( ^ω^)ブーンたちの世界が、終息するようです
- 166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/02(水) 17:19:27.67 ID:6Uxt5Hfc0
ありとあらゆる汚い感情を、思い浮かべてみろ。
理解できるか。
それが、僕たちを成す材料の全てだ。
第七話 『 だからこそ愛おしいのだ、と貴方は抱きしめる 』
冬初めのこの時期、明日が来ようが来まいが例外なく寒い。
その上時折吹く北風は、芯から体温を奪い去っていくようだった。
(; ^ω^)「さ、寒いお……」
ξ゚听)ξ「手袋マフラーに加えてコートで完全防備の人間が何を抜かすの」
( ^ω^)「ブ、ブーンは寒がりなんだお」
言ってから気付いた。そうだ。寒いもんは寒い。
所々で煙が立ち昇っていたり、それまであった家が焼け落ちていたり、
そこら辺に誰の物かもわからない血液が付着してようが。
- 167: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:20:38.88 ID:6Uxt5Hfc0
やっぱり、寒いのだ。
消防署のサイレンは聞こえてこない。
どうせ逃げたか職務放棄だろうし、義務を追求する気にもなれない。
――町は混沌としていた。
ただそれだけだった。
外は驚くほど静かで、そしてそれでいて混沌とした無秩序が大きな面をして横たわっている。
乱暴で横暴。杯に満たされているのは静寂と暴力と背徳。
ジャリジャリと、二つ分の摩擦音が響いていた。焦げ臭いにおいが鼻をつく。
そんな雑然とした心でブーンは思った。
これが世界のあるべき姿だとでも言うのだろうか。
こんな乱雑とした世界が本来の姿とでも言うのだろうか?
- 168: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:21:36.81 ID:6Uxt5Hfc0
- 汚辱にまみれた、こんな姿の世界が、真の人間味とでも言うのだろうか。
( ^ω^)「……お? ツン、寒そうだお」
ξ゚听)ξ「……そりゃ寒いわよ。あー、ムカツク。人の隣でぬくぬくと」
しきりに手を擦り合わせるツンを見て、ブーンが声を掛けた
ツンのドスの効いた声を耳に届けてから、一歩横に飛んだ。
(; ^ω^)「い、痛いのは嫌だお!?」
ξ゚听)ξ「馬鹿じゃないの。バーカバーカ」
( ^ω^)「ひ、酷い!」
ξ゚听)ξ「こう言う時は気使いなさいよ。この木偶の坊役立たず。馬鹿」
散々な言われ様だ。
( ^ω^)「うぅ……いつにも増して言葉攻めが激しいお………お?」
こう言う時は気を使え?
- 169: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:22:32.02 ID:6Uxt5Hfc0
- ……。
…………。
ブーンが何秒か思案する。そして行き着いた結論を租借して、何秒か思考が固まった。
相変わらず鼻に付く、焦げた匂い。
( ^ω^)「…………うっ……うはははははははwww」
ξ#゚听)ξ「な、何よ何よ何なのよ!!?」
ツンが噛み付くように言う。ブーンはまだ笑っている。
うはははwwwwwうははwwww心底嬉しそうな顔で笑い続けている。
ツンが思い切り不機嫌そうな顔をして眉を顰めた。
照れ隠しだとわかったブーンにはそれこそ微笑ましい。
ニタニタしながら、コートのポケットを軽く叩いた。
( ^ω^)「いらっしゃい」
- 171: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:25:17.83 ID:6Uxt5Hfc0
- ξ゚听)ξ「…………」
( ^ω^)「ほら。ツン。はーやくしないと閉めちゃうぞ」
なっぱはっぱーくさった豆腐。
懐かしいメロディだ。これでもかと言うほどに不安感を煽ってくれるメロディでもある。
ξ゚听)ξ「あー! もう!!」
ツンが腹を括ったように、でも怒鳴った。
ξ#゚听)ξ「おじゃまするわよ! なんか文句でもあるの!?」
( ^ω^)「ないおないお。全然ないお」
あー!ムカツク!
二ヤ二ヤと笑いつづけるブーンに、ツンがそう言って開いた左手の方でパンチをかます。
鳩尾に綺麗にヒット。ちなみにツン初期装備・メリケン。
( ^ω^)「あべしッッ!?」
思わず悶えた。
- 172: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:27:57.37 ID:6Uxt5Hfc0
( )「……なんて言うか、安心する、を通り越して君たちには呆れるね」
この夫婦漫才。
その光景を見ていたのか、呆れた声が二人の背後から入ってきた。
――終焉へのピースはそろい始めていた。
そしてまた一欠けら、ブーンやツンにとってかけがえのない大切なものが戻ってくる。
( ^ω^)・ξ゚听)ξ「「っ……!?」」
二人は息を呑んでから振り返った。
反転する視界に入ってくるのは、いつもの住宅街。
そして男の後方――繁華街の方角から立ち上る、いくつもの狼煙。
ξ゚听)ξ「ああ!」
ツンの表情が輝いた。
- 174: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:31:16.01 ID:6Uxt5Hfc0
- ( ^ω^)「ショボン!?」
(´・ω・`)「やあ。奇遇だね」
いつものブレザーで、クラスメートで大切な友人のショボンが笑っていた。
右手をひらひらと振りながら、いつものように、いつもじゃない風景の中で笑っている。
どこからともなくけたたましいロードノイズと誰かの悲鳴が聞こえていた。
(´・ω・`)「世界が終わるって言うのに登校かい? エレキセントリックだ」
呆れた、と笑いながらそう言うショボン。
……とか言って、とツンが切り出した。
ξ゚听)ξ「そういうショボンだって……」
(´・ω・`)「ああ、エレキセントリックだね」
僕も学校に登校です、と彼は笑う。所詮は僕ら、同じ穴の狢だったって話だ。
- 175: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:34:54.45 ID:6Uxt5Hfc0
- ( ^ω^)「ショボンは学校に、何にしに行くんだお?」
(´・ω・`)「何、言う程の事じゃないさ」
ニヒルな仕草で髪をかきあげ、ショボンは今だ繋がれたままの
ブーンとツンの手をみた。じぃいと。なんか解からないけど羨ましげに。
ξ゚听)ξ「っ……!」
真っ赤になりながらツンがブーンの手を離す。
……ちょっと残念。そう思うと、切れたナイフのような視線でツンに睨まれた。
人の心を透視するのはやめなさいお。
( ^ω^)「た、旅は道連れ世は情け、ショボン、一緒に学校行くお!」
ξ゚听)ξ「ええ!」
(´・ω・`)「別に僕に気を使わなくてもいいんだよ? 2人で楽しんできなよ」
そう言い、ショボンはじぃと再度手を見た。ただし今度はブーンの手だけだ。
ぞわり、とブーンの背筋に冷たい汗が通る。……な、何。何故尻の穴が痛む――ッ!?
- 176: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:38:08.82 ID:6Uxt5Hfc0
- ( ^ω^)「ブ、ブーンたちも正直どうしていいかわからないお」
(´・ω・`)「他には知り合い見なかったかい?」
( ^ω^)「ああ、それどころか、ここに来るまで人っ子一人とも会わなかったお」
(´・ω・`)「――繁華街の方は酷い有様だったよ」
ショボンの家から学校までは、どう足掻いても町の中心街を通らなければならない。
ともすればショボンの言葉の信憑性は確かなものだ。
しかしその地獄を通って来ても無傷と言うのは……な、何。何故尻の穴が痛む――ッ!? しかも二回目っ!
ξ゚听)ξ「それはそうね現にあの煙……」
と煙が立ち上る方向をツンが見た。
キキィ、とまたタイヤのノイズがどこかで響いた。
- 178: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:40:15.77 ID:6Uxt5Hfc0
- ( ^ω^)「そうかお……やっぱり人が集まる場所は危険だおね」
ξ゚听)ξ「ちょっと考えたんだけど、生き延びる方法って考えたことない?」
しばしの沈黙があり、
ξ゚听)ξ「……ごめんなさい」
(´・ω・`)「いいんだ。何もしないよりかは有益だろう。
……どういう生き方をするかは、別だけどね」
ショボンが苦々しげに呟いた。
『どういう生き方をするか』
その言葉は、意外にも重く二人の腹に落ちてきていた。
ξ゚听)ξ「私は……」
(;^ω^)「ブーンは……」
独言するように、弱々しげな確認の言葉が漏れた。誰かの叫び声。
- 181: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:50:49.71 ID:6Uxt5Hfc0
- 1/14 9:20 商店街
閑散としたアーケードをドクオは一人歩いていた。
100メートル先まで、閉め切れられたシャッターや降ろされた鉄格子がグダグダと続いていた。
前方の中華料理屋だけが気丈に看板を出し、営業していた。
略奪や強奪の危険性も考えたが、ここの辺りに住む人間のモラルはそこまで落ちていなかったらしい。
ただ――貴金属屋や質屋なんかは饒舌しがたい残状だった、とだけ言い含めておく。
世界終了の宣言から一夜明けた町の風貌は、
『正常と異常が混ざり合っている』と言えばそれで全てが片付いた。
なんの変わりない風景がある。自分のいた住宅街とかがそうだった。
全てが様変わりしていた風景がある。貴金属や質屋とかがそうだった。
多分、ふるいに掛けられたのだろう。
奪う価値があるものか、ない物か。
そしてお目通りされたものだけがぐちゃぐちゃにされただけなのだとドクオは思った。
- 182: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 17:58:50.40 ID:6Uxt5Hfc0
('A`)「……クー姉さん」
呟き、ドクオは視線に気づき、愚鈍な動作で前方を見た。
アーケードの出口。屋根と色鮮やかなタイルが切れたその先。
('A`)「……お前は、」
見間違うはずなどない。
ドクオは踵を返すかどうか一瞬迷った。それでも最後の最後までこいつから逃げ出すのは嫌だった。
かすかな、ちっぽけな矜持がドクオの足を前へと進ませた。
人間の行動原理なんて、掘り返せばそんなものなのだろうとドクオは悟る。
アーケードの終点に立っていた人物は、
(*゚ー゚) 「あんた、ドクオ……?」
('A`)「……」
クラスメートのしぃだった。
- 184: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:03:42.54 ID:6Uxt5Hfc0
- (*゚ー゚) 「一人なの?」
('A`)「……」
ドクオはこの女が嫌いだった。
クラスでは相当ひどい仕打ちや屈辱を受けた。快楽まがいに人を苛め抜いた。
さも自分は『強制されている』ような雰囲気を出しながら、
心の底では自分を見下していた事をドクオは知っていた。
鈍感な奴ほど敏感なのは、人間の真理だろう?
(*゚ー゚) 「ああ、私も一人。もう死のうかな、って思ってるんだけどね」
('A`)「……」
『こいつはもう駄目だな』と、瞬時にドクオは判断した。
世界の半分くらいは、きっとそう言う人間で溢れるだろうと薄々ドクオは感づいていた。
自分は何回も世界の終わりを想像してきたのだ。
もし『そうなった場合』世界が終わると同時に、
世界と一緒に心中する――自分自身で体ではなく心を殺す人間が出るだろうと思っていた。
そして現に、そんな人間がドクオの目の前にいる。
- 185: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:06:14.80 ID:6Uxt5Hfc0
無言で去ろうとするドクオに、
(*゚ー゚) 「ドクオ!」
しぃの声が掛けられる。
最後の最後までこの女は俺の事を笑うのだろうか、と振り返れば
(*゚ー゚) 「ドクオ、ごめんね。クラスの立場の為だけに、あんたをいじったりして」
それは予想もしない、謝罪の言葉だった。
いじる? お前らがやって来たことはそんな生易しい単語じゃ済まないだろうが。
心に氷片を浮かべ、ドクオは出来るだけ冷たい視線で相手を見た。
('A`)「……」
(*゚ー゚) 「私ほんとはそんなことするのは嫌だったんだ……だから、ごめんなさい」
- 187: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:10:02.15 ID:6Uxt5Hfc0
('A`)「……」
なるほど。お前は結局「いい人」で死にたい訳だ。――しぃの偽善は響かない。
だってそうだろう? 何かをジャッジする為のふるいなら、ドクオだって持っているのだ。
興味がない、と踵を返したドクオの背中に掛けられる死者からの言葉は。
(*゚ー゚) 「アンタから! アンタから取り上げたあの本」
('A`)「……!」
(*゚ー゚) 「……学校にあるから、三階の、情報処理室の隣の女子トイレに!」
ドクオは振り返る事無く、そのまま立ち去った。
しばらく歩き、どこに行こうか、なんて迷いはドクオから消えていた。
('A`)「……学校、か」
呟き声は低いながらも、確かな意思を持っている。
- 189: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:24:01.87 ID:6Uxt5Hfc0
- 1/14 10:40 公立VIP高校 三階情報処理室前
ξ゚听)ξ「ブーン……これからどうするつもり……?」
( ^ω^)「ううん、本当に思いつかないお。
遊ぶ場所もほとんど閉鎖だし……そもその町がこんな状態だお……?」
(´・ω・`)「なあ、10分くらいでいいから、君たちの時間を僕にくれないか?」
ショボンが情報処理室の扉の前に座り込んだ。
それからポケットからなにやら取り出し、ガチャガチャと鍵穴を弄る。
( ^ω^)「え? あ、そっか。ショボンも元々、何か目的があって来たんだおね」
ξ゚听)ξ「もちろんいいわよ。……ってショボン、さっきから何して、」
ツンが聞くよりも早く、
扉の前に座り込んみ、こんにゃろ、やらふもっふ、やら呟いていたショボンが振り向いた。
ガチャ、とあの音がして、横にスライドさせる形の扉を開ける。
(´・ω・`)「ピッキング☆」
- 190: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:28:09.89 ID:6Uxt5Hfc0
( ^ω^)・ξ゚听)ξ「「…………」」
微妙な沈黙。
そして響いたのは、水道の流れる音だった。
音は確実に隣に併設されている女子トイレから聞こえてきた。
三人が眼を張り、各々の武器へ手を伸ばした。
もしも出てきた人物が、自分たちに敵意を持っていたとすれば……?
ツンがメリケンを装備する。
……ぞわ、と来た悪寒に、ブーンが危うく金属バットを取り落としそうになった。
キィ、と女子トイレの扉が開いた。
('A`)「ふぃぃー。きーえるひこうきぐ、もぉぉぉおおお!!!!??」
メキョ。炸裂するツンの拳。
……とりあえず合掌。
- 191: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:36:07.17 ID:6Uxt5Hfc0
- 1/14 10:45 公立VIP高校 三階 情報処理室内
ξ゚听)ξ「納得の行く弁解を聞かせてもらえるかしら?」
パソコンラックが並ぶ情報処理室内、その中央でドクオがツンによって正座させられていた。
納得の行く弁解、とは即ち女子トイレから出てきた満足な理由と言う事だ。
ドクオはカタカタと震えながら言葉を選んでいた。
('A`)「ち、違うよ。僕はただ女子トイレで排泄したら、もしかすると
なんだか興奮するかも知れないと思ったんだよ……
変態じゃないよ仮に変態だとしても、変態という名の紳士だよ!!」
それを遠巻きにみるギャラリー一名。
ショボンは前方の教師ようのパソコンで何やら作業をしていた。
( ^ω^)「クマ吉自重wwwww」
ξ゚听)ξ「オナニーマスタードクオ乙wwwww」
- 195: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:53:34.10 ID:6Uxt5Hfc0
- (´・ω・`)「今度はトリオ漫才か……飽きないね、君たちは」
ξ゚听)ξ「そう言うショボンは何してんのよ」
(´・ω・`)「わ、そんな怖い目で見ないでくれよ。……ほら」
とショボンが前方のプロジェクターを指した。
スクリーンに光が点り、それから
「「「…………?」」」
三人が小首を傾げると、少し遅れて音声と映像が入ってきた。
――――――誰ともなく三人は息を呑んだ。
スピーカーから流れてくる、沢山の笑い声。
- 198: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 18:59:22.73 ID:6Uxt5Hfc0
- それは、自分たちの三年間の、日常の記録だった。
テンポのいい流行曲とざわざわと忙しない幾つもの声たち。
(´・ω・`)「…………」
各々が緊張した面持ちの入学式。
アンカーが軽やかにゴールテープを切った体育祭。
製作が遅れて先生にどやされながら作った文化祭の壁画。
寝てる人間が目立つ授業風景。理科室。サッカー部の活動風景。
( ^ω^)「…………」
幸せそうな笑い声。
全部、もうなくなった物だ。手が届く事のなくなった過去だ。
白い画面に『作・情報科学部』の文字が写ってムービーが終わるまで、僕らはただ無言だった。
- 200: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 19:08:28.19 ID:6Uxt5Hfc0
( ^ω^)「みんな、あの、さ……」
切り出して、軽率な行動をブーンは悔やんだ。
あのまま黙っていたら重圧に圧死すると思ったから切り出したけど、何か言う事でもあるのかよ。
部屋の中央に集まった三人の視線が、ブーンに集まる。
ξ゚听)ξ「……ね、ちょっといい?」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「突然だけど、皆の最大の思い出ってなに?」
( ^ω^)「う〜ん……」
(´・ω・`)「僕は中学時代のの……」
('A`)「卒業遠足……かな?」
ξ゚听)ξ「そう、中学の最後に行ったわよね。もしよかったら、あの場所に行かない?」
ツンは立ち上がり、両手を広げた。
教室の中央で車座になって四人は暫く考え込んだ。
- 201: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 19:09:59.46 ID:6Uxt5Hfc0
- ( ^ω^)「鎌倉、かお?」
(´・ω・`)「ここからだとちょっと遠いかな……」
ξ゚听)ξ「でもでもっ、確か学校の駐車場に車残ってたわよね……?」
(´・ω・`)「ああ、確かにそうだけど。でも誰が運転するんだい?」
('A`)「そもそもキーがないんじゃ駄目だろ?」
ξ゚听)ξ「―― 一台だけ、職員室の学校専用車があるの」
('A`)「そうか、なら決定だな。運転は……」
ξ゚听)ξ「ブーンよ」
( ^ω^)「おおっ!? ブーンかお?」
('A`)「命預けるぞ」
笑いながら肩を叩いてくるドクオ。
んな大げさな、とブーン。
- 203: 1 ◆ZvFvVWv36Y :2008/01/02(水) 19:15:41.04 ID:6Uxt5Hfc0
- ('A`)「……全会一致、って言うことでいいんかね」
ドクオが立ち上がり、それに吊られてブーンも腰をあげた。
扉へ向かう三人を呼び止めたのは、他ならぬショボンだ。
(´・ω・`)「なあ」
座ったままそう言ったショボンは、三人が振り返るのを確認してから立ち上がり
一息だけ、か細く肺からの空気を吐き出した。
視線を落とし、しかし力強い声で言った。
(´・ω・`)「ごめん、僕は君たちとは行けない。」
と。
第7話【 だからこそ愛おしいのだ、と貴方は抱きしめる 】終 →第8話へ
戻る/第8話