( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

367: アノ頃ノ思イ出 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 23:58:17.15 ID:SEWMYbtv0
ビリヤードが好きだった。
百円二百円のジュースを賭けて、クラスメイトと勝負をするのが好きだった。
ゲーセンの地下のビリヤード場は、俺たちの戦場だったんだ。

('A`) 「……今日の勝負は?」
( ФωФ) 「ナインボールなんてのは、どうだね?」
('A`) 「オーケイ、シンプルだ」

今じゃ、百円二百円じゃあ満足なんて出来なくなっていた。
学生時代よりも、ゼロが四つ程増えた勝負。
下手をすれば、人一人の命と釣り合う値段を賭けて、俺は今日も勝負をする。
VIPしか入れない、裏のハスラーが集う、このカジノで。

( ФωФ) 「バンクショットは、少し苦手でね」

負け惜しみのセリフを、聞き流し、俺は笑った。
ブレイクショットにはちょっとした自信があるからだ。
たった一発で、ナインの黄色い玉をどうやったら落とせるか。
俺はそればかりを研究してきたんだ。

('A`) 「悪いな、この勝負は、俺の勝ちだ……!」

キューを構えながら、ぼろい商売に笑いそうになるのを堪えて、一気に、撞きだす。

その瞬間。

鳴り響く、着信音。

――カツッ!

368: アノ頃ノ思イ出 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 23:58:32.32 ID:SEWMYbtv0
('A`) 「なっ!?」

ポケットからの振動で、俺の指がかすかに上ずる。
同時に、キューも上を向き、結果、手玉は、十センチも進まないうちに止まる。
痛恨の、ミスだ。

( ФωФ) 「奇妙なことがあるものだな。ブレイクショットには……なんと言っていたかな?」
('A`) 「……ブレイクショットは、少し苦手でな?」

勝負の結果は……まぁ、言いたくは無い、と言えば、大体察しがつくだろう。
当面の生活費やら何やら、根こそぎ持っていかれた。
いや、元々持ち合わせが掛け金に足りてなかったんだ、この程度で済んでよかったのだ。

('A`) 「にしても……」

一体、誰があんなタイミングで、電話なんてかけてきたんだ。
アレさえなければ……と、多少、恨みがましく思いながら、携帯を見ると、
一通のメールが届いていた。

('A`) 「内藤……あ、ブーンの奴か」

( ^ω^)  『おいすードクオ! 久しぶりにビリヤードやらないかお?』
       『最近、僕もリッチになってきたお、だから、晩飯を賭けて勝負しないかお?』

('A`) 「………………」

……まったく、誰のせいで、今の俺が素寒貧になったと思っているんだか。
だけど、まぁたまにはいいか、昔を思い出すのも。
丁度、ヒヤヒヤし通しの勝負にも、飽きがきていたところだ。いや、言い訳じゃあなく、本心から。
まぁ、今日のところは、晩飯代ぐらいは、稼がせてもらうとするか。



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