( ^ω^)が嫉妬するようです
- 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと30,864秒 :2008/01/10(木) 21:33:53.88 ID:ZNuSlLAs0
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十月になった。
吹く風は涼しく、徐々に中間服へと衣替えし始めるクラスメイトも散見されだした。
学校の植樹に目を向けると、ついた葉は鮮やかに色付き、
黄色や朱色、落ちる寸前の茶色くなったものや、わずかに残った薄緑の葉がかもしだす趣など、
実に色とりどりの彩めいた様相をていしていた。
そんな秋の情景を、僕は教室の窓から眺めていた。
休み時間は一人で過ごすことが多かったが、今日は隣に長岡がいた。
僕が彼含め、誰かクラスメイトと下校中以外の時に雑談するのは、そうそうあることではない。
長岡に聞かされるまで気づかなかったが、僕はどうも、
座っているだけで周囲を寄せつけないような独特の雰囲気を発しているらしい。
( ゚∀゚)「もうすぐ文化祭だな」
僕たちに残されている大きな校内行事といえば、卒業式を除くともう文化祭ぐらいしかない。
- 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと30,306秒 :2008/01/10(木) 21:36:11.11 ID:ZNuSlLAs0
- とはいっても、僕はそれほど楽しみにしているわけではない。
( ゚∀゚)「準備めんどくせーなぁ」
口ではこう言っているけれど、彼はおそらく、
去年と同様にクラスの中心になって作業にのぞむつもりだろう。
( ゚∀゚)「その時は、お前もしっかり手伝ってくれよ」
僕は悩むことなく承諾した。
彼が何を言い出そうとも、それに首を横に振る気はない。
思うに、否定とは人間が最も手軽に快感を得られる娯楽なのである。
その代わりに、相手の気分をないがしろにしてしまう。
だから僕は、長岡に対して否定的なことは何があっても言わない。
僕との短い談話を終えると、長岡は違うクラスメイトのところに駆け寄った。
外の景色に目を戻すと、風に舞う幾枚の落ち葉が見えた。
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