( ^ω^)ブーンは歩くようです
- 254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/19(水) 03:37:50.03 ID:Vd46qG3Z0
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青い空。白い雲。南へ向かう鳥たちの群れ。
山道を歩く僕には、はじめの旅より彼らが近くに感じられていた。
かつて、神殺しに挑んだ男がいた。
人間が次のステージに進むため奉られていた遺物に挑み、
そして散っていった彼の遺志は、二人の子どもに受け継がれる。
同時に、千年前からの贈り物はその役目を遂げて、静かにこの世から消えていった。
いや、あと三度、僕は彼と会うことになるから、これは正確な言い回しではないか。
- 258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/19(水) 03:39:42.83 ID:Vd46qG3Z0
いずれにしてもその残りカスである僕は、今、風に誘われ北へ向けて歩いている。
あの男にもらった石ヤリを杖代わりに、
いつかどこかで野たれ死ぬその日まで、きっと僕は歩き続ける。
少し肌寒くなってきた。
超繊維の服でも遮断できないくらいの厳しい冬へと、僕は向かっているようだ。
( ^ω^)「おっおっお。こりゃ近いうちに凍え死ぬお」
身震いしながら僕は呟く。
でもまあ、そのときはそのときだ。
誰も困らないし、誰も文句は言わないだろう。
運良く(悪く?)熊か何かに出会って毛皮でも調達できれば、
そのときはまたしぶとく生き延びればいい。
- 263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/19(水) 03:41:26.39 ID:Vd46qG3Z0
何気なく石ヤリを振り回してみた。ヒュッと、空気を裂く音がする。
しかし、あの男は鳴らした風切り音にはほど遠い。
( ^ω^)「少し練習してみるかお」
銃弾のストックはたんまりあるけど、いずれは底をつくものだからな。
石ヤリを使えるようになっておいて損は無い。
もう一度、石ヤリを振り回してみる。鳴るのはやっぱり情けない風切り音だけ。
それがなんだかおかしくて、僕はあの男を真似てひとつ、「ふひひ」と大きな笑い声をあげた。
第四部 奉られた遺物と、神殺しに挑んだ男の話 ― 了 ―
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