( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと807,145秒 :2008/02/01(金) 21:50:44.00 ID:4xQ1Hfw5O
 女である以上、恋の道からは逃げられない。胸をときめかせ、飽きることなくあなたの顔を思う。

実らぬことは知っているし、相手の気持ちすら聞けずに終わるかもしれない。

それでも一生この暗い部屋で過ごすくらいなら、思い切って行動してみよう。


 彼は必ずオフィス街にある小さな公園で、お昼の弁当を食べる。このことだけは女中に調べてもらった。

女中は私の一生一代の覚悟を、あなたのためならと、応援してくれた。

内心本当にすまないと思いながら、鏡を見て化粧を直し、一つ笑顔を作ってみた。

ああ、もうこんな時間だ。いそいで支度をしなければ、彼はお弁当を食べ終えてどこかに行ってしまう。


 公園に着くと、彼はちょうど昼飯を食べ終えて立ち上がろうとしていた。

彼の顔を見ると私の身体は熱くなり、そのまま気化しそうになった。

川 ゚ -゚)「まずい、早くしなければ、帰ってしまう。」

私は意を決し、彼の前へ立ちはだかった。

244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと807,003秒 :2008/02/01(金) 21:51:39.72 ID:4xQ1Hfw5O
(,,゚Д゚)「……?」

彼は何事だろうかと思案していたが、説明している暇はない。

はやくこの想いをつたえなければ。

川 ゚ -゚)「あ……あのだな、君のことが好きだ」

い、言えた。好きだという言葉をいままで何度心の中で呟いただろう。

だが、今日は思っただけではなく、口で直接言い、そして伝えることができた。ああ満足だ。

(,,゚Д゚)「――も――だ――――です――――」

私は言いおわった直後に意識が消えてしまったため、彼の言葉を聞き取ることができなかった。

吸血鬼である私には太陽の光は死を意味する。私は命と引き替えに告白の権利を得たのだ。

(,,゚Д゚)「あれ?……消えた?」

おそらく彼は何が起こったか、訳が分からないだろう。

だが私は恋の自由をまっとうできたことに満足した。たとえ相手の気持ちが聞けなくとも。


こうして吸血鬼最後の生き残りである私は恋のために滅んだ。



戻る