( ^ω^)ブーンがあの世で死んだようです

93: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/16(月) 23:38:48.84 ID:IUUzAZMB0
  
ーーーツンの家ーーー

( ・∀・)「さて、漁りましょうか」
( ^ω^)「何をだお?」
( ・∀・)「少女の部屋は、と」

部屋を渡り歩き、男は何かを捜し求める。

( ゜ω゜)「……」
( ・∀・)「モノを壊してはいけませんよ」
( ゜ω゜)「……お」
( ・∀・)(何か、手がかりがあると思うのですがねえ……)

一つの扉を開く。
少女らしい空間が広がっていた。

( ・∀・)「ここですね」
( ^ω^)「何が目的だお?」
( ・∀・)「ちょっと探偵稼業を始めたくなりまして」



96: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/16(月) 23:48:29.87 ID:IUUzAZMB0
  
( ・∀・)「……っと」

床に落ちていたものを拾い上げる。

( ・∀・)「生徒手帳、ですか」

そう呟き、ぱらりとめくる。

( ・∀・)「……!」
( ^ω^)「どうしたお?」
( ・∀・)「これまた、意外なものがでてきましたよ」
( ゜ω゜)「……」
( ・∀・)「少年、どう思います?」

生徒手帳の中の1ページ。
メモ帳として使用できるページをブーンに見せ付ける。


( ^ω^)「!」



102: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 00:00:25.17 ID:+9td+UG30
  
『6月14日 死亡』
『7月14日 生還』
『7月14日 死亡』
『7月14日 生還』




( ・∀・)「これ、なんだかわかります?」
( ^ω^)「……」
( ・∀・)「あなたの記録ですよ この世とあの世を往復した記録です」
( ^ω^)「!」
( ・∀・)「次のページは、あの女性の記録。その次のページはそこにいるもう一人の少年の記録」

( ・∀・)「そして、ご丁寧に私の記録まであります」

( ^ω^)「どういうことだお?」
( ・∀・)「さあ。なんとも言い難いです」

( ・∀・)「もう一つ、気になることが」



104: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 00:05:59.84 ID:+9td+UG30
  
( ・∀・)「女性の記録。最後の行を見てください」
( ^ω^)「お……」

『7月18日 崩壊 あの世の管轄者への転生完了』

( ・∀・)「……さてはて、驚きましたねえ」

珍しく、男が汗をかいていた。

( ・∀・)「この文章を見る限り、私は」

( ・∀・)「生前、あなた方と同類だったみたいですよ」
( ^ω^)「……」

( ・∀・)「これで私の正体はわかりましたが……ショックですよ」



107: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 00:09:25.29 ID:+9td+UG30
  
( ゜ω゜)「これは、ツンの手帳かお?」
( ・∀・)「まぁ、この部屋にありましたから」
( ^ω^)「なんでツンは、こんなことを知ってるんだお……?」
( ・∀・)「……わかりかねます。あなた方のなぞが解けるやもと思い、ここに来たわけですが」

( ・∀・)「謎が増えてしまいました」
( ^ω^)「……」

( ・∀・)「これは一度、少女と接触する必要がありそうですねえ」

・・・

・・





225: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 18:26:21.00 ID:5f1YD0a90
  
ーーーあの世ーーー

( ^ω^)「手帳、持ってきてよかったのかお?」

こちらに戻ってきた男の手にはちゃっかりと、ツンの生徒手帳が握られている。

( ・∀・)「すぐに返しますよ……ほら、新しい情報が追加されました」

『7月18日 死亡』

( ^ω^)「……」
( ・∀・)「つまり、これはあの少女が書いているものではない。自動的に情報が加えられているのです」
( ^ω^)「どういうことだお?」
( ・∀・)「この手帳に、何らかの力が備わっています」
( ゜ω゜)「……」
( ・∀・)「……ふう。どうしましょうかねえ、これから」
( ^ω^)「決まってるお、ツンを……」
( ・∀・)「少年」
( ^ω^)「お?」
( ・∀・)「私が死んだら、ここはどうなると思いますか?」



231: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 18:36:55.47 ID:5f1YD0a90
  
( ^ω^)「ここ?」
( ・∀・)「この世界ですよ。俗に言うあの世、です」
( ^ω^)「……管轄者はあんただけじゃないお」
( ・∀・)「それはそのようですね。あの女性も、私と同様管轄者になったようですし」

( ・∀・)「しかし、今私の管轄下にいるあなた方は? どうなるのでしょう」
( ゜ω゜)「自殺願望でもあるのかお?」
( ・∀・)「……」

( ・∀・)「いえ、なんというかですね。私の全てが理解できた今、ここにいる必要もないか、と思いまして」
( ^ω^)「?」
( ・∀・)「私には自分の未来が見えています」
( ^ω^)「は?」
( ・∀・)「見えている、というよりは道が一つしかない、といった感じでしょうか。あなた方のような魂を見つけ、仕事と称された任務をこなす。それに終始するでしょう」

( ・∀・)「ですがその普遍的な未来を変更できる方法が一つだけあります。それが、死ぬことです」
( ^ω^)「……」
( ・∀・)「死は常に自分の隣にいます。そして、人間はそれをいつでも、自由に選択することが出来ます」
( ゜ω゜)「僕らには関係のないことだお」
( ・∀・)「そうでしょうかね。私が死ねばあなた方は助かるやも知れません」



234: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 18:43:39.22 ID:5f1YD0a90
  
( ^ω^)「助かる?」
( ・∀・)「可能性としては、です。確実ではありませんよ」

( ・∀・)「ただ、管轄を離れた魂の行方を私は知りません。別の管轄下に置かれるのかもしれませんし、向こうの世界に還るのかもしれない」

( ・∀・)「助かる可能性といえば、もう一つ」
( ^ω^)「?」
( ・∀・)「この手帳を……壊します」

男は、紙を破くようなジェスチャーをする。

( ^ω^)「……」
( ・∀・)「ま、私としてはどっちでもいいんですけどね」
( ゜ω゜)「死んでも別にいいのかお?」
( ・∀・)「……」

男は、にこやかに笑った。

( ・∀・)「死ぬことは、いいことですよ」



236: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 18:51:33.78 ID:5f1YD0a90
  
( ・∀・)「少年、どうしたいですか?」
( ゜ω゜)「ツンを殺したいお」
( ^ω^)「……ツンと話がしたいお」
( ・∀・)「おやおや。あなた方の少女への執着心は異常ですねえ。ま、仕方のないことですが」

長々とした自らの口説が無駄になってしまったような気がして、男は若干肩を落とす。

( ・∀・)「それにしても、こちらの少年はやや態度が柔和になったようですが」
( ^ω^)「……」
( ・∀・)「こちらの少年のおかげですかねえ」
( ゜ω゜)「……」

( ・∀・)「では、次は彼女の病室に侵入しましょうか」
( ^ω^)「お」
( ・∀・)「あなたはダメです」
( ゜ω゜)「……」

自分の心情の変化に、男自身、あまり気付いていなかった。

・・・

・・





239: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 18:59:30.54 ID:5f1YD0a90
  
ーーー病院ーーー

( ,,゚Д゚)「……そろそろ帰った方がいいんじゃないか?」

気付けば陽が落ちかけている。
考えても何も思い浮かばないことは最早明確だ。

川 ゚ -゚)「うん、そうだな……それじゃあ、ツン」
ξ゚听)ξ「あ、うん。わざわざありがとう……」
(´・ω・`)「お大事に……」

皆、足取り重く部屋から出て行った。

ξ゚听)ξ「……ねえ」

いつの間にか眠り込んでいる荒巻に呼びかける。

ξ゚听)ξ「……起きてよ」
/ ,' 3「……ふぇ?」
ξ゚听)ξ「ふぇ、とか言わない」
/ ,' 3「あ、もう皆帰っちゃったのか」

荒巻は大あくびを一つ。

ξ゚听)ξ「ちょっと、聞いて欲しいことがあるんだけど」
/ ,' 3「なんだい?」



241: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 19:05:22.56 ID:5f1YD0a90
  
ξ゚听)ξ「信じてくれる?」
/ ,' 3「話にもよるね」
ξ゚听)ξ「……」

ξ゚听)ξ「ブーンに会ったの」
/ ,' 3「……そういえばさっき、そんな話をしてたね」
ξ゚听)ξ「あの時は起きてたんだ……で、信じてくれる?」
/ ,' 3「無理じゃない?」
ξ゚听)ξ「そう、そうだよね」
/ ,' 3「でも、そこまでキナ臭いと逆に信じたくもなる」
ξ゚听)ξ「……じゃあ一応、信じて聞いて」
/ ,' 3「うん」

ξ゚听)ξ「ブーンがね、私を恨んでる。それも、勘違いで」
/ ,' 3「……」
ξ゚听)ξ「でも、勘違いさせた私も悪いと思うし、そのせいでブーンが辛い目にあっちゃってるみたい」

ξ゚听)ξ「たぶんまた、ブーンは私に会いに来ると思う……ねえ、謝ったら許してくれるかな?」
/ ,' 3「……」

/ ,' 3「殴り飛ばせばいいと思うよ」



244: ◆xh7i0CWaMo :2006/10/17(火) 19:13:26.04 ID:5f1YD0a90
  
ξ゚听)ξ「へ?」
/ ,' 3「謝る必要なんかないじゃない。君は何も悪いことしてないんだし」
ξ゚听)ξ「でも……」
/ ,' 3「むしろそんな勘違いぐらいで、人も話も聞かずに恨んでくるような奴なんて殴るべき、縁を切るべきだ」
ξ゚听)ξ「……」
/ ,' 3「と、僕は思うよ」

ξ゚听)ξ「でもね、私はブーンの彼女だった」
/ ,' 3「……」
ξ゚听)ξ「殴るなんてできないよ。縁を切るなんてもっとできない」
/ ,' 3「……うむむ、稀に見る純粋少女だね、君は」
ξ゚听)ξ「……」
/ ,' 3「だったら、話ぐらいは聞いてもらったほうがいい。謝れば全て解決、とがいかないよ」
ξ゚听)ξ「……わかった」
/ ,' 3「ツン」
ξ゚听)ξ「?」
/ ,' 3「頑張れ」
ξ゚听)ξ「……うん」

・・・

・・





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