( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)
- 784:雪 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/03(日) 13:10:23.40 ID:dwZeEhI20
- 雪の中でも、師匠が楽屋を出てくるまで、僕は外で待っていないといけない。
下積み時代は誰でも似たような苦労をするらしいけれど、やっぱりキツイものはきつい。
/ ,' 3 「ブーン、寒そうだな?」
( ^ω^) 「あ、荒巻師匠、お疲れ様だお!」
かじかんだ手をさすっている僕を見て、師匠は何かを思いついたのか、ニカっと笑った。
/ ,' 3 「そうだな、今日はちょっと洋食屋にでも行くか? 奢ってやろう」
( ^ω^) 「え、ほんとかお? あ、でも……」
/ ,' 3 「なに、遠慮するな。馴染みの店だからな。不安なら、自分の分ぐらいは金を持っていけ」
珍しい師匠からのお誘いに、僕はワクワクしながら、先に教えられた店に行った。
先に何か頼んでおけと言われていたから、オムライスを頼んで、僕は師匠を待った。
けれど。
( ^ω^) 「師匠……遅いお」
いつまでたっても、いつまで待っても、師匠は一向に姿を見せない。
不安になって、店の人に、師匠はいつも何時頃に来るのか、そう聞くと、
(*゚ー゚) 「荒巻……ですか? すみません、多分、一度もウチにきた事は無いと思うんですけど……?」
( ^ω^) 「? もうちょっと、待ってみますお」
結局、その日。師匠はその店に来る事はなかった。
当然、奢ってもらえるはずもなく、タダでさえ薄いサイフを余計に薄っぺらくしなければならなかった。
- 785:雪 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/03(日) 13:10:44.00 ID:dwZeEhI20
- ('A`) 「あー、お前もやられたか」
ドクオ先輩に昨日の事を話すと、こう返された。
先輩が言うには、よくある事らしかった。
千三つの荒巻、というのが師匠の二つ名、らしい。
千に三回しか本当の事を言わない事から、ついた名前で、
若手は必ず、この人に騙されて、それから人を疑う事を覚えるのだそうだ。
('A`) 「俺がよ、文句をつけたら、あの人はなんて言ったと思う?」
「『偽って字をバラすとな? 『人の為』ってなるだろ? だからこれはお前らの為なんだ』」
「なんて、抜かしやがったんだぜ?」
よほどその時、ひどい騙され方をしたのか、先輩は顔を真っ赤にしていた。
('A`) 「……お前も騙されたんだし、いい機会だ。俺たちも騙してやろうぜ?」
( ^ω^) 「騙すって、師匠をかお?」
先輩は、知り合いの医者に頼んで、師匠はもう長くない、と言わせて、騙してやろうと持ちかけてきた。
僕は、昨日今日の話だから、というのもあり、その話に乗る事に、した。
( ^ω^) 「それで、健康に気遣うようになれば、師匠の為にも、なるのかお?」
('A`) 「そうそう、そう言う事。さ、さっさと準備するか」
数日後、僕らはくだんの医者に、結果を聞きに行くと、何故か彼の表情は暗かった。
('A`) 「で? 何て言ってやった?」
( ´_ゝ`) 「……肺に、影が見える。もう、長くはないだろうな」
( ^ω^) 「それは……シャレにならないんじゃないかお?」
( ´_ゝ`) 「ああ……シャレでもなんでもない。事実だ」
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