO
( ∵)

(*‘ω‘ *) ぽっぽ?

( ∵)

(*‘ω‘ *) ぽぽっ!!

( ><) ビコーズさんがゼアフォーさんを演じてたなんて気づかなかったんです!

( <●><●>) 迫真の演技、お疲れ様です


( ∵)


( ><) こちらこそありがとうなんです!

(*‘ω‘ *) ぽぽぽ!



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:54:45.73 ID:DoCvn0ZDO
( ><) 演技の幅が広くて尊敬なんです!

(*‘ω‘ *) ぽ

( ∵)

( <●><●>) いえいえ
      それが謙遜なのはわかってます


( ∵)


(*‘ω‘ *) ……

( ><) ちんぽっぽちゃん見つめすぎなんです!

( <●><●>) 仕方ないでしょう
      ビコーズさんの美貌から目をそらせるほうがおかしいですよ



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:56:33.42 ID:DoCvn0ZDO
( ∵)

( ><) 照れないでください
     本当のことなんです!

(*‘ω‘ *) ぽぽっぽ!


( ∵)


( ∵)



( <●><●>) そうですか、もう行ってしまうんですか……
       いえいえ約束なら仕方ないです

( ><) また今度、なんです!素直さんにもよろしくなんです!!

(*‘ω‘ *) ぽっぽ!



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 19:58:18.08 ID:DoCvn0ZDO
*****

( ∵)

川 ゚ -゚) ビコーズか、よく来てくれた
     ヒートがどうしても会いたがってな

ノハ;゚听) 違うぞぉおおおお!!
     お姉ちゃんが呼びたがったんじゃないかぁあああ!

川 ゚ -゚) いや、先に言い出したのはヒートだろう

ノハ*゚听) ち、違うもん!!お姉ちゃんでしょおおお!!


( ∵)


ノハ ゚听) 流石ビコーズさん!
    そうだね!喧嘩はよくないぞぉおおお!!

川 ゚ -゚) ふたりともが呼びたかったってことで丸く収めるか


( ∵)



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 20:00:35.37 ID:DoCvn0ZDO
( ∵)

川 ゚ -゚) ああ、用事なんだが、その……
     好きだ

( ∵)

ノハ ゚听) ずるいぞぉおお!お姉ちゃん!!
     私だってビコーズさんが好きだぁあああ!!

( ∵)


川 ゚ -゚) 選んでくれないのか……?

ノハ ゚听)ビコーズさぁああん!!


( ∵)



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/30(火) 20:02:23.51 ID:DoCvn0ZDO
川 ゚ -゚) 何人かのうちの一人でも構わないから!

ノハ ゚听) 大好きなんだぁあああ!!


ミセ*゚ー゚)リ(*゚ー゚)从*'ー'从ξ*゚听)ξ(*#゚;;-゚)(*゚∀゚)「「「ビコーズさー―んっ!!」」」」(*‘ω‘*)川*゚ -゚) ノハ*゚听)



Oo。(∵)ハッ


( ∵)


( ∵)


( ∵) 夢かよ


13話  了



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