( ^ω^)悪意のようです

332: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:09:04.07 ID:O1eAIe2e0
12章 



 サクラ咲く。
朗らかな春の日に、私たちは二人揃って大学に受かった。
初日の顔合わせの後は、まだ皆よそよそしくて、近くの人同士が話しているだけな感じ。
私は割と誰とでも話せる人なんだけど、しぃは全然駄目。

(*゚ー゚)「えーと……ふう……」

結局一人で立ったり座ったり、

(*゚ー゚)「あ、あの……あ……う……」

話しかけようとしてタイミング逃したり……本当、あの子ほっとけないわ。



334: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:10:00.08 ID:O1eAIe2e0
ξ゚听)ξ「いい男いた?」
  (*゚ー゚)「別にそんなの探してないもん」

 結局、見かねて私が話しかけちゃうわけ。
この子……大学入ったら変わるって言ってたのは何だったの。

 いい男といえば、少し気になるの居たなあ。
いかにもダメって感じな顔も普通の男。

あれ、なんでそれなら気になってんだろ。
ダメ男好きとか、ちょっと救われなさすぎ。



337: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:11:14.02 ID:O1eAIe2e0
ξ゚听)ξ「でもさー、あの内藤ってやつ、なんかダメ男っぽいしアイツだけはないわ」
  (*゚ー゚)「え、そうかな? 私は優しそうで良いなって思うけど」
ξ゚听)ξ「……へー、しぃって変わり者ね」
  (*゚ー゚)「そうかなあ……」
ξ゚听)ξ「ま、しぃはシャイだから? あーゆー鈍そうなのは難しそうね」
  (*゚ー゚)「そんな事ないもん! 私大学入ったら変わるって決めたんだから!」
ξ゚听)ξ「へー、どうだか」
  (*゚ー゚)「少しも信じてないんだから……」
ξ゚听)ξ「うそうそ、頑張りなさいよ。応援するからさ」
  (*゚ー゚)「ホント? ありがとう!」
ξ゚听)ξ「よし、じゃあ善は急げ! おーい、内藤くーん!」
  (*;゚ー゚)「え? えええええ!? ちょ、ちょっとツン!」

――――――

――――

――



339: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:12:38.42 ID:O1eAIe2e0
( ^ω^)「ツン?」
ξ゚听)ξ「……何?」
( ^ω^)「いや、いきなり立ち止まったから……」
ξ゚听)ξ「あ、ゴメン。行こっか」

 本当は違った。
別にブーンがダメってことを共感してほしかったんじゃない。
しぃがブーンのことをダメって言うのを見たかっただけ。

 ブーンは私だけが見てるって思いたかっただけ。
ゆっくり独り占めしたかっただけ。
それを確認したかっただけなのに、あの日しぃはあんなことを言った。
だから私は、しぃを応援するしかなかった。

(*゚ー゚)『今日は内藤くんの隣の席でね――』
(*゚ー゚)『今日は内藤くんとこんな話してさ――』

 しぃがブーンの話をするたびに、私は笑って聞きながらも、内心イライラしてた。
なんでしぃとブーンが仲良くしてるんだろうって考え出して、でもどうしようもなくて。



344: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:14:13.08 ID:O1eAIe2e0
(;^ω^)「ツン、ここって……」

 ブーンと待ち合わせをして、私が連れてきたのはラブホだった。
相談に乗るって言っといて、こんなところまで連れてくる私も私だけど、
付いてくるコイツもコイツだと思う。

ξ゚听)ξ「見れば分かるでしょ」
(;^ω^)「僕はただ相談に乗ってほしくて……」
ξ゚听)ξ「いいから、入り口の前につっ立ってる方が恥ずかしいっての」
(;^ω^)「……お」

 大丈夫。こんなこともあろうかと予習はしてきたんだから。
それに、思ってたよりも安いじゃない。
部屋を選んで、そこに行けばいいのよ。なによ、簡単じゃない。

ξ゚听)ξ「ほら、着いたわよ。何ボーっと立ち尽くしてるの。座りなさいよ」
(;^ω^)「……」

 なんでそんな隅っこの椅子に座るのよ。
なんか私みじめじゃない。何なのよ。



348: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:16:20.26 ID:O1eAIe2e0
ξ゚听)ξ「こっちのベッドに来なさい」
(;^ω^)「僕は、相談を……」
ξ゚听)ξ「わかったから」

 また、微妙な感覚あけて座りやがった。
でもよく考えると、ベッドに二人座ってるって結構凄いことなんじゃない?
あれ、どうしよ。ちょっと焦る。

ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……なんか喋りなさいよ」
(;^ω^)「え? え、えーと……」

 ダメだ。
さっきから何回も押し倒そうって頭の中で思ってるのに、体が動かない。
でも押し倒しちゃえば、今度こそブーンは私のもの。

家でしつこいくらい体洗ってきたし、下着もちゃんとしたの着けてきたし、大丈夫だよね。
……あれ、でもコイツはお風呂入ってないのよね。



349: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:17:31.77 ID:O1eAIe2e0
ξ;゚听)ξ「ちょっとアンタお風呂入りなさいよ、汚い」
(;^ω^)「いきなり何を言ってるんだお。ちゃんと毎日入ってるお」
ξ;゚听)ξ「いいから! とにかくシャワー浴びてきなさい!」
(;^ω^)「……浴びるだけだお?」

 何よこれ、フツー立場逆じゃない?
私何してんだろ……。
あー……ブーンお風呂場行っちゃった。
なんだろ、もう帰ろうかな……。

(;^ω^)「ツン!」
ξ;゚听)ξ「な、何!」
(;^ω^)「お、お風呂にテレビが付いてる!」
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「で?」
(;^ω^)「ごめんなさい」

 やっぱりコイツにムードを求める方が間違ってる。
もう一気にやっちゃうしかないよね。
上がってきて、横に座ったらすぐに行こう。



351: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:18:52.33 ID:O1eAIe2e0
ξ゚听)ξ「……あー」

 なんか凄いドキドキしてきた。
大丈夫かな……。

あ。
て言うか、私このままだと自分だけシャワー浴びてないことになんない?
え、無理。絶対無理。
でも、もう一回入ってたら多分勇気なくなっちゃう。
あと、化粧水持ってきてないし。
て言うか、すっぴん本気で無理。

ξ;゚听)ξ「うわあ……どうしよう……」

 もうこのまま上がってこなきゃいいのに。
あ、なんか上がったっぽい。
いや、早すぎでしょ。



353: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:19:59.61 ID:O1eAIe2e0
ξ;゚听)ξ「どうしよ……髪型オッケー? パンツちゃんとしたの履いてきたよね。
       まさか上下違うとか……オッケー、大丈夫。
       て言うか私ちょっとこれ、お腹……」
( ^ω^)「浴びてきたお」
ξ;゚听)ξ「は、早かったわね!」
( ^ω^)「ツン、ずっとそこに座ってたのかお?」
ξ;゚听)ξ「いいじゃない、別に」

 う……不覚ながら、風呂上りの姿が、いつもと違ってちょっといいかも。
ブーンのくせに生意気ね。

( ^ω^)「なんかシャワー浴びたら落ち着いたお」
ξ゚听)ξ「そ、そう……」
( ^ω^)「隣、座るお」
ξ゚听)ξ「うん」

 あ、さっきより少し近い。
首筋からボディーソープの匂いがする。
腕も結構太いんだなあ。でも太いのに締まってる。
指の関節とかもゴツゴツしてるし。



357: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:21:08.69 ID:O1eAIe2e0
( ^ω^)「それで、しぃのことなんだけど……」
ξ゚听)ξ「……」

 なんで? なんで、今しぃの話をするの?
どうして、しぃなの?

( ^ω^)「僕自身は、しぃのこと……」

……これ以上、喋らせない。

ξ゚听)ξ「……ッ!」
(;^ω^)「お!」

 肩に両手を乗せて、思いっきりベッドに押し倒した。
でもブーンは座った体勢だったから、上半身が捻られてちょっと痛そう。

(;^ω^)「ツン、痛いお」

 やっぱり。
でも、もう後には引けない。



358: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:22:21.13 ID:O1eAIe2e0
ξ゚听)ξ「ねえ、ブーン」
(;^ω^)「なんだお?」
ξ゚听)ξ「わかってるんでしょ?」
(;^ω^)「……」

 吐息が掛かるほどに顔を近づけたまま、私はブーンの顔を見つめた。
頭の中がぐちゃぐちゃで、次に何したら良いか思い浮かばない。どうしよう。

(;^ω^)「僕は……」
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)「僕は、しぃの……」
ξ゚听)ξ「ブーン」
(;^ω^)「……」

 耐えられない。
私はブーンの目を左手で覆って、キスをした。
もしかしたら私よりも柔らかいかもしれない唇が、一秒、二秒、三秒……。



363: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:23:27.49 ID:O1eAIe2e0
 何秒そうしてたかは分からない。
左手が汗ばんできて、それに気付いてブーンからゆっくり離れた。
離れる時、二人の唇がひっ付いてて、結構長かったんだなあって思った。

( ^ω^)「……」
ξ(゚、゚*ξ「……」

 恥ずかしくて、目を合わせられなかった。
右手はベッドを突いたまま、肘だけをブーンの体に乗せてたけど、
体全体を預けるのは躊躇いがあって、そろそろ右腕が痛かった。

そんなことを考えてたら、ブーンが私の体を掴んで、一緒に起き上がった。
すごい、力あるんだ。

( ^ω^)「……ちょっと」
ξ゚听)ξ「?」

 そう言って、ブーンがポケットから携帯を出して何かをし始めた。
さっきから頭がボーっとしてる私は、ただそれを眺めながら、
唇の感触を思い出していた。



365: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:24:34.04 ID:O1eAIe2e0
( ^ω^)「しぃの返事、送ったお」
ξ゚听)ξ「え? ……なんて?」
( ^ω^)「……ごめんなさいって」
ξ゚听)ξ「……メールでなんて、サイテーよ、アンタ」
( ^ω^)「……うん、最低だお」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「……」

 そして私たちは、またキスをした。
今度はもっと長く、もっと深く。
舌と舌が触れるたびに、今まで味わったことのない感触に、
体が震えて、頭がボーっとして。

 でもそれと同時に、何故か私の心が沈み始めていた。
ブーンがしぃの告白を断って、ブーンは私だけのものになったのに。



369: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:25:41.71 ID:O1eAIe2e0
ξ゚听)ξ「ねえ、ブーン……」
( ^ω^)「ん?」
ξ゚听)ξ「ギュッて……して」
( ^ω^)「……わかったお」

 なんでこんなに不安なんだろう。
抱きしめられてるのに、不安になる。

ξ゚听)ξ「ごめん、もう大丈夫」
( ^ω^)「……そうかお」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「……」

 見詰め合って、またキスをした。
そっと、服の上からブーンの手が触れてきた。

不思議な感じ。気持ちいいとは言えないかも知れないけど、少しドキドキする。
と言うか、さっきから太ももにブーンの……が当たってて、それのせいかも知れない。



374: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:27:15.38 ID:O1eAIe2e0
 会話は一言もないまま、気付けば私は下着姿にされていた。
ブーンもほとんど脱いでたけど、まだ一応一枚だけ穿いてた。
見た目には全然意味無い感じだけど。

二人の距離がさっきよりも少し遠くて、ブーンが立ちヒザのまま私を見下ろしていた。

ξ;゚听)ξ「ちょっと! は、恥ずかしい……から」
(;^ω^)「あ、ごめん」

 そう言ってブーンが目を逸らした。
違う違う。近寄って抱きしめてくれればいいの。

でも、そう言うのはもっと恥ずかしいから、私は起き上がってブーンに抱きついた。
これで、見えない。

 抱きついた私を、ブーンは抱き返して、何度目か分からないキスをしてきた。
キスをしていると、なんだかブーンの気持ちが伝わってくるようだった。
私を大切にしてくれている感じとか、私をまっすぐ想ってくれてる感じとか。

 やっと独り占めできた。
……なのに、何かが変。



377: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:28:52.51 ID:O1eAIe2e0
 ベッドに寝かされて、ついに下着に手が掛かった。
かなり恥ずかしいけど、でもブーンなら……。
ブーンなら……?

 あ、直に胸を触られてる。
あの手が私の胸を触ってるんだ。
あ、ちょっと、もう下も脱ぐの?
恥ずかしいけど、確かにこのままだと、汚れそうだし……。

 う、あ……私いま、すごいとこ触られてる。
どうしよ、これってやっぱり最後までいくんだよね。
最後って……やっぱりアレ……だよね。
最後までいけば、この気持ちも消えるよね。

( ^ω^)「……いくお」
ξ゚听)ξ「……うん」

 一呼吸置いて、何かがあそこに触れてきた。
ぐいぐいと押してきて……え、ウソでしょ? 絶対無理。
それ行き止まりって言うか、幅が違うって言うか。
ちょっと、無理。無理無理無理!



378: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:29:58.66 ID:O1eAIe2e0
ξ;゚听)ξ「いっ……」
(;^ω^)「あ、大丈夫かお?」
ξ;゚听)ξ「う……うん」

 全然大丈夫じゃないけど。
そんな顔されて痛いなんて言えない。

( ^ω^)「……ツン」
ξ;゚听)ξ「……何?」
( ^ω^)「とりあえず、全部入ったけど……キツイかお?」
ξ゚听)ξ「……ちょっと、待って」
( ^ω^)「お」

 今、私たち繋がってるんだ。
全然実感ないけど、ブーンと一番近くにいるんだよね。
私が一番、ブーンの近くに。



381: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:31:04.91 ID:O1eAIe2e0
ξ゚听)ξ「ねえ、ブーン」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ゚听)ξ「私の事――」

――あ。

ξ゚听)ξ「あれ……あ、ああああ……」

気付いた。
こんなタイミングで。

( ^ω^)「ツン?」
ξ;凵G)ξ「あ……あああ」
(;^ω^)「どうしたんだお? 痛いのかお?」

「好き?」って訊こうとして、それで、私……。



386: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:32:54.35 ID:O1eAIe2e0
ξ;凵G)ξ「あれ、私……そんなはず……」
(;^ω^)「ツン?」

だからこんなに空っぽだったんだ。
だからこんなに満たされなかったんだ。
全部、『その気』になってただけだったんだ。

ξ;凵G)ξ「ごめんなさい……ごめんなさい」
(;^ω^)「どうしたんだお……」
ξ;凵G)ξ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! あぁぁぁぁぁ!」

私は、ブーンを好きじゃなかった。
私は、ただ……しぃからブーンを奪いたかっただけだったんだ。

私、最低だ。



389: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:34:21.94 ID:O1eAIe2e0



                   *



(*゚ー゚)「まだ……かな」

 内藤くんと別れてから、もう三時間。
ベッドの上で携帯をずっと見つめてるんだけど、なかなか返事が来てくれない。

(*゚ー゚)「告白……しちゃった」

 思い出すだけで、恥ずかしくて叫びたくなっちゃう。
さっきから何回もベッドの上で転がったり、枕に顔埋めたり。
メールの問い合わせも、さっきから連打しっぱなしだし。



396: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:35:39.19 ID:O1eAIe2e0
(*゚ー゚)「え!」

携帯が震えた。電話? 内藤くん?

(*゚ー゚)「もしもし!」
 ('A`)『あ、俺俺』
(*゚ー゚)「え、ドクオ?」
 ('A`)『ん、そう』
(*゚ー゚)「あ……そっか。えと、何?」
 ('A`)『いや〜あのさぁ、ツンってたしか同じ大学だったよな?』
(*゚ー゚)「うん、いるけど」
 ('A`)『俺の友達がさぁ、紹介してくれって言ってんだけど、あいつ今誰かと付き合ってるの?』
(*゚ー゚)「え? いや、誰とも付き合ってないはずだけど……」
 ('A`)『マジで? おっかしいなぁ……』
(*゚ー゚)「どうしたの?」



404: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:36:53.40 ID:O1eAIe2e0
 ('A`)『いや、一時間くらい前にツンが男とホテル入ってったの見たんだよね、俺』
(*゚ー゚)「……ホントに?」
 ('A`)『ほんとほんと。いやぁちょっと目の当たりにするとビックリだわ』
(*゚ー゚)「そうなんだ……知らなかったなあ」
 ('A`)『いやいや、知らなかったってことはないだろ』
(*゚ー゚)「え、なんで?」
 ('A`)『だって、男の方、この間しぃと一緒に歩いてた奴だったぜ。ブーンとかいう』
(*゚ー゚)「……え? ……ウソ、でしょ?」
 ('A`)『いやマジだって。俺写メったもん。なんなら今から送るわ』
(*゚ー゚)「え、いや、別に」
 ('A`)『じゃーなー』
(*゚ー゚)「ちょっと、ドクオ! ……切れてる」

 内藤くんがツンと?
そんなこと、あるわけない。

大体今日は私とデートして、
いま内藤くんは私にする返事の事を一生懸命考えてて……。



412: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:38:06.77 ID:O1eAIe2e0
(*゚ー゚)「……メール」

 新着メール二件。
ドクオと……内藤くん!

(*゚ー゚)「内藤くん!」

 ドクオのメールは無視して、私は内藤くんのメールを開いた。
中に書かれてた返事は……

(*゚ー゚)「……ごめん……なさい……」

 振られた。
私、振られちゃった。
内藤くん、私のこと好きじゃなかったんだ。

(*゚ー゚)「……そっか」

 すごい悲しい。
悲しいし、辛いけど、でもこれが内藤くんの考えた結果なんだよね。



415: ◆HGGslycgr6 :2008/01/20(日) 01:39:25.09 ID:O1eAIe2e0
(*゚ー゚)「……」

 さっきのドクオが言ってたこと……まさかね。
だって、内藤くん今までずっと考えてたんだもん。
だからこんなに遅くなって……

(*゚ー゚)「……ウソ、だよ。こんなの」

 ドクオから送られてきた写真。
どう見ても、内藤くんとツンが、ホテルに入っていく写真だった。

(*゚ー゚)「ウソ……ウソでしょ?」

二人でホテルに入って、それでその後、私にメールをしてきたってことなの?

 そうなんだ。今までも全部二人は分かってたんだ。
こんな私を見て、ずっと笑ってたんだ。

それで今日も私が告白したことを二人で笑って、それでこんなに遅くなって。
そして今頃二人は――







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