( ^ω^)桜舞い散る中に忘れた記憶が戻ってくるようですξ゚听)ξ

4: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:43:35.91 ID:nP3IISKe0
───3月26日 12:28 ツン・デレ───

ξ゚听)ξ「というわけで、ここにきました」

川 ゚ -゚)「君はそんなに私を笑わせたいのか」

言われると思った…。
話の流れでクーの家に向かっている事になり、実際にクーの家に到着。
経緯を説明し、現在のクーの台詞に至る。
いや、そりゃ他人が聞けば笑い話だろうけどさ…。

ξ;゚听)ξ「し、仕方なかったのよ」

川 ゚ -゚)「まぁ状況は把握した とりあえず、ブーンに会えてよかった」

そう。
私は内藤君…、ブーンに会って、謝って、笑顔で話すことができた。
その後はまた悲惨だったけど…。

川 ゚ -゚)「まぁ時間も時間だし、うちでお昼も食べていくか?」

そう言われ、朝食を食べていないことを思い出す。
歩き回った事も相まって、その事を考えたら急にお腹が空きだした。

ξ゚ー゚)ξ「じゃあ、お言葉に甘えよっかな」

私はクーの好意に甘えることにした。



5: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:45:52.65 ID:nP3IISKe0
ξ゚听)ξ「お邪魔しまーす」

川 ゚ -゚)「すぐ支度するから、居間に行っていてくれ」

ξ゚听)ξ「手伝うわよ」

川 ゚ -゚)「いや、妹の相手をしてくれると助かる」

ああ、そういうことか。
私は半ば引きつった笑みを浮かべた。
そして何やら、居間の方からどたばたと足音が近づいてきた。
私は一瞬で、足音の正体を見切った。

ノハ*゚听)「ツンだぁぁぁぁぁぁ!」

ξ゚听)ξ「こんにちは、ヒート」

ノパ听)「こんにちは! 今日はどうしたんだ!?」

素直家次女、素直ヒート。名前の通り、熱い子だった。

川 ゚ -゚)「ヒート、ツンは今日うちで昼食を食べていくから、居間で大人しくしてるんだ」

ノハ*゚听)「把握したぁぁぁ! ツンいくぞぉぉ!」

興奮したヒートに腕を引っ張られ、私は居間へと連れられた。
腕痛いってば。



6: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:47:06.88 ID:nP3IISKe0
ノパ听)「シュー! ツンがきたぞぉぉ!」

居間では、一人の女の子ちょこんと座り、お茶をすすっていた。

lw´‐ _‐ノv「ん…」

ξ゚听)ξ「シューちゃんこんにちは」

lw´‐ _‐ノv「こんにちは」

ノハ*゚听)「しかも! 一緒にお昼ご飯を食べるらしいぞぉぉぉ!」

lw´‐ _‐ノv「うるさい」

ノパ听)「…」

鎮火。

ξ゚听)ξ「ということで、ちょっとお邪魔させてもらうね?」

lw´‐ _‐ノv「うん ゆっくりしてって」

と、姉を黙らせてお茶をすする素直家三女の素直シュール、シューちゃん。
この姉妹はいつ見ても面白い。
ヒートだけを相手にするととても疲れるが…。
シューちゃんがいると、とても助かる。
しかし、押し黙るヒートを見て、少し可哀想に思った。



7: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:48:15.30 ID:nP3IISKe0
ξ゚听)ξ「そういえば、ヒートは来月から中学3年生だっけ?」

ノパ听)「そうだぞぉぉ!」

会話を振られたヒートは、少し嬉しそうだった。

ξ゚听)ξ「じゃあ受験頑張らないとね」

ノパ听)「…」

鎮火してしまった。

lw´‐ _‐ノv「ヒートなら、スポーツ推薦」

意外にも助け舟を出したシューちゃん。

ξ゚听)ξ「あーそっか 陸上部だっけ?」

ノパ听)「その通りだぁぁ! 短距離走だぞぉぉ!」

lw´‐ _‐ノv「脳筋乙」

ノパ听)「…」

持ち上げて、叩き落す…。
お見事。



8: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:49:49.21 ID:nP3IISKe0
ξ゚听)ξ「シューちゃんは6年生になるんだっけ?」

ヒートが復帰困難だと悟った私は、シューちゃんに話しかけた。

lw´‐ _‐ノv「うん」

ξ゚听)ξ「そっかぁ 学校は楽しい?」

lw´‐ _‐ノv「うん」

ξ゚听)ξ「友達たくさんいる?」

lw´‐ _‐ノv「うん」

ξ゚听)ξ「勉強は大丈夫そう?」

lw´‐ _‐ノv「うん」

ξ゚听)ξ「先生は優しい?」

lw´‐ _‐ノv「うん」

…。

ξ;゚听)ξ「私のこと嫌い?」

lw´‐ _‐ノv「ううん」

少し安心した。



9: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:51:44.36 ID:nP3IISKe0
続かない会話をしていると、どこからか良い香りが漂ってきた。

lw´‐ _‐ノv「お米のにおい」

シューちゃんが目を輝かせながら反応した。

ξ゚听)ξ「そういえば、シューちゃんはご飯が大好きだったね」

lw´‐ _‐ノv「うちのお米は、おいしい それをお姉ちゃんが炊くのが、一番」

ξ゚听)ξ「クーは料理もできるもんねぇ…」

lw´‐ _‐ノv「お姉ちゃんのご飯、大好き」

あまり感情を顔に出さないシューちゃんが、少し笑った。

ξ゚ー゚)ξ「シューちゃんはクーが大好きなのね」

lw´‐ _‐ノv「うん」

また、短い返事。
でも今度は、その中にある感情をしっかりと感じ取れた。

ノパ听)「私もクー姉が好きだぁぁぁ!」

突然叫ぶ、ヒート。

ξ゚ー゚)ξ「わかってるわよ」

そんなヒートが可愛くて、私は笑顔で答えた。



11: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:53:37.63 ID:nP3IISKe0
川 ゚ -゚)「お待たせ」

話している内に、クーが大きなお皿を持って現れた。

川 ゚ -゚)「ヒート、シュー 茶碗と箸を人数分もってきてくれ」

ノパ听)「把握したぁぁ!」

lw´‐ _‐ノv「わかった」

ヒートはドタドタ、シューちゃんはとてとてと、
対照的な足音を立てて台所へ向かった。

ξ゚听)ξ「何もしないでごめんね」

川 ゚ -゚)「ツンはお客だ 気にしなくていい」

そう言って、大きなお皿をテーブルに置いた。
私はそのお皿に目を移す。

ξ;゚听)ξ「すっご…」

大きなお皿は、4色に分かれていた。
それが示す物は、4種類の料理。
赤く輝くエビチリ。見事につやが乗った煮物。
層が均等に重ねられた出汁捲き。そして、瑞々しいサラダ。

クーの料理を見て、さらに空腹が増したのを感じた。



12: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:54:51.84 ID:nP3IISKe0
川 ゚ -゚)「適当に小皿に分けて食べてくれ」

ξ゚听)ξ「ほんとにクーはなんでもできるわね…」

川 ゚ -゚)「私だって苦手な物はあるさ ご飯をもってくる」

そう言って、また台所へ戻っていった。
クーの苦手な物ってなんなのだろうか。
小さい頃から親しかったが、思い当たる節はなかった。

そんなことを考えていたら、ヒートとシューちゃんが戻ってきた。

ノパ听)「ツン! 箸と茶碗だぁぁぁ!」

ものすごい勢いで差し出すヒート。

lw´‐ _‐ノv「ヒート、指し箸はだめ」

ξ゚ー゚)ξ「ありがと」

どっちが姉かわからない。
私はお礼を言って受け取った。

シューちゃんが茶碗をテーブルに並べる。
お皿を中心に手前に二人分、その向かいにいる私の隣に、ヒートの分。

ξ゚听)ξ「そういえば、キュートちゃんは?」



13: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:56:03.02 ID:nP3IISKe0
茶碗の数に疑問を感じて、聞いてみる。

川 ゚ -゚)「キュートは両親の旅行についていった」

いつの間にかご飯の入った釜を持ってきたクーが答えた。
なるほど。素直家末っ子の、素直キュートちゃん。
クーの両親が旅行にいったのはこの間聞いていたが、ついていったのか。

ノパ听)「キュートは変態に狙われてるからな!」

ξ゚听)ξ「変態って…あ」

言いかけて、一人変態に思い当たる節があった。

川 ゚ -゚)「兄者だ」

あの人か…。
素直家の家の近くに住む、流石家の長男、兄者さん。
ロリコンとして、有名だった。

lw´‐ _‐ノv「私も、手を焼いた」

ノパ听)「私もよく走って逃げた!」

ξ;゚听)ξ「それは災難ね…」

噂には聞いていたが、そこまでひどいのか



15: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:58:05.71 ID:nP3IISKe0
川 ゚ -゚)「父のおかげで、最近は大人しいけどな」

ξ゚听)ξ「何かしてくれたの?」

クーがご飯をよそいながら、話を続ける。

川 ゚ -゚)「兄者に一言、娘に近寄るなキモヲタニート、と」

ノパ听)「あの時の兄者のびびってた顔は面白かったぁぁ!」

ξ;゚听)ξ「さすがクーのお父様ね…」

素直家の大黒柱、素直スグル。
あまりにも、素直。

川 ゚ -゚)「ほら」

ξ゚听)ξ「あ、ありがと」

クーからご飯がよそわれた茶碗を受け取る。

川 ゚ -゚)「さぁ、食べるぞ 手を合わせて」

いつのまにか席についていたヒートとシューちゃんが、手を合わせる。
私もそれに習う。

川 ゚ -゚)「ブーンの引越しを祝って──」

ξ;゚听)ξ「ちょっとまてぇぇぇ!」



16: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 03:59:47.27 ID:nP3IISKe0
ノパ听)「ブーンって誰だぁぁ!」

ほらヒートが食いついた…。

川 ゚ -゚)「さっき話しただろう 引っ越してきた内藤さんの家のブーン君だ」

lw´‐ _‐ノv「それで、ツンお姉ちゃんがなんでそんなに反応するのか詳しく」

ぅ…また墓穴を掘ってしまっていた…。

ノパ听)「ツンの顔が赤いぞぉぉ!」

川 ゚ -゚)「まぁまぁいいじゃないか 皆で祝おう」

ξ;゚听)ξ「唐突すぎるわよ!」

川 ゚ -゚)「前以て言ったとして、承諾するのか?」

するわけない。私は押し黙る。

川 ゚ -゚)「そういうことだから、二人も見守ってあげてくれ」

ノパ听)「把握したぁぁ!」

lw´‐ _‐ノv「把握」

興味津々な目で把握した二人。
把握すんな。



18: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:01:26.48 ID:nP3IISKe0
川 ゚ -゚)「さぁ、気を取り直して いただきます」

    『いただきまーす』
    
食事の開始が宣言されたが、私は出遅れていた。
多分この先、ヒートとシューちゃんに会う度に、ブーンのことを聞かれるだろう。
まぁ、田舎は噂が広まるの早いから、いいんだけど…。

クーの作ったご飯は、とてもおいしかった。
でも、別のことを考えていた私は、食事に集中できずにいた。
ブーンのことを、考えていた。

彼はもう、家に着いてるだろうか。
今頃こんな風に、ご飯を食べているのだろうか。

もっとちゃんと話したい。まだ友達にもなっていない。
来週…4月1日に、学校が始まる。
それまでに友達になれるだろうか。

次にヒートとシューに会った時…ブーンのことを聞かれた時、
どれくらい進展してるんだろう。

怖くもあり、楽しみでもあった。

………。
……。
…。



19: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:02:42.56 ID:nP3IISKe0
───同日 12:56 内藤ホライゾン───

カーチャン、お元気ですか?

僕は元気です。

朝会ったのに、こんなこと言うなんて、おかしいですね。

でもなぜだか不安になったんです。

しかし、田舎はいいですね。

気分がゆったりしてしまいます。

空気もおいしいし、緑もいっぱいです。

きっと、山の幸もおいしいのでしょうね。

でも、前向きに考えてみても、不安は消えてくれません。

そうそう、ツンに会いました。

可愛かったです。また会いたいです。

また会えるのかな?

というわけで、僕は今迷子です。



20: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:03:52.24 ID:nP3IISKe0
ひたすらに続く田舎道を歩きながら、僕は途方に暮れていた。
帰り道、ついでに新しくできる駅の建設現場でも見てこようと思ったのが、間違いだった。
うろ覚えの地図を思い出しながら歩いていたら…こうなってしまった。

どこをどう歩いてきたのかもわからず、戻ることもできなかった。
とりあえず大きな道に出たので、歩いていれば誰かに会えると思い、歩いている。
だけど続くのは同じ景色、同じ田舎道。

最悪、どこか街に出ればなんとかなるんだろうか。
山にさえ入らなければ大丈夫だろうが…。

せめてこっちの人間の電話番号でもわかれば…。
そう思ったとき、ツンの顔を思い出した。

これからもし仲良くなったら、ツンの携帯番号を登録することがあるのだろうか。
メールをすることなんて、あるだろうか。
女の子とメールなんて、したことない。
…訂正。今まで友達を作らなかった僕は、同世代の人とメールなんかしたことない。
携帯に着信があれば、イコールカーチャンだった。

いつか勇気を出して、ツンに聞いてみよう。
その時ツンは、教えてくれるだろうか。
そんなことを考えながら、僕は終わりが見えない道を歩き続けた。

………。
……。
…。



21: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:05:45.01 ID:nP3IISKe0
同じ道で別れた二人。

少女は食卓に着いていた。

少年は道に迷っていた。

満たされる食欲と、満たされない食欲。

天国と、地獄。

しかし、想うはお互いの事。

二人の心には、不安と共に存在する物があった。


( ^ω^)桜舞い散る中に忘れた記憶が戻ってくるようですξ゚听)ξ


───第三話『期待』───



22: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:07:24.32 ID:nP3IISKe0
───同日 13:12 内藤ホライゾン───

音が、聞こえた。
それは多分、僕が待ち望んだもの。
視界の先に映った物が、それを確定させた。
車だ。

僕は道の真ん中に寄って手を振り、存在をアピールした。
僕に気付いたのか、車は近づき、僕の隣に停まった。
乗っていたのは、意外にも知っている顔だった。

(´<_` )「ホライゾン君じゃないか どうしたんだ?」

(;^ω^)「すみませんですお弟者さん… 実は…」

僕は弟者さんに道に迷ったことを話した。

(´<_` )「それは災難だったな しかもこのまま進んでも街に出るだけだぞ」

(;^ω^)「そうなんですかお…」

街までは、歩くと3時間はかかるらしかった。
僕の目論見は甘かったらしい。

( ^ω^)「すみませんが、帰り道を教えてほしいですお」

(´<_` )「ああ、それなら家まで送ってやろう



24: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:08:45.18 ID:nP3IISKe0
思わぬ厚意。

( ^ω^)「いいんですかお?」

(´<_` )「気にしないでくれ 困った時はなんとやらだ」

そう言ってくれた。本当に良い人だ。
僕は厚意に甘え、乗せてもらうことにした。
助手席に乗り込む。

( ^ω^)「お世話になりますお」

(´<_` )「うむ 家はどこら辺なんだ?」

そう言われ、僕は返事に困った。

(;^ω^)「と言われても…弟者さんの家の前の大きな道に出ればわかると思いますお」

(´<_` )「OK 把握した」

発進。そのままあぜ道に入り、Uターンをする。
どうやら本当に逆方向へ向かっていたようだ。

( ^ω^)「そういえば、弟者さんはどこかに向かう途中だったんですかお?」

せっかくなので、この機会に色々話してみようと思った。



25: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:10:11.71 ID:nP3IISKe0
(´<_` )「ああ、人を迎えに行く途中だったんだ」

( ^ω^)「そうなんですかお 待たせて大丈夫なんですかお?」

(´<_` )「早めに出たからな、心配しないでくれ」

( ^ω^)「弟者さんは、大学生なんですかお?」

(´<_` )「そんなに若く見えるか? 俺もまだまだいけるみたいだな」

( ^ω^)「ということは社会人なんですかお?」

(´<_` )「うむ 大学は去年卒業した 今は家の農家を継ぐ修行中って所だな」

思ったよりも、大人だったらしい。落ち着いた性格にも納得できた。
ふと、弟者さんの左手の甲が赤くなっていることに気付いた。

( ^ω^)「その手はなんかあったんですかお?」

(´<_` )「ああこれか… ホライゾン君が帰った後、一騒動あってな」

( ^ω^)「? 何があったんですかお?」

(´<_` )「興味があるか では話してやろう」

お願いしますお、と言って僕は弟者さんの話に耳を傾けた。

………。
……。
…。



26: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:11:31.93 ID:nP3IISKe0
───同日 11:49 流石弟者───

まったく、兄者には困ったものだ。
今まで何度そう思っただろうか、思わず苦笑する。
双子の兄は25歳、NEET。いい加減に働いてほしい。

前に一度兄者に問い詰めたことがあった。
その時は…。

( ´_ゝ`)『俺は死ぬまでスネをかじり続ける
       両親が死んだら弟者のスネをかじる』
       
何を言ってるのかよくわからなかったから、そこで会話は終わった。

さて、そろそろ母者達が帰ってくる頃だと思うが…。
そう思った矢先、外で車の音がした。
予想通りだ。

l从・∀・ノ!リ人「ただいまなのじゃー!」

(´<_` )「うむ、おかえり」

玄関を開け、一番に入ってきたのは妹者だった。
相変わらず元気いっぱいだ。

∬´_ゝ`)「ただいま」

次に現れたのは、姉者。
俺はおかえり、と返し大量に手に持っていた買い物袋を受け取る。



27: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:12:38.58 ID:nP3IISKe0
∬´_ゝ`)「すまない」

(´<_` )「構わんさ、父者と母者は?」

∬´_ゝ`)「もうすぐくるさ」

姉者の言った通り、玄関の戸に大きな影が映りこんでいた。
、@#_、_@
 (  ノ`)「ただいま」
`彡⌒ミ
 (´_ゝ`)「ただいま」
 
(´<_` )「おかえり二人とも」
、@#_、_@
 (  ノ`)「兄者は?」
 
(´<_` )「部屋にいるぞ」
、@#_、_@
 (  ノ`)「またファミコンばっかやってるのね!」
 
突如切れた母者は、一直線に兄者の部屋へと向かっていった。
さらば兄者。
`彡⌒ミ
 (´_ゝ`)「弟者、すまないが兄者が死なないように見張っててくれ」
 
(´<_` )「把握した」



28: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:14:12.40 ID:nP3IISKe0
姉者から受け取った買い物袋を台所に置き、俺は兄者の部屋へと向かった。
兄者の部屋の前に立つ。静かだ。
俺は部屋の戸に手をかけようとした。

その時──。

(;´_ゝ(#)「ぐぉぉぉ!」

兄者が奇声を発しながら、戸をぶち破って俺にぶつかってきた。
正確には母者にぶっ飛ばされたのだろうが…。
兄者と壁に挟まれ、左手を痛めてしまった。

部屋から圧倒的な存在感を放ちながら、母者が現れる。
、@#_、_@
 (  ノ`)「あら弟者、すまないね」
 
(´<_`;)「ま、まぁ大丈夫だが…母者よ、時に落ち着け」
、@#_、_@
 (  ノ`)「兄者! またあんたは働きもしないでファミコンばっかりして!
     少しは弟者を見習ったらどうだい?!」
     
(;´_ゝ(#)「OK! 俺が悪かった! 許してくれ!」

必死に命乞いをする兄者。働けば良いものを…。
するとそこに兄者を救う救世主が現れた。

l从・∀・ノ!リ人「兄者がひっしなのじゃー」

天使、降臨。



29: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:16:48.86 ID:nP3IISKe0
、@#_、_@
 (  ノ`)「あら妹者、一人でおトイレいけたの?」
 
l从・∀・ノ!リ人「いけたのじゃー まかせるのじゃー」
、@#_、_@
 (  ノ`)「流石妹者! どこかのNEETとはすごい違いだわ!
     さぁ、こんな所にいるとNEETがうつるから向こうへ行きましょ」
     
l从・∀・ノ!リ人「にーとってなんじゃー?」

いいからいいから、と言いながら悪魔は天使を抱え、台所へ消えていった。
残されたのは左手を負傷した俺と半泣きの兄者。

(´<_`;)「兄者よ… 俺は悲しいぞ」

(;´_ゝ`)「自宅警備員には世知辛い世の中だ」

反省の色がないあたり、流石だな兄者。

(*´_ゝ`)「しかし、俺のキュートちゃんフォルダは死守したぞ」

(´<_`;)「いろんな意味で流石だな、兄者」

( ´_ゝ`)b「任せておけ」

と言って、ビっと親指を立てる兄者。
兄者よ、褒めてないぞ。



31: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:18:37.81 ID:nP3IISKe0
そんな時、俺の携帯がメールの着信を知らせた。
ポケットから携帯を取り出し、内容を確認する。

『3時くらいに学校に迎えに来てくれない〜?』

彼女からだった。把握したと短く返信する。

( ´_ゝ`)「羨ましくなんかないもん…」

(´<_` )「察しがいいのは流石だが、悲しさが滲み出てるぞ」

( ´_ゝ`)「…キュートちゃんに癒されてくる」

そう言って、戸がぶち壊れた部屋に戻っていった。

(´<_` )「兄者よ、そろそろ飯だぞ」

(*´_ゝ`)「ハァハァ…キュートちゃん…」

(´<_`;)「だめだこいつ…」

兄者が別の世界へ旅立ったことを知った俺は、兄者の部屋を後にした。

………。
……。
…。



32: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:19:50.95 ID:nP3IISKe0
───同日 13:23 内藤ホライゾン───

(´<_` )「というわけだ」

(;^ω^)「兄者さん…」

なんていうか壮絶な家族だ。
だけど楽しそうな家族だなと、話を聞いた僕はそう思った。

( ^ω^)「でも弟者さん、彼女さんがいるなんて羨ましいですお」

(´<_` )「ホライゾン君は彼女いないのか?」

( ^ω^)「できたことないですお」

(´<_` )「そうか 見た所、高校生くらいか?」

( ^ω^)「ですお 来月から2年生ですお」

(´<_` )「そういうのに一番興味が沸く年頃だな 頑張ってくれ」

この町には可愛い女の子が結構いるしな、と弟者さんは付け加えた。
僕はツンとクーの顔を思い出した。
確かに、二人は可愛い。クーはどちらかと言うと美人の類だったが。

( ^ω^)「でもまずは、友達を作りたいですお」

素直に、自分の気持ちを口に出した。



33: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:21:04.29 ID:nP3IISKe0
(´<_` )「引っ越してきたばかりだもんな それはわかる」

( ^ω^)「友達もできたことがなくて…不安ですお」

(´<_` )「君なら大丈夫さ 見てればわかる 今までできなかったのが不思議なくらいだ」

今日会ったばかりの弟者さんは、そう言ってくれた。
なんだか嬉しくなった。

(´<_` )「どっちにしろ土地柄のせいか、転校生なんて向こうが放っておかない」

( ^ω^)「そういうもんですかお」

(´<_` )「きっと質問責めにされるぞ 覚悟しておいた方が良い」

にやりと笑う弟者さん。

(;^ω^)「脅かさないでほしいですお」

(´<_` )「そんなつもりじゃなかったんだが、悪かったな」

そう言って、また笑った。
挨拶回りに訪れた家の人達や弟者さんを見ていると、不安はなかった。
本当にこの地域の人達は、良い人ばかりだ。
僕の胸には、期待しかなかった。



34: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:22:28.61 ID:nP3IISKe0
やがて、大きな道に出た。
そこは、見覚えのある景色だった。

(´<_` )「さて、どっちに曲がればいいかわかるか?」

( ^ω^)「ここは…右に行くと弟者さんの家ですおね?」

(´<_` )「そうだな」

( ^ω^)「じゃあ左へお願いしますお」

(´<_` )「把握した」

数少ない知っている道を見た僕は、安心した。

(´<_` )「そういえば、飯はまだ食ってないよな?」

( ^ω^)「まだですお」

(´<_` )「家の人がよければだが、外で食べないか? うまい店があるんだ」

突然の誘いに、僕は戸惑った。

( ^ω^)「弟者さんは食べたんじゃないんですかお?」

(´<_` )「食べたんだが、ちょっと足りなくてな 散策がてらどうだ?」

( ^ω^)「カーチャンが帰ってたら、聞いてみますお」

(´<_` )「把握した」



35: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:23:54.98 ID:nP3IISKe0
(´<_` )「まぁ飯が足らなかったのも本当なんだが、街まで一人も寂しくてな」

( ^ω^)「彼女さんは大丈夫なんですかお?」

(´<_` )「大歓迎するだろうから気にしないでくれ」

どんな人なんだろうか。
弟者さんを見ていると、その人も良い人なんだろうと思った。
そして、家の前に着いた。
玄関の横にカーチャンの自転車が置いてあるのを確認する。

( ^ω^)「カーチャン帰ってるみたいだから、ちょっと聞いてきますお」

(´<_` )「把握した」

僕は車を降り、家へと入る。

( ^ω^)「ただいまだおー」

J( 'ー`)し「おかえりなさい」

心配していたのか、カーチャンはすぐに迎えてくれた。

( ^ω^)「ちょっと道に迷ってしまってたお」

J( 'ー`)し「あら… 遅かったから心配したわ」

( ^ω^)「それで話があるんだけど…」

僕は弟者さんのことを話した。



36: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:25:08.13 ID:nP3IISKe0
カーチャンは了承してくれ、弟者さんに挨拶がしたいと言った。
僕とカーチャンは家を出る。
カーチャンの姿を確認した弟者さんは、慌てて車から降りた。

J( 'ー`)し「こんにちは、息子がお世話になりました」

(´<_` )「こんにちは 気にしないで下さい」

J( 'ー`)し「遅れましたが、昨日こちらに引越してきた内藤です よろしくお願いします」

(´<_` )「ホライゾン君から伺ってます 俺は流石弟者です よろしくお願いします」
       
J( 'ー`)し「それで、今からまた息子がお世話になりますが、お願いします」

(´<_` )「はい、そんなに畏まらないで下さい」

( ^ω^)「じゃあカーチャン、ちょっと行ってくるお」

J( 'ー`)し「ええ、気をつけてね 弟者さんも」

(´<_` )「ありがとうございます いってきます」

車に乗り込む僕と弟者さん。
車内からカーチャンに手を振り、弟者さんはぺこりと頭を下げた。
そして発進。
僕等を見送るカーチャンは、嬉しそうな顔をしていた。



37: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:26:55.19 ID:nP3IISKe0
(´<_` )「良い人だな」

前を見ながらそう言う。

( ^ω^)「自慢のカーチャンですお」

(´<_` )「うむ 大事にしてあげるんだぞ」

( ^ω^)「当然ですお」

僕の返事に、弟者さんは笑顔で応えた。

ひたすらに続く長い道。青い山、青い空が流れる。
スピードが結構出ているようで、流れる景色が速い。
本当に何もない。田んぼしかない。
交通の利便性など、田舎の暮らしに不安はあった。
でもここに住む人達の暖かみに触れ、そんな不安はどうでもよくなっていた。

弟者さんの言葉を思い出す。
僕なら友達はすぐできると言ってくれた。
弟者さんの言葉には、不思議と説得力があった。
おかげで少し、自信がついた。

もう僕に不安はない。



39: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:29:21.84 ID:nP3IISKe0
40分程走っただろうか、景色は都会のそれに変わっていた。
駅までバスで1時間かかるのに、どうやら相当スピードを出していたようだ。
都会を離れてまだ1日経っていないが、なぜか懐かしく感じた。

(´<_` )「先に飯を食おうか」

( ^ω^)「わかりましたお」

弟者さんの提案に、僕はほっとした。
口には出さなかったが、もうかなりお腹が空いていた。
田舎とは対照的な入り組んだ道を進む。
やがて僕等は、小さな食堂に着いた。

(´<_` )「よし降りよう」

車から降り、入り口の上に掲げられた看板を見る。
そこには、「長岡食堂」と大きく書かれていた。

(´<_` )「小さな食堂だが、うまいぞ」

そう言って店の中に入る弟者さん。僕もそれに続いた。
昼時を過ぎた店内は、お客は二人程しかいなかった。

( ゚∀゚)「いらっしゃい! …ってお前かよ」

(´<_` )「客に向かって失礼だな、ジョルジュ」

( ゚∀゚)「男の顔見たっておもしろくねーだろ」

どうやら二人は知り合いらしかった。



40: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:30:57.33 ID:nP3IISKe0
弟者さんがカウンター席に座り、僕もそれに倣い隣に座る。

(´<_` )「昨日うちの町に引越してきた、ホライゾン君だ」

( ゚∀゚)「おーよろしくな 俺はジョルジュ長岡だ」

( ^ω^)「よろしくお願いしますお」

( ゚∀゚)「高校生か?」

( ^ω^)「そうですお 来月から2年生ですお」

( ゚∀゚)「よし、VIP高校だよな 学校帰りに寄ってくれたら、サービスするぜ」

気前がいい。流石、弟者さんの知り合いだなと思った。

( ^ω^)「助かりますお」

( ゚∀゚)「女友達連れてこいよ」

下心があった。

(;^ω^)「善処しますお」

(´<_` )「ジョルジュ、とりあえずオムライスを二つ頼む」

弟者さんの注文で、僕は解放された。



42: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:32:23.78 ID:nP3IISKe0
(´<_` )「頼んでしまったが、ホライゾン君はオムライス食べれたか?」

( ^ω^)「大好きですお」

(´<_` )「そうか、よかった この店にきたらまずはオムライスだ」

( ^ω^)「把握ですお」

( ゚∀゚)「安い! 早い! うまい! がウリだぜ!」

会話が聞こえていたのか、フライパンを操りながら声を上げる。

(´<_` )「うるさい、も加えておけ」

返事がない。聞こえなかったようだ。
僕は店内を見渡す。
白が基調の明るい店内。小さいながらに席はカウンターと別にテーブル席がいくつか。
壁に貼り付けられた紙には、「当店おすすめ!オムライス600円!」と書かれていた。
なるほど、これは安い。
そしてその下の紙には、「青春!おっぱいオムライス800円!」と書かれている。
なんだか微妙に興味を引かれた。

( ^ω^)「弟者さん…おっぱいオムライスって…」

( ゚∀゚)「おpp」

(´<_` )「後で教えてやるから今は言うな」

僕の質問は強制的に終了してしまった。
何かを言いかけていたジョルジュさんの肩が、なぜか寂しそうだった。



43: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:33:49.39 ID:nP3IISKe0
( ゚∀゚)「お待ち!」

目の前に置かれたオムライスに目を移す。
結構なボリュームだ。
中央で割られたオムレツは、見事な半熟。
うまそうだ。

( ^ω^)「いただきますお」

( ゚∀゚)「おう食え」

スプーンを手に取り、半熟のオムレツにスプーンの先を入れる。
湯気が立ち上り、トマトソースで赤く染まったチキンライスが見えた。
同時にそこへ流れ出す半熟のオムレツ。
混ざり合う赤と黄色、そして白の3色のコラボレーションが、一層食欲を引き立てる。
それをすくい、口に運ぶ。

その瞬間、口に広がるトマトの香り。しかしトマトのしつこさはしない。
意外にスパイシーなガーリックベースのチキンライス。
それを優しく包み込む卵。口の中で溶け合い、自然に喉を通って行く。
後には、不思議とガーリックの匂いはなく、トマトの優しい香りがまた広がっていた。

( ^ω^)「お…おいしいお」

( ゚∀゚)「そうだろう どんどん食え」

ジョルジュさんに言われるまでもなく、僕は夢中で食べ出した。



44: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:35:33.09 ID:nP3IISKe0
気付けば、あっという間に食べ終えていた。

( ^ω^)「ごちそうさまでしたお」

( ゚∀゚)「おう うまかったか?」

( ^ω^)「ものすごくおいしかったですお」

( ゚∀゚)「そうかそうか また食いにこいよ」

( ^ω^)「絶対きますお!」

(´<_` )「相変わらずこれだけは褒められるな」

( ゚∀゚)「これに全て懸けてんだ 当たり前だろ」

( ^ω^)「そういえば、お二人はお友達なんですかお?」

ふと思いついた疑問を口にした。

( ゚∀゚)「同級生だ」

(´<_` )「腐れ縁だな ジョルジュも昔はあの町に住んでたんだ」

( ^ω^)「そうなんですかお」

どうやら昔からの友達らしかった。
僕は暫く、二人の会話に聞き入った。



45: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:36:55.16 ID:nP3IISKe0
(´<_` )「おっと、そろそろいかないとな」

( ゚∀゚)「そうか また来いよ」

(´<_` )「うむ また来る」

( ^ω^)「ごちそうさまでしたお」

( ゚∀゚)「ホライゾンもまたな」

財布を取り出し、千円札を出そうとした。

( ゚∀゚)「引越し祝いだ いらねえよ」

(;^ω^)「え、悪いですお」

( ゚∀゚)「いーっていーって また来てくれればそれでいい」

(´<_` )「ホライゾン君、甘えておけ」

( ^ω^)「わかりましたお ありがとうございますお」

( ゚∀゚)「絶対こいよ!」

( ^ω^)「もちろんですお」

そう約束を交わし、僕と弟者さんは店を出た。



47: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:39:22.60 ID:nP3IISKe0
(´<_` )「うまかっただろう?」

( ^ω^)「すごくおいしかったですお」

車の中、僕は弟者さんの質問に素直に答えた。
本当においしかった。しかもタダにしてもらってしまった。
また必ず、行こうと思った。

(´<_` )「店を持つと言って田舎を飛び出した時は心配したが、あれなら心配ないな」

そう言った弟者さんの顔は、とても安心した顔をしていた。
お互い口は悪かったが、仲が良いことははっきりとわかった。
僕もこの二人のように、親友と呼べる友達ができたらいいなと思っていた。

やがて、大学らしき建物が見えた。
道の脇に車を止め、弟者さんが携帯を取り、電話をかけた。

(´<_` )「ついたぞ どこにいる? …そうか、じゃあ待ってる」

そして電話を切る。

(´<_` )「もうすぐ来るそうだ 少し待っていよう」

( ^ω^)「了解ですお」

脇の歩道に目をやる。行き交う人。ここはもう都会だった。
1時間足らずで、あの田舎からこんな都会に着いてしまったのが、とても不思議な気がした。



48: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:40:37.29 ID:nP3IISKe0
流れる車、人の波。
見慣れたはずの景色。
でも今の僕には、別世界のように感じた。
早くまた、あののどかな場所に戻りたいと思っていた。

その時、コツコツと車の窓を叩く音が聞こえた。

(´<_` )「おっと、着たか」

そう言って、車の窓を開ける弟者さん。
そこから顔を覗かせたのは…。

('、`*川「お待たせー、待たせてごめんね」

とても綺麗な女性だった。

………。
……。
…。



49: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/21(水) 04:41:30.96 ID:nP3IISKe0
街に出た少年は、そこで理想的な友情を見た。

そして次に出会ったのは、少女の知り合いの女性だった。

知らぬ間に生まれる、少女との接点。

そんなことは知る由もない少年は、ただただ流れに身を任せる。

この出会いは、果たして少年にどんな意味をもたらすのだろうか。

それはきっと、二人の距離を縮める物に違いない。


続く……。



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