( ^ω^)ブーンは( ФωФ)ロマネスクの葬式に行くようです

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:45:22.43 ID:7NS6KD+w0
第三話

ツン聞いてくれお!今日のロマネスクとの勝負はいつになく凄かったんだお!
ツン聞いてくれお!今日はあと一歩のところまで行ったんだお。今度こそ絶対ロマネスクと決着をつけるお!
ツン聞いてくれお!新しい必殺技を編み出したお。これでロマネスクを絶対倒すお!


ツン聞いてくれお。
あのロマネスクが、死んだんだお。



 (-_-) 「あの、席、どうぞ」

(;^ω^)「お?いや、ブーンは…」

 (-_-) 「僕、次の駅で降りますんで…」

(;^ω^)「お。すまないおー」

 (-_-) 「いえ…では僕はこれで」

(;^ω^)(席を譲られるのなんて初めてだお…。年よりは若いつもりだったけどブーンも、いいじいさんなのかもわからんね…)



 ( ^ω^)「結婚式の招待状…やっぱりロマネスクにも送れば良かったお」

 ξ゚听)ξ「馬鹿ねぇブーン。おめでたい席に呼ぶような相手じゃないでしょうが」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:46:20.82 ID:7NS6KD+w0
 ( ^ω^)「でも式場の料理、美味しかったお。ロマネスク独身貴族でろくなもの食ってないから食べさせたかったお」

 ξ゚听)ξ「まぁ、確かにいつも小汚い格好してるものね。お嫁さん貰わないのかしら」

 (;^ω^)「…好きな人は…いたみたいだけど…」

 ξ゚听)ξ「え?人なの?猫とか怪人じゃなくて?」

 (;^ω^)(これはロマネスク、気の毒かもわからんね…)



車掌「つぅぎはにゅーそくちょーにゅぅそくちょぉでございますー」

( ^ω^)「降りるお」

( ^ω^)「よっこらせっと…。昔は電車なんて使わなくったって、どこへだって走って行けたのに…。年はとりたくないもんだお」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:47:39.80 ID:7NS6KD+w0


(´・ω・`)「あれ?あっちのホームにいるのっておじーちゃんじゃね?」

('A`)「あ、ほんとだ。あっちのホームってびっぷ線だよな。なんでじっさまが…」

(´・ω・`)「おーいおじーちゃーん!」

( ^ω^)「お? おー二人とも無事だったのかおー!」

(´・ω・`)「おかげさまでねー!改札口で待ってるよー!」

( ^ω^)「おk把握したおー!」

(;^ω^)(なんで孫たちは現役なのに電車移動なんだお…)


( ^ω^)「お待たせだお。二人とも今日は怪我はなかったお?」

(´・ω・`)「うん。そんなへまはしないよ。僕らの基本戦法はトラップ重視の奇襲型だから」

(;^ω^)「そうなのかお」

(;^ω^)(時代は変わったもんだお)



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:48:20.93 ID:7NS6KD+w0
( ^ω^)「そう言えばドクオ、あの馬鹿でかい武器はどうしたお?ほら、あのビームの出る…」

('A`)「え?ちげーよ?あれはビームを出すんじゃなくてビームの色を変えんの。俺練習したけどピンクは出なかったから」

(;^ω^)「そうなのかお」

('A`)「あれなら馬鹿でかくて持って帰んのめんどくせーから、着払いで会社に送った。届いたら本格的に改造しにちょっと会社行ってくるわ。やっぱ家じゃ限界あるからさ」

(;^ω^)「そ、そうなのかお。てゆーか、武器を送ったりして大丈夫なのかお?危なくないお?盗まれたりしないのかお?」

('A`)「今の運送業はサービスいいから大丈夫だって。それにあれは俺のビームの色を変えるだけの機械だから俺以外が持ってても粗大ごみだし」

(;^ω^)「そうなのかお。おじーちゃん、よくわかんなくてごめんだお」

(;^ω^)(孫たちは可愛いけど、やっぱりどっか噛み合わないお…。これがジェネレーションギャップかもわからんね)



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:48:54.58 ID:7NS6KD+w0
(´・ω・`)「それより聞いてよおじいちゃん。今日はなんだか敵がやたら気合い入っててね。戦闘員も普段組まないフォーメーションなんか組んじゃって」

('A`)「まぁ、はじっこの方に誰とも組んでない奴が何人かいたけどな」

(´・ω・`)「ぼっち乙www まあ、それはいいんだけど、聞くところによると今日は弔い合戦らしくてね。おじーちゃんロマネスクって猫怪人知ってる?」

( ^ω^)「………。ああ、それなら、よく知ってるお」

(´・ω・`)「ほんと? うん。それでね。死因を聞いたら事故死だって言うんだよ。いや、弔い合戦とか言われても僕ら関係なくね?」

( ^ω^)「ああ、それは…」




 ( ФωФ)「今日こそ派手に散れブーン!怪人新巻の弔いパーティーだ!身体朽ち果てるまでやり合おうぞ!」

 (;^ω^)「怪人新巻…。誰だお?」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:49:26.03 ID:7NS6KD+w0
 ( ФωФ)「馬鹿者!うちの会社の副取締役の新巻じいさんに決まっておろうが」

 (;^ω^)「はぁ…。うちの会社の奴らにやられたのかお?でもそんな話聞いたことない気が…」

 ( ФωФ)「102歳の老衰だ!」

 (;^ω^)「大往生じゃないかお!!!」




( ^ω^)「それは秘密結社の伝統だお」

(´・ω・`)「そうなの?なんて迷惑な…」

(;^ω^)「まぁ、あちらさんもどこにぶつければいいのかわからない悲しみがあるんだお…」

('A`)「だからって俺らにぶつけられても…」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:49:52.59 ID:7NS6KD+w0

( ^ω^)(どこに、ぶつければいいのか、わからない悲しみ…)

(´・ω・`)「ん?どうしたの?おじーちゃん」

( ^ω^)「ん…。ロマネスクは慕われてたのかお…。会社の人間に…」

(´・ω・`)「うん。泣いてる奴もいたね。狙撃したけど」

('A`)「ガムシャラに叫んでるやつもいたな。焼いたけど」

(;^ω^)「今は肉弾戦はしないのかお…。おじーちゃん、昔、二人に頑張って教えた格闘の技術はどうしてくれるお…」

(´・ω・`)「ん?ドクオとガチ喧嘩する時に大活躍だよ?それにヒーローが丸腰だと駄目駄目じゃあ、格好悪いしね」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:50:33.86 ID:7NS6KD+w0
(;^ω^)(無駄には…なってないのかお…?)

(´・ω・`)(格闘技やってると、合コンで受けがいいしね)

('A`)(ショボンとのガチ喧嘩を動画でネット配信すると、受けがいい…)




(*゚ー゚)「おかえりなさい。あら、お義父さんも一緒でしたか。お疲れでしょう?何かつまみますか?」

('A`)「食う食う。お袋なんか作ってー」

(´・ω・`)「お風呂は沸いてる?先に汗流したいんだけど」

(*゚ー゚)「じゃあ、急いで野菜炒め作るわね。お義父さんも食べますよね?ショボン、お風呂はすぐ入れるようになってあるわよ」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:51:28.51 ID:7NS6KD+w0

('A`)「野菜炒めかよー。もう肉残ってねーの?」

(´・ω・`)「ありがと母さん。じゃ、ごめんおじーちゃん僕先にお風呂入っちゃうね」

( ^ω^)「おー。さっぱりして来いおー」

(*゚ー゚)「はいはい。あんたは少し野菜を食べなさい。身体使うお仕事なんだから満遍なく栄養をとらなきゃ駄目でしょう?」

('A`)「若いんだから、ビタミンくらい光合成して作るよ。俺出来る子だよ」

(*゚ー゚)「馬鹿言わないの。お義父さん、お刺身のタコも切ります?お酒も飲まれるんでしたらご用意しましょうか?」

('A`)「え。タコあんの?タコ食う。タコ」

(*゚ー゚)「もう、あんたのじゃないって言うのに…」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:52:26.29 ID:7NS6KD+w0
( ^ω^)「まぁまぁ。それじゃあドクオ。一緒に食べるかお?たまにはブーンのお酒も付き合うお?」

('A`)「んー。俺日本酒あんま好きじゃないんだよなぁ。お袋ー。ビールなかったっけー?」

(*゚ー゚)「発泡酒なら冷蔵庫に入ってるわよ。だけど明日も仕事なんだから一本だけにしておきなさいよ」

('A`)「へーい」

(*゚ー゚)「じゃ、すぐご用意しますね」

( ^ω^)「ありがとーだおしぃさん」



 ( ФωФ)「ふはははは!残像だ!これぞ必殺猫騙し!さぁ、次は私の番だぞ。喰らえぇ!」

 ガシッバキッ ザラザラザラザラ…

 ( ^ω^)「ちょっwww 舌がwww 舌が痛いおwwww」

 ( ФωФ)「全身凶器の名に恥じぬ私の前に朽ちるが良い!ふはははははは!」

 ( ^ω^)「させるかお!」

 ( ФωФ)「うぉお!っく!この!幸せ太りしたヒーローなぞにこのロマネスク負けてたまるかぁ!」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:52:52.94 ID:7NS6KD+w0
 ( ^ω^)「うるさいお!ロマネスクもとっとと嫁さん貰えお!」

 ( ФωФ)「………。」

 (;^ω^)「黙るなお!」

 ( ФωФ)「うるさいこっそり傷ついてなぞおらぬわ!別に幸せな家庭なぞ欲しくもないわ!灯りのついた部屋で手料理を作って待っていてくれる妻なぞ興味もないわ!」

 ( ^ω^)「サーセンwww」

 ( ФωФ)「うおおぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!お前だけは絶対に許さないぞブゥウウウウン!」 



(*゚ー゚)「お通夜はどうでしたかお義父さん」

('A`)「タコ…うめぇ…」

('A`)ガジガジ

( ^ω^)「ん…。息子のモナー君と初めて話せたお…。立派な挨拶だったお」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:53:50.62 ID:7NS6KD+w0
(*゚ー゚)「あらあらそれは良かったですねぇ」

('A`)「んー?じっさまモナーって、もしかしてウツシミのモナー怪人?」

( ^ω^)「おっおっ。そうだお。やっぱり有名だお?」

('A`)「そりゃね。現場の総責任者だもん。いっつも戦闘員に紛れてるらしいから未だに本当の顔見たことないけど」

(;^ω^)「現場…?今は戦場のこと現場って言うのかお…?」

('A`)「うん。なんか反戦団体から苦情来たんだって。新聞に書くときに『戦場』だと生々しすぎるって。それに合わせて敵の親玉も責任者って呼ぶの」

(;^ω^)(時代は変わったもんだお…)

(´・ω・`)「あ、タコだー。僕も食べたいー」

(*゚ー゚)「あら、ショボンあがったの?ほら、ドクオもお風呂入っちゃいなさい」

('A`)「タコ食ったらね」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:54:45.48 ID:7NS6KD+w0

(´・ω・`)「ちょ。僕の分も残しておいてよ」

('A`)ガジガジ…

(;´・ω・`)「ああ、もう…」



 ゲキヤスシチリン1980エン

 (*ФωФ)「親父。これ持って帰るから包んでくれ」


 (*ФωФ)「秋刀魚さん〜秋刀魚さん〜ふふーん♪」

 (*ФωФ)パタパタパタパタ

 ( ФωФ)「なんか…煙…多いな…」

 ドンドンドンドン!

 大家「ちょっとロマネスクさん困るよー。周りの住人から苦情来てんだけどー」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:55:25.17 ID:7NS6KD+w0
 (;ФωФ)「お、大家さんすまない。次は外で焼く事にしますんで」

 大家「頼むよー」

 (;ФωФ)「はい…はい…すいません…」

 バタバタバタバタ…

 ( ФωФ)「…ふぅ」

 ( ФωФ)「…そろそろ…焼けたか…?」

 (*ФωФ)ソワソワ

 ドンドンドンドンドン!

 ( ФωФ)「うぉお!!今!今終わりますんで!」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:56:07.25 ID:7NS6KD+w0

 ガチャっ

 (*^ω^)「ついにアジトを突き詰めたおロマネスク!覚悟しろおー!」

 ( ФωФ)「ブーン!?何故お前がここにいるのだ!ってお前酒臭っ!酒臭っ!」

 (*^ω^)「ヒーローに不可能はないんだお!」

 ( ФωФ)「と言うか何しに来たのだ!」
 
 (*^ω^)←ツンと喧嘩して家を追い出されて自棄酒飲んでた

 (*^ω^)「奇襲しに」

 ( ФωФ)「帰れ」
 
 (*^ω^)「お?秋刀魚焦げてるお?」

 (;ФωФ)「うにゃぁー!馬鹿者それを早く言わんか!!」



('A`)ガジガジ…

('A`)「んで、じーさま。ロマネスクってモナーの親父なの?」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:56:47.35 ID:7NS6KD+w0
( ^ω^)「そうだお。そしてブーンの現役の時の宿敵だお」

('A`)「へぇ〜。それでおじーちゃんお通夜に行って来たんだ。どーだった?モナーってどんな顔だった?」

(´・ω・`)「僕の…タコ…これだけ…?」

( ^ω^)「モナー君かお…?どんな顔って言われても…」

( ^ω^)「ロマネスクとは似てなかったお」

( ^ω^)(血の繋がらない、親子…)

(;'A`)「知らねーよ」

(´・ω・`)「ねえ、明日のお葬式、仕事がなかったら僕も行こうかな。モナーの顔も見てみたいし」

(;^ω^)「いいのかお?秘密結社の幹部も大勢来るんだお?」

(´・ω・`)「だってロマネスクって人も幹部だったんでしょ?人望もあったみたいだし場を荒らすような真似はしないでしょ」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:57:13.88 ID:7NS6KD+w0

(;^ω^)「ショボンはギコより度胸あるお…。誰に似たんだか」

('A`)「じゃあ俺も行こうかな」

(;^ω^)「お前たち、遠足じゃないんだお?」



 (;ФωФ)「やめろいくら見つめてもこれは私の秋刀魚だ。一口たりともやらんぞ?」

 ( ^ω^)「じぃー」

 ( ФωФ)ハフハフ アチッ ハフハフ

 ( ^ω^)「じぃー」



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:57:37.55 ID:7NS6KD+w0
 (;ФωФ)「お、お前は家に帰ってツンちゃんの手料理でも食べればいいだろうが!」

 ( ;ω;)「う…ツン…」

 ( ;ω;)「おぉーん!おぉーん!ツーン!」

 (;ФωФ)「つ、ツンちゃんに何かあったのか!?」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 19:57:57.40 ID:7NS6KD+w0
 ( ;ω;)「おぉーん!ち、違うおツーン!太ったのは仕事の手を抜いてるからじゃなくてツンの料理が美味しくてつい食べ過ぎちゃうからだおー!おぉーん!おぉーん!」

 (#ФωФ)「帰れ」

 

なぁロマネスク。
モナー君を引き取ってからもあの狭いアパートに住んでたのかお?
あの部屋、子どもを育てるのにお世辞にも向いてるとは思えないお。

なぁロマネスク。
それでもモナー君は立派な怪人に成長したみたいだお。
ロマネスクの育て方が良かったお?

なぁ、ロマネスク。
それで、モナー君とはちゃんと秋刀魚を分け合って食べたのかお?



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