( ^ω^)桜舞い散る中に忘れた記憶が戻ってくるようですξ゚听)ξ
- 2: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:01:17.38 ID:IMVdbL740
- ───4月1日 6:30 内藤ホライゾン───
( ^ω^)「それじゃ、いってきますお」
J( 'ー`)し「いってらっしゃい」
カーチャンに見送られ、僕は家の外に出た。
清々しい朝。僕は澄んだ空気を思い切り吸い込む。
そして背伸し、新鮮な空気を全身に送る。
真新しい制服が、まるで新入生の時のような感覚を生んだ。
少し、照れ臭くなった。
今日から学校が始まる。
VIP高校は一般的な高校より始業式が早かった。
その分、夏休みが早いらしい。
その頃の僕は、どうなっているだろうか。
辺りを見渡す。相変わらずの田舎の風景。
今日から、僕の新しい学校生活が始まる。
- 3: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:03:25.71 ID:IMVdbL740
- 引越しの前日、カーチャンと話したことを思い出す。
僕の好きなことをしてくれと、私は大丈夫だからと、言ってくれた。
カーチャンを安心させたい気持ちは、今でもまったく変わっていない。
でもそのカーチャンの願いは、僕が自由に今を楽しむ事だった。
だから僕は、楽しもう。学校を、友達との生活を。
携帯を開き、時間を確認する。
そろそろかなと思い、ツンの家の方を見た。
案の定、こちらに向かっているツンの姿が見える。
ツンも僕に気づいたらしい。
特徴的な髪型と、短めのスカートを揺らしながら駆け寄ってきた。
ξ゚ー゚)ξ「おはよ」
暖かい日差しに負けないくらいの優しい笑顔に、思わず見惚れてしまう。
( ^ω^)「おはようだお」
僕も笑顔で、挨拶をした。
- 5: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:04:52.13 ID:IMVdbL740
- そして一緒にバス停に向かう。
女の子と一緒に学校へいくなんて、今までの僕には考えられないことだった。
それも、こんなに可愛い子と……。
ちらりとツンの顔を見た。
ξ゚听)ξ「ん?」
僕の視線に気づいたツンが、上目遣いで僕を見た。
大きめな、くりくりとした目が、どうしたの?と語りかけている。
(;^ω^)「なんでもないお」
その目を直視していられなくなり、僕はそう言ってすぐ前を向いた。
ξ゚听)ξ「なかなか似合ってるね」
僕は何のことかわからずに、またツンを見る。
ξ゚ー゚)ξ「制服」
そう言ってくれたツンの笑顔が眩しくて、嬉しくて。
僕は少し、顔が赤くなった。
- 6: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:06:29.06 ID:IMVdbL740
- (;^ω^)「ど、どうも」
ぺこっと頭を下げて、そう返事をする。
照れてしまって、そうすることしかできなかった。
ξ゚听)ξ「なによその返事ー」
明らかに不満気なツンの声。
いやそう言われましてもね……。
女の子に免疫がない僕は、軽く混乱してしまった。
ξ゚听)ξ「ま、いいけどねー あ! そういえば」
ツンが何か思い出したようだ。
僕はこれ以上の追及がないことを悟り、少し安心した。
ξ゚听)ξ「今日はクーも一緒に行くって」
( ^ω^)「そうなのかお?」
ξ゚听)ξ「うん 初日くらい一緒に行こうって誘ったの」
- 7: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:08:26.60 ID:IMVdbL740
- そういえばクーとはまだ一度しか会っていないことを思い出した。
確か妹がいるとかで、親に妹達と一緒に送迎してもらっていると聞いた気がする。
なるほど、クーも一緒なのか。
ふと、頭に過ぎったことを聞いてみることにした。
( ^ω^)「ツンはクーと仲いいのかお?」
ξ゚听)ξ「そうねー この町で同い年はクーだけだったし、
小さい頃からよく一緒に遊んでたわよ」
( ^ω^)「そうなのかお」
ξ゚ー゚)ξ「これからはブーンも一緒ね」
( ^ω^)「よろしくだお」
ξ゚ー゚)ξ「うん」
前に学校に行った時に会ったドクオ達も、気兼ねなく輪に入れてくれる。
ツンも。さも当然のように。
僕にはそれが嬉しくて仕方がなかった。
- 8: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:10:28.59 ID:IMVdbL740
- バス停に着くと、そこにはすでにクーが居た。
スラリとした長身に、綺麗な長い黒髪をなびかせて佇むその姿が、
とても絵になっていた。
ξ゚听)ξ「クー おはよー」
川 ゚ -゚)「やぁ、おはよう」
( ^ω^)「おはようだお」
川 ゚ -゚)「ブーンは今日からよろしく頼む」
( ^ω^)「よろしくだお」
一瞬この落ち着いている大人びたクーが、年上に思えてしまう。
だけどそれは、悪い意味ではない。逆だ。
( ^ω^)「クーも制服似合ってるお」
僕は素直に思ったことを口にした。
川 ゚ -゚)「ありがとう」
無表情でそう返す。
- 11: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:13:04.21 ID:IMVdbL740
- 川 ゚ー゚)「ブーンもなかなか似合ってるぞ」
今度は笑顔で、褒められた。
(*^ω^)「あ、ありがとうお」
ツンの時で慣れたせいか、自然にお礼を言うことができた。
ξ#゚听)ξ「ちょっと 私の時と随分違うじゃない」
(;^ω^)「あうあう」
ツンを怒らせてしまった。
女の子はよくわからない……。
川 ゚ -゚)「これは大変だなブーン ツンは怒ると怖いんだぞ」
(;^ω^)「何回か殴られたことがあるお……」
ξ#゚听)ξ「アンタがいけないんでしょ」
(;^ω^)「ごめんお」
- 13: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:14:40.26 ID:IMVdbL740
- 川 ゚ー゚)「ふふ これは学校が楽しくなりそうだ」
ξ゚听)ξ「ちょっと! 私の身にもなってよ」
川 ゚ -゚)「そんなこと言いつつも楽しそうじゃないか」
ξ゚听)ξ「もー! 知らないんだから!」
そんな二人のやり取りを、僕はおろおろと見つめていた。
───学校が楽しくなりそうだ───
クーが言った言葉が、耳に残る。
膨れているツンには悪いが、僕もこの言葉には同意した。
この場にいるだけで、楽しい。
友達がいるだけで、こんなにも楽しくなるものなのだと。
体感する全てが新鮮で、楽しかった。
………。
……。
…。
- 15: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:15:21.69 ID:IMVdbL740
( ^ω^)桜舞い散る中に忘れた記憶が戻ってくるようですξ゚听)ξ
───第六話 『約束』───
- 16: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:17:31.80 ID:IMVdbL740
- 一時間半の通学時間は、あっという間に過ぎた。
以前の徒歩10分で着いたラウンジ高校への登校よりも短く感じる。
校門を抜け、少し歩いた所に人だかりが見えた。
ξ゚听)ξ「クラス割りが張り出されてるわね」
( ^ω^)「そうなのかお 見に行くお!」
クラス替え。新学期のメインイベントと言っても、過言じゃない。
それを聞いた僕は真っ先に人だかりを目指し駆け出した。
設置された看板に貼られた大きな紙に目をやる。
2-A……ない。
2-B……ない。
( ^ω^)「2-C…あ! あったお!」
自分の名前を見つけ、思わず声を上げてしまった。
- 17: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:19:39.47 ID:IMVdbL740
- そうなると、次に気になるのはクラスメイトだ。
並ぶのは、当然の如く知らない名前ばかり。
その中に、知った名前を見つけた。
( ^ω^)「ドクオもショボンも一緒だお!」
引越してきてできた、初めての男友達の名前も見つけ、僕は歓喜した。
ξ゚听)ξ「私も2-Cだわ」
川 ゚ -゚)「これは見事に一緒になったな」
気がつけば、すぐ後ろにツンとクーがきていた。
二人の声を聞いて、再度クラス割りに目をやる。
ツンとクーの名前もあった。
僕は後ろを振り返り、二人を見ながら。
( ^ω^)「よろしくだお」
笑顔で、そう言った。
- 19: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:22:01.30 ID:IMVdbL740
- ξ゚ー゚)ξ「よろしくね」
川 ゚ー゚)「あぁ、よろしく」
二人も笑顔で、応えてくれた。
これ以上ない程の、幸先の良いスタート。
新しい学校生活に、期待は膨らむ一方だ。
引越してきてよかった。
何度そう思っただろうか。
自然に囲まれた家。
そこに住む人達は、皆良い人ばかりで。
素敵な友達もできた。
全てが、良い方向に進んでいた。
その時、僕の頭にツンの泣いた顔が過ぎる。
あの時のツンは本当に悲しそうな顔をしていた。
それなのに僕は良い事ばかりだと素直に喜んでいる。
僕は少し、胸が痛んだ。
- 21: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:23:39.96 ID:IMVdbL740
- ツン達に教室に案内され、僕は少し緊張しながらそこに着く。
教室に入ると、そこは喧騒に包まれていた。
皆思い思いに会話をしている。
僕はひとまず、出席番号順に設置された自分の席に向かった。
椅子に座り、鞄を置く。
すると、声をかけられた。
('A`)「ようブーン 同じクラスになれたな」
(´・ω・`)「よかったよ これからよろしく」
( ^ω^)「おっおっ 二人ともよろしくだお」
僕は、話しかけてきた初めてできた男友達、ドクオとショボンに返事を返す。
( ^ω^)「ツンも一緒なんだお!」
('A`)「みたいだな てか嬉しそうだな? ブーン」
(´・ω・`)「これは…何か匂うね」
( ^ω^)「お? なんか匂うかお?」
(;'A`)「に、にぶっ…」
- 23: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:25:28.30 ID:IMVdbL740
- よくわからないけど、ドクオとショボンは呆れていた。
ちらりとツンの方を見る。
ツンも僕と同じ様に、友達と話をしていた。
クーと…つーもいるようだ。
ふと、ツンと目が合った。
ξ゚ー゚)ξ
その顔は、笑顔。
僕も笑顔で返す。
すると、つーが何やら口を開き、その後にツンが顔を赤くして、何か言っている。
('A`)「……まじで匂うな…」
(´・ω・`)「うん 楽しみだね」
二人の言っている意味が、よくわからなかった。
- 24: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:27:33.98 ID:IMVdbL740
- 少しすると、チャイムが鳴り出した。
予鈴だ。それと同時に、教室の戸が勢い良く開いた。
从 ゚∀从「よー 皆席に着け」
入るなり大声でそう言う女性。
席を離れていた生徒達が、一斉に自分の席へと戻る。
どうやら、教師らしい。
从 ゚∀从「よーし皆席に着いたな」
静かになったのを確認し、満足そうに口を開いた。
从 ゚∀从「私はこのクラスを担当する、ハインリッヒ高岡だ よろしくな
ハインとでも呼んでくれ」
教卓の前に立ち、ハイン先生はそう言った。
スーツ姿に似合わず、ラフな口調だ。
年も若く見える。話しやすそうな先生だと思った。
从 ゚∀从「んじゃー早速だけど、武道館に行くぞ 出席順に廊下に並んでくれ」
ハイン先生が言い終えると、皆一斉に廊下へ移動する。
ドクオを捕まえて、僕は頭に浮かんだ疑問を投げかけた。
- 26: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:29:45.73 ID:IMVdbL740
- ( ^ω^)「ドクオ 武道館ってなんだお? 体育館とかじゃないのかお」
('A`)「ああ、この高校はスポーツが盛んなのは知ってるよな?」
( ^ω^)「知ってるお」
('A`)「そのせいか知らねぇけど、なんつーの? 武を重んじるみたいな?
そんな感じでこういう式にはそっち使うんだ」
( ^ω^)「なるほど 把握したお」
なんとなくは、理解できた。
詳しくは後でショボンに聞いてみることにした。
ドクオの頭を見つめながら、武道館へ移動する。
関係ないが、僕とドクオは出席順が一つ違いだった。
見る生徒、先生が皆始めて見る人ばかり。
僕にとって、この始業式は入学式のように思えた。
………。
……。
…。
- 27: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:32:03.71 ID:IMVdbL740
- ('A`)「いやーなげぇ話は眠くなるよな」
(;^ω^)「眠くなるって思いっきり寝てたじゃないかお」
(´・ω・`)「まぁ、ドクオはいつもああいう時寝てるよね」
(;^ω^)「そうなのかお」
(*゚∀゚)「まー退屈なのには同意するよ!」
始業式を終え、学校は午前中で終わった。
その後僕等は長岡食堂へきていた。
それにしても、いつきても店内が空いているのは気のせいだろうか…。
触れてはいけない気がして、胸に留めておくことにした。
ξ゚听)ξ「でも、皆同じクラスだなんてできすぎよねー」
(*゚∀゚)「まぁまぁいいじゃない! きっと運命さ!」
( ^ω^)「だお 素直に喜ぶお」
同じクラスになれた喜びを、皆で分かち合う。
- 29: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:34:27.87 ID:IMVdbL740
- ( ゚∀゚)「あいよーお待ちー」
そこへ、ジョルジュさんが料理を持って現れた。
( ^ω^)「ありがとうですお」
( ゚∀゚)「おっぱい連れてきてくれたんだ ゆっくりしてってくれ!」
('A`)「ほんとにおっぱい好きっすね」
( ゚∀゚)「おう おっぱいには夢が詰まってるんだぜ」
川 ゚ -゚)「そうなのか?」
ξ;゚听)ξ「詰まってません!」
(*゚∀゚)「ツンの小ぶりな胸にはなさそうだねぇ…」
ξ#゚听)ξ「……」
( ゚∀゚)「でも形はよさそうじゃねぇか?」
ξ#゚听)ξ「黙れ!」
- 31: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:36:19.39 ID:IMVdbL740
- ( ゚∀゚)「うほー強気なおっぱいもまたいいな」
(;^ω^)「ほんとにおっぱいが好きなんだおね…」
(´・ω・`)「もうなんというか、一種の宗教だね」
( ゚∀゚)「なんだよお前ら! 男のくせにわかってねぇなぁ…」
('A`)「童貞でサーセン」
从#゚( ゚∀゚)「しょうがねぇなぁ…じゃあ俺がおっぱいについてkws…」
( ^ω^)「あれ?」
从#゚( ゚∀゚)「ん? なんか悪寒g…」
- 32: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:37:04.53 ID:IMVdbL740
- 从#゚( ゚∀゚)
从#゚(゚∀゚ )
从#゚∀从 Σ(゚∀゚;)「うおっ!」
- 35: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:39:26.11 ID:IMVdbL740
- ( ^ω^)「あれ? ハイン先生だお」
从 ゚∀从「よーお前ら まぁゆっくり食ってけ で……」
(;゚∀゚)「あ、あの…これには事情がですねハインさん」
从 ゚∀从「わかったわかった 裏でゆっくり聞こうじゃないか」
从゚∀ (;゚∀゚)三「アッー!」
ジョルジュさんは、突如現れたハイン先生によって連れて行かれた。
(;^ω^)「なんだったんだお…」
('A`)「わかんねぇ…」
ξ゚听)ξ「よくわかんないけど、きっと自業自得よ」
川 ゚ -゚)「まぁ食べようじゃないか」
僕等は深く考えるのをやめ、昼食を食べることにした。
- 36: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:41:25.15 ID:IMVdbL740
- 皆と会話をしながら食事をしていると、奥からジョルジュさんとハイン先生が戻ってきた
何をされたのか、ジョルジュさんがふらふらしている。
ジョルジュさんはそのまま厨房へ戻り、ハイン先生がこちらに近づいてきた。
从 ゚∀从「よー」
( ^ω^)「どうもですお」
ハイン先生を見て、皆がぺこりと頭を下げる。
ξ゚听)ξ「ハイン先生もここでお昼ですか?」
僕も思っていた疑問を、ツンが投げかけた。
从 ゚∀从「んーまぁそんなとこだな」
( ^ω^)「ジョルジュさんと仲いいんですかお?」
从 ゚∀从「仲いいっていうか、一応恋人」
- 38: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:43:19.58 ID:IMVdbL740
『えぇっ?!』
驚きの声が重なる。
ショボンとクーは声こそ上げていないが、同じ様に驚いた顔をしている。
ξ;゚听)ξ「ほ、ほんとですか?!」
从 ゚∀从「嘘言ってどーすんだ」
(*゚∀゚)「どこまでいってるんで?!」
从 ゚∀从「未成年にはノーコメントだ」
(;^ω^)「驚きですお…」
从 ゚∀从「なんで驚いてるのかよくわからねーけど、そういうこった」
(´・ω・`)「まぁなんていうか、世間はせまいね」
川 ゚ -゚)「まったくだ」
- 39: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:45:14.33 ID:IMVdbL740
- ハイン先生と話しながら、僕等は昼食を食べ終えた。
会計を済ませ、店を出る。
( ゚∀゚)「またこいよ! おっぱい達!」
从#゚∀从
(;゚∀゚)「すいません…」
可笑しくなって、笑ってしまった。
少し歩いたところで、ドクオが口を開く。
('A`)「ハイン先生…」
それはきっと、誰もが思ったこと。
('A`)「胸すげぇ小せぇのにな…」
驚いた理由は、まさにそれだった。
- 40: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:47:20.98 ID:IMVdbL740
- (´・ω・`)「それじゃ、僕等はここで」
('A`)「ブーン、ツン、また明日な」
(*゚∀゚)「またねー!」
ξ゚听)ξ「またねー」
( ^ω^)「また明日だお」
川 ゚ -゚)「また」
駅に着き、僕とツンとクーは3人と別れた。
お昼過ぎの駅は、人もまばらだ。
そんな寂しい駅のホームで、僕等は電車を待つ。
待っている時間も、まったく苦じゃない。
僕にはもう、友達が居る。
もう、寂しくはない。
- 42: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:49:13.16 ID:IMVdbL740
- ξ゚听)ξ「なーんか、ブーン楽しそうね?」
( ^ω^)「お? そうかお?」
ξ゚听)ξ「うん なんか生き生きしてる」
( ^ω^)「ツン達がいるからだお」
僕は正直に答える。
ξ゚ー゚)ξ「それは光栄ね」
川 ゚ -゚)「そうだな というかツンも生き生きしてるぞ」
ξ;゚听)ξ「え? そ、そう?」
川 ゚ -゚)「ああ ブーンのこと言えないくらいに」
( ^ω^)「僕にはわかんないお いいことあったのかお?」
ξ*゚听)ξ「……ブーンにはわからないわよ」
少し赤くなって、ツンはそう言った。
なぜかクーが、笑っていた。
- 44: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:50:38.44 ID:IMVdbL740
- 夕暮れ。沈みかけた太陽が、僕らの影を伸ばす。
川 ゚ -゚)「それじゃ、また明日」
ξ゚听)ξ「またねー」
( ^ω^)「まただお」
町に戻り、クーと別れる。
段々と遠ざかるクーの長い影が、別れを惜しんでいるように見えた。
朝と同じ道を、朝と同じ様にツンと並んで歩く。
違うのは空の色と、長い影。
僕はツンに話しかける。
( ^ω^)「ツン」
僕に呼ばれた彼女は、顔を向けた。
目が合ったけど、今度は目を逸らさなかった。
( ^ω^)「ちょっと話があるんだお また公園にいかないかお?」
- 45: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:52:11.46 ID:IMVdbL740
- それは、朝から決めていたこと。
新しい生活のスタートを切るために、決めていたこと。
朝は時間がなかったので、学校帰りになってしまったが、
余裕をもって、話したかった。
ツンは了承してくれた。
僕等は並んで公園へ向かう。
そこは二人が出会った場所。
僕にとっては出会った場所だけど、それは違う。
彼女にとっては、再会した場所。
でも僕はそれを知らない。
朝思い出した事を、また思い出す。
覚えていないことを告げた時の、ツンの悲しい顔。
それがずっと、引っかかっていて……。
だから僕は、話そうと思う。謝ろうと思う。
全てが始まった、あの場所で。
- 47: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:53:50.60 ID:IMVdbL740
- ξ゚听)ξ「結構…咲いたね」
公園につくなり桜を見上げたツンが呟く。
前にきた時より、桜の花は咲いていた。
といっても、二分咲き程度だったが。
桜の下に、二人で並ぶ。
そして僕は、ツンの方を向いた。
( ^ω^)「ツン」
ξ゚听)ξ「なに?」
( ^ω^)「昔のこと、覚えてなくてごめんお」
ξ゚听)ξ「それはもういいってば どうしたの?」
ツンは前にも、それはもういいと言ってくれた。
でも僕は気にしていた。
だから言う。もう一度、しっかりと。
- 48: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:55:20.07 ID:IMVdbL740
- ( ^ω^)「僕なりのけじめだお」
ξ゚听)ξ「ブーン…」
( ^ω^)「今でもまったく思い出せないけど、でも……」
ツンは静かに僕を見つめる。
( ^ω^)「この桜のことを、どこかで見たような気はするんだお」
僕もしっかりと、ツンを見つめる。
( ^ω^)「引越した夜、どうしてもその日に桜を見たくって…
きてみたら、ツンがいたお」
ξ゚听)ξ「あの時はびっくりしたわ」
( ^ω^)「きっと何か、それは意味があったんだと思うんだお」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「だからきっと、出てこないだけで何かを覚えてるはずなんだお」
- 50: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:57:21.86 ID:IMVdbL740
- ( ^ω^)「確証なんかないけど…」
そう。確証なんかない。だけど、予感がする。
( ^ω^)「きっと、思い出せそうな…そんな予感がするんだお」
ツンは無言で、僕を見つめ続ける。
( ^ω^)「だから、待っててほしいお」
桜が、風に揺れた。
そしてツンが、静かに口を開く。
ξ゚听)ξ「12年待って、ブーンがやっと戻ってきて、まだ待つの?」
痛いことを言われてしまった。
(;^ω^)「あうあう」
困ってしまい、言葉に詰まる。
- 51: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 19:58:34.80 ID:IMVdbL740
揺れる桜を背に──
ξ゚ー゚)ξ「わかったわよ」
笑顔で──
ξ゚ー゚)ξ「待ってる」
そう言ってくれた──
- 52: ◆ECmvgmi7GI :2007/11/26(月) 20:00:06.35 ID:IMVdbL740
それを聞いて──
( ^ω^)「ありがとう」
僕も笑顔で──
( ^ω^)「約束だお」
約束した──
続く……。
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