|  ^o^ |と| ^o^ |があまりの暑さに“友人の家”へ行くようです

4: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:07:57.72 ID:nIXU6XEm0
8月。
凶悪な陽射しが、地上へと降り注ぐ。
ただいまの気温、41度。


|  ^o^ |「あつい です」


VIPアパート、210号室。

| ^o^ |「わたしもです 我慢なさい」

ただいまの室温、39度。


ラジオから聞こえる、最高気温更新の知らせ。
開け放たれた窓から、熱光線のごとく照射される陽射し。

レーザーから逃れた僅かな日陰に、VIPアパート210号室の住人二人は隠れていた。


|  ^o^ |「ゆうたろう クーラーが ほしいです」

| ^o^ |「ブーム 贅沢は 敵」

|  ^o^ |「せめて 扇風機」

| ^o^ |「あんなもの 自分が回転すればいいのです」



5: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:09:16.12 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「へそを軸に 横回転 まるで 燃しょうゆ系」

| ^o^ |「燃焼系」


二人の体には汗が滝のように流れ。

傍に置かれたペットボトルの十数本の内、半分は空となっている。

中身は水。
それも、公園の水道から汲んできた公共の水である。


|  ^o^ |「お金が無いのは つらいですね」

| ^o^ |「お金なんて 都市伝説です」


二人は大学生。いわゆる苦学生である。

同じ孤児院の出として、ルームシェアには狭すぎるアパートに二人で住み。

僅かな奨学金の足しとして、バイトに毎日励む日々……だった筈が。

|  ^o^ |「まさか また 二人とも クビになるとは」



6: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:09:58.58 ID:nIXU6XEm0
| ^o^ |「なにが いけなかったのでしょうね」

そう。
二人はバイトに精を出すどころか、バイトを見つけた途端クビになりまくるのである。

|  ^o^ |「コーラとしょうゆ 違いなんてないと 思うのですが」

| ^o^ |「それは おかしい」

|  ^o^ |「そういう あなたは」

| ^o^ |「レジなんていう複雑な機械 わたしに 扱えるわけがない」

|  ^o^ |「なんという アナログ人間」

いろいろと問題がある二人。
当然、奨学金のみが彼らの元手となるわけで。

|  ^o^ |「食費を引いて、光熱費、水道代、ガス…」

| ^o^ |「自由に使えるのは この500円のみです」

|  ^o^ |「なんという」

500円で扇風機が、ましてやクーラーが買える筈も無く。
はたして彼らは、暑さと地道に格闘しているのだった。



7: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:10:52.25 ID:nIXU6XEm0
だが誰にも限界はある。

39度である。

座っている床に汗たまりが広がっているのと、陽射しが当たっている部分から陽炎が揺らめいているのを確認した時、ブームは決断した。

|  ^o^ |「コンビニへ いきましょう」

| ^o^ |「そとへ 出るというのですか」

ゆうたろうが驚くのも無理はない。

ラジオは熱中症による死亡者が今日で5人目になったことを伝えていた。

ここよりも気温が高い、ましてや直に太陽の陽射しを受ける外に行く事は、自殺行為であった。

|  ^o^ |「もう 我慢ができません このまま ここにいることは 私には耐えられない」

| ^o^ |「…しようが ありません」

|  ^o^ |「しょうゆが ありません」

| ^o^ |「仕様が ありません 外に出るというのなら もっといい場所があります」

ゆうたろうが立ち上がる。
ブームの、熱い決断を受けての行動であった。



10: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:11:47.55 ID:nIXU6XEm0
(挿入歌:プロジェクトXのテーマ)


案はあった、だが外に出る勇気がなかったゆうたろうを、ブームは後押しした。
暑さに怯えるわけにはいかない。今、二人が立ち上がる。

|  ^o^ |「いい場所 ですか」

| ^o^ |「そう お金を払わなくても 冷たい飲み物が出て たべものがでて クーラーもきいている場所です」

|  ^o^ |「すばらしいです そこは?」

| ^o^ |「そのなも…――

   
    |  ^o^ |と| ^o^ |があまりの暑さに“友人の家”へ行くようです


―…これは 暑さから逃げるために友人の家へ東奔西走し
ドリンクと お菓子と 冷たさを求めつづけた男達の物語である!



11: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:12:47.64 ID:nIXU6XEm0
(砂の中の銀河)

    クーラーも扇風機も無い

(街角のシリウス)

    気温が室温と変わらない

(皆どこへいった)

    直射日光の恐怖

(見送られる以下略)




―…とある家。

白く塗られた壁に、鮮やかな黄の屋根。

家の持ち主である彼女。その顔の両脇で揺れる縦ロールの髪も、輝く黄色。

人形のように白い肌を今は紅潮させ、目の前の青年を見つめていた。



12: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:13:51.72 ID:nIXU6XEm0
ξ゚听)ξ「…はい、紅茶。お茶は無かったわ」

( ^ω^)「おっ、全然いいお!それにしても、ツンの部屋はきれいだお!」

ξ゚听)ξ「きっ、きれいだなんてお世辞嬉しくないわよ!化粧だっていつもと変わらないんだから!」

( ^ω^)「部屋に化粧するのかお?」

ξ゚听)ξ「へ?」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「…いや何でもないわ、言葉のアヤって奴よ、うん」

( ^ω^)「おっおっ、この紅茶いい匂いだおー」


ツンはテーブルを挟んで向こう側に座る少年をじっと見据えた。

幸運なことに大学までずっと一緒な想い人ブーン。

不幸なことに完璧なまでに想いが届かず、今日になってやっと部屋に呼ぶことができた。

まぁそれもブーンの家のエアコンが壊れたという偶然からだが。

ξ゚听)ξ「両親は海外に旅行に行かせたし…今日が最大のチャンスよ…ふふふ」

カップの取っ手を握り締め、告白すらしていないというのに少々早すぎる展開を頭に描くツン。



13: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:14:45.36 ID:nIXU6XEm0
頬に手をあてて悶えている。

( ^ω^)「こうすれば香水みたいになるかお?」

ジャスミンティーを手首に付ける彼の光景はツンの目には入らない。恋は盲目である。


その時。

一際高い高音、それに続く長い高音。

( ^ω^)「おっ、誰かきたお!」

そう、チャイム音である。

ξ゚听)ξ「駄目よブーン、お風呂入ってからじゃないと…え、一緒に…?そんなこまる…」

( ^ω^)「ツン?体捻ってどうしたんだお?」

ξ゚听)ξ「へ?」

( ^ω^)「お?」

ツンがやっと現実に戻った頃、もう一度チャイムが鳴った。

“妄想から現実に戻される+チャイムという邪魔者登場のお知らせ”のコンボを受けた彼女の顔を表現できるAAは残念ながら無い。



14: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:15:22.07 ID:nIXU6XEm0
ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「…」

ぴんぽーんぴんぽぴんぽーん ぴぽぴぽぴんぽーん

ξ゚听)ξ「…で、何の話だったっけ?」

( ^ω^)「お客さんが来てるという話だお。チャイムが段々リズミカルになってきたお」

ξ゚听)ξ「…うちのチャイム壊れててね、たまに勝手に鳴っちゃうの。暫く待てば消えるから大丈夫よ」

( ^ω^)「扉をたたく音も聞こえるようになってきたお」

ξ゚听)ξ「うちのドアも壊れててね、たまに勝手に軋んじゃうのよ」

( ^ω^)「ツンさーん、ツンさーんって声が聞こえるお」

ξ゚听)ξ「うちの家亡霊が住み着いててね、たまに勝手に名前を呼ぶのよ」


( ^ω^)「…」

ξ゚听)ξ「…」


( ^ω^)「…いってらっしゃいだお」


ξ;;)ξ「…ひうっ」



15: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:16:36.22 ID:nIXU6XEm0



何処かは分からないが、白塗りの壁の家の前。
黒く大きなドアの前に、彼らはいた。

|  ^o^ |「ツンさーん」

| ^o^ |「ツンさーん」

ブームはそのドアを叩き、ゆうたろうはチャイムを押し続けている。

|  ^o^ |「本当に いるのでしょうか」

| ^o^ |「間違い ありません そこにあるのは ブーンくんの 原付です」

|  ^o^ |「そういえば」

| ^o^ |「つまり彼らはここにいる ブーンという来客がある ということはつまり」

|  ^o^ |「茶菓子 や 飲み物 も」

| ^o^ |「その通り」

二人の顔に元々浮かんでいる笑みがさらに深くなり、チャイムを押す速度が上昇した時、ドアが勢い良く開いた。



17: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:17:27.79 ID:nIXU6XEm0
ξ#゚听)ξ「どちらさまっ!?」


彼らの目の前には金髪縦ロールの少女。そう、ツンである。

|  ^o^ |「こんにちはツンさん 今日は暑いですね」

ξ゚听)ξ「あらブーム、確かに今日は暑いわね。熱射病には気をつけて。じゃ」

素早く閉められるドアに、訪問販売も真っ青の速度で足が滑り込む。

| ^o^ |「熱射病は怖いですね かくゆう私たちも少し暑さにやられてしまって おや、この家から流れ込む空気は涼しいですね」

ξ゚听)ξ「そんなことは無いわゆうたろう。私寒がりでね、この家だって暖房かけてもっと暑くなるから。じゃ」

ゆうたろうの足を何とか外し、ドアを閉めようとするもブームの体がそれを阻害する。


|  ^o^ |「ああそれは辛いですね ではブーン君にあっためてもらうのですか」

ξ゚听)ξ「なっ」

| ^o^ |「ああ そういうことですか あなたたちはお似合いですからね」

ξ゚听)ξ「なんであんたらが知って、って… お似合い?」

ツンのドアを閉めようとする手が緩む。



19: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:18:42.63 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「ええ お似合いですね すこしボーっとしたブーン君を」

| ^o^ |「しっかりしたツンさんが引っ張っていく まさに理想のカップルです」

ξ゚听)ξ「そ、そうよね…やっぱり理想よね… 周りからはやっぱりカップルかぁ…」

顔を赤くして身悶えるツン。
ブームとゆうたろうは完全に家の中に入っている。

|  ^o^ |「応援していますよ ツンさん」

| ^o^ |「はい あなた達が幸せにならないなんて うそです」

ξ゚听)ξ「あ、ありがとう!がんばるわ私!」


( ^ω^)「ツン、長いお…ってブームとゆうたろうも遊びにきたのかお!」


ξ゚听)ξ「はっ!」

|  ^o^ |「はい」

| ^o^ |「遊びに来ました」

長く話しすぎればブーンが様子を見に来てしまうだろうことと、
ブーンがこいつらを見れば家に上げてしまうだろうことにツンが気付いた時には遅く。



20: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:19:38.64 ID:nIXU6XEm0
ξ゚听)ξ「ちがっ」

( ^ω^)「おっおっ、上がっていくお!涼しくて気持ちいいお!」

|  ^o^ |「では 喜んで」

| ^o^ |「有難う ツンさん」

ブームとゆうたろうの笑みが「計画通り」と語っていた。

ξ;;)ξ「…」





( ^ω^)「おっおっおっ」

|  ^o^ |「ははははは」

| ^o^ |「ふふふふふ」

ξ゚听)ξ「…」

なんだろうここは。
私は今頃ブーンと甘い時間を過ごしていた筈なのに、何か同じ目した奴らが一杯並んで談笑してる。
ああ駄目だ、ブーンとあいつらを一緒にしちゃ駄目だ、ブーンは私が引っ張っていかなきゃいけないんだから。
そう、ブーンは私がってああもう菓子何個目だよお前等そのポッキー高いんだよ私のとっておきなんだよ



21: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:21:29.17 ID:nIXU6XEm0
ツンがベットに座ってボーっと三人を眺めている間、彼らは実に楽しんでいた。
お菓子も一杯、飲み物も一杯。冷房はキンキンに効いていて文句の付け所が無い。

( ^ω^)「おっ、ツンどうしたんだお!何か所ここにあらずだお?」

ξ゚听)ξ「所じゃなくて心ね。気にしないで、自分の愚かさに打ちひしがれてるだけだから」

|  ^o^ |「かわいそうに 何か大きなチャンスを逃したみたいですね」

ξ゚听)ξ「ええ。誰かさんのお陰でね」

| ^o^ |「ひどい奴ですね ゆるせません ところで紅茶おかわりです」

( ^ω^)「ぼくもだお!」

|  ^o^ |「わたしもです」

ξ;;)ξ「ああもう分かったわよ、分かったわよ」

ツンがめそめそしながら部屋を出て。
部屋には三人が残った。

| ^o^ |「ところで 私たち似ていますね」

( ^ω^)「お?」

|  ^o^ |「確かに わたしとゆうたろうは言わずもがなですが ブーン君とも似ています」

( ^ω^)「そういえばそうだお。なんとなく似てるおね」



24: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:22:48.36 ID:nIXU6XEm0
| ^ー^ |「こうやって」

| ^ω^ |「こう ほら これでそっくりです」

|  ^o^ |「なんという」

( ^ω^)「おっおっ、面白いお!ブームもやってみるお!」

|  ^ー^ |「こうやって」

|  ^ω^ |「こうでしょうか」

| ^ω^ |「素晴らしい」

( ^ω^)「ブーンがいっぱいだお!嬉しいお!」


ξ゚听)ξ「紅茶いれてきたわよ、味なんて分かんないだろうけどオレンジペコ…」

| ^ω^ ||  ^ω^ |( ^ω^)「「「お帰りだお」」」


ξ )ξ


|  ^ω^ |「これで 誰が だれだか わからないだろお」

| ^ω^ |「完璧な ものまねですお」

( ^ω^)「おっおっ、ツン驚いたかお?」



25: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:24:02.70 ID:nIXU6XEm0



ξ )ξ




ξ# )ξ



| ^o^;|

|; ^o^ |

( ^ω^)「お?」



10秒後。
ドアの外にはたたき出されたブームとゆうたろうの姿。
ちなみに「言葉の最後に適当に“お”をつけりゃいいってわけじゃないのよ!」という別ベクトルでの助言が最後に与えられた。

| ^o^ |「大失敗 ですね」

|  ^o^ |「いい作戦 だったんですけどね」

| ^o^ |「まぁ 少し時間も潰せたし 涼めたし いいでしょう」



26: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:24:46.52 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「ブーン君 怒られてましたね」

| ^o^ |「彼らには 少しくらい変化を与えてやらないと 全く進展しませんから これくらいがちょうどいいです」

|  ^o^ |「そうですね では」

| ^o^ |「はい 次行きましょう」


――時刻は午前11時。
今だ気温は上昇中。



27: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:25:52.65 ID:nIXU6XEm0
(,,゚Д゚)「あ゙ーっちぃーっ」

(*゚ー゚)「はい…暑いですね」

一軒家、と呼ぶには余りにも粗末な家。

ここはギコの家。幼い頃に両親が借金で蒸発した後、借金取りからここまで逃げてきた。
貧しさを理由に今の境遇で満足するのを良しとしなかった彼は、死に物狂いで働き、大学にも入学し、卒業後に会社を立ち上げるため必死の倹約生活をしている。


想像を絶する努力と苦しみの果ての現在であるが、彼はそれを気にすることもない。
曲がることなく真っ直ぐに成長した彼の心は社長たるには十分であろう。


(,,゚Д゚)「しぃ、扇ぐ速度が遅い」

(*゚ー゚)「暑いなら私の家に」

(,,゚Д゚)「あー、すげーあちぃ」


胡坐をかいてじっとしているギコを隣で団扇で扇いでいるのはしぃ。
周りからはギコの彼女と認識されているが、ギコは決して認めないし彼女も無理に肯定はしない。

彼女はいたって普通の境遇に生まれ、いたって普通に育ってきた。
今日も彼女はギコをエアコンがある自分の家に来るように誘ったのだが、頑なに拒否して扇風機もエアコンも無いここに留まろうとする。

じゃぁ私もここにいます、ということでこんな状況になっているのだった。



29: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:27:03.35 ID:nIXU6XEm0
(,,゚Д゚)「あ゙ーっちぃーっ」

(*゚ー゚)「…ギコ、だから私の家に」

(,,゚Д゚)「場所が分からん」

(*゚ー゚)「私は分かります」

(,,゚Д゚)「遠い」

(*゚ー゚)「近いです」

(,,゚Д゚)「高い」

(*゚ー゚)「何がですか」

(,,゚Д゚)「…えーっと後は」

(*゚ー゚)「理由考えてるでしょ」

(,,゚Д゚)「考えてない」


しぃに段々追い詰められ始めた頃、ギコはドアをノックする音を聞いた。

(*゚ー゚)「何で嫌がってるのか分からないけど、私の家今両親いないから心配しなくてm」

(,,゚Д゚)「あーあーあー!客だ!客が来た!出迎えないとな!」

(*゚ー゚)「あ、ちょっと!」



31: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:28:09.07 ID:nIXU6XEm0
何処かは分からないが、ボロボロな家の前。

|  ^o^ |「ゆうたろう」

| ^o^ |「何でしょう」

|  ^o^ |「ここは ギコ君の家ですよね」

| ^o^ |「いえす ざっつ らいと」

|  ^o^ |「ここにエアコンは」

| ^o^ |「まずないでしょう 更に言えば お菓子も 飲み物もないでしょう」

|  ^o^ |「なんという」

| ^o^ |「だが落ち着きなさいブーム さっき見てきた家は誰もいなかった その家は?」

|  ^o^ |「しぃさんの 家です」

| ^o^ |「そのとおり 私の予想が正しければ」


(,,゚Д゚)「おうおう、ブームとゆうたろうじゃねぇか!こんな暑い日に良く来たな!」

(*゚ー゚)「あら、お二人さん。いつも一緒で仲がいいのね」



33: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:29:33.27 ID:nIXU6XEm0
| ^o^ |「やはり」

|  ^o^ |「ゆうたろう あなたは頭がいい」

(,,゚Д゚)「? まぁあがれ 本当に何も無いがな」


先程の家とは打って変わって、彼らはすんなりと受け入れられたのだった。



(,,゚Д゚)「…」

(*゚ー゚)「…」

|  ^o^ |「いやー 暑いですね」

| ^o^ |「いやいや 本当に暑い」

(,,゚Д゚)「…」

(*゚ー゚)「…」

|  ^o^ |「いやー 暑いですね」

| ^o^ |「いやいや 本当にあt」



34: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:30:17.88 ID:nIXU6XEm0
(,,#゚Д゚)「だーっ、言い過ぎだ!」

(*゚ー゚)「30回目」


彼等がギコの家に上がりこんで以降、その言葉しか使わなくなった。


|  ^o^ |「仏の顔も30回目まで ですね それにしても暑い」

| ^o^ |「それを言うなら三回目 あれ、暑回目?」

(,,゚Д゚)「無理やり混ぜんな つか何でお前ら俺んち来たんだ」

|  ^o^ |「友人の家に行くのは 当然のことです 暑い」

| ^o^ |「そう 友好を深めるのは 暑い事です」


そう、まるで何かを待つかのように。


(*゚ー゚)「じゃあ」


そしてその言葉は投下された。


(*゚ー゚)「私の家にいきましょうか?」



35: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:30:52.48 ID:nIXU6XEm0
(,,゚Д゚)「なっ」

|  ^o^ |「有難う それはとても嬉しいです」

| ^o^ |「では行きましょう すぐ行きましょう 今行きましょう」

二人の笑みが深くなる。そう、この展開を待っていた。

(,,゚Д゚)「待て、待て待て待て」

(*゚ー゚)「何ですか?ギコ」

(,,゚Д゚)「あ、あれだ。そういうのはいけない」

|  ^o^ |「ほう 何故いけないのでしょう」

(,,゚Д゚)「何故ってお前」

| ^o^ |「是非聞きたいですね」

(*゚ー゚)「私も聞きたいです」

(,,゚Д゚)「えっと…」


暫くの沈黙。



38: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:32:02.14 ID:nIXU6XEm0
(,,゚Д゚)「あー、うー…お、女一人でいるところに男が上がりこむのはまずいだろ」

(*゚ー゚)「あれ、家族いますよ?私」

(,,゚Д゚)「いや、今日は両親いないんだろ?」

(*゚ー゚)「そういえばそうでした、あんまり聞いてない感じでしたけどちゃんと聞いてたんですね」

(,,゚Д゚)「ぐ」

(*゚ー゚)「恥ずかしいから遠慮した?」

(,,゚Д゚)「違うよ、全然違うよ」



40: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:32:50.25 ID:nIXU6XEm0
(*゚ー゚)「どっちにしろそろそろお昼ごはんです、私は家に一旦帰るんで、ギコが来なくてもお二人は家に誘」

(,,゚Д゚)「駄目だ!」

(*゚ー゚)「ほぉ」

(,,゚Д゚)「はっ、いや」

(*゚ー゚)「へぇ」

(,,゚Д゚)「あれだろ、その」

(*゚ー゚)「ふぅん」

(,,゚Д゚)「…あ、あれ?ブームとゆうたろうがいないぞ?」

(*゚ー゚)「それは後でいいから、素直に希望を言いなさい」

(,,゚Д゚)「言わねぇ、絶対言わねぇ」



この後ギコが顔を真っ赤にして「他の奴誘うくらいなら俺が行く、行きたいです」と言わされている頃、
ブームとゆうたろうは既にギコの家から離れていた。

正確には、ギコがしぃの家に行くのを止めた時点で家から離れ始めていたのだった。



41: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:33:37.91 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「まぁ あれはあれで」

| ^o^ |「そうですね 面白かったのでおっけーです」

|  ^o^ |「これで少しは あの二人の関係も進むでしょう」

| ^o^ |「まぁ しぃさんが切れ者なので大丈夫ですね」

|  ^o^ |「まったくです」

| ^o^ |「さて おなかが すきましたね」

|  ^o^ |「定番の あれ いきましょうか」

| ^o^ |「気温もますあす上がってきましたしね あれ いきましょう」



――時刻は12時30分。
陽炎がゆらゆらゆら。



42: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:34:20.82 ID:nIXU6XEm0
<ヽ`∀´> 「ククク…今回のは完璧ニダ…!」

某所、暗い場所。

<ヽ`∀´> 「おろかなVIP人など、これで一網打尽ニダ!」

ニダーが嗤う。




VIPデパート、地下一階。

|  ^o^ |「ふぅ この涼しさは 生き返ります」

| ^o^ |「ええ 友人達の家を伝いながら 移動した甲斐がありました」

ここは食品売り場。彼らがピンチの時の無料レストランである。

試食して回ってある程度腹を膨らませ、ごく少量の買い物で済ます。
ブラックリストに乗るほど食うわけでも無い、賢い食事方法である。

ソーセージや焼肉、サラダ等の試食を少しずつつまんで周り、
冷房で少し体が冷えた頃に彼らが向かったのは定番のコーナーであった。

|  ^o^ |「こんにちは」

| ^o^ |「また きましたよ」



44: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:36:52.92 ID:nIXU6XEm0
<ヽ`∀´> 「来たニダか!待ちくだびれたニダ!」

そう、ニダーが受け持つキムチコーナーであった。


ニダーもVIP大学に通う同学年生。

デパートでバイトをして生計を立てる一方、独自にキムチを作って、いつかそれを商品として売り出したいと思っている。
VIP人をキムチ無しでは生きられなくして、将来的にはキムチに感謝してキムチを食うように仕向ける。それが彼の狙いである。

試食に毎回来る彼らに、ニダーは味見役として役立ってもらっているのだった。

ちなみにデパートの好印象店員、ナンバー1である。


棚の下から試食用のキムチとは別の何かを取り出す。漬けた日付がメモされたキムチのタッパーと、炊飯器。

<ヽ`∀´> 「今回のは完璧ニダ!食ってみるニダ! というかお前らよく来れたニダね。外の気温凄いんじゃないかニダ?」

|  ^o^ |「毎回毎回ご飯まで ありがとう 外は凄い気温です」

<ヽ`∀´> 「キムチは米と食うのが一番ニダ! そうニダね、熱中症で今日は7人倒れてるニダ、可哀想ニダ」

| ^o^ |「気温ばっかりはどうしようもないですね うん おいしいです」



45: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:37:53.91 ID:nIXU6XEm0
<ヽ`∀´> 「水はここに置いとくニダ!で、細かい感想は?」

|  ^o^ |「そうですね 辛さと甘みはベストですが」

| ^o^ |「ええ もうすこし酸味がほしい」

<ヽ`∀´> 「ああ、やっぱりニダか!正直誤差の範囲とおもったニダが、やっぱり鋭いニダね」

|  ^o^ |「おいしいものは それだけ差がわかりやすいのです」

<ヽ`∀´> 「嬉しい事いってくれるニダ!もう少し漬け込む時間を長くしてみるニダ、協力感謝ニダ!」

| ^o^ |「いえいえ 私たちこそ感謝です ではまた」

<ヽ`∀´> 「またくるニダ!待ってるニダー!」


手を振って二人を送るニダー。
彼がキムチ会社の社長となって被災者支援の募金をしたり、福祉施設を建設したりして感謝状を貰い、皆から愛されるようになるのはまた後の話である。



47: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:39:07.74 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「いい 偶然でした」

| ^o^ |「はい 彼のシフトが入ってる日でよかった お陰で食費が浮きました」

|  ^o^ |「さて これ以上いて ブラックリストに入るわけにはいきません」

| ^o^ |「そうですね 行きましょう」




――時刻は午後2時。
もっとも気温が上がる時刻である。



50: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:40:03.85 ID:nIXU6XEm0
デパートから近い位置にある高級住宅街。
その一角、きちんと整えられた庭、玄関の前に存在する門。

いわゆる裕福な家。
門の標識には、「流石」と書かれている。

(*´_ゝ`)「ほうほう、それでそれで?」

( ^Д^)「はい、その後は勿論… おーっと、その後は私には恥ずかしすぎて言えない!」

(´<_`;)「…」

(*´_ゝ`)「くーっ、やっぱりラブチュッチュなのか!」

( ^Д^)「それはお客様がこのブレスレットをお買いになってからご自身で体験するべきかと…他にもむふふな感謝報告がいっぱいですよ!」

(´<_`;)「…はぁ」

またか。弟者は溜息をついた。

最近、両親が留守なのを狙って訪問販売が頻繁に押しかけるようになってきた。
確かに家はそれなりに裕福だし、両親がいないことも多いし、兄者は簡単に引っかかるし…

ああそうか、完璧だ。完璧な条件だ。



51: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:40:50.17 ID:nIXU6XEm0
(*´_ゝ`)「どうしようか弟者、今だけ半額で25万にしてくれるってさ、このブレスレット!」

(´<_` )「あー、兄者、ちょっとこっちへ」

(*´_ゝ`)「えー、廊下暑いから嫌なんだけど」

(´<_` )「いいから。…よし、兄者とりあえず冷静になれ。あの体験談がブレスレットのお陰だという証拠は無いぞ?」

(*´_ゝ`)「いや、逆にお陰じゃないという証拠も無い!今度こそきっと本物だ!」

(´<_` )「そういって前も騙されたじゃないか…」

(*´_ゝ`)「むふふ、出会って即ベッドイン…ああなんという!」

駄目だこいつ、早く何とかしないと。
弟者が少し物騒な発想をし始めたとき、チャイムが鳴った。

( ´_ゝ`) 「むむ、客か」

(´<_` )「そのようだ …プギャーさん、申し訳ありませんが」

( ^Д^)「いえいえ私の事はお気にせずに!外に待たせているお方を入れてあげてください!」

チッ、帰るつもりはないか。
自分が応対している間に兄者が買ってしまわないことを祈りつつ、玄関に向かった。



52: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:41:58.78 ID:nIXU6XEm0
何処かは分からないが、大きな門の前。
定番の二人組がいた。

|  ^o^ |「ここは期待できますね」

| ^o^ |「その通り 兄者君は アレ ですが」

|  ^o^ |「はい 弟者君は いい人です」

| ^o^ |「場所が遠くなければ 最高だったのですが」


(´<_` )「はいはい…っと、あんた達か。どうせ涼みに来たんだろう?麦茶出してやるから上がりな」


|  ^o^ |「ああ なんという」

| ^o^ |「流石は 弟者君 わかってらっしゃる」 


(´<_` )「まぁ、お前らが苦労してるのは知ってる。それに比べてうちの馬鹿兄は…はぁ」


ぶつぶつ言う弟者を先頭に、すんなりと冷えた家に上がる。



53: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:43:12.75 ID:nIXU6XEm0
プギャーは焦っていた。
それもそうだ。ここの家族、両親がいない間は騙すのが容易いが、両親がいた時…それは死を意味していた。

あの似た顔の奴が頻繁に邪魔するせいで時間がかかってしまった。

経験的にもう帰ってきてもおかしくない時間である。
急がねば。大丈夫、後一押しでここに判子を押させられる。


そのときだ、彼らが来たのは。


|  ^o^ |「こんにちは」

| ^o^ |「こんにちは」

( ^Д^)「ああ、こんにちは!どうぞ私にはお構いなく!…で兄者さん、今購入していただければ無修正のビデオが…」

|  ^o^ |「あなたも 涼みに来たのですか」

( ^Д^)「え?」

同じ顔した奴らが俺の両脇に座っている。ええい邪魔だ、俺はそこの鴨と話しているんだ

( ´_ゝ`)「おお、お前等か!どうだ、このネックレス25万何だぜ!安くないか?」

よし、いいぞ 完全にノってきている

( ^Д^)「そう!ですが今だけです、今判子を押していただかなければ…」



54: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:44:20.40 ID:nIXU6XEm0
| ^o^ |「兄者君、さっきデパートで快楽天の臨時号が出ていましたよ」

( ´_ゝ`)「何ッ!?」

快楽天の臨時号だと、俺も欲しい じゃない!
邪魔するなお前等、急がないと俺が危ないんだ

(;^Д^)「か、快楽天の臨時号とこちらを同時に買えば、あなたはもっとはっp」

|  ^o^ |「後一冊でしたね 急がないと売切れてしまいますね」

このやろう丸顔

( ´_ゝ`) 「な、何だと!急がないと!プギャーさん、ちょっと待っててください、すぐに戻ってきますから!」

(;^Д^)「あ、行くならこれ買ってから!…」

静止の声もむなしく、そのまま鴨は外へ飛んでいった。
暑いだろうなぁ、すげぇなぁ性欲ってのは。

(´<_` )「…さて、麦茶と茶菓子です。兄が帰ってくるまでどうぞ“ゆっくり”してください」

茶と菓子を持って、「ゆっくり」をやけに強調しながらもう一人が入ってくる。
くそっ、分かってやがる。

(;^Д^)「い、いえ!用事ができてしまったのでここで私はお暇させて頂きます!」

|  ^o^ |「外は 暑いですよ」

| ^o^ |「ええ お言葉に甘えたほうが いいですよ」



55: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:45:25.16 ID:nIXU6XEm0
がっしりと服を掴んでくるミラー丸顔。
と、同時に聞こえてくる車のバック音。

不味い

(;^Д^)「ま、また後日伺います!は、離して、離せ!離してください!」

| ^o^ |「おやおや、この音は車の車庫入れかな」

|  ^o^ |「そうですね 今車のドアが閉まりましたね 家族の方が帰ってきたみたいです」

(;^Д^)「あ、あああああ」

い、嫌だ
いまだ入院中の同業人の言葉がよみがえる。
「アレは現代の鬼だ」

(´<_` )「お帰り、母者」




〜暫くお待ちください〜





―…可哀想な犠牲者が一人でた以外は実に平和に時が過ぎ。
家族のご好意で夕食までご馳走になったブームとゆうたろうは、丁度帰るところだった。



56: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:45:56.65 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「さて、ではお邪魔しました」

(´<_` )「また何時でも来てくれ。今日は助かったよ、有難う。臨時号なんて嘘だろう?」

| ^o^ |「はて、何のことでしょう 本当に売切れてしまったのかもしれません」

(´<_` )「はは、そういうことにしておくよ。じゃ、また大学でな。金に困ったら業者行く前に俺のところに来い」

|  ^o^ |「覚えておきます それでは」


帰路に着く二人を暫く眺めた後、弟者も家へ入っていった。



――時刻は7時。
本日は熱帯夜。



58: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:46:54.89 ID:nIXU6XEm0
路地の一角。
「バーボンハウス」は午後7時からの開店である。

(´・ω・`)「…さて、今から開店だけども…」

主人であるショボンは少し残念がる。
今年の夏は非常に暑く、夜出歩く人間が少ない。

夜の街の雰囲気が好きな彼にとっては物悲しい季節である。

それでも常連は来てくれる。
大学の学友繋がりだったりもするが、出すものは吟味しているので後悔はさせていない自信がショボンにはある。


そして、一人目の客が現れる。
正確には二人同時だが。


(´・ω・`)「いらっしゃい、…おや、珍しい」

予期せぬ友人達の来店に、顔を綻ばせつつサービスのテキーラを用意し始めた。



59: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:47:42.20 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「夜は夜で 暑いですね」

| ^o^ |「まったくです どこかに寄りたいですが 流石に今の時間からは」

|  ^o^ |「まぁ 押しかけようと思えば可能ですね」

| ^o^ |「まったくもって そのとおりです おや」

|  ^o^ |「どうしましたか」

| ^o^ |「そういえば 今の時間はバーボンハウスがやってますね」

|  ^o^ |「しょういえば しょうゆですね」

| ^o^ |「そうですね 忘れた頃に しょうゆ使うな」

|  ^o^ |「あいでんていていです ここから近いですし 行ってみましょうか」

| ^o^ |「はい 行ってみましょう」


そして。

(´・ω・`)「やぁ、ようこそバーボンハウスへ。何だ何だ、今日は珍しい来客ばかりだな」

|  ^o^ |「こんばんはショボン君」

| ^o^ |「おや、何処かで見たお方が」

彼らが入ったとき、既に二人組の来客があった。



60: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:48:46.97 ID:nIXU6XEm0
ξ゚听)ξ「げっ」

( ^ω^)「おっ、また会ったお!やっほーだおー」

ツンとブーン、今日最初に押しかけた人たちである。


(´・ω・`)「今丁度ツンから君等の愚痴を聞いていたところだよ。正直に言おう、グッジョブ」

グッっと親指を立てるショボン。

| ^o^ |「いえいえ、当然の事をしたまでです」

ξ゚听)ξ「きーっ、何処がグッジョブなのよ、何が当然なのよ!お陰で今日も何の進展も…」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「な、なんでも無いわっ!ショボン!きついのちょうだい!」


|  ^o^ |「ああ可哀想 なんと可哀想♪」

| ^o^ |「いいムードなら 呼んでくれ♪」

(´・ω・`)「俺達永遠独身隊♪」


ξ゚听)ξ「三人で踊るなっ!働けマスター!」

(´・ω・`)「しょぼん。…さて、ブームとゆうたろうは何を頼むんだい?」



61: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:50:08.38 ID:nIXU6XEm0
|  ^o^ |「私達はお金がないので 水をお願いします」

| ^o^ |「涼めれば それでいいのです」


(´・ω・`)「そうは問屋が卸さない。んー、君達は酒も余り飲めないしね… そうだ、ここのお手伝いをしてみないか?」

|  ^o^ |「お手伝い ですか?」

| ^o^ |「私達の 武勇伝をしってて ですか」

(´・ω・`)「知ってるからさ。正直娯楽で開いてる店だからね、少しくらい無茶してくれる従業員がいた方が楽しいのさ」

( ^ω^)「おっおっ、コーラかしょうゆか毎回どきどきだお!」

ξ゚听)ξ「面白いけどいやーな店になりそうね…」


(´・ω・`)「給料は応相談。まぁ来たい時に来ておくれ、午後7時から午前3時までならいつでもやっているから」

|  ^o^ |「なんという 本当にありがとう」

| ^o^ |「頑張ります ありがとう」



63: ◆2VHb4ZVhwU :2007/11/22(木) 02:52:40.02 ID:nIXU6XEm0
(,,゚Д゚)「俺はこんな金の無駄遣いのための店になんか入んねぇぞ!…ってお前等!」

(*゚ー゚)「こんばんはショボン。あら、ブームとゆうたろう、ここで働き始めたの?」

<ヽ`∀´> 「ショボーン!お通しにこれ使ってみてくれニダ!ニダ?お前らも来てたニダか!」

( ´_ゝ`)「こんばんわー、っと。今日も暑いな!んで多いな客!」

(´<_` )「こんばんはショボン、学友達。暑いんでキンキンに冷えた物頼む」


夜は更けていく。

たまにコーラの変わりにしょうゆが出て、請求が十分の一になることもあれば百倍になることもあると評判の店になるのはまた後の話。

それなりに平凡に、ハッピーエンドで幕は閉じ。

それではまた明日。皆がいい夢を見れますように…




|  ^o^ |と| ^o^ |があまりの暑さに“友人の家”へ行くようです


おしまい



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