( <●><●>)は最後に一つわからなかったようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:29:27.48 ID:FsJkVJbG0
「さあ、こっちよ。」
「どうした?足棒か?」
「大丈夫だよ、自分でいけるよ。」
「そうか。前とは大違いだな。」
「そんなことないよ。同じだよ。」
「ホラついた。もう一人で大丈夫だよ。」
「じゃ、埋めましょうか。ちゃんと書いてきた?」
「当たり前だよ。大事に持ってるもん。」
「よし、埋めようか。」
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:30:09.85 ID:FsJkVJbG0
時計を見ると大体八時なのはワカッテマス。
そして
( <●><●>)「この時間に来るのはワカッテマス。」
と思ったところで、玄関をノックする音が聞こえる。
一つは壊れるはずもない扉を気遣って弱弱しく叩く音。
もう一つは全体重をかけて扉を壊そうとしているかのように大きくぶつかる音。
「ちんぽっぽちゃん、駄目なんデス!!壊れちゃいます!!」
「っぽっぽ!!ぽっぽ!!」
( <●><●>)「今から行きますからまってください。」
そう言うと、急に息をも止めるのがワカンナインデス。
うずうずして体を震わせるのがちんっぽっぽちゃんというのはワカッテマス。
( ><)「早く行くんです。」
(*‘ω‘ *)「っぽおっぽお。」
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:31:07.97 ID:FsJkVJbG0
( <●><●>)「おまたせしたのはわかってます。」
( ><)「じゃあ今日は何するんです?」
( <●><●>)「今日は801山にでも登りましょう。」
( ><)「いいんです、いくんです。」
(*‘ω‘ *)「っぽっぽっぽっぽ」
僕たちはこうしていつも山に登ったり、川に行って釣りなんかをして遊んでいます。
まだ、子供と大人の中間ぐらいの年齢で、大人になることが想像できなくて
でも、それでも、どこか大人になることに怖がっている。そんな年頃なのです。
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:32:16.50 ID:FsJkVJbG0
山の中には一つ、草が茂っているところがありそこまで行くのが目的なのです。
閑散とした木々に、ひんやりとした風が木の葉を散らし、朽ちた葉を飛ばすのです。
もうすっかり冬の準備をし始めている木たちは寡黙に佇むのです。
( ><)「お昼にするんです。ちんっぽっぽちゃん。はいみかん。」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽ」
( ><)「そんな照れるんです。」
( <●><●>)「二人は仲がいいのはわかっています。」
(* ><)「そんなことないんです。」
こういうと、テレながらも内心喜んでいるのはわかっています。
だけど、そんなワカンナインデスが面白くていつも言うのです。
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽ」
ちんっぽっぽちゃんはみかんにお熱なので僕達の話は聞いてません。
それが、僕の優しさなのだと思っています。
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:34:45.77 ID:FsJkVJbG0
( ><)「虫なんです。勝負するんです。」
( <●><●>)「僕のカブトムシにかなわないのはわかっています。」
( ><)「それ、アルキメデス。いくんです!!」
( <●><●>)「君にネームセンスが無いのもわかっています。」
日が暮れるまで遊んだら、村に戻ってバイバイをします。
僕たちは家族ではないのでそれぞれの家に帰ります。
( ><)ノシ「バイバイなんです。」
(*‘ω‘ *)ノシ「っぽっぽぉ。」
二人は家が近いので一緒に帰ります。
僕がいなくなってどこか楽しそうにするのもわかっています。
でもそれは、僕を嫌っているのではなく、三人の関係から二人の関係になれたことが
嬉しいというのはわかっています。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:36:37.06 ID:FsJkVJbG0
( <●><●>)「あー、わかんないんです。」
( ><)「なんですか?わかってます。」
( <●><●>)「えーっと……。さよならなんです。」
( ><)「さよならなんです。」
(*‘ω‘ *)「っぽ。」
これでいいんです。
さみしいけれども一線を越えてまで仲良くしようとするのは
つまらなくなってしまうのはわかっています。
こうして遊ぶから楽しいのはわかっています。
だから。
( <●><●>)「ただいま。」
といっても、だれも返事をくれないのはわかっています。
僕にはお母さんもお父さんもいません。
近所の人が遠いところに言ったのよといったけど
いくら小さい僕でもそれぐらいはわかっていました。
咳をして、血が出始めてから一ヶ月でいなくなりました。
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:37:27.37 ID:VljPOLaz0
僕はお父さんが残してくれた本棚に向かい
お母さんが残してくれた本を読みます。
寂しい夜を越えるのにはこれが一番なのは経験でわかっています。
ただどうしようもないくらいの寂しさ、侘しさが僕の胸を往来するときがあるのです。
今日のように楽しく遊んだ日には特にそれが強いのです。
でも、それはそのうちに慣れ親しんでいくのです。
そうすることで寂しさは僕の胸から出て行くのです。
彼は風のように突然やってきて、崖から飛び降りるかのごとく一気にいなくなるのです。
こんな調子で毎日が過ぎています。
僕の毎日もこんなものです。
明日も明後日も、そして明々後日もこんな時間が流れて。
そして10年後、20年後は畑を耕してくらすんです。
それぐらいのことはわかっているつもりです。
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:39:54.07 ID:VljPOLaz0
ふと、外を見るともう真っ暗で、窓から綺麗なお月様が見えました。
あんなに広い空に、たった一つだけ大きく光るお月様はきっと他のどんな星よりも
寄り添って星座を作る星よりも、きっと強いんだろうな、そう思いました。
ぼんやりお月様を見ていると、ぴゅうっと風が入ってきました。
その頬に当たるひんやりとした感触は僕に一人の寂しさを思い出させるかのようでした。
本に視線を落として僕はそれを紛らわそうとしました。
少し悲しく、誰もいないのにそれを隠すため咳を一つしました。
そろそろ暖炉の季節ということはわかっています。
でも一人だと毛布をかけるだけでいいんです。
また時間がたち、僕は空を見ました。
お月様はもう高いところにあるようで、窓からは見えません。
小さくちらちらと瞬く星星がお月様を追い払ってしまったようです。
そんなことを考えていると、とても低いところにちらちらと光が見えました。
だれか、そとに出歩いてる。特に気にすることもなく、また視線を落とします。
ドアからコンコンと響いてきました。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:42:21.63 ID:VljPOLaz0
( <●><●>)「どちらさまですか?」
そう聞くと、ドアの向こう側から
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぉ」
( ><)「わかんないんです。わかんないんです。」
と聞こえました。
( <●><●>)「少しまってください。」
僕はそう言い、一応曲がりなりにもお客さまなので部屋を簡単に掃除しました。
暖炉の、
準備もしました。
今日は一人じゃないからです
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:42:51.60 ID:VljPOLaz0
( <●><●>)「どうぞ。」
( ><)「おそいんです。お泊り会をしに来たんです。」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽっぽ。」
( <●><●>)「急に来られても困るんです。」
( ><)「ごめんなんです。でも今日はお月様が綺麗なんです。
だから、皆で一緒に見ようと思ったんです。ほらお菓子もあるんです。」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ。っぽぉ」
( ><)「ほら、外に出るんです。厚着をするんです。」
僕はわかんないんですの、こういう純粋なところが羨ましいんです。
僕ならきっと相手にどう思われるかを気にして、結局一人でいるからなんです。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:43:31.56 ID:VljPOLaz0
二人に促されて外に出ました。
もうすっかり夜の帳が下りているのは先刻承知です。
ワカンナインデスとちんぽっぽちゃんは足早に出て
風が服の間に入らないように首をすくめ僕を手招きしています。
僕はそこまで行き
草むらに座り、足を投げ出して、両手を後につけて体を支えます。
そして目を瞑りながら顔を空に向けて、上げきったら瞼を開くのです。
そこは濃いりんどう色した空に、白く色を発する星がしんとした空気をより固くするようでした。
多分、今なら世界を手に持ってぶんぶん振っても散らからないように。
風がふいて、さっきまでの空気がまるで水の流れるように通り過ぎました。
冷やされて澄んだ夜の香りが、ぼんやりした色をなしているかのようです。
空にある星はきしきしと固く、それでいて暖かな光がまるで蛍火のようです。
きっと空には養蛍所があって、そこから逃げ出した蛍が強く輝くのです。
仲間を見つけるために。
仲間を見つけた蛍は自分達の場所を作り上げ
僕達に、白鳥やさそり、魚や人の形に見せるんです。
若しかしたらお月様は大きな蛍か、それとも沢山の蛍が集まったのかもしれません。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:44:51.41 ID:VljPOLaz0
( ><)「お菓子食べるんです。はいワカッテマス。」
( <●><●>)「ありがとう。
しかし寒いですね、牛乳でも温めてきましょうか?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ。っぽぉぽ。」
( ><)「あ、あるんです。作ってきたんです。」
そういうと肩から下げたズックの鞄から水筒を取り出したんです。
中には当然乳白色の牛乳がたっぷり入っています。
暖かさを想像させるもうもうとした湯気を立てながら、ブリキのカップに注いでくれます。
牛乳がブリキの金色に縁取られて傾けるたびにちらちらと色を変えます。
そして
( <●><●>)「とても甘いのはわかってます。」
( ><)「夜はこれなんです。これが一番なんです。」
口のまわりに真っ白い髭を生やしてワカンナインデスが笑いました。
その顔はまるで今の時間を無意識に全身で享楽しているようでした。
僕は黙って、空を、お月様を見上げました。
とても、とても綺麗です。
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:45:20.32 ID:VljPOLaz0
ふと、何も考えていない自分に気がつきました。
何故だかわかりませんが、とにかく無心になっていました。
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぽっぽ!」
( ><)「ちんぽっぽちゃんはお月様が黄色じゃないことにご立腹なんです。」
(*‘ω‘ *)「ぽぽぽぽぽぽっぽ!!」
( ><)「明後日にはまっ黄色になります。
今日はずっと銀のお月様なんです。」
(*‘ω‘ *)「ぽぽぉ……」
二人がお話をしています。
僕は横にいるだけ。
どれくらいお話していたかよく覚えていません。
けれども寂しくもありません。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:50:16.47 ID:VljPOLaz0
(( ><))「う〜、寒いんです。そろそろ家に入るんです。」
( <●><●>)「そうですね。僕も満足しました。」
(*‘ω‘ *)「ぽぽぉ……ぽ。」
( ><)「ちんぽっぽちゃんだけがっかりなんです。」
そうして、僕の家へと入りました。
家の中も外の空気と同じく、しんとした感じがしました。
外に出たときと全く同じまんまなのはわかっています。
けれども、僕の心と同じくそこにあるものときまっているんです。
( ><)「寒いんです。ワカッテマス、暖炉をつけてもいいですか?」
( <●><●>)「もちろんです。」
ワカンナインデスが、ランプの灯りから種火を起こして薪に火をつけます。
煌々と揺らめく火が徐々に大きくなっていき、そしてそれと同時に部屋の中を柔らかくさせます。
さっきまでの家とは勝手が違うようでした。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:51:43.08 ID:VljPOLaz0
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽ。」
( ><)「あったかいんです。そういえばワカッテマスは今日つけてないんですか?」
( <●><●>)「なにを?」
( ><)「暖炉なんです。」
( <●><●>)「ああ……」
暖炉をつけなかったのは一人だったからです。
そう言おうとして、僕は言葉を詰まらせました。
結局僕はありきたりな言い訳の台詞を詰め込んで言いました。
( <●><●>)「君たちが来る前につけようと思ったんです。」
僕たちは、僕はその晩暖炉の傍で長いこと話しました。
星のこと、明日遊びに行く場所のこと、大きくなったら何をしたいか、色々と。
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:54:20.11 ID:VljPOLaz0
その日は夢を見ました。
お父さんとお母さんと一緒に出かけたことです。
「ほら、まだ半分よ。」
そう言うのはお母さんの声。
「だって疲れたもん。」
わがまま言うは僕の声。
「じゃあそこで休んでなさい。お父さんたちはここで待ってるから。」
地図を指し優しく言うはお父さんの声。
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:57:41.10 ID:VljPOLaz0
僕はひとり残されようと
二つの目はなみだの目。
お父さんとお母さんは
立ち上がり
僕はひとり
地にお尻。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:58:09.32 ID:VljPOLaz0
こんこんと叩くのはワカンナインデス。
その音に目を覚まし顔を向けるは寝起きの僕。
( ><)「うわあぁあああああん。ちんぽっぽちゃんと喧嘩したんです。」
( <●><●>)「またですか。」
( ><)「ちんぽっぽちゃんがいけないんです。
僕があげたみかんを落として潰したんです。
もう知らないんです!!」
( <●><●>)「ちんぽっぽちゃんもわざとじゃないでしょう。
それぐらいのことはワカンナインデスもわかってるはずです。」
( ><)「でも……でも僕が頑張って取ったみかんをなんです!!
それをこわしたんです。僕はそれが許せないんです!!」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 17:59:59.45 ID:VljPOLaz0
( <●><●>)「そのことはちんぽっぽちゃんは知ってますか?」
(;><)「いや、知らないんです。」
( <●><●>)「ちんぽっぽちゃんの立場で考えると、みかんをくれたワカンナインデス。
不注意で落としたちんぽっぽちゃん。
怒るワカンナインデス。何をそこまで怒ってるのかわからないちんぽっぽちゃん。
喧嘩するのは誰にでもわかることです。
わからないのはちんぽっぽちゃんだです。」
(;><)「……でも。」
( <●><●>)「でも?」
(;><)「なんでもないんです。
お邪魔しました。」
出て行くワカンナインデス。
謝りに行くことはわかってます。
毎度毎度つまらないことで喧嘩をします。
そのときは少し、二人が子供に見えるんです。
でも、それは僕が大人だからわかることなんです。
竜巻にさらわれたら上も下もわからないけど
外にいたらよくわかるんです。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 18:01:18.84 ID:VljPOLaz0
昨日はワカンナインデスが謝ったから二人一緒に来るのはわかってます。
こんこん
ほら来た。
(*‘ω‘ *)「っぽっぽ。っぽっぽ。」
( ><)「おはようなんです。でかけるんです。」
( <●><●>)「はいはい、準備をしますよ。」
卵を焼く間にパンにハムとオリーブオイルに漬けておいた玉葱を挟んで
焼けた卵をのせて上にパンを乗せるのです。
すこし上から押してやって形を作り布で巻けばお弁当の出来上がり。
( <●><●>)「さあ行きましょうか。」
( ><)「今日は釣りをするんです。
ワカッテマス、どっちが多く取れるか勝負なんです。」
( <●><●>)「いいでしょう。」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ。」
( ><)「ちんぽっぽちゃんも楽しそうなんです。」
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 18:05:05.36 ID:VljPOLaz0
この日は村の近くの川に行きました。
もう寒いせいか針にかかる魚には手ごたえがないように思えました。
まるで木の実をもぎ取るような感覚でした。
ちんぽっぽちゃんは一人森の中へみかんを探しに行ってしまいました。
( ><)「……」
( <●><●>)「引いてますよワカンナインデス。」
( ><)「うん。」
僕はふうっと息を吐き
( <●><●>)「どうしたんですか?」
と、尋ねました。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 18:05:55.52 ID:VljPOLaz0
ワカンナインデスは前を向いたまま目だけ下に向けて。
( ><)「ワカッテマスは大丈夫なんですか?」
( <●><●>)「……」
( ><)「ときどき考えるんです。
ワカッテマスは一人です。もし僕がそうなったら毎日泣くと思うんです。
寂しくて。」
( ><)「でもワカッテマスはいつもしっかり歩くんです。真っ直ぐに。
まるで大人みたいに。
僕にはなにかそれが無理にそうしているようにも思うんです。」
( <●><●>)「そんなことは……」
( ><)「別にいいんです。
でももっと僕やちんぽっぽちゃんを頼ってもいいと思うんです。」
( <●><●>)「大丈夫です。僕はもう慣れました。」
( ><)「そうですか。
でもやっぱりワカッテマスは僕と同じ年でまだ子供だと思うんです。
だから……」
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 18:08:12.46 ID:VljPOLaz0
( <●><●>)「では一つお願いを。僕が死んだらお墓は両親の隣に立ててください。」
( ><)「わかったんです。」
ジョークととったのでしょう。
ワカンナインデスはゆっくり息を吐き
僕は咳を一つ。
漸く釣竿を上げた先には綺麗に光る針。
ワカンナインデスは自嘲気味に
( ><)「たべられちゃいました。」
結局、釣果は同じ数でした。
マーブル色の空と川にさよならをして村へと帰るんです。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/20(火) 18:09:32.45 ID:VljPOLaz0
( ><)「バイバイなんです。」
(*‘ω‘ *)「っぽっぽ。」
( <●><●>)「さよならなんです。」
いつもの通り僕は家へ。
釣竿をしまい、椅子に腰掛け考えてみるんです。
今日のことを。
ワカンナインデスは意外にも僕のことを知っていました。
まだ子供子供と思っていましたがどうやら違うようです。
しかし、自分の心をすかされるというのは僕にとって
嬉しさ半分、恥ずかしさ半分なんです。
知って欲しいからこそ黙っていて
でもそれは子供の感情だと思っているから言えなくて。
ワカンナインデスが、深くまで言わなかったのは
きっと僕に対する優しさなのでしょう。
今日は暖炉をつけましょう。
なんのなくそうしたい気分なのです。
部屋を暖かくして寝たいのです。
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