(´・ω・`)('A`)( ^ω^)ブーンたちが孤島で生活しているようです。

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 09:38:18.71 ID:jKokB4ER0
( ^ω^)「・・・・見えるのは海だけだお・・・。」
ブーンが、遥か向こうを見てつぶやく。
('A`)「・・・・・大陸っぽいものすら見えねえな・・・・。」
(´・ω・`)「・・僕たち、生きて帰れるのかなあ・・・。」
ドクオ、ショボンが力なくつぶやく。

ここは孤島。
にぎやかな都会を離れた、海の上の島。そこに、ブーン、ドクオ、ショボンの3人がいた。
そして、3人はここで生活していた。
こんなところで生活しているのには、もちろん理由がある。しかしそれを語るには、
一週間前までさかのぼらなくてはならない。

一週間前、3人は学校へ行く途中だった。だがその途中、妙な暴走族に絡まれた。
ぼーそーぞく「おい兄ちゃん、ちょい金貸してくんねえかー?ちょっとでいいからよー。」
(;^ω^)「ぼ、暴走族だお!」
ぼーそーぞく「声がでけえんだよ!さっさと金払えよ!」
(´・ω・`)「今通学中だから金なんてないよ・・・。」
ぼーそーぞく「ちっ、使えねえなあ。しょうがねえ、こいつら人質にして家族から
金かっぱらおうぜ。」
(;^ω^)「ちょっ、は、離すお!」
ぼーそーぞく「うるせえ!ちょっと黙ってろ!」
そういって、3人に当て身を食らわした。
(;^ω^)「うっ・・・・・。」
親分「よし、車に乗せろ。」
こんな流れで、3人は連れ去られてしまったのだ。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 09:43:39.66 ID:jKokB4ER0
ぼーそーぞく「よし、もうそろそろでアジトだ。」
車の後部座席に乗せられたブーンたち。前から、そんな会話が聞こえてくる。
(;^ω^)「や、やばいお・・・・。このままじゃ家族が脅迫されるお。」
(´・ω・`)「まあ脅迫しても、出せる金はうちにはないけど。」
('A`)「右に同じ。」
(;^ω^)「・・・・・・・。」
すると、前からこんな声が聞こえてきた。
ぼーそーぞく「うおっ!やばい、ハンドルきりそこねたっ!」
ぼーそーぞく「おい!このままじゃガードレールに激と・・・・・うああああ!」

グアシャァッ!

ぼーそーぞく「うあああああああああああ!落ちるっ!」
(;^ω^)「な、何が起きたんだお!?」
('A`)「ハンドルきり損ねて、ガードレール下に落ちたんだな。」
(;^ω^)「冷静に言える状況じゃないお!俺たちも海に落ち・・・・わああああああ!」

ドゴォォォォォォォォォン!

ブーンたちを乗せた車は、ハンドルきりそこねで、海にまっさかさまに落ちてしまった!



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 10:06:15.91 ID:jKokB4ER0
(;^ω^)「・・・・・・う〜ん、ここはどこだお?」
ブーンが目を覚ました。目の前には、果てしなく海が広がっている。
('A`)「・・・・・・・・・う〜・・・・ん?ここは・・・?」
(´・ω・`)「・・・・・どうやら、ここはどこかの海岸のようだね・・・。」
ドクオ、ショボンも目を覚ます。どうやら、どこかの海岸のようだ。
(;^ω^)「どこかの海岸って・・。確か俺たちは、暴走族に連れ去られて
海の下に落ちて・・・。?ほぼ無傷だお・・・。」
('A`)「恐らくあの後爆発して、海の中に出てここに流れたんだろう。」
(´・ω・`)「前の人たちが壁になって、僕たちにあまり被害は来なかったんだね。」
ドクオとショボンが分析する。なるほど、確かにそう考えれば納得がいく。
というかそれ以外考えられない。
(;^ω^)「じゃあここは・・・・。どこか日本の海岸なのかお?」
ブーンがあたりを見渡して言う。だが向こうには、うっそうと茂る森林しか見えない。
('A`)「どうやら、日本じゃないらしいな・・。」
(´・ω・`)「たぶんどこかの島なんだろう・・・。助けが来るのを待つしかないみたいだね・・。」
(;^ω^)「・・・・そんな・・・・。」
こうして、ブーンたちの孤島生活は始まった。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 10:30:27.57 ID:jKokB4ER0

ここは孤島。ブーンたちは、何もすることなくたたずんでいた。
( ^ω^)「・・・・・そうだお。みんな、持ち物をチェックしようお。なにか
生きるために使えるものがあるかもしれないお。」
そういって、ブーンは自分のバックをひっくり返す。通学途中だったので、
バックにはいろいろなものがあった。
('A`)「そういや、俺もいろいろ持ってたな。」
(´・ω・`)「僕も結構いろいろ持ってたっけ。」
そういって、2人もバックをひっくり返す。ガラクタも含め、いろいろなものが入っている。
( ^ω^)「とりあえず使えそうなのは教科書、筆記用具。カッターもあるお。
ついでに言うと、腕時計もまだ動いてるお。」
('A`)「俺は煙草吸う用にライターもあるぜ。筆箱の中に入ってたからほとんど濡れてねえ。
あとカップめんもあるぜ。腹減ったとき用に持ってきといた。」
(´・ω・`)「僕は釣り糸と多量のビニール袋があるよ。」
( ^ω^)「釣り糸とビニール袋って・・・。なんに使うためだお。」
(´・ω・`)「いやね、担任を陥れようと思って・・。・・フッフッフ・・・・。」
(;^ω^)「・・・・・・。まあいいお。とりあえず、火もカッターもあるんだし、
一応最低限のものはあるっぽいお。」
ブーンが言う。確かに、これなら湯を沸かすぐらいならできるだろう。

グウ〜ッ

するとブーンの腹から、腹の虫が鳴く。普通に学校に行ってもまだ2時間目ぐらいだが、
ブーンの体内時計は普通の人より数時間速いようだ。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 10:46:03.90 ID:jKokB4ER0
(´・ω・`)「・・・・すごい音だね・・・。」
(;^ω^)「いやはは・・・・今日朝飯食ってきてなくて・・。」
('A`)「・・カップめん食うか?3人で分けても空腹しのぎにはなるだろ。」
ドクオがカップめんを取り出す。ブーンに生気が戻る。
( ^ω^)「食うお食うお!早速湯を沸かすお!」
(´・ω・`)「どの水を沸かすの?」( ^ω^)「!」
とたんに、ブーンは言葉に詰まる。ライターで火はおこせても、沸かす水がない。
(;^ω^)「・・しょうがない、とりあえず海水でも沸かすお。」
(;'A`)「おいおい、海水なんか使ったら塩っ辛くなるぜ!?」
(;^ω^)「ないよりはましだお。とりあえず汲んでくるお。」
ブーンはカップめんの中身を取り出し、空容器に海水を汲んできた。
( ^ω^)「なにを燃やすお?」
('A`)「俺の教科書でいいよ。」
(;^ω^)「ちょっ、燃やしちゃっていいのかお。」
('A`)「なーに、どうせ学校に行ってもろくに授業受けねーんだし。」
(;^ω^)「まあ、本人がいいならいいけどお・・・。」
ブーンは、ライターで教科書の一角を燃やす。教科書に書かれてる紫式部が
だんだんと火に包まれていく。
やがて、教科書は大きな火の玉となった。
( ^ω^)「じゃあそこら辺の木の枝に容器差して加熱するお。」
水を入れたカップめんの容器の上すれすれのところに枝を刺して、
火の上にかざして加熱する。
(´・ω・`)「・・・大丈夫かな・・・・。」
ショボンが言う。
( ^ω^)「?なにがだお?」
(´・ω・`)「いやなに、あれだけ強い火の上にカップめんの容器なんてかざしたら
容器が溶けちゃうんじゃないかと思ってね。」
(;^ω^)「え!?ま、まさか!?」
ブーンは、容器を注意深く見てみる。すると、底のほうから何か液が流れている。
(;^ω^)「うわっ!と、溶けてるお!」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 10:56:52.23 ID:jKokB4ER0
('A`)「・・・結局半沸きの湯にめんを入れることになってしまったな・・・。」
(;^ω^)「・・ショボンももうちょっと早く言ってくれお・・・。」
(´・ω・`)「いや、ごめんごめん。」
( ^ω^)「まあとりあえずはこれで飯にありつけるお。」
ブーンは、めんをすくって食べてみる。・・・・・予想どうり、物凄くしょっぱい。
(;^ω^)「・・・・しょ、しょっぱいお・・・・。」
('A`)「・・やっぱりな・・・・。」
(´・ω・`)「・・・・・・・・・・。」
(;^ω^)「ま、まあこれで空腹は収まったお!とりあえず一段落だお!」
('A`)「まあな。」
・・・前途多難なブーンたちであった。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 11:15:18.43 ID:jKokB4ER0
孤島で暮らすブーンたち。とりあえずはカップめんにありつけて一段落。
時計を見てもまだ13時前。時間は充分にある。
( ^ω^)「さて、時間はたっぷりあるお。なにするお?」
('A`)「俺はここが本当に島なのかどうか気になるんだが。」
ドクオが言う。ブーン、ショボンも言われて気づく。
(´・ω・`)「たしかに。まだ一部を見ただけだもんね。」
ショボンも言う。
( ^ω^)「よし、じゃあとりあえずあの山まで行ってみるお!」
('A`)「賛成だな。いってみよう。」
3人は、あの高い山に向かって歩き出した。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 11:15:47.26 ID:jKokB4ER0
ブーンたちが登り始めて数十分。なんとか、山の中腹地点まで登れた。
( ^ω^)「・・・・ふう。結構急斜面だお・・・・。」
ブーンが言う。その坂は普通の階段くらいの傾斜だが、足をかけるものも
なにもないので、階段より登りにくいことは必死だ。
(´・ω・`)「・・・・・ん?なんか水の音が聞こえるよ?」
先頭をつとめてたショボンが言う。
( ^ω^)「え?ほんとかお?」
耳を澄ましてみると、森の木の葉がこすれあう音が聞こえる。
風の音、鳥が鳴く音、そして・・・・・・。水が流れる音。
( ^ω^)「ほんとだお!行ってみるお!」
ブーンたちが行ってみると、そこには大きいとはいえないが、生活するうえでは
充分といえる川があった。
( ^ω^)「やった!川だお!」
('A`)「これでとりあえず飲み水は確保できたな。」
3人は、手当たり次第に水をすくって飲む。さっき海水が通った道を、
純粋な水が通っていく感じだ。
(´・ω・`)「よし、一応この水を汲んでおくよ。ビニール袋はいっぱいあるし。」
( ^ω^)「頼むお。」
そして、またブーンたちは歩き出した。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 12:15:45.62 ID:jKokB4ER0
もう登り始めて一時間は経っただろうか。まもなく、山の頂上だ。
(;^ω^)「つ、疲れたお〜。」
ブーンがへたり込む。
('A`)「あの頂上まであとちょいだ!頑張れ!」
(;^ω^)「わ、分かったお。」
こうしてブーンたちは、山の頂上へたどり着いた。
( ^ω^)「着いたお〜!」
ブーンが大きく背伸びをする。入ってくる空気が一段と新鮮に感じる。
(´・ω・`)「とりあえず、ここが本当に島かどうか確認してみようか。」
3人は、また一回り小高い岩に登って辺りを見回してみた。
( ^ω^)「・・・・どうやら、完璧に島なようだお・・・・。」
ブーンが言う。この山から、四方すべての海岸線が見える。
('A`)「あそこが俺たちの着いた海岸だな。」
(´・ω・`)「あの細いのが、さっきの川だね。」・・・・



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 12:16:17.45 ID:jKokB4ER0
とりあえずこの島の情報を少し話そう。
ブーンたちが流れ着いた海岸を基準、北方向にすると、
右方向・・・・・つまり東にぎざぎざした海岸線が見える。
そのまた右方向(最初から見て南)はさっきよりは海岸線は丸いが、
うっそうと森が茂っていて下の状況は把握できない。
そして右(西方向)には、長く長く延びた半島がある。小高い丘もあるので、
岬といったほうが妥当だろう。
そしてそのちょっと右(北西方向)には、あの岩手県のリアス式海岸を思わせる
さっきよりも切れ込みが深い海岸線がある。
そして中央にはこの山がある。
また、山の中腹には、さっきの川が流れている。どうやら上から見ると、
さっきの森のほうへ流れ込んでいるようだ。
とりあえずはこんな概要だ。

→ID:ymUHUSTx0 氏作:地図のAA


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 12:40:25.78 ID:jKokB4ER0
( ^ω^)「・・とりあえずはこの島の概要が分かったお。」
(´・ω・`)「じゃ、分かりやすいように名前でも付ける?」
('A`)「名案だな。じゃ、決めていこうぜ。」
こうして、命名合戦が始まった。
( ^ω^)「この山はどうするお?」
('A`)「忠臣蔵にのっとって、中心山でいいんじゃねーの?」
(;^ω^)「ぜんぜんのっとってないけど、まあいいお。じゃあ、あの森は?」
(´・ω・`)「マリオワールド迷いの森にのっとって、迷路の森。」
( ^ω^)「OKだお。じゃあ、あの海岸は五十五里浜だお。」
(´・ω・`)「あの川は九頭虎川だね。」
('A`)「あの海岸は流星式海岸っと。」・・・・・・
こうして、3人は名前をつけていった。
( ^ω^)「さて、名前も付け終わったし、帰るかお。」
('A`)「でもいつまでもあの海岸にとどまってるわけにもいかねえぜ。」
(´・ω・`)「確かに。じゃあ、とりあえず川の近くで腰を下ろそうか。」
( ^ω^)「名案だお。じゃあいくお。」
ブーンたちは、川に向かい歩き出した。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 13:04:48.96 ID:jKokB4ER0
歩き始めて十数分。ブーンたちは、川の横の広い場所に着いた。
( ^ω^)「とりあえず、しばらくここが家となりそうだお。」
('A`)「近くに川があるから、水分補給には問題ないな。」
(´・ω・`)「ところで、今何時?」
ブーンは言われて時計を見る。5時半、そろそろ夕飯時だ。
( ^ω^)「もうすぐ夕飯だお。なんかえものとっ捕まえてこないといけないお。」
(´・ω・`)「じゃあ、そこらの木から丈夫そうな枝を取ってくれないかい?」
ショボンが言う。そして、さっきの釣り糸を取り出した。
('A`)「なにをする気だ?」
(´・ω・`)「この川でちょっと釣りでもしてみようと思ってね。釣り糸の先に
虫でも括り付ければなんか釣れるでしょ。」
( ^ω^)「ナイスだおショボン。じゃあ、俺とドクオは森のほうを探検がてら
探してみるお。」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 13:25:07.72 ID:jKokB4ER0
森のほうに行ったブーンとドクオ。森の中は暗く、湿っぽかった。
( ^ω^)「なんかじめじめしてるお。」
('A`)「居心地悪いな。早くなんか見つけて出ようぜ。」
( ^ω^)「うっそうと木が茂ってるのに、木の実のようなものは一つもないお。」
('A`)「このままじゃ成果なしで終わっちまうぜ。何とか探さないと。」
( ^ω^)「・・・・お。なんかあそこにいるお?」
ブーンは、 遥か向こうを指差す。ドクオも目を凝らすと、耳の長い
動物のようなものがいる。近づいてみると、それはウサギだった。
( ^ω^)「ウサギだお!とっ捕まえるお!」
('A`)「でもウサギって逃げ足速いぜ?俺たちが追ったんじゃすぐ逃げられちまう・・・・。」
( ^ω^)「そうだったお・・・。そうだ、ショボンの持ってたあの糸が使えるかもお。」

ピクッ

ウサギがこっちに気づいたようだ。
こっちの様子を伺ってるようだ。
( ^ω^)「・・・・今だお!」
ブーンが茂みから飛び出した。それと同時に、ウサギもすごい速さで逃げる。
( ^ω^)「待つおーっ!」
ブーンも追うが、とても追いつかない。ウサギも飛び跳ねて逃げる。そして、
大きな木の下に来た。その瞬間。

グンッ!バサッ!



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 13:26:49.43 ID:jKokB4ER0
・・・気がつけばウサギは、足を糸に縛られて逆さづりの状態になっていた。
ウサギもなにが起こったかわからないらしい。
( ^ω^)「ドクオ!ナイスだお!」
('A`)「へへ、うまくいったな。でも、よくお前こんな作戦考えついたな。」
ドクオが言う。
ブーンはさっきの糸を、ウサギから離れたところにいくつもの小さい輪を作ったのだ。
そして仕掛けたところの反対から飛び出せば、ウサギは罠のほうに
逃げざるをえなくなる。そして、ドクオが頃合を見計らって糸の先を引けばいいのだ。
そうすれば輪はすぼみ、そこにウサギの足があるので引っ張られるという寸法だ。
( ^ω^)「昔、オヤジがこうやっていのししを捕まえてるのをまねただけだけどお。
動物を捕まえるのには問題ないお。」
('A`)「よし、じゃあ先に進むか。」
ブーンたちは、自慢げに獲物を一匹引っさげて先に進む。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 15:01:07.51 ID:jKokB4ER0

その頃ショボンは・・・・。
(´・ω・`)「・・・・・釣れないなあ。」
魚相手に、暇をもてあましていた。
「この川には魚がいないのかな?」
そんなことをつぶやいていると、いきなり木の棒がぴくりと動いた。アタリだ。
(´・ω・`)「おおっ!き、きたーっ!」
立ち上がって糸を巻き取るショボン。引きが強い。
(;´・ω・`)「こ、これは大物か?引きがすごいぞーっ!」
糸をさらに巻き取る。丈夫な木の枝が折れんばかりにしなる。そして・・・・。

バシャーーン!

(;´・ω・`)「おおっ!つ、釣れたっ!」
糸の先には、技術室からくすねた針金をくわえている魚。その魚は、なんと鮎だった。
体長10センチはあるかという大きさだ。
(;´・ω・`)「おおっと!跳ね回るな!押さえつけとかないといけないな。」
記念すべき最初の獲物。ショボンも、まさに感無量だった。
(´・ω・`)「いやー、こんな大物が釣れるとはなあ♪」
10センチでは大きいとは言いがたいのかもしれないが、釣った魚は大きいというから・・・・。



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 15:25:27.05 ID:jKokB4ER0
そしてこちらはブーンとドクオ。
( ^ω^)「さて、ウサギのほかになんかもう一個欲しいところだお。」
すると、道の端っこに黄色のキノコが生えている。
('A`)「お?ここにキノコが生えてるぜ。かっぱらっていこ・・・・。」
( ^ω^)「ちょっと待つおー!毒キノコかどうか見分けるお!」
('A`)「見分けるって・・・・。お前見分け方分かるのか?」
( ^ω^)「俺も伊達に本読んでないお。昔キノコの本で読んだんだけどお、
一般的な(縦に裂ければ食べられる)(色が派手なのはX)などというのは
まったくの嘘らしいお。一番いいのは食べないことだけどお、
初心者でも分かる簡単な方法としては、キノコのつばとつぼがあるかどうか見るお。」
ブーンが解説する。
('A`)「つばとつぼって?」
( ^ω^)「つばってのは、キノコのかさの下らへんにある垂れてる部分だお。
つぼってのは、土の中にあるかたまりっぽいのだお。これがあるのはあまり
食べないほうがいいらしいお。」
('A`)「へえ、じゃあちょっと確認してみるか。」
ドクオはキノコを掘り起こしてみた。かさの下にはなにもなく、
土の中にもかたまりっぽいものはない。
( ^ω^)「たぶんこれは毒がないお。」
('A`)「よし、じゃあ採ってくか。」
ブーンたちは、キノコを摘み取っていった。



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 15:48:51.92 ID:jKokB4ER0
(*´・ω・`)「うほっ!いい魚!」
こちらはショボンサイド。どうやらショボン、大漁のようだ。
(´・ω・`)「こりゃ大漁だ。鮎といわなが・・・・。計5匹と。
・・・・・ん、あそこに見えるはブーンたちか?」
見ると、向こうに黒い二つの影。一人はバックに何か入ってるらしく、
もう一人は何かを抱えている。
( ^ω^)「ただいまだお、ショボン!何か釣れたかお?」
やはりブーンたちだ。両足を縛られたウサギをひっさげている。
(´・ω・`)「ああ、大漁だよ。鮎といわなが計5匹。そっちは?」
('A`)「ああ。見てのとおり、ウサギ一匹とキノコを採ってきた。」
ドクオが、バックいっぱいにつめられたキノコを見せる。
(´・ω・`)「こりゃすごいね。これって何のキノコ?」
( ^ω^)「この黄色いのはたぶんキシメジで、この茶色っぽいのはおそらくクリタケだお。」
(´・ω・`)「なるほど、これなら当分食事には困らなさそうだね。」
('A`)「よし、じゃあ調理といくか。」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 16:08:18.65 ID:jKokB4ER0
(´・ω・`)「この鮎といわなは普通に焼くよ。僕に任せて。」
('A`)「OKだ。で、ブーンよ、このキノコたちはどう調理するんだ?」
( ^ω^)「キシメジのほうは水にさらしてから調理すると苦味が取れて、
肉料理とよく合うお。さっきのウサギ肉と合わせるお。」
('A`)「こっちのクリタケは?」
( ^ω^)「味に特徴がないらしいけど、一応澄まし汁にしてみるお。塩なら
海水からいくらでも取れるお。」
('A`)「よっしゃ。じゃあ俺は海水蒸発させて塩作ってるよ。」
そういって、ドクオは海水を汲みに行った。



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 16:23:14.10 ID:jKokB4ER0
(´・ω・`)「さて、こんなところか?」
ショボンは鮎といわなを枝に通し、火にかざして焼いている。
( ^ω^)「こっちも上々だお。」
ブーンが言う。こっそり持っていた缶コーヒー(残念ながら中身は落ちたときに
ぶちまけられてしまった)に川の水を入れ、その中には
さっきのウサギ肉と、キシメジが入っている。
また、水洗いしてあるクリタケも控えている。
('A`)「おーい!塩とってきたぜーい!」
ドクオも戻ってきた。持っていったビニール袋の中に入った微量の塩。
( ^ω^)「よし、じゃあこれから夕食だお!」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 16:51:25.51 ID:jKokB4ER0
空はもうすっかり暗くなったが、ブーンたちはこれから夕食だ。
真ん中で燃える火が妙に明るく感じる。
( ^ω^)「よし、それじゃいただきますだお。」
('A`)(´・ω・`)「いただきまーす。」
3人とも、自分の思い思いの飯にありつく。ひさしぶりにありつく豪勢な食事。
( ^ω^)「この魚うまいお〜。流石ショボンだお。」
ブーンが魚をほおばりながら言う。鮎、いわな両方ともよく焼けていて、
湯気でむせてしまうほどだ。
(´・ω・`)「いやいや、この澄まし汁もいけるよ。塩がいい味出してる。」
ショボンがすすりながら言う。味があるのかないのかという絶妙な塩加減。
('A`)「このウサギ汁もいけるな。これがまたキシメジとよく合う。」
ドクオも肉をかみ締めながら言う。ウサギ肉というのは初めてだが、
キシメジとうまく合いうまみが増している。
( ^ω^)「みんなの努力の結晶だお。」
そんなことを言いながら十分もたつと、料理はほとんどなくなっていた。
('A`)「いや〜食った食った。こんなに飯にありつけたのは久しぶりだよ。家より豪勢だ。」
(;^ω^)「・・・・ドクオんちっていったい・・・・。」
(´・ω・`)「うん、確かにうまかった。食材も残してあるし、明日の分も
まだあるね。じゃあ、もう遅いから寝ようか。」
( ^ω^)「そうするかお。じゃあみんな、おやすみだお〜。」
('A`)(´・ω・`)「おやすみ〜。」
天然の電灯はもう消されているので、そのまま眠りに着くブーンたち。
どこからともなく吹く風が、ブーンたちを震わせる。こうして、ブーンたちの夜はふけた。



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 18:37:34.60 ID:jKokB4ER0

ザザーン・・・・・
波の音。朝だ。ブーンたちも、もう目覚めてもいい頃だろう。
(´・ω・`)「・・・・・・・ん〜。みんなおはよう・・・・て、まだ寝てるか。」
ショボンは起きたようだ。早速、2人を起こしにかかる。
('A`)「・・・・う〜ん・・・・、あ、おはようさん。」
(´・ω・`)「やあ、ようこそバー・・・・じゃなくておはよう。これで起きてないのは
ブーンだけだね。
2人でブーンを起こしにかかる。
しかし、ブーンの体内時計は食事のときだけは早く、起床のときは遅いらしい。
ゆすってもひっぱたいても起きやしない。
(´・ω・`)「起きないなぁ・・・・。」
('A`)「さっさと起きろっての!よっこらせっ・・・・。」
そういって、ドクオはジャンプし、そのままブーンの上へ・・・・・。

ドスンッ!

(;^ω^)「うぼがきぐぼっ!」
('A`)「おう、起きたか。おはようさん。」
(;^ω^)「げっほごっほげほ・・・。・・・・・ど、ドクオかお・・・。」
('A`)「どうだ?目覚め爽快、翌日快眠。ドクオアタックは?」
(;^ω^)「ぜんぜん爽快じゃないし、腹の痛みで眠れるわけないお!」
('A`)「なんだ、失敗作か・・・。」
(;^ω^)「俺を実験台にするなおっ!」
(´・ω・`)「平和だなぁ・・・・。」
こんな感じで、ブーンたちは目を覚ました。



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 19:10:32.76 ID:jKokB4ER0

( ^ω^)「・・・・で、そんなこんなでもう9時だお。この際だから、
朝飯と昼飯を一緒にしちゃえば一日二食で済むお。」
('A`)「名案だな。じゃあ、とりあえずはこの島探検すっか。」
(´・ω・`)「まだまだ知られざるものがあるかもしれないしね。」
敵を知れば百戦危うべからず、ブーンたち一行は二日目も探検だ。

( ^ω^)「とりあえず2日目ということで、今度は流星式海岸のほうに行くお。」
('A`)「探索と食料調達も兼ねて。」
(´・ω・`)「・・・・と思ったとたんに雨が降り出す。なんてね。」
( ^ω^)「そんな漫画的展開あるわけないお。」
・・・などと談笑していると、上から雨粒が落ちてきた。
(´・ω・`)「あ、言うとおりになっちゃった・・・・。」
(;^ω^)「って、何だおその漫画的な展開!?都合よすぎるお作者!」
などといってる間にも、雨脚は強くなってくる。
(;^ω^)「と、とりあえずこのままじゃびしょぬれだお。どっか洞窟に避難するお。」
ブーンたちは、家の近くの洞窟に避難した。
(;^ω^)「ふ〜、危なかったお。」
('A`)「でも雨のたびにこの洞窟に避難してたんじゃ、行動範囲が狭まるぜ。
少しでも雨をしのげる場所を作らないと・・・。」
(´・ω・`)「そこら辺の木を組んで、雨しのぎの屋根をつくろうよ。」
( ^ω^)「名案だお。」
こうしてブーンたちは探索を中断し、雨宿りの屋根を作ることになった。



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 19:37:19.73 ID:jKokB4ER0
一時間ほどその洞窟で談笑して雨が止むのを待ち、早速屋根作りをはじめた。
木を引っこ抜いてまた植えたら、土砂降りのときに抜ける恐れがある。
家の近くの林の木をそのまま使い、作業を始めた。
( ^ω^)「この4本の木は間に程よい空間があってくつろげそうだお。これにするお。」
しかし、その4本の木の間に一本の木がある。
('A`)「この木、どうするよ?切っても切り株が邪魔だぜ?」
(´・ω・`)「いや、むしろ切り株を椅子にすればいいと思う。」
('A`)「おお!ショボン名案!そうと決まれば早速切るか!」
こうして、ブーンたちは木を切り始めた。
木を切るものとしては、のこぎりの刃の部分が残ったと思われる金属(さっき拾った)
を使い切ることにした。
(;^ω^)「えっほ、えっほ。結構きついお。」
(´・ω・`)「半分くらい切れたよ。あと半分。」
(;^ω^)「えっほ、えっほ、えっほ、えっほ・・・・。」
そして数分。ついに・・・・・

ギギ・・・・バキバキバキ・・・メキッ、ゴドォォォォォォン!

けたたましい音を起こして、木が倒された。切り口はちょっと整備すれば、
立派に椅子として使えそうだ。
( ^ω^)「切れたお!」
('A`)「よし、あとは上だな。」
倒れた木をのけて、今度は木の上の整備を始める。



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 20:02:17.44 ID:jKokB4ER0
真ん中の木を倒したら、今度は葉っぱの整備だ。このまま生い茂るままにしてもいいが、
雨が染み出してくるのを防ぐため、もうちょっと加工する。
( ^ω^)「はい、5つめだお。」
('A`)「あと何個だっけ?」
(´・ω・`)「あと5個。今半分だよ。」
ブーンたちは、4本の木の枝を落として、さっき倒した木を平らに切り、上に
敷き詰めようというのだ。無論落ちないように、糸でしっかり固定する。
( ^ω^)「よし、とりあえず10個組めたお。次は枝落としだお。」
('A`)「カッター使えば簡単だろう。俺が落とそう。」
ドクオが、張り切って枝落としにかかる。しかし・・・・。

パキンッ!
(;'A`)「うわっ!カッターの刃折れちまった!」
いくら細い枝といっても、何本も落としているとカッターの刃ですら劣化する。
ついに、カッターの刃が折れてしまった。
( ^ω^)「一応は大丈夫だお。替えの刃持ってるお。」
('A`)「用意いいなお前。じゃあ、続行と。」
刃を替えて、作業続行。そして・・・



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/21(土) 20:04:47.16 ID:jKokB4ER0
( ^ω^)「やったお!すべて刈れたお!」
(;'A`)「う〜・・・・疲れた・・・・。
(´・ω・`)「ドクオお疲れさん。」
( ^ω^)「よし、それじゃ架けるお!」
ブーンがさっきの10枚組みの板を上に架ける。
すると、しっかりと雨が防げる仮の宿が出来上がった。
( ^ω^)「出来たお〜。これで、雨宿りその他いろいろが出来るお。」
ブーンたちが、その家でくつろぐ。これで、とりあえずは息のつける場所が出来たことになる。
(´・ω・`)「なんかこれやったらちょっと疲れたよ・・・。ちょっと寝るね。」
( ^ω^)「じゃ、俺も寝るお。」
('A`)「俺も。」
最初廃墟だったこの島も、ブーンたちの手によって色とりどりになってきた今日この頃。



162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 09:57:45.79 ID:8/Zfshta0

日光がまぶしい。気づけば、もう昼時を過ぎている。ちょっと寝すぎているようだ。
(´・ω・`)「う〜い、よく寝たよ。」
( ^ω^)「さて、もう昼時だお。飯作るお。」
ブーンたちは、朝飯も兼ねた昼飯の準備を始めた。
昨日残ったキノコやうさぎやらを使って、今日のメニューはキノコの塩焼き、
うさぎを塩漬けにしたもの。昼飯としては充分だろう。
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「いただきま〜す。」
3人が、礼もそこそこに飯にかぶりつく。
( ^ω^)「空腹が満たされるお〜。」
('A`)「食事もさることながら、こういう家っぽいところで食事を囲める
喜びってもんも大きいもんだな。」
(´・ω・`)「これがほんとの青空教室だね。」
3人、一つ屋根の下で食べる食事を堪能する。
上に屋根があるだけで、落ち着きというか安心感のようなものを感じる。
( ^ω^)「そうだお。ここを拠点にして、もっとここを発展させていったら便利だお。」
('A`)「でも、食料も少なくなってきたぜ。そう住居だけに専念してられねえ。」
(´・ω・`)「じゃあ、釣りをする人、住居整備の人、森に行く人で分けようか。」
( ^ω^)「OKだお。じゃあ、俺は森にでも行くお。」
('A`)「じゃあ、俺は釣りにでも。」
(´・ω・`)「僕は住居整備だね。」
( ^ω^)「よし、じゃあ分かれるお。」
ブーンたち3人は、それぞれ別行動をとることになった。



166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 10:24:53.75 ID:8/Zfshta0
まずはブーン。森林をさまよいながら、食べ物を探す。
( ^ω^)「う〜ん、何もないお。なにかの種でもいいから欲しいところだお。」
ブーンは、辺りを見回しながらつぶやく。あいにく、こんな廃墟に種などない。
ブーンは、力なく腰を下ろす。
( ^ω^)「しょうがないから荷物整理でもするお。」
ブーンは、バックをあさり始めた。教科書、鉛筆などのほかはガラクタばかり。
しかし、そんな中である貴重品を見つけた。
( ^ω^)「・・・お?こ、これは!麦の苗だお!」
ブーンは、バックのチャックの中のチャックの中に入っていた麦の苗を見つけた!
総合の時間、(生命の大切さを考えよう)の授業で使う麦の苗がバックに残っていたのだ。
小さな袋の中に入った苗は一個だが、育てれば多くなる。
( ^ω^)「こりゃ大収穫だお!」
ブーンは小躍りしながら、家の方向へ走っていった。



169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 10:53:59.90 ID:8/Zfshta0
こちらはドクオ。釣り糸を垂れ、魚を待ち続けていた。
('A`)「さっぱりこねえなあ〜。ここらへんには魚いないんじゃないか?」
ドクオがぼやく。昨日ショボンが釣っていたところと同じだし、下を見ると
魚らしき影があるのだが。
('A`)「うーん、なんかこう都合よくスパッと釣れる竿はねえのか?」
さらにぼやく。こんな孤島ではおろか、都会でさえそんな竿ないと思う。
('A`)「あーもー、暇だから寝るか。」
ドクオは、竿を放置して寝始めた。

・・・・ピクッ!ビクッ!
ふいに、竿が震える。だが、ドクオは気づかない。
('A`)「ZZZZZZzzzz・・・・ZZZZZzzzz・・・。」
・・・ピシッ!
竿が音を立てる。ようやく、ドクオも気づいたようだ。
('A`)「・・・・・ん?お?竿がしなってやがる!」
ドクオは、竿を持って糸を巻く。ドクオまで持っていかれそうな引き。
('A`)「でかいよでかいよーっ!おらあっ!」
苦心の末、ドクオが釣ったのは!



・・・空き缶だった。コーンか、マッシュルームか、とりあえずは空き缶だった。
川の流れに乗ってあんなすごい引きだったのだろう。
(;'A`)「・・・・・・おい、作者。いくらネタが尽きたからって、こんなベタなネタじゃ
いまどき小学生でも笑わねーぞ・・・・・・・。」
ドクオはがっくりと肩を落とし、再度罠仕掛けにかかる。



175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 11:29:31.38 ID:8/Zfshta0
(;´・ω・`)「・・・・・ふう〜。木を切り倒すのも楽じゃないや。」
変わってこちらはショボン。住居整備をしているところだ。
(;´・ω・`)「これでだいたい7本くらいかな?あと2〜3本と。」
ショボンはなにをやっているのかというと、木をひたすら切り倒していた。
「基礎がなくては発展もない」というように、建築資材となる木を切っていたのだ。
幸い周りは木ばかりなので、資材にも大黒柱にも困ることはなかった。
(;´・ω・`)「ふう、ようやく10本切れた・・・。次は枝落としか。」
ショボンが休むまもなく枝落としをはじめる。最初は慣れないものの、だんだんと手つきが
職人さながらになってきた。
(´・ω・`)「よし、資材ができた!あとは組むだけだ!」
まもなく、ショボンが枝落としも終えた。釣り糸で、平たくした木をつないでいく。
そして、さらに大黒柱にそれをつないでいく。すると、風除け用の壁が出来上がる。
(´・ω・`)「いや〜、われながらいい出来だな。あともう一個くっつけよう。」
ショボンは、もう一個同じものを作り、大黒柱にくくりつける。
壁が瞬く間にもう一個できる。そしてもう一個つけると、立派な家が出来上がった。
仕上げに10枚組み板を、片方の柱のみに固定すると、立派な玄関の戸までできた。
(´・ω・`)「完成〜!いや〜。疲れたよ〜。」
そういって、ショボンは自作の家にねっころがった。
(´・ω・`)「・・・・・・ZZZZZzzz・・・。」
そして、疲れを癒すべく眠りだした。



183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 12:39:04.51 ID:8/Zfshta0

そんなこんなですでに夜。もう空には星が瞬いている。
(;^ω^)「・・やばいお。走ったのはいいけど、どこが家か分からないお。」
暗くて、しかも方角さえ分からない森の中、帰り道がどっちか分からない。
('A`)「ひゃひゃひゃ!大漁大漁!・・・・・・・・・・・空き缶が。」
('A`)「・・・・ムナシイから帰るか・・・。」
('A`)「・・・とか思ってると、帰り道が分からないという罠。」
ドクオもまた、帰り道が分からなくなっていた。
(;^ω^)「やばいな〜、どうするかお・・・・。」('A`)「ど〜すっかな〜。」
ブーンたちが途方にくれていると、ふと向こうに黒い影が見えた。
( ^ω^)「・・・・・?あの影は何だお?」('A`)「・・・お?なんか見えるぞ?」
ブーンたちが見た黒い影とは、煙の影だった。
(´・ω・`)「ぱたぱた・・・・・と。ブーン、ドクオ、気づくかな?」
ショボンは二人の帰るところが分かるように、火を起こしていた。
いわゆる「狼煙(のろし)」というやつだ。本来は筒に火薬を込めてあげるものらしいが、
家がどこか知るには煙だけで充分だった。
( ^ω^)「たぶんあれはショボンの煙だお!」('A`)「あそこに行けば帰れるぜ!」
そして、二人が帰ってきた。



190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 12:59:49.52 ID:8/Zfshta0
(´・ω・`)「やあ、ようこ・・・お帰り。煙に気づいてくれたかい?」
( ^ω^)「粋な計らいだおショボン。おかげでここに着けたお。・・・・・お!
なんか前より家っぽい家があるお!」
ブーンは、壁や玄関まである家を見て叫ぶ。
('A`)「おいおい、なんか家らしくなっちゃってるなー。」
(´・ω・`)「でしょ?これでも頑張ったよ。そっちの収穫は?」
( ^ω^)「そうだそうだ!これ見るお!」
ブーンは、さっき見つけた苗を取り出す。
('A`)「それ、もしや総合の苗か?よくお前持ってたな。」
( ^ω^)「担任に出すの忘れてて、バックの中に入ってたんだお。
これを植えて育てれば小麦が食えるお!」
(´・ω・`)「こりゃ大収穫だね。ドクオのほうは?」
('A`)「ああ、俺?大漁だったよ、空き缶が。・・・・・・・。」
ドクオは、バックいっぱいに詰まった空き缶を見せる。
(´・ω・`)「・・・・・とりあえず空き缶ならなべや皿代わりに使えるね。」
('A`)「どうも俺、釣りはダメだな・・・・。」
( ^ω^)「とりあえず、この苗どっかに植えてくるお。」
ブーンは、前の住処のほうに走っていった。
(´・ω・`)「とりあえず僕たちも、料理始めようか。」
('A`)「ああ、そうだな。」



281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 19:02:25.89 ID:8/Zfshta0
さっき星が瞬いていたのだから、今はもうすでに真夜中だ。
( ^ω^)「ここに植えて定期的に水やってればいつか小麦ができるお。」
ブーンはさっきの苗を台地に植えていた。緑がかった苗が、地面から顔を出す。
( ^ω^)「さて、俺も家に戻るお。」
家に戻るブーン。するとブーンは、あることを思い出した。
( ^ω^)「・・そういえば、ドクオは釣りで空き缶を釣っていたお・・・。
いくらなんでもこんな島から自然に缶ができるわけないし・・・・・。
そうなると考えられるのはただひとつ・・・・・!ここには昔、
人が住んでいたって事だお・・・・!」

さて、こちらはドクオ・ショボンサイド。
(´・ω・`)「前に取ったウサギとキノコはこれで最後だね。明日にはいい加減
食料をとってこないと。」
('A`)「明日はあの岬のほうにでも行ってみるか。まだ未踏の地だし。」
(´・ω・`)「そうだね。じゃあ、ウサギを皿に盛り付けてくれ。」
('A`)「OK。」
夕飯ができあがったようだ。そこに帰ってくるブーン。
( ^ω^)「みんなみんな。ちょっと、話があるお。」
('A`)「何だ改まって。」
( ^ω^)「さっきドクオが釣ってた空き缶・・・・。空き缶が釣れるなんて普通
無人島じゃ考えられないお。ということは考えられるのはただひとつ!
ここに人が住んでいたって事だお!」
(;'A`)(;´・ω・`)「な、なんだってーっ!」



296: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 19:30:23.99 ID:8/Zfshta0
三日月よりもちょっと太めの月が、ブーンたちの上に昇っている。
ブーンたちは夕食を食べながら、珍しく真剣な話し合いをしていた。
( ^ω^)「・・どう思うお?」
('A`)「確かにそういえばそうだったな・・・。釣った時点で気づくんだった・・・・。」
(´・ω・`)「確かに。こんな島で自然に金属ができるなんて考えられない。」
( ^ω^)「だろお?で、誰が何のためにこんなところにいたのかってのが問題だお。」
キシメジの澄まし汁をすすりながらブーンが言う。
('A`)「こんな周りに大陸もないような島にわざわざ缶コーヒーとか持ってきてまで
くつろぐ理由もないしな。」
(´・ω・`)「世間の目から逃れて何かをやっていたとか?」
ショボンが言う。その意見に、皆が一瞬黙り込む。
('A`)「世間の目から逃れてって・・・。たとえばなんなんだ?」
(´・ω・`)「たとえば未知なる病原菌の研究とか、核の研究場所だったとか。」
思わず、皆が自分の体を見つめる。病原菌?まさか・・・・・。
('A`)「お、おいおい、びびらせるようなこというなよ。だいいち病原菌の研究だったら、
すでに2日もいる俺たちはもうかかってるはずだぜ。」
(´・ω・`)「発病するのが遅い菌だとしたら・・・・?」
ショボンがますます恐怖をあおるようなことを言う。
( ^ω^)「ちょっ、これ以上怖くなるようなことを言わないでくれお。
とりあえず、心配ばかりしてもしょうがないお。とりあえず今日は寝るお。」
(´・ω・`)「うん・・・・・そうだね。」
('A`)「ああ・・・・じゃあおやすみ。」
3人とも、別々の思いをめぐらせながら、体を横たえる。
まもなく、その思いのうちの一つが、現実になることも知らず。



301: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 19:50:53.04 ID:8/Zfshta0
めぐりの岬まではたいした距離がないが、森を抜けてからは高低差が大きく、
時には2メートル近い高低差があるところもたびたびあった。
( ^ω^)「結構高低差があるお。気をつけるお。」
('A`)「お?ここに食えそうな草が生えてる。摘んでいこうぜ。」
(´・ω・`)「この石、家の補強材に使えるんじゃないかな。拾っていこう。」
結構岬に近づくごとに、物資や食料が多くなってる気もする。
( ^ω^)「みんな、使えそうなものはどんどん持ってっちゃってお。
置き場所に困るわけでもないお。」
そんなこんなで、岬まであと数百メートルというところまで来た。
( ^ω^)「ちょっと休憩するお。」
ブーンが腰を下ろす。2人もつられて座る。
( ^ω^)「なんか使えそうな物あったかお?」
(´・ω・`)「とりあえずはこの板と石は家の発展に使えるかもよ。」
('A`)「ほら、結構草摘み取ってきたぜ。雑草っぽいとか言うなよ。
火を通せばちゃんと食えるって。これを煎じてお茶としても飲めそうだし。」
( ^ω^)「これは家がもっと色とりどりになりそうだお。」
ブーンたちが喜ぶ。
( ^ω^)「よし、じゃあ岬へ一直線だお。」
ブーンたちはまた立ち上がった。しかし、すでに暗い影もブーンたちに
ゆっくりと、しかし確実に歩み寄っていた。



313: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 20:17:04.88 ID:8/Zfshta0

ブーンたち一行は、岬へと歩を進めていた。
( ^ω^)「もうすぐ岬だお。道幅が狭くなってきたお。」
なるほど、確かにさっきより幅が狭い。前にももう陸の先端が見える。
すると、先頭を行くショボンが持っていた缶を落としてしまった。
(;´・ω・`)「ああっ、缶が転がっちゃった。まてっ!」
ショボンが追いかける。ブーンたちもつられて追う。
( ^ω^)「俺に任せるお!伊達に日ごろからおふくろに追い回されてないお!」
ブーンがショボンを抜き、缶を追う。
するとブーン、少し向こうの土がへこんでるのが見えた。
( ^ω^)「?あれは何だお?」
よく見てみると、皿のような円盤状のもののふたをした容器が土に埋まってるようだ。
缶が、それめがけて転がっていく。
( ^ω^)「(皿のような円盤状のもののふたをした容器・・・?どっかで見たような・・。)」
(;^ω^)「はっ!」



314: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/22(日) 20:19:07.10 ID:8/Zfshta0
〜回想〜
('A`)「世間の目から逃れてって・・・。たとえばなんなんだ?」
(´・ω・`)「たとえば未知なる病原菌の研究とか、核の研究場所だったとか。」
〜回想〜

(;^ω^)「(ま、まさかあれは・・・・。核爆弾!?)」
(;^ω^)「待つお!みんな引き返すお!」
ブーンが体を返して引き返す。だがほかの二人は状況が把握できてない。そのまま走り続ける。
(´・ω・`)「ど、どうしたんだブーン!?」
('A`)「いきなり引き返しだして!なんかあったか!?」
(;^ω^)「みんな、その先行っちゃだめだお!そこに核爆だ・・・・・。」
説明も遅く、すでに缶は円盤状のものに当たった!



ピカッ!

前が見えなくなるほど明るすぎる光が二人を包む!
(;'A`)(;´・ω・`)「うわああ!な、なんだ!?」
そしてその光の後・・・・・!


ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

耳を劈くような爆音が島に響き渡った!
(;^ω^)「ドクオ!ショボーーーーーーン!」



380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/23(月) 03:22:39.97 ID:mBrhAFA70
ブーンたち一行は、岬へと歩を進めていた。
( ^ω^)「もうすぐ岬だお。道幅が狭くなってきたお。」
なるほど、確かにさっきより幅が狭い。前にももう陸の先端が見える。
すると、先頭を行くショボンが持っていた缶を落としてしまった。
(;´・ω・`)「ああっ、缶が転がっちゃった。まてっ!」
ショボンが追いかける。ブーンたちもつられて追う。
( ^ω^)「俺に任せるお!伊達に日ごろからおふくろに追い回されてないお!」
ブーンがショボンを抜き、缶を追う。
するとブーン、少し向こうの土がへこんでるのが見えた。
( ^ω^)「?あれは何だお?」
よく見てみると、皿のような円盤状のもののふたをした容器が土に埋まってるようだ。
缶が、それめがけて転がっていく。
( ^ิω^ิ)「(皿のような円盤状のもののふたをした容器・・・?どっかで見たような・・。)」
(;^ω^)「はっ!」



424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/23(月) 18:29:32.15 ID:0Z80sb9L0

あれからどれくらい経っただろうか。強い光に思わず目を閉じ、
そのあと物凄い爆音が響いた。あれはいったいなんだったんだろう?
ブーンが、身を起こしてみる。
(;^ω^)「うっ!・・・・・・。」
ブーンが思わず声を上げる。腕を火傷したようだ。
腕の痛みをこらえながら、ブーンは周りを見渡してみる。
しかし、周りは全体煙に覆われていて、前はおろか後ろや左右すら見えない。
(;^ω^)「・・・ドクオ〜、ショボン〜、どこだお〜・・・。」
ブーンが呼びかけてみる。
(;'A`)「うう・・・・・・い、いったい何があったんだ・・・・・?」
ふいに、ドクオの声が聞こえた。ブーンは、声のするほうへかける。
(;^ω^)「ドクオ!大丈夫かお!?」
ドクオの体を抱き上げる。左腕から出血、足は火傷を負っている。
(;^ω^)「これはひどいお・・・・。!ショ、ショボンは!?」
ブーンは、ドクオを抱きかかえながらショボンを探す。煙が少しずつ晴れてきて、
周りが見えるようになってきた。
(;^ω^)「・・・・・・・・・!ショボンだお!ショボンーっ!」
ブーンはまもなくショボンを見つけた。
(;^ω^)「うっ・・・・・・・!」
ブーンは、思わず目をそむけた。ショボンは、腹をやられていた。
右のわき腹のへんから肉が少々見えている。とてもじゃないが直視できない。
(;^ω^)「ショボン!大丈夫かお!?」
(;´・ω・`)「・・・・うう・・・・なん・・・とかね・・・・。」
ショボンが応答する。一応、致命傷にはなってないようだ。
(;^ω^)「腹大丈夫かお!?」
(;´・ω・`)「うん・・・・・なんとか・・・・・・。」
(;^ω^)「と、とりあえずいったん家に戻るお!」
ブーンはドクオ、ショボンの二人を抱えて、家へと戻っていった。



428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/23(月) 18:56:08.49 ID:0Z80sb9L0
とりあえずは家に戻ったブーンたち。
(;^ω^)「・・・・よし、ドクオはこれでOKだお。」
ブーンがドクオの治療をする。治療なんていっても薬すらないので、
制服を引きちぎって包帯代わりにしてドクオの患部に巻いた。
(;'A`)「ありがとよ・・・・それにしても、あの爆発はいったいなんだったんだ・・・?」
(;^ω^)「・・・・・恐らく、前にショボンが言った核爆弾が埋められてたんだお・・・!」
(;'A`)(;´・ω・`)「核爆弾・・・・・!」
二人がほぼ同時に叫ぶ。その威力は、身をもって体験した二人が最もよく知っているからだ。
(;´・ω・`)「・・・・でも、核ならもっと大きい威力があるんじゃない?
現に1945年の原爆なんて実に半径2キロ近い建物に被害が及んだんだもの。
これくらいですむはずがないと思うよ。恐らくあれは、核よりも威力の小さい
小型爆弾だと思うよ。」
ショボンが解説する。確かに原爆の被害とは思えない。
(;'A`)「・・・・・でも、そんな小型爆弾とやらをいったい何のために・・・・?」
それを言われ、三人とも黙り込む。誰も答えを出せない。
(;^ω^)(;'A`)(;´・ω・`)「・・・・・・・・・・。」
重い空気が場を包み込む。そんな空気を断ち切って、ブーンが言う。
(;^ω^)「・・・・まあみんな、今悩んでも何も分からないお。
とりあえず今後、不用意にそこら辺を出歩かないでくれお。」
(;´・ω・`)「うん、OK。」
(;'A`)「そこら辺で歩きたくても歩けねえよ。」
とりあえずは結論を出し、皆土に横たわった。



433: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/23(月) 19:18:38.65 ID:0Z80sb9L0
太陽がブーンたちの真上にある。昼だ。
(;^ω^)「よっ、ほっと・・・・。ショボン、痛くないかお?」
(;´・ω・`)「ててっ・・・・・。うん、とりあえずは。」
ブーンは、ショボンの傷の手当てをしていた。
幸いショボンの傷はわき腹の肉だけをえぐったものなので、内臓や骨に支障はない。
だがまだ出血も多少あるので、数日は絶対安静だろう。
( ^ω^)「これでとりあえずはOKだと思うお。」
患部の傷を水で洗い、制服の包帯を巻く。
(;´・ω・`)「ありがとう。」
( ^ω^)「じゃあ、とりあえず俺は食料でも見つけてくるお。
ドクオは食器でも作ってくれお。」
(;'A`)「食器って・・・・。俺そんな器用な仕事できないぜ。」
( ^ω^)「なーに、落として溜まった木の枝を削って箸にするとか、そういう簡単な
仕事だお。カッターは預けるから頼むお。」
(;´・ω・`)「すまないね、僕は何もできなくて・・・・・。」
( ^ω^)「遠慮はいらないお。ショボンは休んで、一刻も腹の傷を治すことが
大切だお。ドクオも無理せずに頑張ってくれお。」
('A`)「ああ。じゃあ食料は頼んだぜ。」
( ^ω^)「任せるお!」
自分のバックを引っ担ぎ、ブーンは食料を捜しに行った。



441: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/23(月) 19:59:52.16 ID:0Z80sb9L0
( ^ω^)「さて、今日はどこに行くかお。」
ブーンがさまよう。
( ^ω^)「岬のほうにはまだ爆弾が残ってるかもしれないからあまり行きたくないお。
・・・今日は五十五里浜のほうに行ってみるお。」
ブーンは、砂浜のほうへと歩を進めた。

( ^ω^)「着いたお!」
五十五里浜に着いたブーン。とりあえず辺りを見回し、爆弾っぽいものがないか確認する。
( ^ω^)「なにもないみたいだお。じゃあ、ちょっくらそこら辺見て回るかお。」
ブーンは、波打ち際の岩とかを転がしたりして、食べ物を探す。
すると、半分海の中につかった岩の裏に、海草がこびりついている。
わかめか昆布か岩海苔か。とりあえず海草が大量にこびりついていた。
( ^ω^)「おおっ!こりゃ大収穫だお!」
ブーンは夢中で海草を取る。これでまた食料が増える。
( ^ω^)「さて、海草はあらかた取れたお。ほかになんかないかお?」
ブーンは再び、海岸付近を捜す。すると今度は、砂浜の中から
一本の管が出ているのを見つける。
( ^ω^)「?これは何だお?」
ブーンは管をつまんで引っ張り出してみる。すると、まもなく二枚貝が見えてきた。
( ^ω^)「おっ!二枚貝だお!」
ブーンは、またしても夢中でそこら辺の砂を掘る。すると出るわ出るわ、
二枚貝の山。ちょうど管を出したところをブーンに取られ、貝もびっくりだろう。
( ^ω^)「いや〜、大量だお!これで食料もキープできるお!」
ブーンは得意げに貝をバックに詰め込み、帰る家へと歩いていった。



446: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/23(月) 20:33:25.32 ID:0Z80sb9L0
こちらはドクオ&ショボン。ドクオはブーンの指令どおり、
木の枝を加工していろいろと作っていた。
('A`)「よし、こんなところか?」
ドクオは箸から、燃えなさそうな木で網も作っていた。
すると、向こうに何か固体が見える。
('A`)「なんじゃいあれは。」
近寄ってみると、それは真っ二つに割れたドラム缶だ。一つは下のほうがちょっと壊れている。
すると、安静にしていたショボンが提案する。
(´・ω・`)「そうだドクオ、そのドラム缶で燻製用の缶をつくろうよ。」
('A`)「おお!おまえ名案がポンポン飛び出すね〜。じゃ、早速作るか。」

ドクオは、二つのドラム缶の切り口にさっき作った網を固定し、ドラム缶を
組み合わせる。そしてそこらの石で下の切れ口を広げ、火の入り口を作る。
そして2つのドラム缶のつなぎ目をしっかり固定。すると、見事に燻製機が出来上がった。
('A`)「よっしゃあできたぜ!」
(´・ω・`)「なかなかこの島も発展してきたね。」
ドクオとショボン、そしてブーンの手によって島がどんどん発展してきた。



451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/23(月) 20:54:48.06 ID:0Z80sb9L0
( ^ω^)「ただいまだお〜!」
ブーンが家へ帰ってきた。その手に持つバックには、はちきれんばかりに海草、貝が入っている。
(´・ω・`)「やあ、ようこそバーボンハウスへ。」
('A`)「バーボンハウスではないにしろ、家に変わりはないな。今日の収穫は?」
( ^ω^)「海草と貝をたっぷりかっぱらってきたお。食料には困らないお。
・・・・・・?なんかでかいドラム缶があるお。これなんだお?」
('A`)「燻製機さ。これで魚を長く保存できるぜ。」
( ^ω^)「ドクオもなかなかやるお!」
('A`)「まあ案はショボンだけど。」
( ^ω^)「じゃあ、飯の準備するお。」

3回目の夜。もうここの暗さにも慣れてきた3人。
( ^ω^)「ドクオは貝を海水につけて砂抜きしててくれお。俺は海草料理してるお。」
('A`)「ガッテン承知!」
( ^ω^)「この海草はそのまま茹でて出汁をとる&具にするお。」
ブーンは海草を二口大に切り、そのまま空き缶の中に水と一緒に入れて加熱する。
海草は加熱するごとに色が出て、水をいい具合に染める。
( ^ω^)「こんなところでいいかお。」
海草を火から下ろす。いいにおいが家に充満する。
('A`)「おーい、もういいんじゃねーの?」
ドクオも帰ってきた。
( ^ω^)「缶に入れて茹でてくれお。ちょうど今海草は茹でれたところだお。」
('A`)「よっしゃよっしゃ。」
( ^ω^)「よし、じゃあ貝が茹でれたら夕食だお。」



571: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/24(火) 18:30:06.30 ID:5HWMXw9W0

海の向こうでは、大騒ぎになってるのか否か。そんなことを気にも留めず、彼らは夕食を始める。
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「いただきま〜す。」
机の上に並んだ食事。今日のメニューは、海草の汁、貝を茹でたもの。
明日には釣りで取れた魚を燻製にしたい。
( ^ω^)「ずずーーー・・・・・・、この汁、なかなかいい味出してるお。」
('A`)「貝が手に入ったのは収穫だな。まさしく海の味って感じで。」
(´・ω・`)「でもここにお茶が欲しいね。ドクオの摘んだ葉っぱを煎じて。」
( ^ω^)「明日やってみるお。」
('A`)「なに、これからどんどん発展していけばもっとたくさんの種類の茶葉が手に入る。
気長に生きようぜ。」
3人が生きるための話し合いをするなんて、生涯最初で最後だろう。
( ^ω^)「なんにしろ、救助が来るまでここでできるだけ生き抜くしかないお。」
(´・ω・`)「来るのかどうかね・・・・。」
ショボンがまたしてもネガティブに。
('A`)「ショボン〜・・・・・。何事もポジティブに行こうぜ〜?」
( ^ω^)「ドクオの言うとおりだお。悪いほうに考えるのはいくらでもできるお。
いいほうに考えれば気休めでも気は楽になるお。」
(´・ω・`)「そうだね。」
( ^ω^)「よし、じゃあ俺は食い終わったから寝るお!」
ブーンがいち早く横になる。
('A`)「ははっ・・・・・・、こいつの気楽さにはほとほと助けられるぜ。」
(´・ω・`)「プラスに考えるのが一番得意そうだね。」
('A`)「確かに。じゃ、俺も寝るぜ。おやすみっと。」
(´・ω・`)「ああ、おやすみ〜。」
3日目。2人が怪我を負ったが、友情・食料ともに実りのある一日だった。



584: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/24(火) 18:58:10.56 ID:5HWMXw9W0
もう4回目となる朝。ドクオ・ショボンもだんだんと回復してきた。
( ^ω^)「おはようだお!」
ブーンが元気よく叫ぶ。
('A`)「おこんつわ。」
(´・ω・`)「おはようさん。」
2人も起きたようだ。
( ^ω^)「さて、今日も俺は山に狩りにでも行ってくるお。」
すると、2人も叫ぶ。
('A`)「いつまでも休んでいられねえ。俺は釣りは不調だが、
住居整備は任せなって。」
(´・ω・`)「じゃあ、僕は釣りをやろうか。」
( ^ω^)「おいおい、二人ともそんな重労働やって大丈夫かお。」
('A`)「なーに、もう腕も足のやけども治りかけてる。これくらいやったって大丈夫だろ。」
(´・ω・`)「僕の釣りもただそこに座って獲物待てばいいだけさ。難しいことじゃない。」
( ^ω^)「まあ、2人がそういうなら。無理せず頑張ってくれお。」
('A`)(´・ω・`)「KO!」
(;^ω^)「それをいうならOKだお・・・・。」
4日目。久々に全員勤務となった。



590: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/24(火) 19:28:48.08 ID:5HWMXw9W0
( ^ω^)「・・・・さて、今日は山じゃなくて森のはずれのほう行ってみるかお。」
ブーンが言う。この森は南側はそのまま海となっている。
( ^ω^)「森の中は湿っぽいお・・・・。早く出たいお。」
ブーンがそんなことを言っているとふと、はるか向こうに何かが横たわっている。
( ^ω^)「・・・・?あれは・・・・・・」
ブーンが近寄ってみてみる。するとそれはなんと、罠にかかって死んでいる鶏だった。
(;^ω^)「うわ・・・・・・結構むごいお。」
ブーンは恐る恐る、鶏の首を触る。

ピクッ

ふいに、鶏の足が動いた気がした。
(;^ω^)「・・・・・・え?」
ブーンは、羽をつまんでみた。鶏の首が左右に振られる。・・・・・・生きている。
(;^ω^)「生きてるお!何とかこのまま生きながらえさせれば、卵が食えるかもしれないお!」
ブーンは、足にかかった罠をはずし、そっと鶏を腕に包み込む。
(;^ω^)「・・・・でもこれで、はっきりとここに人間がいたことが
明らかになったお。」
ここにいた人間に対する疑問と、卵を食えるかもしれない期待を混ぜながら、
ブーンはゆっくりとした足取りで家に戻る。



595: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/24(火) 19:56:37.29 ID:5HWMXw9W0
(´・ω・`)「・・・・さ〜て、暇だな〜・・・・・。」
こちらはショボン。獲物運がいいショボンも、今回は一匹釣っただけで次のアタリが来ない。
(´・ω・`)「しょがない、ちょっと昼寝するか・・・・。」
ショボンも、いつかのドクオのように眠りだした。

(´・ω・`)「ZZZZZzzzz・・・・・・ZZZZZzzz・・?」
ふと、ショボンが尻に違和感を感じた。何かに引っ張られているようだ。
(´・ω・`)「ん〜〜〜〜・・・・・なんだ?尻が引っ張られてる・・・・。」
ショボンが尻を見てみる。そこには、5,6匹もの蟹がいた。
ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」
(;´・ω・`)「な、何だこの蟹は!?」
ショボンは思わず立ち上がる。すると、20匹はいそうな蟹の大群がいた。
ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」
ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」ミ( ゚∀゚)彡「かに!かに!」
(;´・ω・`)「ちょっ、そんな大群で来るなって!え〜い・・・・、よっ!」
ショボンは、糸を垂れていた釣り竿で蟹をなぎ払った。
ミ(;゚∀゚)彡「か、かにっ!」
(´・ω・`)「えーもーめんどいや、、こいつら今日の獲物と。」
ショボンはすでに30匹に増えた蟹を次々にバックに押し込む。
ミ( T∀T)彡「かに〜・・・・。」
蟹たちは少々ご立腹な様子。
(´・ω・`)「さて、帰るか。」
蟹たちがうごめくバックを下げて、ショボンは家へと向かった。

無断で「かに!かに!」とそのAA使っちゃった・・・。
というわけでまずかったらこの話はなかったことにするので。



616: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/24(火) 20:34:23.06 ID:5HWMXw9W0
さて、こちらはドクオ。
('A`)「さ〜て、家をもっと彩りよくするか。」
ドクオも、家の整備に精を出していた。
('A`)「まずは壁の隙間を埋めるか。」
ドクオはそこらの土を川の水と混ぜてこね、壁の木の隙間を埋める。
これで隙間風は来なくなった。
('A`)「次は台所作りと。」
ドクオは木を切り倒し、また平たく切り、それを組んで大きい板にする。
それを今度は縦に立て、もう一つ作った板を横におく。そしてつなぎ目を固定すると、
台らしきものが出来た。その台の真ん中へんに土を盛り、燃えないようにする。
持った土は空き缶が置けるように形作る。ちょうどガスコンロのように。
そして最後にその土の上に火種となる紙やらなんやらを置く。すると、
ガスコンロを作る人もびっくりの即席コンロが出来上がった。
('A`)「おし、これで火が心置きなく使えるぜ。」
ドクオも授業じゃ使わない頭を使い、必死に生活を楽にしようと頑張っていた。
('A`)「さて、ちょいと一服するか。」
ドクオも一仕事終わり、切り株椅子に座った。



768: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/25(水) 18:04:46.36 ID:zmM79B1I0
( ^ω^)「たんだいまだお〜。」
ブーンが帰宅する。同時に、土で補強された我が家を見て驚く。
( ^ω^)「こりゃすごいお。ドクオもなかなかやるお!」
('A`)「へへっ、中もすごいぜ。」
ドクオはブーンを中に引き入れ、自分でもよくやったと思うコンロを見せた。
( ^ω^)「コンロ!・・・は〜、無人島でこんなもんにお目にかかれるとは・・・。」
('A`)「これで料理も自由自在さ。」
ちょうどそこに、ショボンも帰ってきた。
(´・ω・`)「ただいま〜、と戸を叩いてみると、文明開化の音がする。」
('A`)「おお、ショボンおかえり。なかなかのコンロだろ?」
(´・ω・`)「おお、こりゃ充実してきたね。コンロまで作ったとは。」
( ^ω^)「ショボンはなにを収穫してきたんだお?」
(´・ω・`)「ああ、一匹の魚と蟹を大量に。」
ショボンはバックからあふれる蟹を見せる。
ミ( T∀T)彡「かに〜・・・・。」
( ^ω^)「おお、これもまたうまそうだお。ちょっと早く取りすぎたか
まだ体はちっちゃいけど、充分食えそうだお。」
('A`)「・・・?そうだブーンよ、まだ体はちっちゃいで思い出したが、
お前の植えた苗はどうなったんだ?」
( ^ω^)「苗・・・・?苗・・・なえ・・・・nae・・・・・?・・・・・・!」
ブーンは一目散に苗を植えた場所に走った。
(;^ω^)「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・・あっ!」
そこでブーンが見たものは。

すでに緑を失ってしなびた、哀れな麦の苗の姿だった。
(;^ω^)「・・・・ああ・・・・・・・・。」



774: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/25(水) 18:32:45.34 ID:zmM79B1I0
( ´ω`)「・・・・・・・・。」
昼飯時。家には、湯気を立てた飯が控えているというのに、ブーンは沈んでいた。
自分の責任で麦がしなびてしまったのが相当答えたようだ。
(´・ω・`)「・・・かける言葉がないね・・・・。」
('A`)「・・ああ。だがかける言葉はなくても、言ってやれる言葉はあるぜ。」
ドクオはそういうと、ブーンのところへ歩み寄った。
('A`)「・・・・・ブーン。」
ドクオが声をかける。
( ´ω`)「・・・ドクオかお・・・・今は一人にして欲しいお・・・・。」
('A`)「ブーン、小学校の頃を思い出しな。」
( ´ω`)「・・・・・・・?」
そして、ドクオは小学校の思い出を語りだした。

小学校時代。ブーンは、クラスからはみ出ていた。はみ出ていたと言っても
何か悪行をやってたわけではない、ただ目立たないだけだ。
友達もいなく、休み時間はいつもアリ探しとか、そうやって時間を潰した。
そんなブーンにはじめてできた仲間。ドクオだった。
ドクオもまた仲間がいなく、一人ぼっち。一人ぼっちと一人ぼっちが
くっついてできた仲間。
誇りなんてなかったが、うれしかった。初めての友達。談笑、交友、会議。
そんなドクオがつれてきた、もう一人の仲間。ショボンだ。
ショボンもまた一人。でもブーンにとっては、友達に変わりない。
3人でいろいろ遊んだ。一緒に怒られ、叱られた。でもそのたびに立ち直った。
ある日、クラスの一人が大事な書類をなくしたとき、頼まれてもいないが
3人で夜遅くまで残り探し回った。それでも友達なんてできないが、
3人でひとつのことをやれたのが唯一の誇りだった。



775: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/25(水) 18:33:46.84 ID:zmM79B1I0
('A`)「あの頃の俺たちは活気に満ちていた。俺たち3人が集まれば
出来ないことはないとかなんかも言ったな。
・・・・あの活気に満ちた精神はどこいった?麦がなくても死ぬわけじゃない。
今あるもので、精一杯生きようじゃねえか!」
ドクオが叫ぶ。
(´・ω・`)「そうだよ、ブーン。」
ショボンも乱入する。
(´・ω・`)「まだやり残したことはいっぱいあるでしょ?それをやるためにも、今は生きよう。
海の向こうには帰る家がある。学校がある。あの学校の下でもう一度、
「俺たち3人が集まれば何でもできるっ!」って言ってやろうじゃないか!
生きよう!ブーン!みんな!!」
( ´ω`)「・・・・・・みんな、ありがとうだお・・・・・。
どうやら俺は、昔の心を忘れてたようだお・・・・。」
( ^ω^)「・・・・・みんな!俺たち、必ず生きて帰って、
学校の同級生たちに一泡吹かせてやるお!!」
('A`)「よっしゃ!それでこそブーン!」
(´・ω・`)「頑張ろう!みんな!」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「おーーーーーーー!」
・・・・4日目の昼。ブーンたちは、自分たちの熱き友情を確かめ合ったのだった。



787: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/25(水) 19:08:03.11 ID:zmM79B1I0
友情の強さを知ったところで、まずは昼飯。
今日のメニューはさっき取った蟹と取ってあった貝。昼飯なので充分だろう。
( ^ω^)「この蟹、なかなかの珍味だお。」
('A`)「蟹の足細いなおい。シャーペンでもほじれねえ。」
(´・ω・`)「シャーペンでほじらないほうがいいと思うよ、ドクオ。」
('A`)「いいってことよ。でブーンよ、飯食ったらどうする?」
( ^ω^)「とりあえず体を洗うために風呂でも作るお。」
('A`)「なるほど。確かに体洗ってねえな。」
3人ともここに着いてから体を洗うことさえしていない。見れば制服も
傷だらけ、ずいぶん汚れている。
(´・ω・`)「じゃ、まずは物資探し?」
('A`)「いや、物資はある。燻製のやつを見つけたとき、もう一個転がってるのを見たぜ。」
( ^ω^)「OKだお。そいつを使うお。」
こうしてブーンたちは、風呂作りに取り掛かった。

物資であるドラム缶は少々壊れているがなんら問題ない。
そこらから手ごろな石を4つ見つけ、それを四角く置く。
その間に燃えやすそうな木や紙を置き、石の上にドラム缶を置く。
これで、浴槽となるものはできた。
そして、それを家の近くに置き、前と同じ要領で柱と木を使い壁を作る。これで風も防げる。
( ^ω^)「できたお!」
('A`)「これでゆっくりできるってもんだな。」
ブーンたちもここについてから働きづめ。ゆっくりと体を癒せる風呂が出来上がった。



799: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/25(水) 19:32:54.30 ID:zmM79B1I0
( ^ω^)「さて、風呂入ってるうちに服洗っといてくれお。」
風呂に入る一番手のブーンは服を脱ぎ、その服をドクオに預ける。
('A`)「・・・・って、俺が洗うんかいな。」
( ^ω^)「俺のはドクオ、ドクオのをショボン、ショボンのは俺が洗うってことお。」
('A`)「ああ、そういうことね。分かったよ、洗っとく。」
そういって、ブーンは個室に入った。

個室の中はすでに湯気が充満していて、お湯も充分あったまっているようだ。
汲んである川の水で体を流してから、湯の中に入る。
( ^ω^)「よっし、入るかお。」
ブーンはドラム缶の中のお湯にゆっくりと体を沈めていく。あったかさが体を包む。
( ^ω^)「ああ〜・・・・・・・。天国だお〜・・・・・。」
ブーンはそのまましばらくつかり、4日間の疲れを癒す。
( ^ω^)「ふう〜・・・・・・・、さて、そろそろ上がるお。」
石鹸すらない風呂場だが、疲れを癒すには風呂のみで充分だった。
上がると、外の気温との差に思わず震える。
( ^ω^)「ドクオ〜!空いたお〜!」
戸を開けると、ドクオはすでに洗われた服を焚き火で乾かしているところだった。
('A`)「上がったか。じゃ、次は俺と。」
そういってドクオも服を脱ぎ始める。こんな感じで、ブーンたちの夜は更けた。
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「・・・・・・ZZZZZzzzzz・・・・ZZZzz・。」



808: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/25(水) 20:04:20.91 ID:zmM79B1I0
「・・・・・・・コーケコッコーーーーーー!」
(;^ω^)「ちょっ、いったい何だお!?」
('A`)「いったい何だおも何も、お前の連れてきた鶏だよ。」
ブーンの連れてきた鶏はすっかり回復し、いい目覚ましとなっていた。
( ^ω^)「ああ、鶏かお。・・・・・そういえば、もしや卵産んでるお?」
(´・ω・`)「・・・・・・どうだろう?おっ、ありますよありますよ。」
なんとその鶏は、卵を産んでいた。しかも2つ。大きい楕円形の卵は、鶏の足元に転がっていた。
( ^ω^)「おお!卵だお!これで飯も充実するお!」
ブーンは、その卵を使い料理を始めた。

数十分後、食卓には色とりどりの料理が並んだ。
いつの間にか燻製にした魚に卵が絡む。蟹も卵とじにすることで、味の幅が増す。
( ^ω^)「なかなかうまいお。」
('A`)「卵ってのは貴重な栄養源だからな、これは重宝するぜ。」
ドクオも、無人島で卵が食えるとは思っていなかっただろう、卵をほおばる。
(´・ω・`)「はいはい、お茶も入ったよ〜。」
ショボンが言う。ショボンはドクオの取ってきた葉を刻んで乾燥させ、
それにお湯を注いでお茶を作っていたのだ。
('A`)「おお、ショボン粋な計らいだね。まさに和って感じだ。」
3人ともお茶を口に注ぐ。少々苦いが、なつかしの味が広がる。
( ^ω^)「さて、今日も物資とって来るかお。」
('A`)「俺は加工いろいろでもしてるよ。」
(´・ω・`)「僕は釣りと。」
今日もいつもと同じ役割分担で皆仕事を始める。



815: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/25(水) 20:29:25.53 ID:zmM79B1I0
( ^ω^)「・・・・・さてと。今日はどこに行くかお・・・・。」
ブーンが悩む。この森をはじめとして山、海岸、砂浜と、主要なところは通ってきた。
( ^ω^)「今日は流星式海岸のほうにでも行ってみるかお。」
流星式海岸といえばあの岩手県のリアス式海岸に似た、入り組んだ海岸だ。
( ^ω^)「あそこなら食いもんの一つや二つあるかもしれないお。」
ブーンは海岸へと歩いた。

海岸へ着いたブーン。切り立った崖はゆうに下まで10メートルはあろう。
( ^ω^)「高いお・・・・・。ここを降りるのは至難の業だお。」
すると、なんとか段差っぽくなって降りられそうなところを発見。
( ^ω^)「あそこから降りてみるお。」
ブーンが降りる。すると、岩の割れ目に何か光るものが見える。
( ^ω^)「あれは何だお?」
ブーンがのぞいてみる。すると、そこに何か固形物が見える。
そっと近づいて、よく目を凝らす。すると、それが鉄板で作られた
入れ物であることが分かった。ちゃんと鍵がかかっている。
( ^ω^)「・・・・これはいったい?」
ブーンが鍵をボールペンでこじ開ける。すると、中にあるのは。

食料と物資が乱雑に放り込まれていた。
(;^ω^)「こ、これはっ!?」



30: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/26(木) 20:27:20.02 ID:oID/vlRO0
かわってこちらは一服していたドクオ。
('A`)「さて、住居整備始めるか・・・・・お?」
すると、ブーンが足早になにかを抱えて帰って来るのが見えた。
(;^ω^)「みんな、大変だお!」
('A`)「えらく早いご帰還だな。なんかあったか?」
(´・ω・`)「おや、ブーン。どうしたの?」
ショボンも気づいて帰ってくる。
(;^ω^)「みんな、これを見てくれお!」
ブーンは、さっき見つけた箱を見せる。
('A`)「?なんだこれ・・・・・?・・・・!おい!なんかいろいろ入ってるじゃねえか!
いったいどうしたんだよこれ!?」
(;^ω^)「さっき流星式海岸にあったんだお!岩の割れ目の中に!」
(;´・ω・`)「こりゃすごい・・・・。一回全部出してみようよ。」
以下が、中にあったもののリスト。

カップめん5個・レトルトのごはん1個・乾パン3袋
アジの干物の真空パック5個ほど・小麦粉1袋

ボルト、ナットなど、機械いじりに必要なもの多数。

(;´・ω・`)「物資はあまり使えそうにもないけど、食料はこれで安心と。でも、
なぜこんなものが岩の割れ目なんかに・・・?」
この前の地雷事件といい、この島には奇妙なことが多すぎる。
(;^ω^)「・・・まったく分からないお・・・・。いったい何の目的で・・・・。」
('A`)「・・・まあとりあえず、食いもんがあるからいいじゃないか。深く考えなくて。」
(;^ω^)「・・・本当にいいのかお・・・。」
ブーンは、納得いかないことがありすぎだったが、とりあえず自分で自分を納得させた。



36: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/26(木) 20:59:18.30 ID:oID/vlRO0
5日目の昼。ブーンたちは、箱の中に入っていたカップめんで腹を満たした。
('A`)「やっぱり都会の食いもんはいいな。」
( ^ω^)「確かにだお。でも、やっぱり気になるお・・・。」
ブーンは、まだ昨日の現象に疑問を持っていた。
いったい誰が、あんなところに食料と物資を置いていったのか。
この前言った研究者が置いていったとしても、置いていく理由がない。
まさか俺たちが来ることを予測してた・・・・?それとも、なにか他に・・・?
・・・・ダメだ。考えれば考えるほど、頭が混乱する。
とりあえず、今を生きよう。そんなことを考えるブーン。
(´・ω・`)「とりあえず、食べ物は充分にあるね。加工もできるんだし。」
ショボンが言う。小麦粉からレトルト食品まで、生活するうえで必要なものは
そろってると言っていい。ボルト・ナットも、頑丈な固定器具として使えるだろう。
('A`)「まあ、今後食料はこれでまかなえるだろ。次は住居整備だ。」
ドクオが言う。3人も、言われて動き出す。

とはいったものの、すでにブーンたちが建てた家も充実しきっている。
屋根・壁はもちろん、コンロ・風呂場・机・椅子など、設備は充実。
生活用品も鍋・皿(空き缶代用)・箸など、必要なものはそろっていた。
(´・ω・`)「このさい、食料で保存食でも作ってようか。」
('A`)「そうするか。」
ブーンたちは豊富な物資と食料で、保存食作りに取り掛かった。



40: ◆QBJbqjKj7Y :2006/01/26(木) 21:24:09.29 ID:oID/vlRO0
レトルトのご飯など、すでに保存化されているのを除くと、小麦粉が残る。
ブーンたちはそれを使い、いろいろ食品を作ろうとしていた。
小麦粉を川で汲んだ水でこね、だんだんと固くしていく。
それを木で作ったまな板らしきものと丸太で伸ばして、カッターで切る。
これでうどんぐらいの太さの麺が出来上がる。
これに小麦粉をまんべんなくまぶし(袋にくっつかせないため)、
ビニール袋を使い真空パックにする。これで、いつでもお湯に入れれば簡単に食べられる。
また、少量残しておいた卵と小麦粉をあわせて練ると、
ラーメンのような黄色い生地も出来上がる。
そして、さっき練って伸ばしてない生地を空き缶に詰め込んで熱する。
そして空き缶から抜くと、四角いが表面のパリッとしたパンが出来上がる。
一つの物資から、3つもの食べ物が出来上がった。
( ^ω^)「これで、三食どころかおやつの分までできたお。」
(´・ω・`)「じゃまあ、早速いただこうじゃないの。」
('A`)「あっ!ブーン、お前パン取りすぎ!」
( ^ω^)「3つくらいけちけちするなお!」
('A`)「全部で7つしかないんだから3つは取りすぎだろ!」
(´・ω・`)「さ〜て、漁夫の利と行きましょか・・・・。」
・・・・・物資が置いてあった理由はどうあれ、3人のプラスにはなったようだ。



119: ◆ExDGnJXoVI :2006/01/27(金) 18:31:10.86 ID:XGb7AN/k0
五日目、夜。どうやら、勝敗結果が決まったようだ。
( ^ω^)「結局ドクオに取られて2つだお・・・。」
('A`)「ぶつぶついってんな。危うく1つになるところだったぜ。」
(´・ω・`)「パンを一度に3つも食べれるとは思わなかったね。」
( ^ω^)('A`)「・・・・・・・・・。」
(´・ω・`)「二人の目が痛いところですが、この際気にしない方針で。
さて、もう夜だからご飯つくろうよ。おやつの後だけど。」
( ^ω^)('A`)「・・・・・・・食いもんの恨みは恐ろしいってな・・・・・。」
(´・ω・`)「なんか言った?」
( ^ω^)('A`)「別に〜♪」

真空にしておいた麺をお湯で茹でる。5,6分も茹でれば、つやのある麺が出来上がった。
この時期なので、どうせなら温かい汁にしたい。魚を煮ただし汁に
麺を入れてみた。魚の汁と小麦粉の麺が合うかどうかは、ご想像にお任せする。
(´・ω・`)「ブーンとドクオ、パンのほうは頼んだよ。」
( ^ω^)「任せるお。」('A`)「うまいもん食わせてやるよ。ひひひ・・・。」
(;´・ω・`)「・・・・・・・・・?」
そんなこんなで夕食。
( ^ω^)「いただきますだお。」
('A`)(´・ω・`)「いただきま〜す。」
( ^ω^)「まあまずショボン、パンを食うお。」
(´・ω・`)「パン?何で?」
('A`)「理由は聞くな。とりあえず食ってみろって!」
(´・ω・`)「じゃあ食ってみますか。パクッ・・・・・・・・え?」
・・・・ショボンが食べたパンは、中身がそっくりくりぬかれた、
まさに「中身のないパン」だった。
( ^ω^)('A`)「さっきのパンの恨みだ!」
(;´・ω・`)「・・・・・・・・・・やられた・・・・・。」
後味がいいのか悪いのか、楽しげなことだけは確かなようだ。



125: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/27(金) 18:58:56.12 ID:XGb7AN/k0
夕食も食べ終わったので、風呂に入るドクオ。
('A`)「今日は俺から入らしてもらおうじゃないの。ほい、ショボン。」
ドクオは瞬く間に服を脱ぎ、ショボンに渡す。
(´・ω・`)「分かった。洗っとくよ。」
ショボンはあらかじめ温めておいた水に服を浸す。服からちょっとずつ汚れが染み出す。
ショボンが幅の広い缶でドクオの服を洗う。洗濯板も洗剤もないが、
手でこするだけで結構な汚れが落ちる。
(´・ω・`)「さて、こんなところか。」
洗濯の終わったショボンは、そこらの手ごろな木に服をかけ、その下で火を起こし乾かす。
そんな頃、ドクオは・・・・。
('A`)「いや〜いい湯だ。場合によっちゃ家よりも快適だぜ・・・・・。」
無人島で入る風呂を満喫していた。
そしてブーンはというと。
( ^ω^)「・・・・・・なかなかうまいお、このラーメン生地。」
・・・・・・真空にしておいた生地を茹でてつまみ食いしていた。
3人とも、各自にこの生活を楽しんでいた。だが、
この3人を包み込むであろう悪魔も、「そのとき」を今か今かと待ち望んでいた。



132: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/27(金) 19:31:04.59 ID:XGb7AN/k0
風呂上り。どこかの修学旅行であるように、3人は寝もせずに談笑していた。
( ^ω^)「ドクオのバックの中から、12点のテスト発見したお!」
(;'A`)「ちょっ!いつの間にお前!」
(´・ω・`)「流石に12点はきついね。まあそういう僕も最低点は11点・・・。」
( ^ω^)「俺のバックは教科書のほか特に何も入ってないお。」
('A`)「とか言ってると、落書きだらけの歴史の教科書発見。」
(;^ω^)「ちょっ!それは明かしてはいけない過去だお!」
(´・ω・`)「僕のバックには新聞が入ってるよ。」
('A`)「なぜに。」
(´・ω・`)「親が社会情勢を知るのが勉強だとか言って持たせるんだ。
これは・・・・・・ちょうど連れ去られた日の新聞だね。見てみようか」
3人、顔を寄せ合って新聞を見る。
( ^ω^)「へえ、リブドアの社長逮捕だってお。」
('A`)「こっちの面には妹歯事情聴取とか書いてあるぞ。事件多いな。」
(´・ω・`)「おっ、こんなところにブーン企業の記事だ。」
( ^ω^)「ブーン企業?なんて記事だお?」
(´・ω・`)「えっと、(地震の後の復興作業で有名となったブーン氏、
ついに企業の社長に就任。晴れて社長になったブーン氏だが、地震の
前のことについては取材陣にも一切話さなかった。)だって。」
( ^ω^)「へえ、ブーン企業って言ったら俺の親父の勤めてたとこだお。」
('A`)「逮捕といい、社長就任といい、時代の変わり目って感じだな。」
(´・ω・`)「おっと、もう時間も遅いよ。そろそろ寝よう。」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「おやすみ〜。」
・・・・5日目の夜も過ぎた。
翌6日目、まさにブーンたちにも「時代の変わり目」が来ることも知らず。



139: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/27(金) 20:00:44.78 ID:XGb7AN/k0
6日目。
「・・・・・コケコッコーーーー!」
( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「おはよう〜!」
鶏の声と同時に起きたブーンたち。すでにこの生活にも慣れたようだ。
( ^ω^)「さて、きょうはどうするお?」
朝食のパンを食べながらブーンが言う。
('A`)「そうだな・・・・・もう一度山に登って、未踏の地を確かめるってのは?」
ドクオが提案する。確かに、あの岬の爆発で岬がどうなったのかも興味深い。
( ^ω^)「よし、そうと決まれば善は急げだお!」
朝食を食べ終わったブーンが椅子を倒して立ち上がった。

山に登る一行。道が険しいが、時たま川で身も心も癒すので苦ではない。
( ^ω^)「そろそろ頂上だお。・・・・・・・お!?あ、あれは!!」
('A`)「?どったブーン?」
( ^ω^)「あれを見るお!」
ブーンが指差す先には、皿のような、半分埋まった物体。・・・・まさに地雷だ。
(´・ω・`)「おお、よく気づいたね。またこの前みたくなるかと思ったよ。」
( ^ω^)「よし、よけて通るお!」
ブーンたちがそれを避けて迂回する。

このとき、もう少し集中力があったら。いや、むしろあの地雷を踏んでいたら。
もっと被害は少なかったのかもしれない。
地雷を一個よけて、油断しきっていたのだ。



140: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/27(金) 20:01:46.78 ID:XGb7AN/k0
「カチッ」
ちょっと進むと不意に、ブーンが出した右足が何か機械的な音とともに沈む。
(;^ω^)「お?」
何かと思い下を見る。しかし見る間もなく、体が熱いものに包まれる。
(;^ω^)「お、おおっ!?」

次の瞬間、前の地雷とは比べ物にならないほどの光が目の前に現れる。
台風よりも強い熱風が、ブーンたちを吹っ飛ばす。
(;^ω^)(;'A`)(;´・ω・`)「うわああああああああああ!」

一つの地雷のみならず、もう一つの地雷があったことに気づくべきだった。

それは、この島に埋められたもっとも大きい爆弾だったのだ。



150: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/27(金) 20:29:54.18 ID:XGb7AN/k0
・・・・・・・あれ?ここどこだ?
確か俺はなんかカチッて音がしたんで下を見たら、なんかものすごい強い光が来て、
そんですごく熱い熱風に飛ばされて・・・・。・・・・体が動かないな・・・。
・・・・お。目は開けられるみたいだ。ここはいったい・・・・?
・・・・ブーンが目を開けてみると、そこはブーンたちがたどり着いた五十五里浜だった。
体を動かしたいところだが、物凄い痛みで動けない。それに、なんかひりひりする。火傷だ。
(;^ω^)「・・・・・・さっきの・・・・・爆弾だったのかお・・・・。」
ブーンは何とか首を動かし、辺りを見回す。家は半壊し、鶏も片羽が黒こげだ。
さらに見渡すと、何か人が見える。
(;^ω^)「・・・・ドクオ!ドクオ!?」
ドクオは返事はしない。でも体が上下しているので、死んではいない。気を失っているのか。
その向こうには、同じくもう一人見える。
ショボンだ。
(;^ω^)「ショボン!大丈夫かお!?」
(;´・ω・`)「・・・・・う・・・・・うん・・・。・・き・・・傷口が・・・。」
ショボンは気を失ってはいないが、前の傷口が開いたのか、物凄く痛そうだ。
ショボンを見ると、顔・腕・足に火傷を負い、左手は血で真っ赤に染まっている。
ブーンもショボンを見て、自分の体のことに気づく。
右腕は直視できないほどに大破し、全身に火傷を負ったか、どこを動かしても痛い。
(;^ω^)「・・く・・・・・こ・・・・これまでかお・・・・・。」
ブーンも、死ぬ覚悟ができたか、「これまで」などという言葉を使う。
3人、どうすることもできず、そこでただうずくまるのみだった。



221: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/28(土) 09:35:11.40 ID:6Fe+6WAU0
あれからどれくらい経ったであろうか。腕につけてた腕時計も大破して使い物にならない。
何とかブーンも、体を動かせるまで回復したが、この怪我では
早く治療しないとみんな死んでしまう。といっても医者も薬もない。
(;^ω^)「・・・・もう・・・・だめだお・・・・。」
ブーンも、その場に突っ伏して目を閉じた。



バラバラバラバラバラバラバラバラ・・・・・。
・・・・ふと、何かの音が聞こえる。高い上空から、機械的な音。
(;^ω^)「・・・・・・?なんだお・・・・?」
(;´・ω・`)「・・・・・ブー・・ン・・!へ、ヘ・・・リだよ・・・!」
ショボンに言われて上を見る。すると、上空にヘリコプターが飛んでいるではないか。
よく見るとボディに「日本ニュース速報連合VIP」と書いてある。
この際なんでもいい、助けを呼ぼう。
(;^ω^)「・・・・おーーーーい!助けてくれおーーーーーー!」
精一杯叫ぶが、ただでさえ怪我をして力が入らない体。しかもヘリの音にかき消され、
微塵も聞こえないだろう。
(;^ω^)「聞こえてくれおーーーー!ここだおーーーーーー!」
必死で呼ぶが、気づいた様子も素振りもない。
(;^ω^)「・・・・・やっぱり・・、だめだお・・・・・。」
一回きらめいた希望も、ろうそくの炎のごとく消えた。

そのとき。



「・・・・・コォケコッコォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
(;^ω^)「!!!!!!!」
(;´・ω・`)「!!!!!!!」



222: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/28(土) 09:36:24.08 ID:6Fe+6WAU0
聞こえたのは、物凄く大きく、そしていつまでも響いた鶏の雄たけび。
(;^ω^)(;´・ω・`)「・・・・・・・・・。」
鶏は、その雄たけびを響かせた後、ゴボッと血を吐き、ゆっくりと横に倒れた。
そして一回痙攣した後、もう動かなくなった。
(;´・ω・`)「・・・まさに・・・最後の力を振り絞った声だね・・・・。」
(;^ω^)「・・・・・・。」

(ヘリ内)モナー( ;´∀`)「なあ、今なんか鶏の声聞こえなかったモナ?」
(ヘリ内)モララー(・∀・;) 「漏れもそんな気がするが・・・。
でもこんなとこに鶏なんているわけないだろ。」
(ヘリ内)モナー( ;´∀`)「ちょっと外見てみるモナ。」

(;^ω^)「!こっちに気づいたみたいだお!おーーーーい!」
(ヘリ内)モナー( ;´∀`)「!ひ、人が無人島にいるモナ!」
(ヘリ内)モララー(・∀・;) 「!マジだ!だけどあの3人、
ニュースで死んだって話じゃ・・・?」
(ヘリ内)モナー( ;´∀`)「なんにしろとりあえず助けるモナ!」
(ヘリ内)モララー(・∀・;) 「おうよ!」
(;^ω^)「・・・・やったお・・・・・助かったお・・・・・。」

ブーンたちの6日間の孤島生活は、大混乱の中、ようやくその幕を閉じた。



223: 作者 ◆ExDGnJXoVI :2006/01/28(土) 09:36:46.65 ID:6Fe+6WAU0
〜エピローグ〜
あれから1ヶ月。ブーンたち3人は治療を受け、現在リハビリ中だ。
あの島はショボンの推測どおり、世間の目を避けてKHN研究所が
爆弾実験に使った島だという。しかし世間にばれそうになり、
まだ爆発物が埋まってるかもしれない場所を多数残して逃げたのだ。
この事件が明るみに出てKHN研究所はあっという間に捕まり、現在事情聴取の真っ最中。
その供述によると、あの岩の割れ目の物資は万一ここから出られなくなったときの
非常食と非常用用具。そういう用意だけは万端だったらしい。また、
「あんな孤島に人が着くなんて考えもしなかった」という供述もしている。
政府はこの事件を機に、もっと外国へ行くときの規制を強化するべきだという。
またブーンたちだが、あの暴走族の事件とと3人の失踪が同時刻だったことから
捜査が始まるが、一時は死亡説も流れ、捜索も中断されたらしい。
今回はたまたま通りかかった日本ニュース速報連合のモナー・モララーのおかげで
3人は救出された。医師によると、あと一時間でも遅れたら助からなかったという。

そうそうブーンたちだが、治療が終わりリハビリが始まって間もなく、
報道陣が詰め掛けたという。3人も快く答えるが、最後はどの取材でもこう締めくくったという。

(´・ω・`)「・・・僕たちは最初、散り散りばらばらの一人ぼっちでした。」
('A`)「だけどこの生活で、友情の強さを確かめ合えたよ。」
( ^ω^)「この生活で死なずに生きて帰れた理由を、一言で表すお!」



( ^ω^)('A`)(´・ω・`)「俺たちは三人で一つだ!」

〜END〜



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