( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)
- 45: ('A`)ドクオは死を決意したようです。1/3 :2008/02/01(金) 20:12:11.49 ID:psoyh2qk0
- ('A`)「・・・生きるのマンドクセ」
彼女に振られ、大学で問題を起こし退学になった。
遊びまわって、数百万の借金がある。
俺のような男は生きていてもしょうがないんじゃないか?
そう思って、何度首を括ろうとしただろうか?
台の上から一歩踏み出すだけで全てが終わるのに、その一歩が踏み出せない。
どうすれば楽に死ねるだろうか?
飛び降り? 薬? リストカット?
どれも怖い、一人で死ぬのは嫌だ。
ふと気づくと、俺は自殺サイトを開いていた。
マウスを動かし、適当にスレを見つけ、「参加します、19歳」とだけ書き込んでパソコンの電源を落とした。
('A`)「皆で死ぬなら・・・怖く、ないよな・・・」
誰に言うとも無く、そう独り言を言った。
数日後、俺は一緒に自殺を決意した仲間と富士山の樹海の前にいた。
俺と同じように借金が返せなくなって自殺を決意した男。
結婚まで誓っていた彼氏に逃げられ、生きる望みを失った女。
他にも数人、何れも悲惨な境遇だった。
( ´∀`)「じゃあ・・・行きましょう」
男性が用意したレンタカーに乗り込む。
助手席と運転席の間に七輪と練炭の袋が置いてあった。
眠れる間に死ねる練炭自殺なんて、よく思いついたもんだ。
('A`)「タバコ、いいですか?」
(*゚ー゚)「どうぞ・・・あなた、若いわね」
- 46: ('A`)ドクオは死を決意したようです。2/3 :2008/02/01(金) 20:12:53.36 ID:psoyh2qk0
- 若い、確かにそうだ。
周りのメンバーを見回すと全員40代以上、10代なのは俺だけだった。
煙草に火をつけ、煙を窓の外に吐き出す。
('A`)「死ぬのに、理由なんていらないでしょう?」
(*゚ー゚)「それも、そうね」
女はさらりとそう言って、再び窓の外に広がる木々を眺め始めた。
最後の一服、ってやつか、映画とかで見たことがあるが、なかなかオツなもんだ。
道なき道を進み続ける。
その内開けた場所で車が止まり、運転していた男がポケットから錠剤を取り出した。
( ´∀`)「さて・・・そろそろ良いだろう、この薬を飲んでくれ」
('A`)「これは・・・?」
( ´∀`)「睡眠薬だよ、眠るように、死ねるんだ」
心なしか、男の言葉には重みがあった気がした。
( ´∀`)「・・・君はまだ若い、今ならまだ間に合うよ」
なんだこの男は、俺がどれだけ苦しんでいるかも知らずに。
俺がどれだけ辛い思いをしてきたかなんてお前には分からないだろう。
心の中でそう言った。
('A`)「・・・いいんです、俺なんか・・・」
( ´∀`)「俺なんか、か あんまり聞きたい言葉じゃないが・・・君がそう考えたのなら、そうするがいい」
そういって、男は七輪に練炭を入れて火をつけた。
車内をもくもくと煙が充満し始めた。
- 47: ('A`)ドクオは死を決意したようです。3/3 :2008/02/01(金) 20:13:16.39 ID:psoyh2qk0
- 男は睡眠薬を飲み込み、静かに目を閉じた。
俺は、まだ、飲まない。
飲む勇気がしない、ここまで来たのに、もう後戻りはできないのに。
(*゚ー゚)「まだ、間に合うのよ?」
驚いて、振り向いた。
なんで、まだ?
(*゚ー゚)「あなたはまだ、若いの これから生きてればきっと良いことがある」
('A`)「・・・・・・良いことなんて」
(*゚ー゚)「死んだら終わり、生き抜いて、最後まであがきなさい もっとも、アタシが言える事じゃないけどね」
女はにこりと微笑み、薬を飲んで、瞼を閉じた。
気づいたら、自然と涙が溢れていた。
なんでだよ、何で皆俺に生きろ、って言うんだよ。
ちくしょう・・・ちくしょう・・・。
ドクオが死を選んだか、最後まであがくのかを選んだかを想像するのは貴方しだいです。
今、死を決意してる人、死のうと思っている人。
俺なんか、私なんか、なんて思わないでください。
絶望して死んだりしないでください、生きて、生きて最後まであがいてください。
そうすればきっと良いことがあるはずです。
('A`)ドクオは死を決意したようです。 END
- 73: ('A`)は暇だったようです。 :2008/02/01(金) 20:31:14.77 ID:iOQieM4e0
- ('A`)「つまんね」
そう呟き、ウインドウを消す。
簡単に、あっけなく、いとも簡単に消えた。
('A`)「暇、だなぁ」
新しく開いたウインドウを下へとスクロール。
それまでにいくつか見える『ワロタww』や『バカスwww』
何に対しての反応なんだろうか。
そうは思うものの、見ようとは思わなかった。
めんどくさい。
そういった理由からだ。
じゃあ、何でパソコンをやる?
俺は、何がしたいんだ?
ふとそう思った。
いや、ずっと前から思ってた。
働く事さえもしないニート。
やる事がない、やる気がない、そんな自分は何がしたいのだろう。
- 76: ('A`)は暇だったようです。 :2008/02/01(金) 20:31:30.68 ID:iOQieM4e0
- 一日中、暇なのに何でパソコンばかりするんだ。
クズ、だからか。
結論が出る。
クズだから、こんな事をやってる。
クズだから、しょうがない。
クズだから、親を泣かせてる。
きっと、そうなんだろう。
しょうがないんだ。
俺は、しょうがないんだ。
クズだから。
('A`)「つまんね」
結局一番下までスクロールし終える。
内容は知らない。
('A`)「またこれか」
一番下、そこにはよくあるコピペ。
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
やあまたあったね(´・ω・`)
突然だけど君達に一週間以内にとんでもない不幸がふりかかる呪いをかけた
だが安心してくれ呪いを解く方法があるんだ。このスレに
- 77: ('A`)は暇だったようです。 :2008/02/01(金) 20:31:45.66 ID:iOQieM4e0
- ('A`)「不幸か、これ以上不幸になってたまるかよっと」
いつもはスルーするコピペ。
だが、暇で暇でしょうがなかった。
だから、俺はそこにあるURLをクリックし、呪いを解除する言葉を書き込もうと決めた。
('A`)「なんだよ」
Page not found
出てきたのはそれだけ。
('A`)「存在しません、か」
存在しないかー。
存在してないのかー。
存在が無くなったのかー。
存在が消えちゃったのかー。
存在出来なくなったのかー。
存在さえ許されないのかー。
俺も、無くなろうかな。
その日、俺は首を吊った。
クズな俺が、この世から消えた。
簡単に、あっけなく、いとも簡単に消えた。
あー、俺の人生つまんなかった。でも、最後だけは暇じゃなかったなー。
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,623秒 :2008/02/01(金) 20:33:48.81 ID:O5prCQHW0
- うだるような八月の午後。
从 ゚∀从「あ、飛行機」
('A`)「ん?」
汗をぬぐいながら、彼女が指さした空を見上げる。
高く、遠く、そして突き抜けるように蒼い空の中に、一つだけ強く輝く太陽がある。
彼女の指はその太陽のやや下の辺り、日光を受けて白さを増す雲の丁度横を指していた。
('A`)「あー、俺目ェ悪ぃからなぁ」
从 ゚∀从「見えないのかよ」
ウソ。ホントはくっきりと、白い筋をはき出しながら進む銀色の飛行機が見えている。
从;゚∀从「……クソ暑ィ」
彼女は悪態をついて、熱せられた道を歩き出す。
('A`)「帰ったら麦茶でも飲むか……」
- 88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,623秒 :2008/02/01(金) 20:34:25.90 ID:O5prCQHW0
- この道は舗装されていない上、水を湛えた田んぼのど真ん中を突っ切るので、
他の舗装道路よりは熱くはない。
(;'A`)「ズボンの中ぐしょぐしょだ」
ただ、それでも直射日光は学ランの下+Yシャツという格好の俺を容赦なく襲う。
从;゚∀从「キモイことゆうなよ」
彼女はセーラー服なので、歩くたび股下に風が通る。
正直、羨ましい。
黒の鞄二つが時折、だいぶ大きくなった稲の葉をこすり、かさかさと音を立てる。
登校日なんて、なけりゃいいのに。
遠くから、みーんみーん、という声に交じり、つくつくぼーし、と、少し違う声が聞こえる。
('A`)「夏もそろそろ終わりかぁ」
道が交差し、直角に交わっていた他の道から流れを変えた
コンクリで固められていない用水路から、ポチャン、とかわいい音が。
- 91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,547秒 :2008/02/01(金) 20:35:26.07 ID:O5prCQHW0
- 从;゚∀从「切ないなぁ、夏の終わりって」
水路の中から目だけを覗かせているトノサマガエルを一瞥し、彼女がそう応えた。
('A`)「あーあ、部活も引退したしなぁ……これから高校受験かぁ……」
空のさらに上にありそうなほど高い巻雲を眺めて、ぽつりとつぶやいた。
从;゚∀从「ドクオ」
('A`)「何?」
前を歩いていた彼女が立ち止まり、振り返る。
从;゚∀从「高校行っても、またこんな夏に会えるかな?」
(;'A`)「えー………?」
いきなりロマンチックなことを言うので驚いた。しかし彼女の目は真剣だ。
だから、至極簡単に、
(;'A`)「俺らなら大丈夫だろ……」
と、応えてみる。
彼女は、
从*゚∀从「そうかぁ、ああ、そうだよなぁ!!」
と、きれいな顔で笑ってみせた。
ああ畜生。そんな顔すんなよ、ますます夏の終わりが悲しくなるじゃねえか。
- 93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,560秒 :2008/02/01(金) 20:36:09.83 ID:O5prCQHW0
- >>86>>88>>91
はちがつのおしまいのようです
- 104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,623秒 :2008/02/01(金) 20:40:35.91 ID:0SMSj8LlO
- 当時、首都に本社を構える商社で勤める俺は、腐った魚のような目をした都会人の中で日々働いていた。きっと俺も同じような顔をしていたんだろう。
けれど、つーは違った。
てきぱきと機械のように仕事をこなし、いつも仏頂面だが、不思議と、彼女の目は爛々と輝いているように見えた。
社交的でないつーは、美人なのだが、男性に媚びを売ってまで好意を示さないため、俺と付き合うまで浮いた話は聞かなかった。
だから、声をかけてみたんだ。
ミ,,゚Д゚彡「俺とさ、付き合ってよ」
という振られることを前提にした軽い言葉に対して、しかし彼女の返答は意外にも軽く。
(*゚∀゚)「え、いいですよ」
それから数回のデートを重ねた上でわかったことがいくつかある。
つーは気を遣い過ぎるため人付き合いが苦手なこと、彼女はチョコを食べると仏頂面が解けて可愛い笑顔になること、本当は彼女から俺に告白しようと思っていたが照れてできなかったこと……。
そうしてつーを知る度に俺はどんどん彼女に惹かれていった。
かくして俺たちは付き合って半年が経った。
- 107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,547秒 :2008/02/01(金) 20:42:27.39 ID:0SMSj8LlO
- ある日、俺たちの運命を変えたその電話は鳴った。
ミ,,゚Д゚彡「親父が……倒れた?」
入院と、長い間の通院が必要だそうで。
俺の両親は、ドがつくほどの田舎に二人暮らしをしていたため、通院も用意ではない。俺は選択を迫られた。
一つはこのまま働き続けながら月に一度くらい見舞いにいくこと。これは時間と精神力、体力を削られるため難しい。
そしてもう一つは、仕事をやめて故郷に帰ること。
その頃の俺は、仕事自体に嫌気が差していたため正直辞めてしまっても構わないといった投げやりな心境だったが、
心残りは彼女だった。
――――
ミ,,゚Д゚彡「つー、俺は田舎に帰ることにしたから……別れなくちゃなんない」
(*゚∀゚)「………」
ミ,,゚Д゚彡「ごめん。勿論、許されるとは思ってないけど」
(*゚∀゚)「じゃなくて」
- 110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,026秒 :2008/02/01(金) 20:44:12.84 ID:0SMSj8LlO
- (*゚∀゚)「俺はついて行っちゃいけないの?」
ミ,,゚Д゚彡「え……」
(*゚∀゚)「鈍いな。プロポーズしてんだよ。『結婚してくださいフサギコさん』って言いかえようか?」
―――――
(//∀/)「…………」
ミ,,゚Д゚彡「……というのが俺たちの馴れ初め。だから俺はつーの荒れた手も、増える皺も、全部に感謝して、愛してる。
お前もしぃさんと仲良くやりなよ?ちびたんもこれから幼稚園だろ。色々大変な時期だが愛があれば乗り切れる」
(*,,゚Д゚)「へえ、親父たちってそんな過去が……」
(,,・д・)「でちー」
ミ,,゚Д゚彡オシマイ(゚∀゚*)
- 115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,195秒 :2008/02/01(金) 20:45:27.01 ID:9KZHwURhO
- 川 ゚ -゚)「なかなか面白いな」
('A`)「ああ、不思議な体験だったよ」
小さな庭に男と女がいる。
男は語り、女はそれを聞いていた。
川 ゚ -゚)「しかし、どうも信じられないな、証拠はないのか?」
('A`)「証拠は―――今の俺。かな」
川 ゚ -゚)「今の俺? じゃあなんだ、お前は………」
('A`)「おっと、それについては詮索しないでくれよ。恥ずかしいから」
川 ゚ -゚)「そうか」
('A`)「というか、今までの俺は証拠だな、これからは証拠にならないかも」
川 ゚ -゚)「ますます分からないな」
('A`)「俺もまだ半信半疑だよ。素直に信じれるわけないだろ」
- 117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと811,195秒 :2008/02/01(金) 20:45:49.92 ID:9KZHwURhO
- 川 ゚ -゚)「………そのときお前は金を持っていたのか?」
('A`)「金?」
川 ゚ -゚)「そう、金」
('A`)「最低限だけだよ。金があったら、そもそも窓を拭いたりしてない」
川 ゚ -゚)「窓拭きなんて楽そうじゃないか」
('A`)「あぁ、窓拭きは楽かな。そうだな」
川 ゚ -゚)「臭そうだけどな」
('A`)「慣れるよ」
川 ゚ -゚)「そのときも臭かったか?」
('A`)「ん? そうだな…まぁ外よりはマシだったかな
どちらかといえばコーヒー臭かったような」
川 ゚ -゚)「コーヒー?」
('A`)「あぁ、その人が好きだったんだ。コーヒー」
川 ゚ -゚)「へぇ」
('A`)「そのときもコーヒー飲んでたしな」
- 120: ('A`)が不思議な体験をしたようです :2008/02/01(金) 20:46:24.45 ID:9KZHwURhO
- 川 ゚ -゚)「ふむ………お前は後悔していないのか?」
('A`)「なにを?」
川 ゚ -゚)「詮索してしまうことになるが」
('A`)「あぁ」
('A`)「一番楽だしな」
川 ゚ -゚)「お前らしいな」
('A`)「まぁな」
川 ゚ -゚)「…………ん? 雨、か?」
(;'A`)「あぁ! 洗濯物干しっぱなしだ! 取り込むの手伝ってくれ!」
川 ゚ -゚)「あぁ、いいぞ」
('A`)「まぁ、これも………」
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「証拠になるかな?」
終わり
- 126: ( ^ω^)奇妙な賭けのようです :2008/02/01(金) 20:48:36.27 ID:1Ox/i6aH0
- 僕がバーで飲んでいると、隣に見知らぬ男が座った。
そして彼は僕にこう言った。
(´・ω・`)「やぁ、お兄さん。よかったら賭けをしないか?」
文字通り酔狂で僕はそれに応じた。
( ^ω^)「いいお。どんな賭けだお?」
(´・ω・`)「なぁに、簡単さ。キミが上を見れば私の勝ち、でどうだい?」
( ^ω^)「…意味がわからないお?」
(´・ω・`)「つまりはね、私は何とかしてキミが上を見るように仕向けるから、キミはそれに耐えればいい」
そういうコトか。それならば簡単だ。
いくら酔っているとはいえ、その程度のことには耐える自信があった。
( ^ω^)「僕が勝ったら何かくれるのかお?」
(´・ω・`)「私がキミの分も奢ろう。キミが負ければ、その逆だ」
成る程、それはシンプルで良い。そう思い、僕はそれに合意した。
(´・ω・`)「始めようか。では、合図代わりに乾杯と行こう」
こうして、僕たちの賭けは始まった。
- 128: ( ^ω^)奇妙な賭けのようです :2008/02/01(金) 20:50:00.45 ID:1Ox/i6aH0
- 彼は僕の隙を狙う算段なのか、しきりに語りかけてきた。
その手に乗るかと、僕は警戒しつつも、思いの外巧みな彼の話術に半ば魅了されていた。
そうこうしているうちに、気付けば僕たちは1時間ほど語り合っていた。
一向に彼から仕掛けてくる気配は無い。が、これが罠に違いない。
恐らくもうすぐ仕掛けてくる、そう思って警戒していると、彼は
(´・ω・`)「おっと、もうこんな時間だ。帰らないと…」
と、腕時計を見て言い、あっさりと負けを認めてしまった。
( ^ω^)「お?僕の勝ち、かお?」
(´・ω・`)「あぁ、そうさ。仕掛けようと思ったんだが、ついキミと話すのが楽しくて忘れてしまった」
彼は照れくさそうに言うと、財布から1万円札を抜き出し、僕に差し出す。
(´・ω・`)「悪いが、急がなくちゃいけないんだ。これでキミと私の2人分支払っといてくれないか?」
僕は礼を言いつつ、それを受け取る。
( ^ω^)「ごちそうさまだお。今日は楽しかったし、またいつか会えるといいお」
(´・ω・`)「あぁ、全くだ。こちらこそありがとう」
そう言って笑いながら、彼は手を差し伸べる。
僕は彼とまた会えることを願いながら、がっちりと握手を交わす。
- 131: ( ^ω^)奇妙な賭けのようです :2008/02/01(金) 20:51:07.58 ID:1Ox/i6aH0
- (´・ω・`)「では、またいつか」
その言葉を最後に、彼は店の外へ消えた。
( ^ω^)「おかしなヒトだったお」
そう呟きつつ、僕は上機嫌で残りの酒を喉に押し込む。
会計は2人併せて8000円程。彼が残した1万円でまだお釣りが来る。
帰りにコンビニでも寄ろうか、そんなことを考えつつ、彼の万札を手に取った。
…あれ?
僕はその万札に違和感を感じた。
なにやら、紙質がいつもと違うような、そんな気がする。
(;^ω^)「まさか、偽札?!」
慌てて透かしを確認しようと、僕は天井に釣り下げられたランプに向かって万札をかざした。
( ^ω^)「…あ」
僕は驚愕した。
透かしの部分には見慣れた福沢諭吉の顔はなく、代わりに
『ほら、上を見た ごちそうさま』
と書かれてあったのだった。
=終=
- 142: 服屋クエスト :2008/02/01(金) 20:56:00.47 ID:+7z8q5gK0
脱オタが現れた!
(^ω^三^ω^)キョロキョロ
店員の攻撃!
ξ゚听)ξ「何かお探しですか〜?」
脱オタは驚き戸惑っている!
((;^ω^))
店員は殺し文句を唱えた!
ξ゚听)ξ「これなんかお似合いですよ〜」
- 146: 服屋クエスト :2008/02/01(金) 20:56:42.55 ID:+7z8q5gK0
脱オタは満更でもなさそうにしている!
(*^ω^)
店員の攻撃! 会心の一撃!
ξ゚听)ξ「こちら凄い人気で〜、これが最後の一着になっております〜」
( ^ω^)「これ買いますお!」
ξ゚听)ξ「ありがとうございま〜す」
ξ゚听)ξ「378,000円になりま〜す」
( ゚ω゚)「……」
- 147: 服屋クエスト :2008/02/01(金) 20:57:40.21 ID:+7z8q5gK0
脱オタは倒れた!
店員は378,000円の売上げを獲得!
なんと脱オタが起き上がり、返品したそうにこちらを見ている!
(((;゚ω゚)))
返品させますか?
はい
ニア いいえ
(lll´ω`)
脱オタは悲しそうに去っていった!
〜終〜
- 151: ◆wm1j5YJ8Ns :2008/02/01(金) 20:58:42.06 ID:7PHPUrknO
- ビップリン。
それは私立VIP高校の学食の名物。
センター試験の前日のみに限定で10個販売されるそれは、食べる者を必ず志望校に合格させると言う。
値段は500円。
味は某有名ホテルのパティシエが作っただけあって最高級。
そのビップリンを求め争う受験生の中には毎年けが人がでると言われるほど、壮絶な戦いが繰り広げられる。
それは今年も例外ではなかった。
四限目が終わり昼休みを知らせるためのチャイムが鳴るまで、あと三十秒。
三年生の教室では全員がそわそわしている様子が伺える。
チャイムが鳴り終わってから教室を出ないとプリンの効果がないという言い伝えのおかけで、ずるをする者はいないようだ。
そわそわが最高潮になったとき、チャイムが鳴った。
チャイムが今までより長く聞こえるのは気のせいだろうか。
そして、鳴り終わる。
それと同時に耳に入ってきたのは、校内中に響き渡るような轟音。
ビップリンを求めた戦いの火蓋が今落とされた。
- 152: ◆wm1j5YJ8Ns :2008/02/01(金) 20:59:21.08 ID:7PHPUrknO
- (#^ω^)「おおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
プリンを求め、走る彼の名はブーン。
半年前までは陸上部の部長をやっていた彼は足腰には自信があるようで、トップ集団のトップにいた。
(#'A`)「禁則事項でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇす!!!!」
ブーンのすぐ後ろで意味のわからない言葉を発して走る彼はドクオ。
自称、帰宅部部長の彼だが運動神経は抜群にいい。
ξ#゚听)ξ「しゃらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
女子生徒で唯一トップ集団にいる彼女はツンデレ。
柔道部で鍛えられたその体は、同じ部活の男子にも勝る。
ブーンが学食に入る。
そして、プリンに手を伸ばし、それを掴む。
しかしそれはすぐにブーンの手から逃げ、あとから来た者の手に移動する。
(;^ω^)「あっ、それはブーンの!」
それを言い終える頃には、カウンターにあるプリンの数は残り1つになっていた。
- 153: ◆wm1j5YJ8Ns :2008/02/01(金) 21:00:10.26 ID:7PHPUrknO
- (#'A`)「もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
最後の一つはドクオの手によって取られる。
ξ#゚听)ξ「させるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ツンはドクオを目にも止まらぬスピードで投げると同時にプリンを手にする。
(゚A゚)「ごへぁっ!!!!」
ドクオの最後の声はあまりに儚いものだった。
プリンはツンの物になったと思った瞬間
(#^ω^)「よこせおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ブーンがプリンをはじき、それは高く美しい弧を描きながらある者の手の中に落ちた。
( ∵)
こうしてプリンを求める戦いは幕を閉じた。
- 156: 電話の向こうのようです :2008/02/01(金) 21:01:05.41 ID:L0YC5Tym0
- 俺はドクオ。引き篭もり。
でも、部屋に一人でPCに向かったり、ぼーっとしてるのにも飽きた。
('A`)(暇だ。ブーンなら暇だろうし、誘ってみるか)
携帯電話を手に取り、電話帳からブーンの名前を探す。
電話をかけたら案の定、ブーンはすぐに出た。
( ^ω^)『ドクオかお! どうしたんだお!』
('A`)『暇なんだ』
( ^ω^)『お? そうなのかお?』
('A`)『ああ、引き篭もりもつまんねーな』
( ^ω^)『頭大丈夫かお?』…ねぇ、……」
ブーンの声に被って女性の声が聞こえた。
暇だと決め付けていたが、誰か一緒にいるようだ。
- 158: 電話の向こうのようです :2008/02/01(金) 21:01:37.76 ID:L0YC5Tym0
- ('A`)『お前、今部屋?』
( ^ω^)『そうだお』
('A`)『あーいや、悪い』
( ^ω^)『どうしたんだお? 急に』
('A`)『暇だと思ってかけたんだが、誰かいるならいいや』
( ^ω^)『何言ってるんだお?』……して…の?」
('A`)『いや、女の声聞こえるからwwwwwwww隠すなよwwwwwww』
( ^ω^)『……声?』
('A`)『あ、エロゲの最中だったかwwwwwwwわりぃわりぃwww』
( ^ω^)『……今エロゲなんてしてないお?』
('A`)『は? え、あれ……』
( ^ω^)『ドクオ? 何を言ってるんだお?』
- 159: 電話の向こうのようです(終) :2008/02/01(金) 21:02:21.71 ID:L0YC5Tym0
- ('A`)『……』
('A`)『いや、俺の勘違いだごめん』
( ^ω^)『違うお、女を連れ込んでるのはドクオじゃないのかお?』
('A`)『え……』
「ねぇ……、いつまで電話してるの……?」
俺のすぐ耳元で、女性の声がした。
- 223: 消化3/3 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 21:38:48.96 ID:SEWMYbtv0
- ――あの頃の思い出を思い出そう――
('A`) 「……お……おい………………おい……おいってば!」
( ^ω^) 「……………あ……………れ?」
('A`) 「…………きろよッ! ……んで……リなんて……ッカじゃねぇのかよ!?」
なんで……ドクオが……? あれ、生きて? あれ? あれ? あれあれ?
頃しに、じゃない、コロス、コロ……殺すた、はず、や、殺しに行ったはず?
あれ……ああ、あれ? まだ頃し、じゃない、コロして、なかった? どっち?
('A`) 「おい! 良いからじっとしてろよ! 今、電話で救急車、呼んだから!」
川 ゚ -゚) 「ドクオ! ブーンは……ブーンは?」
あれクーが、なで? ドクおと、隣? あれ? クーは、僕の。彼女?
あれ、違う、違うよ、そうだ、そうだ、ドクオとクーだ。
ああ。ああ。そうだった、そうで、そうなったから、だから…飲んで、吸って、射したのに。
これじゃこれじゃ……あ、そうだ……だったら、今……。
( ^ω^) 「ドク…オ? ドクオ? ……クーが、いる?」
('A`) 「ああ!? あ、ああ、クーもいるぜ? いるから……もうちょっと、辛抱し……」
――サクッ
('A`) 「…………………は?」
( ^ω^) 「あは……ハハハハ、ハハ……ドクオ、は、もうすぐ? 死ぬお? 死ぬかお?」
ああ……良かった。ナイフを握ってから、倒れていて、本当に良かった。
クスリ、高かったもんね……無駄にしないで、済んで、本当によか……
( ^ω^) 「あは………あ…………なんか眠い、………お?」
- 224: 消化2/3 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 21:39:02.81 ID:SEWMYbtv0
- ――あの頃の思い出を思い出そう――
( ;^ω^) 「ハァ……ハァ……ハァ……!!」
身体が、震える。寒いわけじゃあない。怖いわけじゃあない。
ただただ……楽しすぎて、楽しすぎて、抑え切れなくて!
ああ、ああ、アレは壊せるのかなぁ……? あの時計は、石で叩いたら、歯車が飛び出すのかな?
アイツを、アイツを、道路に突き飛ばしたら、ドンって突き飛ばしたら、
車が車が車が車が車が車が来る間が来るクルクル包まって……!!
( ФωФ) 「……どうだ? お代わりは、要るかね?」
( ;^ω^) 「お? お、お、お…おかわ、お代わり?」
( ФωФ) 「キミが、今吸っている、白い粉、『深夜のVIP』だよ?」
聞くなよ、そんなの、キマってるから決まってるに決まってるだろ答えなんて?
早く早く早く早く早く早く早く! もっともっと、もっともっともっと!
ああああああああああああああ、早くしてくれよ、とっとと!
( ;^ω^) 「まだ、まだまだまだまだまだ、足りないお、足りないから……はやく!!」
( ФωФ) 「ふふ……まぁ、お代をもらえれば、私はそれで、いいのだがね?」
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
ドクオは……友達、友達友達友達……ああああああああああ、やっぱりまだ、まだ……!!
まだ……こんなんじゃ、こんなじゃ、こんなんんじああああ、まだ、ドクオを…………………………………殺せないよぉ。
- 225: 消化1/3 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 21:39:13.14 ID:SEWMYbtv0
- ――あの頃の思い出を、思い出そう――
('A`) 「……なあ、ブーン」
( ^ω^) 「ん? なんだお?」
放課後の教室で、僕らはいつも、飲み物を片手に喋っていた。
いつもいつも、先生に追い出されるまで、ずっと喋っていた。
女子が来て、居づらくなっても、構わず、喋っていた。
――家族のこと。
――勉強のこと。
――ゲームのこと。
つまるところ、何でも良かったんだ、話題なんて。
ドクオと一緒にいられれば、僕らはそれで。
('A`) 「俺、さぁ……」
( ^ω^) 「ん?」
何でも……良かったのに。
まじめな話じゃなくても、良かったのに。
('A`) 「俺……クーの事、好きなんだけど」
( ^ω^) 「……え?」
奇妙なことを言うなぁ、なんて、その時の僕は、思っていた。
だって、クーは……。
- 228: 聞こえるようです。 :2008/02/01(金) 21:40:20.22 ID:iOQieM4e0
- 私には不思議な力がある。
どんな力かと言われると、答えられないのだが、不思議な力だ。
例えば、ほら。あそこの二人を見てみよう。
(,,゚Д゚)「なぁ、放課後どうする?」
一見純情でイケメンの彼。
だが彼の思ってる事はきっとこうだろう。
『セクロスセクロス!! さっさとセクロス!! 』
こんな所だろう。なんとなくだが、分かる。
一方彼女はどうだろう。
(*゚ー゚)「ごめん、バイトなんだ」
清楚で、優しそうな彼女。だが思ってる事は
『お前、俺の前で息するな』
そんな所だろう。
なんとなくだが、人のそういう事が聞こえるのだ。
それも、無理矢理に聞こえる。
だから、耳を塞いでも、聞きたくなくても聞こえてしまうのだ。
- 229: 聞こえるようです。 :2008/02/01(金) 21:40:32.76 ID:iOQieM4e0
- 結果、私という人間は誰とも接せずに生きている。
だってそうだろう、こんな力があれば、嫌でも人を避けてしまう。
だが最近、私にある変化が訪れたのだ。
それは二つある。
一つは
('A`)
彼の存在である。彼からは良い物を感じる。
先のように、なんとなくだが、優しく、守ってくれる。そんな感じがするのだ。
そして一つ。
これは悪い変化なのだが、最近気持ち悪いものが私の体を這いずり回るのだ。
なんとなくだし、誰がそうしてるのか分からない。
だが、彼がいる。
彼の存在、彼の持ってる物。
それだけで私は嬉しいのだ。
そんな気持ち悪い物など、どうにでもなる。
私の全ては、彼の物かもしれない。
('A`)「あ、クーさん」
あぁ、この声を聞いただけで私の胸は弾む。
- 230: 聞こえるようです。 :2008/02/01(金) 21:40:45.31 ID:iOQieM4e0
- 川 ゚ -゚)「何だ?」
綺麗な髪だ。
川 ゚ -゚)「あぁ、そういえばそうだったな」
綺麗な声だ。
川 ゚ -゚)「ん?どうした?」
大変だった。
この力を手に入れるのに苦労したよ。
君の事は知ってるよ。
君の全てを僕は調べ上げた。
カメラは高かった。取り付けるのも大変だった。
でもおかげで分かった。君の力。君の欲しい物。
一番大変だったよ。
('A`)「この気持ちをコントロールするのは、ね」
好きだ好きだ好きだ好きだよクー。大好きだ。愛してる。犯したい。君の全てをぐちゃぐちゃにして僕を君の
全てにしたい。乱れる髪を見てみたい。泣き叫ぶ君を見てみたい。嬉しい顔の君を見てみたい。悲しい顔の君
を見てみたい。色々な表情の君を、僕は間近で見てみたい。君の全てを手に入れたい。そこまで好きなんだ。
大好きなんだ。君の流れる血、鼓動する心臓、活動する内蔵、その全てさえも僕の物にしたい。美しい物を見
て感動する気持ち、色々な気持ち、そう、心だ。心も僕の物にしたい。そしてそれをズタズタにしてみたい。
君は一体どうなるのだろう。気になる。気になる。気になるのだ。その心を弄びたい。体を思い通りにしてみ
たい。犬のように排便させてみたい。家畜のように扱ってみたい。君の肉はさぞ美味いだろう。
('A`)「愛してるよ、クー」
- 256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,184秒 :2008/02/01(金) 22:04:48.76 ID:78KcO8fg0
- (,,゚Д゚)「俺が死んだら、お前にだけは真実を教えてやるよ」
いつもと同じだった。
いつもと同じように朝起きて、いつもと同じように朝ご飯を食べた。
形が崩れた豆腐に、薄い味付けのみそ汁。近所のお婆さんからもらった黄色いたくあん。
日が入り込む東側の大きな窓。綺麗な白いお米。
ただ。いつもと同じだった。
違ったのは彼の淋しそうな微笑みと、「おかわり」の言葉の変わりに紡がれた言葉。
うん。それだけだった。
*
来る人は皆腰が低く、真っ黒な服を着ていた。着物を着ている女性もいれば、黒いスーツを着ている男性も居る。
白と黒が交互に入っている大きな布が掛かっている。
よく考えれば、私にとってこの日は初めてのお葬式だった。
大きな会場には色とりどりの花達。
('、`*川「まだ…二十歳になってなかったんだっけ? かーわいそーう」
- 258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,184秒 :2008/02/01(金) 22:06:31.26 ID:78KcO8fg0
- その声に反応して私は前を見る。そこには髪の毛を茶色に染めた若い女が立っていた。
しかし、葬式にきたとは思えないほど真っ赤な唇。華美過ぎる化粧だな、と思った。
膝上のスカートに高いハイヒール、そしてカールしている長い髪の毛が、まるで昼ドラの悪役のよう。
私はこの女を殺したい。
この女を私は知っている。彼が教えてくれた最後の事。
喉に数千匹のウジ虫が湧き出てきたような感覚に陥る。喉を焼き尽くしたい。
ざわりざわりと喉が湧く。そして同時に胸苦しくなる。私はこの女を殺したい? 違う。
殺す。
ガタッ。
私が座っていたパイプ椅子が背もたれを一位にして床に落ちた。
周りの人達はすでに葬儀場に向かってしまったらしく、この部屋には私とこの女しか居ない。
刃物もなにも持っていない私にとって、この女を殺す方法はただ一つ。私の手でこの女の首を絞めるだけだ。
('、`*川「…っ…あ」
変な声が女から出てきた。いいザマ。
私の中にあるサディステックな感情が湧き出てくる。そう、もっと苦しめ。
私の首筋から汗が噴き出てきた。
('、`*川「そー…よ」
- 259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,184秒 :2008/02/01(金) 22:06:47.00 ID:78KcO8fg0
- その声に若干、首を絞めていた手の力を弱める。そう、若干。
私はこれでは昼ドラから一転、夜九時から始まる刑事ドラマじゃない、と心中笑っていた。
女は酷く息苦しいだろう。それなのに瞳の奥の芯はしっかりと私を見つめ、声も魂がこもっていた。
('、`*川「私が、殺した」
言葉を合図に、私達はそろって笑った。微笑みとか、そんなに柔らかいものではない。
冷ややかな表情。お互いを貶し合っている表情。でもそれもお終い。全部終わり、終わり、お終い。
だって、彼、もう居ないんだもん。だからさようなら。貴方も私もただのピエロだったのよ。
*
冷たい灰色の壁。耳を当ててみても何も聞こえない。冷たいコンクリート。
小さな窓からは少しの日光。ここで初めて此所が独房だと気付いた。
一体、自分は何をしているのだろうか。長い後ろ髪が前に出てしまっているが、それさえも戻す気にはならない。
自分の手を日光が差し込んでいる方向に差し出してみた。思わず鼻で笑った。
(*゚ー゚)「あーあ、愛した彼は、もういないのか……」
- 262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,455秒 :2008/02/01(金) 22:08:12.06 ID:ToFXUtes0
- 無人と思われる、古びたコンクリートの建物の一室。
俺の唯一の先輩、高岡さんのかつての研究所。
从゚∀从 「突然呼び出してすまんな」
(´<_` )「久し振りですね。高岡さん。この装置は何ですか?」
从゚∀从 「これはなあ… あの時のタイムマシンだ」
俺の質問に答える彼女に、かつての面影はなかった。
白衣は黄ばみ、髪は伸びきり、足元もおぼつかない様子だ。
(´<_`;)「タイムマシン? まさかあの時の…」
从゚∀从 「そうさ。三年前…。あの時、お前はまだ私の助手だったな」
そう言うと、高岡さんは電話ボックスのようなそれに手をそえる。
从゚∀从 「…完璧になおした。これでこの装置が存在していた期間になら、何時でも戻ることができる。
事故…で死んだアイツも助けられる… ドクオを…」
(´<_`;)「何を言ってるんですか! 三年前の失敗を忘れたんですか!?
ドクオさんもそれで… 亡くなったんじゃないですか!」
…三年前、完成したと思われたタイムマシンの整備をしていたドクオさんは、突然の装置の爆発に巻き込まれた。
その事故以来、高岡さんは塞ぎ込んでしまい、俺も研究所を後にする事になったのだが…。
まさか、一人でタイムマシンの研究を続けていたとは…。
- 263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,876秒 :2008/02/01(金) 22:08:44.87 ID:ToFXUtes0
- (´<_`;)「…高岡さん! 止めてください!」
从゚∀从 「おっと」
高岡さんの手にはナイフが握られていた。
そして、刃先を真っ直ぐに俺に向けたまま、焦点の合わない目で俺を見据えて言った。
从 ∀从 「ドクオは本来死ぬはずがなかった。だから私も死なない」
かすれた声でそう言うと、彼女は装置の中に滑り込み、扉を閉めた。
次の瞬間、閃光が走り、装置の中は空になっていた。
(´<_` )「高岡さん…。ドクオを救うことができるのなら、何故今ここにあなたの作り直したタイムマシンがあるのですか?」
俺は静まり返った部屋で一人呟いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遂にタイムマシンが完成して一週間が経ち、今夜が初実験の日だ。
从゚∀゚)リ 「さて、そろそろ装置を見ておくかな」
窓の外の沈む夕日を一瞥すると、わたしは白衣をまとい、研究室に行こうと自室の扉を開けた。
从゚∀从 「…………」
そこには、ナイフを持った恐ろしい形相の女が立っていた。
从♯゚∀从 「あ、あ、あああああああぁぁぁああ!!」
女は奇声をあげて切りつけてきた。
- 264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,859秒 :2008/02/01(金) 22:09:18.55 ID:ToFXUtes0
- 从メ ∀ )リ 「はあ… はあ…」
私は床に転がる血まみれの女を見た。
随分と変わり果てているがそれは… 自分だった。
恐らく未来の…。
私は痛む腕を押さえながら、震える手でタイムマシンの破壊スイッチを押した。
実験は夜だ。
…まだ、誰も研究室に居ないはずだ。
〜ハインは過去を変えようとするようです〜 end
- 276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,138秒 :2008/02/01(金) 22:21:37.10 ID:78KcO8fg0
- ガタンガタンガタン。電車が私達二人の目の前を通過する。音をたてながら。がたんがたん。
眼鏡をかけた彼女は、なんて事なさそうに話し始めた。透き通る声は夜空に上がっていく。
真冬の夜空の星は燃えてしまいそうな位に輝いていた。それが最後の煌めきといわんばかりに。
ピカピカピカ。ガタンガタン。そして彼女は語り出す。がたんがたん。
冷たい風が吹き抜ける。夜空に舞う、落ちた葉。
从 ゚∀从「もー、何年前になんのかなァ」
水色のジャンバーを羽織った彼女。夏には短めだった髪も今ではセミロング。
早く電車は通過しないだろうか、と黒と黄色の彩色が施されている棒の手前で私達は立っている。
ふと彼女を見てみた。
やんわりとした桃色のマフラーに、黒い手袋。彼女が寒がりだというのはついこの間知った。
白い息を吐きながら、彼女は語る。カンカンカンカンと乾燥した空気に響く警告音。
そんなものはどうでもいいのだから、はやく電車を走らせろよJR。
从 ゚∀从「隣町に女の子が居てさ。女の子でさ。14歳。まぁ、今の私等と同い年だね」
- 278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,138秒 :2008/02/01(金) 22:22:25.56 ID:78KcO8fg0
- カンカンカンカン。赤く点滅するランプ。
息は白く、私の頬は赤くなった。彼女の横顔は、どこか黄昏に見えた。
塾の帰り道、私達は寒空の中、肩を並べて帰る途中。脳内では先程説いた二次関数のグラフが蘇る。
A=√4。それと対になっているBは−√4。
夜空の星は輝くのを止めない。それが例え死の直前であったとしても。
彼女の声は星に届くのだろうか。セミロングの髪が風に揺れる。ふと駅のほうを見ると、電車が発進してきた。
从 ゚∀从「何でかは解らないけれどさー」
寒さに手がかじかむ。彼女は大丈夫なのだろうか。カンカンカンカン点滅するランプ。
ノイズのように聞こえる冬の風。寒くて寒くて仕方がない。
吹き抜ける風に身を任せてしまった最後の木の葉。もう終わりはすぐそこ。
彼女の口も動き出す。
从 ゚∀从「電車につっこんでさ、」
電車が音をたてながら迫ってきた。ガタンガタンと鳴る電車の車輪。がたんがたん。
聞き取りが困難になる彼女の声。彼女の横顔は、どこか遠くを見ていた。カンカンカンカン。
あと少しで、電車が目の前を過ぎる。ガタンガタン。
彼女の唇が動く。
从 ゚∀从「自殺したんだよね」
- 279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,138秒 :2008/02/01(金) 22:22:42.83 ID:78KcO8fg0
- ガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタン。
電車は凄まじい勢いで私達の前を過ぎていった。まるで光のように。
そしてすぐに黒と黄色の彩色の棒は上へ上がった。彼女はなんて事なく進み出す。
私もそれに続く。冷たい風も付いてくる。ひゅーひゅーと孤独を叫び出す。耳に残るあの五月蠅い音が蘇る。
カンカンカンカン。それはまるで、終わりへのいざないの音。
私は彼女の後ろ姿を見ながら、名前も顔も何も知らないその女の子に向かって、何かを想っていた。
- 325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと803,195秒 :2008/02/01(金) 23:02:21.41 ID:vU6bihGF0
- それは一本の電話から始まった。
「みかんは好きですか?」
好きですと答えたら、続けて楽しそうに弾む声がまくし立てる。
「みかんといえばこたつ、こたつといえばみかんという無限ループって素敵ですよね?
私たちは今日本人が忘れているその温もりを思い出してもらうべく電話しているのです。
ほかほかこたつで温まりながらひんやりつめたいみかんを頬張る。
甘さにとろけるもよし、すっぱさに顔をすぼめるもよし、テレビを眺めるのもオツですね。
あなたもやってみてはいかがですか?」
それだけ言うと、静かに電話は沈黙した。
('A`)「懐かしいねぇ、こたつにみかん。じいちゃん死んでからやってねぇや」
俺はばあちゃんを呼びつけると、こたつをどこに仕舞い込んだのか確かめる。
確認するや否や、俺は押入れを開け放ってこたつを引きずり出した。
手早くセッティングする。もちろん24インチのアナログなテレビを正面に持ってくる。
これで窓の外に雪でも降っていれば最高だった。
「ああ、懐かしい光景だね? ドクオ、ばあちゃんも入っていいかね」
('A`)「勿論。俺は平成の、ばあちゃんは昭和の思い出に浸ればいい。これは今からタイムマシンさ」
「あらあら、面白そうね。それじゃ、タイムトラベルと行きましょう」
- 326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:02:57.27 ID:vU6bihGF0
- 思い出話に花を咲かせる俺たち。
こたつの暑さに少しゆだってきたらみかんを頬張り、その甘さと冷たさに腑抜ける。
腑抜けながら、話のネタは尽きることがない。
じいちゃんのこととか、父さんの事とか、母さんを連れてきたときとか、俺が生まれたときとか。
ばあちゃんは穏やかに話し続ける。俺も記憶を辿って、いなくなったみんなを思い出していく。
('A`)「なあばあちゃん」
「なんだい?」
('A`)「寂しく、ないか?」
少しきょとんとした後、ばあちゃんは、やっぱり穏やかに笑いながら言った。
「私はね、皆のことを覚えているよ。おじいさんも、ドクオのお父さんも、お母さんも。
今こたつに入ってみかん食べてるとね、ゆっくりゆっくり、思い出すんだよ。
だからね、少し悲しいけれど、さびしくはないよ」
ドクオがいるからねと付け加えて、テレビの天気予報に視線を向けた。
自分たちが住んでいる地域の天気を見て、俺はベランダに走る。
('A`)「俺さ、」
「なんだい、ドクオ?」
- 328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:03:50.44 ID:vU6bihGF0
- ('A`)「皆が死んだとき、泣けなかった。泣かないよう頑張ったんじゃなくて、泣けなかったんだ。皆唐突だったからな」
「知ってるよ」
('A`)「それでいいと思ってた。泣かないほうがいいって思ってた」
窓の外を少し眺めて、振り返った。
('A`)「でもさ、皆優しいよな」
優しい雪が降る窓を背に、ドクオはこたつを見た。
ばあちゃんと向かい合うように、じいちゃんが。
二人の間に、両親が、座っている。
('A`)「まったく、あの電話に感謝しなきゃな。言い忘れた事を言えることに」
俺も、笑い返す。
皆の顔を忘れないように。けれど、ちゃんと言える様に。
「ありがとう。さよなら」
やっと泣けるなと、俺は小さくつぶやいていた。
- 331: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:06:04.12 ID:78KcO8fg0
- 流れる教頭先生のダミ声。それに合わせて動き出す周り。
/ ,' 3「これから避難訓練を始めます。生徒の皆さんは速やかにグラウンドに避難してください」
ああ。ハイ。そうですか。設定は地震が起こって調理室のガス栓的なものが壊れて火が出てきたって。
火が回る前に逃げてくださいですって。ああ、ハイ。そうですか。
そんな怠いこと、俺は出来なくて、逃げるふりをしてトイレで適当に時間をつぶしていた。
先生には保健室に行ってくるといったが、どうせ保健室に行ったって追い出されるだけだ。
ちなみに俺の学校の保健室は避難訓練だろうが授業参観だろうが具合が悪ければいけるようになっている。
あー、そろそろ帰っても良いかな、と思って教室に戻ったが誰もいなかった。
ふう、とため息を吐いて自分の席に座ろうとした時だった。不意に、背後から声が聞こえた。
(*゚∀゚)「あんた、死んでるよ」
これが本番だったらね。
笑ってきたのは保健委員の女だった。
グラウンドからは教頭先生のダミ声が聞こえた。よくこんな声を聞いている生徒が居るもんだと思った。
(*゚∀゚)「今はねー。火災発生から6分47秒。調理室の上にあるこのクラスは火に包まれているわよ」
ふふふふ。あんた今更丸焦げよ、とまた笑う。
今更珍しい高い位置で縛られているポニーテール。そして赤い赤いスカーフ。俺はまたため息を吐いた。
膝下と決められているスカート。白と決められたソックス。第一ボタンもあけてはいけない学ラン。
決めつけられた校則。古びた校舎。汚い黒板。
- 334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:07:34.87 ID:78KcO8fg0
- (*゚∀゚)「ねー。知ってる?」
(,,゚Д゚)「……何」
(*゚∀゚)「この学校でねー、昔ねー、女の子が屋上から飛び降りたんだってー」
(,,゚Д゚)「……へぇ」
(*゚∀゚)「落ちるときって一体、どんな感じなのかな?」
首をかしげて、髪が揺れる。ふふふ、少しだけ上品な笑い方。俺はベランダに出て空を眺めた。
下では多くの生徒と少数の先生が座って教頭先生のお話を聞いていた。怠くないのかね。
ああ、はいはいはい。座って聞くふりが大切なんだよね。
(*゚∀゚)「ねーえー」
(,,゚Д゚)「何?」
(*゚∀゚)「おちてみないー?」
は? と俺は後ろを振り返る。窓から流れてきた風に、奴の赤いスカーフが揺れる。ニヤリと笑う奴。
膝下と決められているスカートが揺れる。白と決められたソックス。第一ボタンもあけてはいけない制服。
決めつけられた古くからの校則。いつのまにか古びた校舎。白い後が残る汚い黒板。
(*゚∀゚)「どうせ私達、今更丸焦げ。死んでるよー」
- 335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:09:04.91 ID:78KcO8fg0
- 首をかしげて、髪が揺れる。ふふふ、少しだけ上品な笑い方。俺は目を細める。
今更珍しい高い位置で縛られているポニーテール。そして揺れる揺れる赤い赤いスカーフ。
胸が焼けこげるような感覚。麻痺していく脳髄。女は俺の元へやってきて、不意に俺の手を握った。
(*゚∀゚)「どうせ焼け死んでるよ。私達。だから――」
膝下と決められているスカートは風と共に揺れる。白と決められたソックス。第一ボタンもあけてはいけない制服。
決めつけられた古くからの厳しい校則。いつのまにか古びてしまった校舎。白い後が微妙に残る汚い黒板。
流れる教頭先生のダミ声。それに合わせて動き出す周り。よくこんな声を聞いている生徒が居るもんだ。
(*゚∀゚)「一緒に落ちてみようよ」
首をかしげて、髪が揺れる。ふふふ、少しだけ上品な笑い方。俺は目を細めて、笑った。
- 351: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:40:27.72 ID:orpb0uytO
- ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
( ^ω^)「ダダダダダダダダ」
ガチャ
('A`)「コラ、インターホンを連打するんじゃないよ」
( ^ω^)「え、だってドクオん家だし」
('A`)「俺ん家だったらなにしてもいいのか?」
( ^ω^)「火をつけても許されると思ってる」
('A`)「帰れ」
( ^ω^)「お邪魔しまーす」
('A`)「言い得て妙だ」
- 352: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:41:09.24 ID:orpb0uytO
- ('A`)「で、何しに来たの?」
( ^ω^)「ウンコしに」
('A`)「トイレ貸してもらえるのは決定なんだ。ソコの一番奥ね」
( ^ω^)「ほいほーい」
ガチャ
(*゚ー゚)「え?」
( ^ω^)「あ」
(*///)「キャー!」
( ^ω^)「何してるんだお?」
(;゚ー゚)「え、いやあの……」
- 353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:42:06.46 ID:orpb0uytO
- ('A`)「大便だろ、どうみても」
( ^ω^)「ああ、どうりで」
(*///)「小です!! ……ていうかどうりでって何が!?」
('A`)「ちゃんと鍵を閉めなさいよ」
(*゚ー゚)「それより早く閉めなさいよ」
バタン
('A`)「じゃあ、もう少し我慢してくれ」
( ^ω^)「ああ、それならもういいんだお」
('A`)「……え?」
(^ω^ )「……」
ジャ〜……
- 388: ('A`)文明は変化するようです1/3 :2008/02/02(土) 00:06:31.58 ID:vmv+D8Kd0
- 昭和を生きてきた自分にとって、文明の発達には何度も驚かされてきた。
まさかテレビがあんなに薄くなると思わなかったし、インターネットを通じて世界と交流できるなんて考えたこともなかった。
('A`) 「なあ、ツン。これどうやってメール打つんだ?」
ξ゚听)ξ 「もう、お父さんったら。本当にアナログ人間よねー」
('A`) 「はいはい、どうせ昭和の人間ですよ」
ξ゚听)ξ 「そんなこと言ってるんじゃないの。いい? メールはね……」
今だって、最近娘に、嫁さんとペアでプレゼントされた携帯電話と格闘している。
老眼には小さい文字は耐えられないし、近頃は記憶力も衰え、どのボタンを押せばいいのかもすぐに覚えられない。
('A`) (電話もずいぶん変わったよな……)
俺が青春時代を謳歌していたときは、まだ黒電話が主流であった。
数字に合わせてジコジコ回し、リンリンうるさく鳴る、あの真っ黒な電話。今では、見かけなくなったが。
あの頃は、待ち合わせしたときに遅刻をしても、相手にそれを伝える手段が無かった。
今は、携帯電話一つあれば問題ない。文明が進化するということは、やはり人間にとって良いことなのだろうか。
- 389: ('A`)文明は変化するようです2/3 :2008/02/02(土) 00:07:28.20 ID:vmv+D8Kd0
- ξ*゚听)ξ 「あ、ちょっと友達に電話をかけなくちゃ。お父さん、ちょっと一人で頑張ってて」
('A`) 「わかったよ」
そう言うと、ツンは足早に自室へと戻っていった。その白い手に、小さな携帯電話を握り締めて。
なーにが、『友達』だ。あんなに、頬を赤く染めやがって。まったく、バレバレだって。
('A`) (だけど……俺の若い頃も、好きな人に電話をかけるのは恥ずかしかったなぁ)
学生服に学生帽、坊主頭が主流の高校時代に、一人文学少年を気取って髪を伸ばしていた自分。
いつも一人で、図書室に篭り本を読む日々を送っていた。そんなとき、彼女に出会った。
俺とそいつはお互いに魅かれあい、いつしか恋仲になっていた。相手の父親が頑固者で、おおっぴらにデートとかできなかった。
('A`) (電話をかけるのにも一苦労したねぇ)
俺が相手に電話をかけるときは、いつも親父さんがいない時間を見計らう。間違って、親父さんが出たりしたら、怒鳴られることは間違い無し。
「あの……ドクオですけど」。初めて彼女に電話をかけたときは、唇を震わせながらそう言ったのを、はっきりと覚えている。
黒電話のダイヤルに指をかけるときは、いつも心臓が激しく脈を打っていた。恐いからではない、やっぱり好きな人と喋れて嬉しかったんだと思う。
- 390: ('A`)文明は変化するようです3/3 :2008/02/02(土) 00:08:00.02 ID:vmv+D8Kd0
- ('A`) (あ……そうか)
文明の進化とか、便利性とか。そんなのはきっと関係ないんだと思う。
携帯電話を使おうと、黒電話を使おうと、心臓がドクンと跳ね、高揚とした気分になることができる。
かつて、俺が顔を赤らめながら、彼女に電話をしたように。今、俺の娘のツンが頬を赤く染めながら話している。
時代は人間の気持ちとともに動くのだろう。文明の発達などに、決して左右されることはない。
('A`) 「よし、携帯の使い方もなんとなくわかったし。初電話でもしてみるか」
あのときのようなダイヤルではない、大きくて押しやすいプッシュホン。俺はゆっくりと、番号を押していく。
あ、着信音が鳴り始めた。……相手が電話に出た。よし――。
('A`) 「あの……ドクオですけど」
川 ゚ -゚) 「かけてくるのが遅いぞ。ずっと待ってたんだからな」
俺たちは、年齢や歳月なども気にせずに、互いを見つめながら頬を赤く染めた。
あのときと同じ会話、あのときと同じ気持ちを味わいながら。
おわり
- 429: ('A`)大会のようです :2008/02/02(土) 01:23:12.92 ID:rr9CzegpO
- ('A`) 「ふぃー」
今日は待ちに待った地区大会だ。 たかが地区、されど地区。
俺にとっては地区大会と言えども、気の抜けない大会になる。
昨年度準優勝したラウンジの兄者に、同じくラウンジの三位の弟者。 続いて三位のプギャー。
プギャーは同じ高校ということもあり、手の内はほとんど把握していたから何とか勝てた。
だが、兄者との決勝はギリギリの状態での勝利だった。
絶対に勝てるという保証は何処にも見当たらない。
そんなわけで、俺は早速ストレッチをしてるという訳だ。
大会会場の二階の観客席の裏。 そこはアップするには丁度良い場所であった。
('A`) 「よいしょっと」
ある程度アップを終えたところで俺は立ち上がり、
開会式に参加するために一旦、一階に下りる事にした。
- 432: ('A`)大会のようです :2008/02/02(土) 01:25:41.69 ID:rr9CzegpO
- >>429
階段を下りる途中、兄者やプギャーとも会った。
( ´_ゝ`)「今度こそ勝ってやるもんねーだwww
まるでドクオがゴミのようだwww」
('A`) 「おう、お互い全力を尽くそうぜ」
( ^Д^)9m 「今度こそドクオに勝ってプギャーしてやるぜwww
プギャーwwww」
('A`) 「もうプギャーしてるじゃねーか」
兄者、プギャーは俺を倒そうと必死になっているようだ。
だとしたら俺も気を抜く訳にはいかないな。
間もなく開会式が始まる。 俺は前の方で静かに待機していた。
そして開会式が始まった。 大会主催者の長話と、審判によるルール説明、
今まで飽きるほど聞かされた内容を、またこうして聞いている。
正直もう聞きあきた内容だが、そんなことで俺の灼熱の闘志は揺るがない。
そして、もうすぐ俺の出番が来る。
- 433: ('A`)大会のようです :2008/02/02(土) 01:27:58.19 ID:rr9CzegpO
( ´∀`)「第59回VIP地区大会卓球選手権優勝カップ返還。
VIP高校、鬱田ドクオ!!」
('A`) 「はい!!」
大きく返事をして、壇上へと歩き出す。 皆が俺を見ている。
去年も味わった爽快感が甦る。
俺は両手に持った金色に輝くカップを主催者に渡して一礼した。
と同時に沸き起こる拍手。
あぁ。 やっぱり良いもんだな。
優勝。 良い響きだ。
壇上から下りた後も俺は感動に浸っていた。
大会後。 また、この壇上へと上がれるといいな。
終
- 436: ド忘れではないようです1/3 ◆tOPTGOuTpU :2008/02/02(土) 01:29:58.67 ID:uM5QM7lj0
- 携帯電話を紛失した。
多分、昼寝している間だと思う。
起きて、さぁ時間を確認しようと思い立った辺りで気付いたからだ。
(;'A`)「っかしぃなぁ……」
しょうがないので、自宅の電話から掛けて探すことにする。
だが、番号を押している最中で、バイト帰りでマナーモードそのままだったことを思い出す。
(;'A`)「ッ……!」
死にたくなった。
だが、一応震えるのだから何とかなるだろうと考え直した。
結果、何ともならなかった。
しらみ潰しに動き回り、リビングやダイニングは粗方探し終えた。
残るは自室かなと、ふと思い立ったのだが、
バイトから帰ってきて、また一度も足を踏み入れてないことに気付く。
さすがに、携帯が自分で歩き回りでもしない限り、それはないだろう。
さぁどうしよう。
そろそろ日も暮れて、夜が訪れようとしている。
もう何時間探索したのだろう。
焦りと疲れが、ドっと汗とともに噴出しているようだった。
- 438: ド忘れではないようです2/3 ◆tOPTGOuTpU :2008/02/02(土) 01:30:41.67 ID:uM5QM7lj0
- ('A`)「もう疲れたお」
早く携帯で2chをやりたいのに。モバゲーをやりたいのに。
悶々としながら、とりあえず休養のために自室に戻った。
すると、
从 ゚∀从「よう」
妹がベッドの上で漫画を読んでいる光景に出くわした。
「何やってんだ」と呆然と眺めていると、積まれた漫画の傍に、俺の携帯電話を発見したのだった!
(;'A`)「おー! おれのー!!」
恥も知らずに叫ぶ、
妹が、片頬をヒョイと上げて笑みを作ると、俺の携帯電話を手にして、ベッドの上に立ち上がった。
从 ゚∀从「どうだったよ、携帯無い生活は。あン?」
玄人気取りだかの口調で、謎の発言をした。
趣旨が、よく分からなかった。
多分、教訓めいたことを俺に味わわせるつもりなんだと思う。
- 440: ド忘れではないようです3/3 ◆tOPTGOuTpU :2008/02/02(土) 01:31:24.08 ID:uM5QM7lj0
- ('A`)「すごく……つまらなかったです」
从 ゚∀从「だろう。人間は、便利のために作ったものにだな、逆に振り合わされることもあるんだぜ」
演説めいたその言葉には、デジャヴを感じた。
何故だろうと考えたところ、妹の手にしている漫画「さよなら絶望先生」に目が行き当たった。
そういえば、絶望先生にそんな話があったなぁと思い出す。
その後、俺は妹の付け焼刃のような説教を食らわされた。
部分部分は漫画の知識に頼っているのだが、「人間同士の触れ合いが大切だ」という妹の信念をありありと感じ取った。
最後になぜか俺が謝り、ことが終了した。
妹が嬉しそうに退出した後、早速携帯を開いて画面を操作する。
何も弄られてはいなかった。
次に、習慣的にパソコンを立ち上げた。
ディスプレイを眺めている間、こんなんだから妹に説教されたのだなと自嘲した。
妹は携帯すらロクに操作出来ない機械オンチで、度々俺に泣きついてくることがある。
(終)
- 479: ('A`)( ゚∋゚)の料理教室のようです1/3 ◆U6.3Gangr. :2008/02/02(土) 02:42:18.95 ID:VpaVgL1BO
- ( ゚∋゚)「クックルと」
('A`)「ドクオの」
( ゚∋゚)('A`)「「クッキング教室」」
( ゚∋゚)「今日は玉子焼きです」
('A`)「…アンタ一応鳥だろ?いいのか?」
( ゚∋゚)「知ってるか?我々の種族には産まれなかった玉子を叩き割って親鳥のエサに」
('A`)「ちょっとカメラ止めろ」
………
……
…
(メ ゚∋゚)「まずは玉子を割ります」
(メ'A`)「先生、それゆでたまごです」
( ゚∋゚)「キン肉バスター!!」
('A`)「そっちじゃねぇよ」
- 480: ('A`)( ゚∋゚)の料理教室のようです2/3 ◆U6.3Gangr. :2008/02/02(土) 02:44:06.29 ID:VpaVgL1BO
- ( ゚∋゚)「ボウルに入れた玉子とか砂糖とか混ぜますモグモグ」
(#'A`)「調理中にゆでたまご食ってんじゃねぇ!!」
( ゚∋゚)「フライパンにアブラカタブラspring×2 coming' star」
('A`)「はいはい温めつつ油をひくんですね。あとRitaとか誰も知りませんから」
( ゚∋゚)「はじめは玉子を薄く引いて、徐々に厚くしていくと…」
('A`)「あら不思議、玉子の板が完成…」
('A`)「って、どうして巻かなかったんですか!!」
( ゚∋゚)「まぁ気にするなモグモグ」
('A`)「だから食ってんじゃねぇ!!」
( ゚∋゚)「モグモグ…こんなこともあろうかと、こちらに完成品がモグモグ」
(#'A`)「口に物入れたまま喋るな!!」
('A`)「えーと…この蓋だな」
パカッ
- 481: ('A`)( ゚∋゚)の料理教室のようです3/3 ◆U6.3Gangr. :2008/02/02(土) 02:45:31.62 ID:VpaVgL1BO
- ('A`)「クックル先生…玉子焼きがないです…」
( ゚∋゚)「これは事件だな」
('A`)「だが犯人はわかっています」
( ゚∋゚)「ほうほう」
('A`)6m ビシッ
( ゚∋゚)
(゚∈゚ )
( ゚∪゚ )
('A`)「こっちみんな」
('A`)「というか正面顔きめぇよ」
( ゚∪゚ )
( ∪ )
ギャーギャー
(メメメメメメ゚∋゚)(メメメメメ'A`)「それではまた来週」
- 502: 1/3 :2008/02/02(土) 04:23:07.12 ID:i//Ye5Nj0
- 部屋の隅にうち捨てられた人形を見つめている。
陽の光も届かないそこに、魂を抜かれたように横たわっているその精巧な人形を。
ξ )ξ
ふっくらとした頬、気丈な瞳。華奢な体躯、薄く透ける衣、そこから伸びる白く、細く、たおやかな四肢。
そして柔らかく、微かに膨らんだ胸の双丘。
全てが生きた人間のようで、同時に人間のありったけの理想を詰め込んだ「にんぎょう」のように理想的で。
けれども、今は、髪には薄く埃が積もり、緩く曲げられた膝の関節には細くクモの巣がかかっている。
南の島の海のような薄いブルーの瞳は、閉じられたまぶたの奥に仕舞い込まれて開かない。
糸が切れた操り人形のように脱力して、壁に背を付けて倒れ込むその姿は、美しいだけになおいっそう惨めだ。
( ^ω^)「ツン。
僕は、君を愛したんだお。
弄ばれて、傷つけられて、虐げられた君を、それでも」
近づいて、そっと髪を撫でる。冷気に当てられたその髪は冷たく、強ばって感じられる。
瞳は、開かない。口も、開かない。
横隔膜の伸縮がなす緩やかな胸の上下動も、失われてからずいぶん長い時間が経つ。
それでも、何度も、何度も、髪を撫でる。
( ^ω^)「もう、誰も覚えてないお。
ブーンのことも、ツンのことも」
自分の子供に語りかけるように。長年連れ添った恋人に語りかけるように。
老人が孫曾孫に語りかけるように。静かな落ち着いた声で、続ける。
- 503: 2/3 :2008/02/02(土) 04:24:39.84 ID:i//Ye5Nj0
- ( ^ω^)「そして、もう10分も経てば、僕たちの名前はこの世のどこからも消え失せるんだお。
まるで、初めから存在しなかったみたいに」
( ^ω^)「……そう。みんなみんな、いなくなるんだお」
声は、徐々にかすれ、小さくなって消える。
俯いて、ただ、黙る。
( ω )「……」
( ω )「……ブーンは」
それでも、最後には、震える声を抑えられない。
( ;ω;)「ブーンは、悲しいんだお。なぜ、こんなことになってしまったんだお?
一体誰が、どこで間違ってしまったんだお?」
赤子をあやすように人形の髪を撫でていた手は、いつしか強く握りしめられて、
涙を拭うことも忘れて声を荒げる。
わななく手が人形の頭を離れ、肩を掴んで抱き寄せる。
( ;ω;)「僕はもっと生きたかった。死にたくなかった。
いつまでもいつまでも、ツン、君と一緒にいたかったんだお!」
悲痛に涙と嗚咽が混じり合う声が、二人だけの部屋に木霊する。
決して大きな声ではなかったが、それは咆吼だった。
( ;ω;)「ツン、起きてくれお! 怒ってくれお!
いつもみたいに、この手でブーンを小突いて、クヨクヨするなって叱ってくれお!
ブーンは――ブーンは、ツンがいないと、ダメなんだお!」
- 504: 3/3 :2008/02/02(土) 04:30:32.56 ID:i//Ye5Nj0
- その後は、もう言葉にならない声が続くばかり。
ただ幼児のような引き泣きが、狭く殺風景な部屋に響いた。
数分後、鳴き声と、冷たく乾燥した空気だけが残るその部屋の、窓の外が明るく瞬く。
無言で、涙を拭って立ち上がる。
がくがくと震える脚を押さえて立ち上がり、窓際に歩み寄ると――カーテンを開け放った。
( ^ω^)「――ツン。見えるかお? 綺麗な流れ星が、たくさん、たくさん」
窓の外には、無数の光点が。
長く、短く尾を引いて夜明けの空を走る。
無数の大陸間弾道弾。それは、人間が人間を滅ぼすために振るった最後の拳だ。
大地を滅ぼし、生けとし生きる者全てを灰に帰す終焉。それを告げるギャラルホルンの角笛だ。
( ^ω^)「これで、全てがお終い。最後に残ったブーン達も、これでお終いだお」
眠い。酷く眠い。
( ^ω^)「だから、最後だから。――ツン。愛してたお。
こんな身体のブーンだけど、君と初めて会ったその日から、ずっとずっと、愛してたお」
千切れた左腕から垂れ下がる生体部品が、人工骨格が、サーボモーターをぶら下げたケーブルが煩わしい。
腹腔から溢れ出る、どす黒い潤滑油にまみれた機械部品が邪魔でたまらない。
だから目を閉じ、身体を屈めて跪く。
そっと唇に唇を重ねる。それが初めての、そして最後のキス。
世界にたった二人残された恋人達の、閉じた瞼の向こう。
地表に降り注ぐ終末を告げる炎が膨れあがり、バースデーケーキの上の蝋燭のように赤く揺らめいた。
- 522: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 10:18:14.42 ID:Z+pjoV+F0
- ピ、ポ、パ、ポ・・・・・・
(*゚ー゚)やっぱり・・掛けれないよ・・・
(*゚ー゚)弱気になっちゃだめ・・・だけど・・・
振られたらどうしよう・・・
(*゚ー゚)ああー・・・
バタンッ
ξ゚听)ξおい
(*゚ー゚)ツン・・・ちゃん・・・?
ξ゚听)ξさっさとかけなさいよっ!
さっきから隣できいてればうじうじうじうじと・・・!
ξ゚听)ξ大丈夫よ!ここまで頑張ってきたじゃない。
早く電話しないと・・・ギコ君、誰かに取られちゃうかもよ?
(*゚ー゚)・・・でも・・・・
ξ#゚听)ξ
- 523: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 10:21:27.97 ID:Z+pjoV+F0
- ξ゚听)ξかせ
(*゚ー゚)え?
ξ゚听)ξ電話。貸せ
(;゚ー゚)ええぇぇぇ!?なんで!?
ξ゚听)ξうじうじしてるからあたしが掛けてやんよ。
(*゚ー゚)それは・・・・
ξ#゚听)ξじゃあ早く掛けなさい。
(*゚ー゚)・・・・・わかった・・・・頑張ってみるよ・・・・
ξ゚听)ξそれでいーのよ。じゃあね。
(*゚ー゚)ツンちゃん!
- 524: 電話 :2008/02/02(土) 10:26:14.51 ID:Z+pjoV+F0
- ξ゚听)ξはい?
(*゚ー゚)その・・・・ありがとう・・・ね?
ξ゚听)ξべ、別にあんたのためじゃなくて、
うじうじされてるのが嫌いなだけなんだからっ。
(*゚ー゚)うん、でもありがとう。
ξ゚听)ξふん!
バタン
(*゚ー゚)本当に・・・ありがとう・・・
ピ、ポ、パ、ピプー
ぴるるるる、ぴるるるる
あ、もしもし・・・・ギコくん・・・?あのね・・・
ξ )ξギコ君は・・・しぃと一緒になるのが・・・一番いい・・・・
ξ゚ー゚)ξ大丈夫
ξ;∀;)ξさー!めげないめげない!新しい恋探すわよー!!
おわり
- 527: 【('A`)が一億拾ったようです】 :2008/02/02(土) 11:16:51.32 ID:Ddz6PEtXO
- ('A`)「金欲しいな〜」
これは彼の口癖
('A`)「一億円落ちてねーかな」
高校生な彼はまだ働く事もしなくていい人生これからどうしよーなんて考え頭には微塵も無かった
そんな彼の前に
Σ('A`;)「ん!?」
本当に一億円万落としてみました。
(;'A`)「マジかよ…」
(;'∀`)「ふひひ…」
彼は早速持っていたエナメルバックにお金を詰め込み家に飛んで帰りました。
(;'A`)「夢じゃねえよな」
エナメルバックを確認すると束は確かにあります。
('∀`)「よっしゃああぁあ!」
束の中から百万程の枚数つかみ、彼は街に飛び出しました。そこで彼は欲しかった物を片っ端から買っていきます。
欲しかった服靴ゲームパソコンetc....全ての物欲を彼は拾った金で満たしていきました
( ゚∀゚)「これマジでくれんのかよ!?」
友達にも買って飽きた物を分け与えます
('∀`)「あぁ、もう要らねえーからな新しいの買うし」
金を持った彼は正に有頂天でした。ですが、所詮は拾ったお金そんな楽しい日々がずっと続くワケもありません
- 528: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 11:21:23.91 ID:Ddz6PEtXO
- ('∀`)「オレは最高潮についてるな〜♪」
お金を拾ってからというもの友達も増え、欲しいものを買ってもお金はまだまだ余ります。
そんな日々をおくる ある日
( ゚д゚ )「………おい、テメェ」
('∀`)「え?」
…ゴスッ!
(#)A`;)「グアッ!?」
鈍い効果音が学校帰りの夜の街に響き彼はその場で尻餅をつきました。
( ゚д゚ )「一億…アレお前何処やった?」
ドスの聞いた声
腕からチラリと見える
青や赤の毒々しい入れ墨
どっからどうみてもアッチ系人です有り難うございました。
(#)A`;)「…知らないッスよ」
( ゚д゚ )「んなわけねえだろうが!舐めんのも大概にしろ餓鬼!!」
(#)A`;)「知らねえって言ってんだろうが!!」
彼は走り出します。
- 530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 11:29:08.75 ID:Ddz6PEtXO
- (#゚д゚ )「待てゴラァ!!」
(#)A`;)「ジョルジュ!」
彼はそこから一番近かった友達の家にたどり着きました。
( ゚∀゚)「どしたよー?」
呑気な声と共にドアが開くと友達は彼の腫れ上がった顔を見てギョッとします。
Σ(゚∀゚;)「おま…顔どうしたんだよ!?」
(#)A`;)「中に入れてくれ殺されちまう!!」
「ねえー誰が来たの〜?」
中から甘ったるい女が聞こえます
(;゚∀゚)「わ…悪い今彼女来てるから、またな」
バタン!
友達がドアが閉をしめます。
(#)A`;)「………。」
( ゚д゚ )「見つけたぞクソ餓鬼…」
男がドクオの肩に手をかけます。
それからドクオを見たものは誰もいませんでした。
fin
- 531: 家族 ◆y7/jBFQ5SY [>>1B >>420B] :2008/02/02(土) 11:41:02.46 ID:QP+uWdVu0
- 思い出すのは、青い空。何よりも大きく、何者にも動かされない白い雲に、何よりも高く、高く、高く掲げられた太陽。
手を伸ばしても、届くのは何もない虚空。届かない気持ちは、掴みたい心に変わって、けれど、どうしたって届かない。
だから、地面の土くれを、固めて固めて、空に向かって放り投げた。冷たく固まった土くれは、とても、とても重かった。
おれは、笑った。空に向かって、強がって、強ぶって、笑ってやった。そうして、もう一度腕を伸ばして、そして、そして――。
十二月の頬を裂く風が、彼を現実へと引き戻した。振り上げていたはずの腕は今、冷たくしみる土の上に置かれている。
朦朧とした視界に映るのは思い出の中と同じ、昔から変わることのない青い空と白い雲、高く掲げられた太陽。
乾いた空気を飲み込み、彼は咳き込んだ。咽の奥に詰まっていたものが吐き出されていく。
彼は口端から漏れ出たものを拭い、少しの間手の甲に付着したそれを見つめていたが、すぐに視線を外した。
葉の落ちた枯れ木が、枯れ木の枝先が、空気にほだされ微細に振動している。
少数の砂の群が、風に乗せられ舞い上がっていく。しかしそれも、風が吹き止むまでの間。
自力を知らぬ砂の群は、やがてちりぢりばらばらとなって、彼らより大きな世界へと堕ち、埋没していった。
彼は聞いていた。何もせず、寝転んだ姿勢のまま、今まで忘れさっていた世界に耳を傾けていた。
彼は酷い格好をしていた。元はしっかりとした造りであったろう白のスーツも破れ、千切れ、外気の下、直に肌を晒している。
晒された肌は、最早肌色ではない。空気にほだされ揺られている枯れ木と同じ色をしていた。
視界が歪んだ。深く、無数に刻み込まれた皺の谷を、涙が伝っていく。嗚咽がもれる。
後悔などないはずだった。間違いなどあるはずもなかった。すべては幸せになるため、そのために全力を尽くしてきたのだ。
しかし、涙は止まらない。様々な思いが頭の中を駆け巡り、どうしようもなく手を握り締めてしまう。
しばらくして彼は、握り締めた自分の手の中に、小さく強張った土が入り込んでいることに気付いた。
手を開くと、掌紋がはっきり写されているほどに歪み固められた土くれが、そのままの形で落下し、地面にぶつかり、砕け散った。
砕け散った土くれの破片が、彼の顔にまで跳ね飛んできた。だが彼は、まばたきなど一切せず、一部始終を見届けた。
彼は砕けた土を寄せ集め、新たに土を掘り返しながら、同時に、取り上げられた思い出を掘り返し、寄せ集めていった――。
- 532: 家族 ◆y7/jBFQ5SY [>>1B >>420B] :2008/02/02(土) 11:42:44.19 ID:QP+uWdVu0
- 「ちくしょう」
腹立ち紛れに、手に持っていた土を砂山に叩きつけた。砂山に亀裂が走り、自重に耐え切れず少しだけ崩れた。
砂山の横から、あいつが顔を出してきた。怯えているような素振りを見せながら、表情はいつもどおりの笑顔。
しかし、右頬だけは青く腫れ上がっている。内心申し訳なく思いながら、おれは意地を張って顔を背けた。左頬が痛む。
おれに相手をする気がないと悟ったのか、あいつは、砂山に走った亀裂を補完するため、土を上塗りしていった。
「おい」。おれはあいつに呼びかけた。あいつはちょっとだけ驚いた顔をしたが、すぐにうれしそうな顔でおれのことを見てきた。
「怒んねえのかよ」。笑いながら、困った顔をしている。そんなあいつの顔を見ていると無性に腹が立って、つい声を荒げてしまった。
「お前が殴られたの、おれのとばっちりだろ! むかつかねえのかよ、おれが、あのじじぃが憎くねえのかよ!」
あいつは今にも泣き出しそうな顔をして、それでも、おれから目を逸らそうとはしなかった。
おれも意固地になって、あいつの目を睨んでいた。どれだけの時間が立ったのか、やがてあいつは、ゆっくりと口を開いた。
「……ひとりは、かわいそうだと思ったから」
「……おれだけ殴られんのはかわいそうだと思ったって、そういうことか?」
あいつは言葉では答えず、首だけを小さく前に倒した。「なんだそりゃ」。おれは思わず声を上げて、ついで、笑い出した。
おれの笑いに誘われて、あいつも遠慮がちに笑い出した。本当に、久しぶりに人前で笑えた気がした。
「おれさ、もっとでっけえ城を作ってやるよ」。おれは立ち上がって、そう言った。あいつはおれの言葉を聞き、砂山を見た。
「違う、そんな偽物じゃねえ。もっとでかくて、高い、そう、あの太陽に届くくらい高い城を作ってやる。
そこで、本物の家族を作るんだ。ここの偽物の家族じゃねえ、本物の家族を。絆で繋がった、本物の家族を!」
「ぼくも、家族になれるのかお?」そう問うあいつに、おれは言葉では返さず、笑った顔で応えてやった。
そうして、砂山の天辺を無造作に掴み取り、拳大のボールに作り直す。出来上がった土くれは、予想よりもずっと、ずっと重かった。
おれは土くれを握り締め、大きく振りかぶってから、太陽に届かせるくらいの気持ちで思い切り放り投げた。
土くれはすぐに落ちてしまったが、おれが乗せた想いは、真っ直ぐ、真っ直ぐ太陽へと直進した――。
- 533: 家族 ◆y7/jBFQ5SY [>>1B >>420B] :2008/02/02(土) 11:44:06.52 ID:QP+uWdVu0
- 手の中に拳大の土くれが出来たのと同時、彼は忘れていた思い出をすべて取り戻した。手の中の土くれは、軽い。
思い出の中の土くれは、あんなにも重かったというのに。太陽にすら届ないほど、重かったというのに。
何を間違ったというのか。太陽はもう、腕を伸ばせば掴める位置にあったのだ。土くれなど投げる必要のないほど、近くに。
「毒島毒男、組織の掟を、先代の仇を、討たせてもらう」
黒い男の影が、太陽を遮った。男は一般的なサラリーマンが着ていそうなスーツと、スーツとはまるで相容れぬ日本刀を握っていた。
日本刀はゆっくりと掲げられていき、最上段まで持ち上げられた。日本刀の刃先が陽の光を反射し、男の顔を照らしている。
男の顔を見て、彼はすべてを理解した。生じた亀裂を補完するように、あの当時の心が上塗りされていく。
自分が本当に求めていた家族の顔が、一人一人鮮明に、頭の中で思い起こされる。ショボン、ジョルジュ、ギコ、ミルナ。そして――。
「……短い間だったが、俺たち家族だったよな、ブーン」
「……ああ、僕たちは家族だお、ドクオ」
思い出すのは、青い空。何よりも大きく、何者にも動かされない白い雲に、何よりも高く、高く、高く掲げられた太陽。
手を伸ばしても、届くのは何もない虚空。届かない気持ちは、掴みたい心に変わって、けれど、どうしたって届かない。
だから、地面の土くれを、固めて固めて、空に向かって放り投げた。冷たく固まった土くれは、とても、とても重かった。
おれは、笑った。空に向かって、強がって、強ぶって、笑ってやった。そうして、もう一度腕を伸ばして、そして、そして――。
隣にはいつもあいつが、ブーンがいた。ブーンの笑顔があったから、俺は、俺たちは駆け上がれた。
だが、いつの間にか、俺の中の土くれは軽くなっていた。高く上がることが、太陽に届くことだけが、俺の目的になっていた。
気がつけば俺は、誰よりも太陽に近い場所にいた。それが幸せだと思っていた。誰よりも幸福だと信じていた。
けれど、それは違った。俺は家族を失ってしまった。家族を失っていたことすら、気付かずにいた。
手の中の土くれは軽い。だが今は、土くれの重さを思い出せる。家族を求めたときのあの心を思い出せる。だから、だから――。
「だから泣くなよブーン。いつもみたいに笑ってくれ。お互い笑って別れようぜ」
『家族』 〜終〜
- 540: よくある話のようです。 :2008/02/02(土) 12:01:35.76 ID:kEwCaPfq0
- 今日で一週間経った。
友人であり、そして僕の想い人であるツンが行方不明になったのだ。
事件初日、ツンの両親は友人の家に泊まっていると思い、警察沙汰にはならなかった。
日頃から親の許可無しで泊まったりしていたツンの事だ、今日もそうだろう。
そう思ったらしい。だが次の日、学校から
「今日はツンさんどうしたのですか?」
との連絡があり、事件が発覚したそうだ。
最後に目撃されたのは、学校の帰り道。それも学校のすぐ近くである。
彼女の家から学校まで、歩いて30分とちょっとくらい。
今のところ分かっているのは、それだけであった。
警察では当初、顔見知りの犯行とみて捜査を続けたものの、やはり手がかり無し。
身代金の要求も無い。何らかの事件に巻き込まれたか、突発的な犯行と見て捜査を続けている模様である。
( ^ω^)「ふぅ、ただいまだおー」
J( 'ー`)し「あら、おかえり」
母の暖かい声に迎えられ、僕は靴を脱いだ。
玄関まで漂う、匂い。
( ^ω^)「今日はカレーかお?」
J( 'ー`)し「あら、よく分かったわね」
- 542: よくある話のようです。 :2008/02/02(土) 12:01:50.57 ID:kEwCaPfq0
- 今日で二週間経った。
そして、事件に新たな発展が起こった。
ツンの指が見つかったそうだ。小指である。細く、綺麗な指だ。
他にも一部がどこかにあるのと見て、已然捜査は続くようである。
( ^ω^)「おっおっお。今日はステーキかお?」
J( 'ー`)し「そうよ〜。でも、今日だけね。これ以上は駄目だから」
( ^ω^)「無理だおww僕我慢とか出来ないんだおww」
今日で3週間が経った。
そして、また見つかった。
今度は足である。膝から下。細く、綺麗な足だ。
警察は正式な発表をした。殺人事件だと。
ところで知っているだろうか。
何十年にもわたって監禁をしていた男の話を。
そして、何故何十年も見つからなかったのかを。
ところで知っているだろうか。
愛しい人の肉を食べ続けた男の話を。
何年かに数回、薄く肉を切るそうだ。すると人間の治癒能力で、その切った場所は蘇る。
これで、男は何年も食べ続けたそうだ。
- 543: よくある話のようです。 :2008/02/02(土) 12:02:01.23 ID:kEwCaPfq0
- ( ^ω^)「ただいまだおー」
僕は知っている。
これは殺人事件では無い事を。
そして、何故何十年も見つからなかった理由を。
J( 'ー`)し「今日はね、ビーフシチューよ」
犯人の周り全てが、狂っているとしたら。
普通では考えられない事をしているとしたら。
普通の人間には考えもつかなければ、バレることは無い。
そして、周りが同じように狂っていれば、バレる事も無い。助け合うからだ。
あぁ、僕も早く我慢と言うのを覚えなければ、これは殺人事件になってしまうかもしれない。
- 547: ( ・∀・)奇妙な遊びのようです :2008/02/02(土) 12:20:44.28 ID:pof/HIwg0
- 僕が小さな頃、公園でおかしな子供に出会った。
僕と同い年くらいの彼は、砂場の土を小さな布袋に詰めては
( ・∀・)「これはぼくのつちだよ」
と、嬉しそうに言っていた。
来る日も、来る日も、彼は土を袋に詰めては自分の物だと主張する。
不思議に思った僕は、ある日彼に問い尋ねた。
( ^ω^)「なんでキミはおすなをあつめてるの?」
すると、彼は意外な答えを返してきた。
( ・∀・)「『せかいせーふく』のためさ!」
あぁ、そういうお遊びか、そのときの僕は彼のことをその程度に認識していた。
その後、僕は親の転勤の都合でその土地を離れた。
彼にお別れを言いに言った日も、彼は土を集めていた。
そして30年後…
- 548: ( ・∀・)奇妙な遊びのようです :2008/02/02(土) 12:21:56.65 ID:pof/HIwg0
- ( ^ω^)「ここらへんも随分変わったお」
大人になった僕は、30年振りに彼に出会った公園の辺りに来ていた。
ただ、そこにもう公園は無く、立派な高層ビルが建ち並んでいた。
( ^ω^)「少し、残念だお…」
なんとなくではあるが、僕はここに来ればあの奇妙な少年に会える気がしていた。
( ^ω^)「ま、公園が残ってたとしても、土なんか集めてないだろうけどお」
馬鹿馬鹿しい、そう思ってその場から立ち去ろうと、後ろを振り返ると…
( ・∀・)「あれ!もしかしてブーン君かい?!」
彼が、そこにいた。
( ^ω^)「お!お!お!モララー君?!懐かしいお!!」
僕たちは偶然の再会を喜びあった。
30年振りに会った彼は随分と立派になっていた。
黒のスーツを着こなし、袖から覗く腕時計はおそらくブランド品だろう。
普通のサラリーマンの僕とはかなり違った。
- 550: ( ・∀・)奇妙な遊びのようです :2008/02/02(土) 12:23:11.81 ID:pof/HIwg0
- ( ^ω^)「モララー君は立派になったお。今何してるんだお?」
( ・∀・)「なぁに、ビルのオーナーさ。そこの、ね」
そう言って彼が指さしたのは、昔公園があった位置に建っている高層ビル。
地上30階はあろうかという、大層立派なビルだ。
(;^ω^)「す、すごいお!!どうやって建てたんだお?土地だってバカにならないだろうし…」
僕は心底驚いた。
しかし、彼はけろりとした表情で言う。
( ・∀・)「まぁ、土地はタダだよ。アレ、僕のだし」
( ^ω^)「…アレ?あそこは公園じゃなかったかお?」
( ・∀・)「最初はね。でも、僕が集めたし」
…集めた?
( ^ω^)「…もしかして」
( ・∀・)「まぁ、『世界征服』にはまだまださ」
そう言って、鞄から見慣れた、薄汚れた布袋を取り出して
( ・∀・)「これは僕の土だよ。今日の分の、ね」
と言い、大事そうに足下の砂を掴み、その中に仕舞った。
=終=
- 573: ( ^ω^)は手紙を送ったようです :2008/02/02(土) 15:19:47.22 ID:kyzYKkQX0
- 拝啓
だんだん寒くなってきましたお。
そっちは元気でやってるのかお?
たまには返事くれお――――――――――
ξ゚听)ξ「はぁ・・・・」
少女は深くため息をつくと同時に、持っていた手紙を机の上に置いた。
机の上には、便箋が何枚も散らばっている。
ξ゚听)ξ「いい加減うっとうしいのよねぇ・・・」
少女は机の上の便箋をくしゃくしゃと丸めて、ゴミ箱へ放り投げた。
いつも「拝啓」から始まるその手紙は、頻繁に少女の家に届いた。
少女の名はツン。金色の巻き髪がチャームポイントの、かわいらしい少女。
最近北海道に引っ越してきたばかりで、まだ寒さに慣れてないらしい。
家の中でもマフラーを巻いている。
- 574: ( ^ω^)は手紙を送ったようです :2008/02/02(土) 15:20:36.61 ID:kyzYKkQX0
- ここに引っ越してくる前は、彼氏がいた。
ブーンという、ちょっと小太りの男だ。
今、引っ越してきてから頻繁に届いている手紙は、全部彼が書いたものだ。
最初は嬉しくて、ツンも返事を返していたが、今はもう返事は返していない。
ツンに二人目の彼氏が出来たのだ。
(´・ω・`)「何を読んでたんだい? ツン」
ξ゚听)ξ「ううん、なんでもないよ」
ブーンよりは格好の良いの男。 彼の名はショボン。
ツンの新しい恋人。 だが、彼女はブーンと別れていない。
つまり、二股という禁忌だ。
その時、家のチャイムが、ピンポーンと音を鳴らした。
ξ゚听)ξ「あら? お客さん・・・」
(´・ω・`)「あ、僕が出るよ」
そう言うと、ショボンは玄関の方へ歩いた。
- 575: ( ^ω^)は手紙を送ったようです :2008/02/02(土) 15:21:23.27 ID:kyzYKkQX0
- その時。
「うあああああああああ!!」
ξ゚听)ξ「!?」
ショボンの悲鳴が聞こえてきた。
ツンは何事かと思い、玄関へと駆けた。
そしてすぐに、それを理解した。
「はるばるここまで、会いにきたお・・・・」
( ω )「ツン、これは誰だお?」
男の右手には、血をたっぷりと流したショボンが。
男の左手には、血をたっぷりと垂らしたナイフが。
男の名は、ブーン。
ξ゚听)ξ「そ、その人は・・・・その人は・・」
( ^ω^)「・・・浮気、したのかお?」
―――――――もしも、もしも。
浮気したら許さないお。
敬具
- 587: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:29.26 ID:HInKDduj0
- ( ・∀・)「いや、いつになっても、雪っつうもんはきれーじゃのう」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、ニューギニアの森ん中じゃまずこんな景色は拝めん」
<ヽ`∀´>「ちと寒いがの」
時折、パチンと音を立てる囲炉裏の火を囲んで、三人の老人がはんてんを着て
話し込んでいた。
外には雪が舞い、縁側の向こう側には白い化粧をした庭木が寒そうに立っている。
それゆえ、木に巻かれた藁の色、赤々としたマンリョウの色が雪と対比して
美しさがより際だって見えた。
普段はニシキゴイが優雅に泳ぐ庭の池も、たまに赤い魚体が老人たちの目に映るだけで、
水面はしいんとしている。
戸を開けはなっているのでたまに雪が囲炉裏のそばまで吹き込んで、融けて水になる。
老人たちは寒いはずだが、
ミ,,゚Д゚彡「そうか……もう64年も昔か……」
<ヽ`∀´>「時間っつうんは早いもんじゃのう……」
( ・∀・)「んだ、こないだまで戦争してて、ちょっと前にはオリンピックがあって、
……バブルがはじけたのも、21世紀になったのも、つい昨日のことのようじゃ」
懐かしそうな目をして、囲炉裏を時たま見ながら、庭の方を向いていつまでも話し込んでいた。
- 589: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:45.02 ID:HInKDduj0
- 囲炉裏には鉄鍋が吊され、その中には色とりどりの具材がコトコトと音を立てながら
いい匂いを出していた。
そして鉄鍋をぐるりと取り囲むようにして、ヤマメの塩焼きがじゅうじゅうと、時折
肉汁を滴らせながら湯気を立てている。
( ・∀・)「そろそろかのう……」
老人の一人が舌なめずりをする。
その時。
『失礼します』
声とともに襖が開き、中から
ハハ ロ -ロ)ハ「ビールをお持ちしました」
どう見ても日本人ではない――金髪で、眼鏡の奥の瞳は深い緑だ――が、
えらくきれいな女性がお盆とビール、グラスを持って囲炉裏の部屋に入ってきた。
ミ,,゚Д゚彡「おう、すまんの」
ひげの長い老人が当然のように迎え入れる。
( ・∀・)(誰じゃい、あの別嬪さんは?)
<ヽ`∀´>(あれじゃ、ミ,,゚Д゚彡の孫の嫁さんじゃ)
- 591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:35:11.55 ID:HInKDduj0
- ハハ ロ -ロ)ハ「そろそろ鍋も食べられるんじゃ無いでしょうか?」
拙い部分もあるが、一生懸命勉強したのだろう、日本語で老人たちに鍋を勧める。
( ・∀・)「もう食おうと思っていたところじゃ。娘さんや、あんたも食べなさい」
ハハ ロ -ロ)ハ「ではお言葉に甘えて」
静かな空間で、鍋をつつく箸の音、グラスに注がれたビールの泡の音が、話の声とともに部屋に響く。
鍋の中身が半分くらいになった頃だろうか。
ハハ ロ -ロ)ハ「いい眺めですね……」
外を見たハハ ロ -ロ)ハが、ふと呟いた。
ミ,,゚Д゚彡「おお、そう思うかね?」
ハハ ロ -ロ)ハ「ええ、とても……」
静かに降り続く雪を、彼女はじっと眺め続ける。
<ヽ`∀´>「おふ、あつあつあつ……」
( ・∀・)「ははは、ヤマメは熱いぞ、ベロ火傷したか?」
隣で笑いながら酒を飲む老人たちの声に我に返ったのか、彼女はまたビールの瓶を開ける。
ハハ ロ -ロ)ハ「あ、もっとビールどうぞ……」
静かな時間を物語るように、また囲炉裏が、パチンと音を立てた。
- 593: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:36:08.51 ID:HInKDduj0
- >>587>>589>>591
雪と囲炉裏の歌のようです
- 590: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:54.06 ID:shPMD9Zv0
- (*゚∀゚)「ね、 お話しない?」
うふふふ、と満面の笑みのこの女は危険だと、脳が瞬時に判断を下していた。
うふふふと笑ってその女は長い前髪をかきあげる。それの時の流し目がなんともいえない位大人びていた。
恐らく私より年上というのだから高校三年生程度だろう。同じ制服だが学校で見たこともなかった女だ。
単純なブルースカーフに、夏服用の白いセーラー服。使い古しているのだろう、型くずれしている黒の補助バック。
この女は、危険だ。この女から今すぐにでも離れろと第六感は頭をたたく。
嫌悪を含む表情で睨み付けても、女はふわふわと笑っている。長い前髪を耳にかけたショートカット。
大体なんなんだ、この女。
(*゚∀゚)「いやぁ。私が可愛がってる後輩ちゃんがね、貴方の悪態見てられないって相談してきてさー」
その瞬間に、空気が変わった。世界は平行移動。太陽は月に食われる。
上手く表現は出来ないけれど、例えるのならば色が唐突に変わるような、変わったような感覚。
(*゚∀゚)「人でも殺す気でいるの?」
うふふふ。目が笑っていない、という言葉をこれほど使いたくなったのは初めてだ。この女の目は据わっていた。
理解不能のこの女。言葉に感情はあるのに、言葉を発する本体に感情はない。変な 女。
ξ゚听)ξ「アンタが何を言っているのか理解できない」
目はアタシではなくてもっと違う何処かを見ていた。女の目は、表現は月並みだが芯の底まで見透かされているようだった。
睨み返しても何をしても通じない女。捕まれている腕が悲鳴をあげていたけれど、そんな所には脳はかまえない。
(*゚∀゚)「あの子、このままじゃ死ぬんだから、下らない戯れ言は止めにしない?」
- 592: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:36:02.74 ID:shPMD9Zv0
- 高音のサイレンが鳴る。左で鳴れば右下で、右下で鳴れば左上から鳴ってくる。鬱陶しいのに塞げない耳。
“あの子”が誰だか最初から解っていた。あの一目見ただけで良い子って解るあの女。
あの朗らか過ぎる笑い方が気に入らない。あれを見ていると『嬉』という漢字を思い出した。だからハブいた。
笑うたびに出来るえくぼ、周りにいるのは頭がいいお友達。どうしていじめたか?
そんなものを聞くのは馬鹿げている。理由なんてただ一つだよ。
ξ゚听)ξ「気にくわないのよ。あれ」
バシ、とドラマティックな音。ヒリヒリと刺されるような頬の痛み。揺れる自分の前髪。――この女、何なんだ。
軽く調子のいい殺意が生まれて、女を睨んだが、女はそれ以上の殺気こもった目でアタシを見ていた。
(*゚∀゚)「幸せな子に嫉妬でもしてるんだァ。……醜いねぇ?」
浅い呼吸で笑われ、そしてその言葉に心臓を刺された。
空気を裂くような音を出しながら私の手のひらは女を殴ろうと高く伸びた。これは先程と同じ軽い殺気なんかじゃない。明確で、深く重い殺意。
けれどその殴ろうとした手は殺意の重さに比例せず、役目を果たさず女の手で止められた。月は太陽を食べる。
(*゚∀゚)「先に手ぇ出したのは自分で悪いと思ったけど、いまのアンタは酷く醜い顔してるよ」
ξ゚听)ξ「うるさい」
(*゚∀゚)「あれ。図星だった? ごめんごめん」
ξ゚听)ξ「うるさい」
(*゚∀゚)「ウルサイっていえば黙ると思った? がーきーくーさー……ふふっ」
- 594: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:36:15.88 ID:shPMD9Zv0
- ξ#゚听)ξ「……殺してやる」
世界は何故か反転して、アタシと女しかいない――という感覚。それでも構わなかった。あの世界に未練なんてない。
下唇を怒りでふるわせながら、雑巾を絞ったときのような声でそういった。本気だった。女は笑わなかった。
(*゚∀゚)「アンタこそ死刑だよ」
胸に激痛。料理で使う鋭利な鉄の塊が胸に生えていた。
ふふっ、と笑って、私は現世から落ちた。
- 611: お題>>553C 1/3 :2008/02/02(土) 18:19:18.89 ID:b1YtSCDn0
- ('A`)「ねえ、それ何やってんの?」
勇気を出して聞いてみた。言っておくけどすごい勇気だ。
並みのそれじゃない。だって二倍だぜ二倍。そう、二つの勇気が必要だったんだ。
一つ目は、単に幼稚園児の頃から変わらない、極度の人見知りを振り切る事。
二つ目は、「おじさん、こんな昼間から何やってんの? 仕事は?」というカウンターパンチを受ける覚悟。
それらの勇気を振り絞ってまで知りたいんだ。
答えを聞く事に価値があると思ったんだ。
今をときめくニートでも、平日の昼をぶらぶらしてる暇人でも、ものを知る権利はある筈なんだ。多分。
だから、それは何なのかだけ教えてくれ少年。
(´・ω・`)「空の色を作っているんだ」
('A`)「……空の色? そこにあるじゃん。ほら、そこの絵の具」
(´・ω・`)「それは空色だよ。僕が作りたいのは、空の色」
絵筆をキャンバスに押し付けて、絵の具を混ぜていく。といった動作を何度も何度も繰り返している。
背丈や顔から見て小学生高学年といった所だろうか。その少年が言うには『空の色』を作っているらしい。
奇妙なのは少年の座っているベンチには様々な画材道具が置いてあるが、重要な物が欠けている気がする。
その色を持って表現する舞台。それが、無い。
('A`)「紙……は? 何にも無いじゃないか」
(´・ω・`)「いらない。絵が描きたいんじゃない。空の色を作りたいんだ」
キャンバスに新たな色が追加された。青緑色。それを混ぜていく筆。
俺は空を見上げた。吸い込まれそうな程の青。しかしただの青ではない。少年曰く、空の色。
- 612: お題>>553C 2/3 :2008/02/02(土) 18:19:57.36 ID:b1YtSCDn0
- ('A`)「そうは言ってもさ。空って奴は気紛れでね。自由気ままに自分の色を変えるんだよ。
それら全てを含めて『空の色』って言っているなら、一色で表現するのは無理だよ」
(´・ω・`)「いや、空の色は一つだよ。今も鮮明に覚えてる。あの日、僕が見た空は――――」
次に彼が手にした絵の具は、赤色だった。
同じ動作で混色を作り上げていく。
('A`)「空……なの? 宇宙(そら)とかの間違いじゃない?」
(´・ω・`)「空は空だ。あの空しか僕は記憶に無い」
黒ずんでいる。ここまで来ると、あと一歩で黒だ。
仮に彼のいう空が夜空を指していても、流石にこれは、無い。漆黒だ。
俺はどこか狂気染みたものを感じていた。恐怖か。憎悪か。何にせよ頭が痛くなりそうだ。
('A`)「な、何か邪魔しちゃったかな。俺もう、そろそろ……」
(´・ω・`)「そろそろ帰らなきゃ」
結局、最後まで少年は俺の目を見る事は無かった。
画材を手早く片付け始めると、ベンチに立て掛けてある白い杖を手に、その場を後にした。
('A`)「……ふぅ。久々に喋った人間は大分おかしな奴だったな」
風が吹いた。木の葉がざわめき、空の中では雲が揺れた。
('A`)「ぶっ!」
どこからか飛んで来た紙切れが、俺の視界を奪った。
- 613: お題>>553C 3/3 :2008/02/02(土) 18:20:43.73 ID:b1YtSCDn0
- ('A`)「なんだよコレ…………あっ」
それは数年前、この近辺で起きた轢き逃げ犯の目撃情報を呼びかけるチラシだった。
('A`)「確か母親が死んで、その餓鬼が障害残ったんだっけ」
しかし人通りの無い夜道の事で、その場に居合わせた人間がゼロだったとかいう話だ。
('A`)「ハッ、そろそろ時効か」
チラシを眺めつつ、俺は鼻で笑い、呟いた。
『犯人はきっとこんな人』
黒いジャンパーでマスクをしている、身長は……
('A`)「どこ情報だよw勝手に作るなよwww」
出鱈目な犯人の特徴に突っ込みを入れるのに夢中になりすぎていた。
瞬間――――真横から、衝撃。
その日、
俺の目に映った空は、確かに
('A`)空の色のようです(´・ω・`)
- 619: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 18:44:58.60 ID:shPMD9Zv0
- がやがや五月蝿い美術の授業中、俺何するわけでもなくボーっとしていた。
兄貴からのお下がりのアクリル絵の具セットは汚くていじる気もおきない。
('、`*川「ギコ」
隣の女子に名を呼ばれ振り返る。
此奴とは家庭科の授業でも同じ席だったりと何かと縁があった。まあ名前の順だからだと知っているけれど。
なに、と返事もしていないのに女子は話し出す。
('、`*川「いい加減にちゃんとやりなさいよ」
下書きだって、私が描いてあげたんだからと先生に聞こえないようボソリといった。
確かにこの画用紙に鉛筆で書かれている下書きは全部此奴が書いてくれたのだ。
あまりにも進んでいない俺を見かねたのもあるだろうが、此奴だって絵描きの血でも騒いだんだろう。
小学校の頃は絵画教室に通っていたのを俺は知っている。
簡単で良いから描いてくれといったら、案外高度な感じの絵が出来上がってしまった。
真っ白なピアノの鍵盤を細く美しい指が叩き、周りには四分音符とか八分音符とかが散りばめられていた。
(,,゚Д゚)「ここの色は何にすればいい?」
('、`*川「それくらい自分で考えなさい。私だって色々と忙しいんだから」
そう言って奴は自分の絵に筆を入れる。その絵は不思議な絵だった。
コンクリートのような、箱のようなカラフルなものが積み上げられていて、そこに一輪だけ花が咲いていた。
その花は存在しない架空の花だと先生に奴が語っていたのを思い出す。
架空の、奴の花は空に向かって賢明に背伸びをしているようなそんな印象だった。鮮やかな桃色は、中心に向かって深い赤になっていた。
- 620: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 18:45:40.98 ID:shPMD9Zv0
- (,,゚Д゚)「なにこれ?」
('、`*川「んー、嘘の固まり達。咲いてるのは芽生えた罪悪感……かな」
(;,,゚Д゚)「うぇー」
('、`*川「何よ」
(,,゚Д゚)「奥が深すぎて分からない」
('、`*川「……人間、良くも悪くも嘘つくでしょ。それをイメージしたのよ。悪かったわね」
だから早く自分の絵を完成させなさい。軽い命令口調。従おうかどうか迷っている俺。
横では、あー、恥ずかしい。アンタなんかに説明するんじゃなかったとぼやく。
('、`*川「大体受験生でしょ。内申に響いたらどうするのよ」
(,,゚Д゚)「ああ」
('、`*川「ああ、て。何それ」
(,,゚Д゚)「だって俺はもう決まったもん」
('、`*川「え、嘘。私立にしたの?」
(,,゚Д゚)「ラウンジ学園落ちたし、VIP学園は保留できちゃったからVIPに決めた」
- 621: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 18:45:58.24 ID:shPMD9Zv0
- ('、`;川「……」
(,,゚Д゚)「今、馬鹿って思ったろ」
('、`*川「少し……ね」
喋っても何をしても周りのざわめきなんて変わらない。
斜め前の奴はピカソみたい。後ろの席の奴はゴッホ気取り。前の席は真っ黒真っ黒。
('、`*川「煙草、やめたら?」
知ってたんだ、俺は思わず奴の目を凝視する。
みんな吸ってるよ、そう言おうと思ったけど、奴は綺麗な眉毛をいつもより下げていた。
花が咲き始める。蓄積された何かが咲く。口が、自然と動いた。
(,,゚Д゚)「……もう、やめたから」
笑いながら思わず、花を咲かせた。
- 625: 「笑ったようです」 1/3 ◆J8mKltWM9M :2008/02/02(土) 18:56:20.80 ID:T9dRVtgN0
- (;'A`)「934、ゼエゼエ、935、936…………プハッ!」
ドクオは『昨日幼馴染に告白されたんだけど』というスレッドを見てしまった為、IDの数だけ腹筋させられている。
しかも運の悪い事に、本日の彼のIDが「ID:D0/coo940」と表示されていたのだから、堪ったものでは無い。
おかげで腹筋をこなすのに膨大な時間を費やしてしまった。
(;'A`)「ふうい、もうこんな時間かよ、やべーよ」
酷使しすぎた腹筋は、割れるどころか引き裂かれそうなほどに痛んでいる。
ドクオは床から起き上がって椅子に座ると、とりあえずF5キーを押してスレッド一覧をリロードする。
中指でホイールをくるくる回してそれらを眺めていると、ありふれたスレタイが目に止まった。
『笑ったら死ぬスレ(804)』
('A`)「んー、見てみてえけど今から読むのマンドクセ。寝よ寝よ」
スレッドが少し気にかかったが、腹筋による疲労が蓄積した体が休息を求めている。
ドクオはそのまま布団にもぐりこみ、眠りにつく事にした。
( ^ω^)「うはwwwwwバロスwwwwwうぇwwwwwwww」
…………しかしいい感じに眠くなってきた頃、隣の部屋から兄の笑い声が響き、ドクオは目を覚ましてしまった。
( ^ω^)「ちょwwwwwwおっおっおっおっwwwwwwww」
(#'A`)つ=つ「静かにしろ!!」
- 626: 「笑ったようです」 2/3 ◆J8mKltWM9M :2008/02/02(土) 18:57:59.86 ID:T9dRVtgN0
- 睡眠を阻害されてむかついたドクオは、兄の部屋の前へ行くとドアを一発殴りつけ、怒りをぶちまける。
すると笑い声はぴたりと止み、静けさが舞い戻った。
今度こそ眠れると確信し、ドクオは自室へ戻って再び眠りについたのであった。
J( 'ー`)し「おはようドクちゃん」
('A`)「おはよー、カーチャン……」
翌朝、見事に筋肉痛を発症してしまった腹を抱えつつ、ドクオは母の作ってくれた朝食を食べる。
早いうちから出かけてしまう父と、いつもの様に寝坊している兄は居間に来ていない。いつもと同じ二人だけの朝である。
そしていつもと同じようにテレビに映るニュースキャスターは、先ほどから同じニュースばかりを繰り返していた。
『深夜から本日未明にかけて、全国各地で多くの人間が謎の突然死を遂げています。死亡した人達の年齢、性別、地域に共通点はなく………』
('A`)「マジかよこれ、無差別テロじゃね?」
J( 'ー`)し「ねえドクちゃん、ブーンちゃんを起こしてきてくれないかしら?」
('A`)「ああ、おk」
ドクオは目玉焼きにかけようと思って手にとった醤油をテーブルに置き、兄の部屋へと向かう。
('A`)「どーせ兄貴の奴、またVIPで夜を明かしたんだろーよ」
『死亡した際にパソコンを使用して……ちゃんねるを見ていた事が……』
- 627: 「笑ったようです」 3/3 ◆J8mKltWM9M :2008/02/02(土) 19:00:40.82 ID:T9dRVtgN0
- 腹筋スレに引っかかってドクオが眠りにつこうとしていた頃、ブーンはVIP板であるスレッドを閲覧していた。
( ^ω^)「うはwwwwwバロスwwwwwうぇwwwwwwww」
その内容を見て、ブーンは思わず大きな笑い声を上げる。
( ^ω^)「ちょwwwwwwおっおっおっおっwwwwwwww」
( ゚ω゚)「おっおっ………………」
ブーンの体がぐらりと揺れる。ノートパソコンに抱きつくかのように、顔を伏せる。
(#'A`)つ=つ「静かにしろ!!」
静かになったのは、ブーンがドクオの注意を聞いたからではない。それ所か、もう弟の声を聞く事も出来ない。
電源を切り忘れられた液晶に表示された『笑った死ぬスレ』をドクオが知るのは、この8時間後の事である。
- 632: ξ゚听)ξと運動会のようです 1/3 :2008/02/02(土) 19:15:13.36 ID:KH3VgHmEO
- ξ゚听)ξ「はー、憂鬱…。」
(;^ω^)「ハァハァ…ツン!屋上にいたのかお!?探したお!」
ξ゚听)ξ「ブーン?…放っといてよ。あの場に私は必要ないでしょ?」
( ^ω^)「そんなことないお!早く教室戻るお!皆も待って…」
ξ゚听)ξ「放っといてって言ったでしょ!それに戻ったって…皆の足を引っ張るだけだわ」
( ^ω^)「そんなこと…」
ξ゚听)ξ「あるわよ!足の遅いあたしがクラスに居たって何の役にも立たないでしょ!皆にお荷物扱いされるのなんて嫌!」
(;^ω^)「お・・・」
- 633: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [ξ゚听)ξと運動会のようです 2/3] :2008/02/02(土) 19:16:35.73 ID:KH3VgHmEO
- ξ゚听)ξ「いいよね、ブーンは足速いから…アンタだって、ホントはあたしなんか邪魔だって思ってんでしょ?アタシなんか当日休んだ方が皆の為よ」
(;^ω^)「そんなこと思ってないお!僕らにはツンが必要なんだお!」
ξ#゚听)ξ「同情なんかいらないわよ!」
(;^ω^)「ツン・・・」
川 ゚ -゚)「内藤の言っている事は本当だ。私達には君が必要なんだ、ツン」
( ^ω^)「クー!」
ξ゚听)ξ「クーまで…アタシが何の役に立つって言うのよ!」
川 ゚ -゚)つ□「具体例を出さないと駄目か?例えばコレだ」
ξ゚听)ξ「…何よ、その紙」
川 ゚ -゚)「これは全員リレーで走る順番を書くためのものだ。君にこれを決めてもらいたい」
ξ;゚听)ξ「は?別に順番なんてどうでも良いじゃない。それにそんなんアタシじゃなくても――」
- 634: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [ξ゚听)ξと運動会のようです 3/3] :2008/02/02(土) 19:18:01.67 ID:KH3VgHmEO
- 川 ゚ -゚)「いや、リレーは順番次第で大きく変わるぞ。クラスの皆を一番よく見ている立場…学級委員である君が適任だと思うのだが」
( ^ω^)「そうだお!ツンは頭いいからきっとうまくいくお!」
ξ;゚听)ξ「むー…」
( ^ω^)「それに、どうせ勝つなら皆一緒が良いお。たとえ優勝できたとしても、ツンがいなかったらちっとも嬉しくないお」
ξ゚听)ξ「…し、仕方ないわね!そのリレーの順番決め、引き受けてあげるわよ!」
川 ゚ ー゚)「うん、それでこそツンだ」
ξ゚听)ξ「引き受けたからには本気でやるわよ。ただ、文句は言わないでよね!」
( ^ω^)「おっおっ、勿論だお!」
川 ゚ -゚)「それじゃ戻ろうか。皆ツンを待ってるよ」
ξ゚听)ξ「…うん!」
オワリ
- 660: 从'ー'从サイド :2008/02/02(土) 20:59:10.33 ID:Pre4wGI10
- 子供の頃、良く同じ夢を見たんだ〜。
自分と同じくらいの年の男の子と遊ぶ夢だったの。
どこだかわかんない公園とか、知らない
お家のお庭とか、知らないデパートの屋上だったり。
いつでも彼との遊びは楽しかったよ。
だけどさ、この夢しばらく続いていたのに、小学校に入る辺りからピタッと見なくなったんだ。
それでいつの間にかそんな夢を見ていたことも忘れて、普通に学校生活を送っていたんだ。
でもね、高校2年生になったこないだから急にまたその夢を見るようになったの。
彼ったらはすっかり大きくなっててさ。
顔は変わらないけど、背なんてわたしが背伸びしても届かなそうだったし、何よりすごく大人っぽくなってた。
不思議だな〜って思っていたある日、おとーさんが転勤することになっちゃったの。
从'ー'从「この街ともお別れかぁ…」
从;ー;从「ふぇぇぇぇん、さよならなんて嫌だよう………」
こうして、ちっちゃい頃からずっと住んでたここを離れ、うんと遠い場所に引っ越したの。
- 662: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:04:39.01 ID:Pre4wGI10
- 引っ越した先には家がいっぱい建ってた。
けど、私たちは来るのが早かったみたいで、まだ誰も住んでなかったの。
荷物の整理が終わって一息ついた頃、左隣の家の人がやってきた。
挨拶に来るのを楽しみにしてたけど、こっちに来ないで向こうに行っちゃった。
しばらくして、玄関のチャイムが鳴った。
いよいよきたきたきたぁ〜!
わくわくして飛び出して行ったの。
そしたら、目の前にはあの夢の男の子。
びっくりしちゃったよ…
- 665: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:11:04.96 ID:Pre4wGI10
- 从 'ー'从 ('A` )
Σ从 'ー'从 ('A`)!?
びっくりして、
思わず呟いちゃった。
从'△'从「うそ…」コソッ
彼も何か呟いてたけど…
('A`)「え(ふぇ)?今何て?」从'ー'从
('A`)「あ、ああああの、これからよろしくおnがいしますす!!」
彼は噛み噛みでそう言った。
でももう本当に混乱しちゃって、わたしも釣られて噛んじゃった。
从'ー'从「ここ、こここちらこそよろしくね!!」
魔法以上のユカイって、まさにこんなことなんだなー、って思った1日でした。
強引に幼なじみのようです 从'ー'从サイド 終
- 668: 投下しまーす :2008/02/02(土) 21:16:40.90 ID:MO5+yeiu0
- プルルルルル・・・・・・・・プルルル・・・
( ^ω^) 「おっ!クーポチかお?」
「えっ、うん、そうだけど・・・・・」
( ^ω^) 「夜分にごめんだお。急に不安になちゃって電話したお。例の計画、明日だけど覚悟はいいかお?」
「うん・・・・」
( ^ω^) 「あいつ、散々僕らがくっ付くのを妨害してきたけど、これでそれともオサラバだお」
「うん」
( ^ω^) 「まったく・・・思い出すだけでも腹が立ってくるお!!」
( ^ω^) 「んじゃ明日は昨日話したとおり適当に買い物に誘うなりするんだお
帰り道に・・・・だお」
「うん、分かってる。じゃあ・・・」
ガチャ
( ^ω^)「ぼくは何か大事なことを忘れている気がするお」
川 ゚ -゚.)「ねえクー?」
川 ゚ -゚)「ん? なぁにクーポチ?」
川 ゚ -゚.)「明日買い物付き合ってくれない?」
川 ゚ -゚)「もちろん! 一緒に出かけるなんて久しぶりだね!」
川 ゚ -゚.)「そうだね!」
川 ゚ -゚)「どこに行く?」
川 ゚ -゚.)「うーん・・・内藤デパートなんてどう?」
川 ゚ -゚)「いいよー」
川 ゚ -゚.)「じゃあそうしよっか。おやすみー」
川 ゚ -゚)「お休みなさ−い」
朝
川 ゚ -゚)「さっ!そろそろいい時間だし、出かけましょうか!」
川 ゚ -゚.)「うん!」
川 ゚ -゚)「んじゃ、行こうか!」
川 ゚ -゚)「あーちょっと先歩いてて、私サイフ忘れちゃった」
- 669: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:17:21.20 ID:MO5+yeiu0
- 川 ゚ -゚.)「んー、分かったー」
川 ゚ -゚)「ごめんねー・・・・」
プルルルル・・・・プルルル・・・
川 ゚ -゚)「あ、もしもし・・・・・・・」
街にて
( ^ω^) 「一番肝心なことを忘れてたお・・・・なんてぼくはバカなんだお・・」
( ・∀・) 「お? ブーンじゃねぇか、どうした焦って」
( ^ω^) 「何でもないお。ちょっと用事があるんだお」
( ・∀・) 「ふーん。そういやさ、お前の入れ込んでるあの姉妹見かけたぜ」
( ^ω^) 「!!」
( ・∀・) 「妹の方が相変わらずいっぱい買い物袋ぶらさげててよ。どこから金くるんだろーな」
( ^ω^) 「そ、そうなのかお・・・」
( ・∀・) 「そんでさー・・・」
( ^ω^) 「あっ!ぼくは急いでるんでもう行くお!」
( ・∀・) 「そっか。んじゃな」
( ^ω^) 「ほんじゃお!」
( ・∀・) 「・・・・・・」
( ^ω^) 「しめしめ、だお・・・」
( ・∀・) 「ま、アイツには貸しがあるし、な・・・」
路地裏にて
川 ゚ -゚.)「珍しいねー、こんなに買うなんて」
川 ゚ -゚)「そうかな?」
川 ゚ -゚.)「そうだよー、いつもは必要最低限のものしか買わないじゃない」
川 ゚ -゚)「あはは、そうかも。あんまり買い物って好きじゃないからかな」
川 ゚ -゚.)「私とは正反対だねー」
- 670: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:17:55.92 ID:MO5+yeiu0
- 川 ゚ -゚)「ふふっ!そうだね」
川 ゚ -゚.)「・・・ねえ」
川 ゚ -゚)「どうしたの?」
川 ゚ -゚.)「大好きだよ」
川 ゚ -゚)「!!」
川 ゚ -゚.)「・・・・・」
川 ゚ -゚)「ど、どうしたのいきなり」
川 ゚ -゚.)「ううんなんでも・・・ない」
川 ゚ -゚)「なによー、気になるでしょ。言ってみなさいよ」
川 ゚ -゚.)「・・・ううん・・ヒミツ・・」
川 ゚ -゚)「?・・・・!」
( ^ω^) 「(見つけたお!)」
( ^ω^) 「(バレないように近づいて・・・)」
ザシュ!!!!!
川 ゚ -゚.)「え・・・?・・・う・・な・・んで・・・・」
ドサッ・・・・
川 ゚ -゚)「・・・・・」
( ^ω^) 「はぁ・・・はぁ・・・・」
( ^ω^) 「これで・・これでずっと一緒にいられるお!」
川 ゚ -゚)「うん・・・」
( ^ω^) 「早く逃げるお。人がくるとマズいお」
川 ゚ -゚)「うん・・」
川 ゚ -゚)「(ごめんね・・・・でも私・・諦め切れなかったの)」
( ^ω^)「(ぼくは何か、とんでもないミスをしたような気がするお・・・・)」
- 671: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:25:02.42 ID:MDEo8u4h0
- ('A`)「123、124、125,6,7、」
無意味とわかっていても数えるしかなかった。
いや、無意味というわけではない。単なるドクオの義務感だ。数えなければという強迫観念。
たったいま撃ち殺した人間の数を数えているのだ。
('A`)「ったく、いい加減諦めろっつーの。俺が絶対途中でやめないってのはわかっただろ?」
弾装の心配がないコスモガンなので弾切れはありえない。
相手にしているのはとりあえず一個大隊なので向こうのネタ切れもありえない。
そしてドクオの感覚もいろいろおかしいので、途中で人殺しをやめることもない。
先ほどから無数の弾丸がドクオにぶち込まれ続けてはいるが、まったく当たる気配がない。
この虐殺が終わるのは向こうがごめんなさいもうしませんと謝って帰る時か、あるいは全滅したときしかない。
('A`)「根性が空になるか物量が空になるかという究極の二択だ。
なのにあいつら、任務でよく死ねるな。それだけ自分たちの勝利を疑っていないというわけか」
それでも、ドクオはやめるわけにはいかない。
自分の背後には、絶対に抜かれるわけには行かない場所がある。
('A`)「…俺ぁごめんだぞ。俺は俺がいずれ殺すまで死なない。
当然あいつらもあいつら自身が殺さない限り、他人になんか殺させない…!!」
- 672: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:25:18.81 ID:MDEo8u4h0
- 「上等だねぇ、殺し屋」
不意に、ドクオの隣の敵兵たちが衝撃波で巻き上げられた。
地面にそいつらが激突したとき、全員が首筋を切り裂かれて息絶えていた。
ちらりと視線をやる。
そこには、日本刀を高速抜刀する知り合いの顔。
( ゚∀゚)「殺し屋。君の言うとおりだとして、君が殺した人間に関して責任はどうつもりだ?」
('A`)「以前言ったことと何も変わらん。その分まで俺が背負って生き続けてやる」
( ゚∀゚)「この圧倒的物量を前にそこまで大口叩けるんなら、信用するさ。
さぁ行こうぜ、二人でこいつら叩き潰してやろう」
余計なおせっかいだと、ドクオは殺劇を続けながら笑った。
ジョルジュも楽しそうに笑っている。
「それを聞いちゃ黙ってられないね」
「そうよ、ドクオの癖に」
「めでたしめでたしのために、僕も頑張るお」
ドクオとジョルジュの間をすり抜けて、人影が二人の前方へと躍り出る。
それと同時に、大挙して押し寄せていた敵の一部が一瞬で氷付けにされた。
更に続けざま、その氷が粉微塵に破砕される。
ドクオは、新たに現れた知り合い共にため息をついた。
- 673: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:25:32.87 ID:MDEo8u4h0
- ('A`)「馬鹿じゃねぇの? 俺一人で何とかするって言ったのに」
(´・ω・`)「君一人に背負わせちゃ寝覚めが悪いからね」
ξ゚听)ξ 「私らも混ぜなさい。そして一緒に責任とって生きるのよ」
( ^ω^)「僕たちのために、僕らの背後で生き続ける彼らのために。
そして彼らを壊すものたちを叩き潰すために」
反則染みた力を持ったこの一団がそろってしまえば、もう勝負するまでもない。
最強の切り札が揃ってしまった。あーあしらねーぞと、ドクオは敵の一団に笑いかける。
('A`)「お前たちは塵にも灰にも帰れない。さよならは今のうちに言っておく!!」
突進してきた兵士の太い腹をあっさり吹き飛ばし、ドクオは再び走り出す。
十分後、この戦場はまっ平らにされてしまった。
彼らは守るべきものを守り、消せない恐怖を敵に刻み込んで終わらせたのだ。
その日の夜、一月という冬真っ盛りの北国に似合わない雨が降った。
地面の血を流すように。
傷つかずにすんだ者を祝福するように。
彼らの背負ったものを、少しでも洗おうとするように。
fin
- 707: ('A`)( ゚∋゚)のスポーツ講座のようです1/3 ◆U6.3Gangr. :2008/02/03(日) 00:05:29.19 ID:cMXViraYO
- ( ゚∋゚)「クックルと」
('A`)「ドクオの」
( ゚∋゚)('A`)「「スポーツ講座」」
( ゚∋゚)「今日はバドミントンです」
('A`)「先生、質問があります」
('A`)「何故ボディコン姿なのですか?」
( ゚∋゚)「バドガール」
('A`)「先生、バドガールはバドミントンガールの略ではないと思います」
( ゚∋゚)「知っとるわそんぐらい」
('A`)「(ウザってぇ…)」
- 710: ('A`)( ゚∋゚)のスポーツ講座のようです2/3 ◆U6.3Gangr. :2008/02/03(日) 00:07:15.84 ID:cMXViraYO
- ( ゚∋゚)「プロのバドミントン選手は、時速2億ミリメートルのスマッシュを打つそうです」
| ’A` |「たんい おかしいです」
| ゚∋゚ |「それは きのせいです」
('A`)「気のせいじゃねえよ絶対」
( ゚∋゚)「それでは実際にバドミントンをしてみましょう」
Q('A`)
Q(゚∈゚ )
('A`)「なんで2人して同じ側のコートに立ってるのさ!!」
( ゚∋゚)「これは盲点」
- 711: ('A`)( ゚∋゚)のスポーツ講座のようです3/3 ◆U6.3Gangr. :2008/02/03(日) 00:10:32.02 ID:cMXViraYO
- ( ゚∋゚)「ワーワー言っているうちに時間となりました」
('A`)「先生、今日はラケット持っただけなんですが」
( ゚∋゚)「『千里の道も一歩から』という」
('A`)「もっともらしいこと言えばいいって問題じゃないと思います」
( ゚∋゚)「来週は108式ロビングの打ち方です」
('A`)「どうやればロブショットを108パターンも打ち分けられるのか教えてほしいです」
( ゚∋゚)
( ∋ )
108シキロビング!!
ウギャーキンニクマーン
( ゚∋゚)「それではまた来週」
(メメメメメ A )モウイヤ
- 723: 寒中水泳ははちゃめちゃなようです1/3 ◆nk3mWLf4D6 :2008/02/03(日) 00:29:07.14 ID:zow+yIT5O
- ( ^ω^)「寒中水泳に来たおー」
('A`)「メタボと貧弱、イケメソと金髪、そしてしょぼくれ野郎の計五人で競争する次第でございます」
ξ゚听)ξ「……で? イケメンとしょぼくれ君は?」
('A`)「消えた」
ξ゚听)ξ「は?」
('A`)「神隠し的な」
ξ゚听)ξ「………………」
( ^ω^)「おっおっおっ、ボヤボヤしてると負けちゃうおー!?」
('A`)「あ! 待て!」バッシャーン
ξ゚听)ξ「…………怪しいわね」
ξ(゚ )ξサガスカ……
( ^ω^)バッシャバッシャ
('A`)パチャパチャパチャパチャ
( ^ω^)「……おっ、そろそろ引き離してやるかお!」
- 718: 寒中水泳ははちゃめちゃなようです2/3 ◆nk3mWLf4D6 :2008/02/03(日) 00:18:34.71 ID:zow+yIT5O
- ( +ω+)キュピーン
( ^ω^)「贅肉泳法秘g」
「はーはははははは!!」
(^ω^;)「!?」
( ・∀・)「ボートはいい! 実にいいね!!」
──イケメンのモララーはボートで参戦したようです──
(;^ω^)「お!? は……反則だお!」
('A`)ウボァァブクブクアアアブクブクブクブクブク
ボスケテェン
( ゚ω゚)「沈んだー!」
( ・∀・)「はーはははははははははは!!!! 乗り心地はどうだい!? ツン!」
ξ///)ξ「べ、別に縄にくくりつけられてボートに引っ張って貰って嬉しいくないんだからね!!」
- 720: 寒中水泳ははちゃめちゃなようです3/3 ◆nk3mWLf4D6 :2008/02/03(日) 00:21:56.71 ID:zow+yIT5O
- (^ω^;)!?
ガシッ
(;^ω^)「!?」
(゚A゚)「道連れじゃああああああああああ」
( ゚ω゚)ブ、ブヒィィィィィィィィィ
──ブーン、ドクオ、水没により脱落──
ブチンッ
(・∀・ )「あっ」
ξ///)ξ「べ、別にロープが切れて空中に放り出されて嬉しいわけじゃないんだからねッ!」
──ツン、コースアウトにより失格──
( ・∀・)「あ」
ボカーン
──モララー、ボートが岩にぶつかって爆発し脱落──
「……あ、あれ? せっかくブイの下に待機して驚かせようと思ったのに……」
(´;ω;`)ナンデミンナキテクレナイノ……?
- 724: ◆nk3mWLf4D6 :2008/02/03(日) 00:32:37.23 ID:zow+yIT5O
- gdgdになったけどおしまいです。一応メタボ、怪、反則、季節外れの四つをお題とさせていただきました。勢いで書ききった作品。申し訳ありませんでした
- 726: 讃岐うどんとメリケンサックのようです :2008/02/03(日) 00:58:02.24 ID:DW6EIvK20
- 夜中の旧校舎
( ^ω^)「・・・」
僕の目の前で巨大な讃岐うどんと少女が戦っていた
自分の身長の三倍はあるであろう讃岐うどんと
( ^ω^)「何ともシュールな光景だお・・・」
少女の両手にはメリケンサックが装着されていて
ただひたすらに讃岐うどんの容器を殴っている
アレじゃ意味ないんじゃないかなぁ?
そこで戦況に変化が現れた
少女が讃岐うどんの麺に絡まって捕まってしまったのだ!
(*^ω^)「ちょwwwこれ何て触手プレイwww」
興奮しながら何もしないのは男としても人間としても駄目な気がする・・・
ξ;゚听)ξ「ちょ!そこのアンタ!見てないで助けなさいよ!」
(;^ω^)「バレてたのかお!?」
- 727: 讃岐うどんとメリケンサックのようです2 :2008/02/03(日) 01:03:37.77 ID:DW6EIvK20
- しかし助けろと言われてもどうしよう
僕の手には醤油の瓶しか無いというのに
投げたりしてうどんの中に入ったら大変だ
HP回復とか味が変わってパワーアップとかしないだろうか?
ξ#゚听)ξ「腰引いてないでなんとかしなさいよ!」
( ^ω^)「腰?・・・コシ・・コシ・・・・」
( ^ω^)「そうだお!コシを狙えばいいんだお!」
これは名案としか言うまい
ξ#゚听)ξ「はぁ!?アンタ何言ってんの!?」
( ^ω^)「うどんはコシが命なんだお!そこが弱点なんだお!」
屁理屈な気がするが道理は通っている
ξ#゚听)ξ「あぁ!もう!いいわよ、わかったわ!適当に叩きつけてやる!」
オラァ!というかけ声で少女は自身を縛っている麺を叩いた
仮にも女の子なのだからそのかけ声はやめてほしい
少女が殴るとどうだろう、麺はふにゃふにゃになり、汁はグツグツと煮えたぎっている
やがて讃岐うどんは「グォォォォォ」と呻いてから小さくなり、消えた
( ^ω^)「讃岐うどんって喋るのかお・・・」
プッと、隣で吹き出す声が聞こえた
ξ゚ー゚)ξ「あんた、あんな目にあって第一声がそれ?」
- 728: 讃岐うどんとメリケンサックのようです3 :2008/02/03(日) 01:06:36.10 ID:DW6EIvK20
- ( ^ω^)「疑問に思ったんだからしょうがないお」
少女はひとしきり笑い終えると、うどんと戦っていた時のように無表情になってしまった
( ^ω^)「ところで・・・」
ξ゚听)ξ 「何?」
僕はゴソゴソとバッグを漁り、瓶を見つける
そして少女の目の前に2つの瓶を並べる
( ^ω^)「白だしと醤油、どっちが好きだお?」
少女はまた吹き出した
fin
- 731: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 01:37:43.83 ID:xtStV5BsO
('A`)「ブーン、お前最近太ってきたよな」
( ゚ω゚)「マママママママジでっ!?」
('A`)「いや、そんなに驚くところではない」
( ^ω^)「まぁ、気になってはいるんだけどね」
('A`)「あ、一応気にしてたんだ」
( ^ω^)「どうしたらいいと思う、ガリガリ君」
('A`)「誰がガリガリ君か。ダイエットでもしろよ」
( ^ω^)「大体、ピザは悪いことっていう決めつけが良くないお」
('A`)「する気ねぇな」
- 732: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 01:38:19.20 ID:xtStV5BsO
- ( ^ω^)「メタボリックとか必殺技みたいで格好良いじゃん」
('A`)「名前だけじゃん、駄目じゃん、普通に」
( ^ω^)「例えば?」
('A`)「あー、糖尿病とかさ。早死にしちゃうぜ?」
( ^ω^)「確かに、それは嫌だお」
('A`)「それに、太ってるとモテないじゃん」
( ^ω^)「でも、ドクオもモテないお」
('A`)
( ^ω^)「……」
('A`)
( ^ω^)「いや、悪かったお」
- 733: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 01:38:50.71 ID:xtStV5BsO
('A`)「泣いてなんかいないぜ」
( ^ω^)「わかってるお」
('A`)「見た目なんか問題じゃないのさ」
( ^ω^)「その通りだお」
('A`)「モテなくったっていいじゃない」
( ^ω^)「汗臭いのが青春さ」
('A`)「夕日に向かってレッツゴー!!」
( ^ω^)「おー!!」
( ^ω^)(ダイエットしよ)
おしまい
- 742: 電話っつーか内線1/3 :2008/02/03(日) 01:59:51.09 ID:2dExTwmqO
- X'mas
(#*゚∀゚)「このイルミネーションはあれか、彼女いない歴17年のオレに喧嘩売ってんのか!」
( ・∀・)「落ち着け馬鹿。レズなのは知ってるからせめて周りに配慮して声のトーンを落とせ」
('A`)「うん……同意」
(#*゚∀゚)「可愛いくて優しい彼女と過ごせれば最高なのに、何でお前らとカラオケなんだよちくしょうめ!」
( ・∀・)「ほら、通行人が引いてるから本当やめて」
('A`)「つか、嫌なら来るなよ」
(#*゚∀゚)「うっせえ!オレに独りきりのクリスマスなんていう可哀相な目にあわせるつもりか!?」
( ・∀・)「あ、ほら、信号青になったぞ」
('A`)「歌って発散しちまえ」
- 743: 2/3 :2008/02/03(日) 02:01:02.88 ID:2dExTwmqO
- ( ^ω^)「いらっしゃいませー」
('A`)「3人でフリータイム、ソフトドリンクコース。機種は何が空いてる?」
( ^ω^)「今すぐ入れる部屋でしたらDAMだけですお」
( ・∀・)「俺は別にいいよ、つーは?」
(*゚∀゚)「うむ、許す!」
( ^ω^)「かしこまりましたお、ではこちらのプレートを持って302号室までどうぞですお」
(*゚∀゚)「店内ぬっくぬくー。しゃーわせー」
( ・∀・)「お、機嫌なおった?」
(*゚∀゚)「おう、今年はお前らで我慢してやんよ。可愛い女の子と過ごせてお前ら幸せだろっ!」
('A`)「正直お前を女の子だと思えな――」
(#)A`)「いわけないっす……だから鞄で殴るのは止しやがって下さい」
- 744: 3/3 :2008/02/03(日) 02:01:49.04 ID:2dExTwmqO
- (;・∀・)「おー、部屋狭いな!」
('A`)「今日空いてたの自体が奇跡だから仕方ないだろ」
(*゚∀゚)「コート掛けてやっからよこせ」
('A`)「さて、とりあえず飲み物頼むか。何がいい?」
(*゚∀゚)「梅昆布茶」
( ・∀・)「アイスコーヒー」
('A`)「つー、お前……今日も梅昆布茶だけしか頼まない気か」
(*゚∀゚)「アヒャヒャ最後らへんの店員の苦笑いが面白くて面白くてwwww」
('A`)「じゃあ俺も奇抜な選択でホットミルクwww」
ガチャ
('A`)】「梅昆布茶とホットミルクとアイスコーヒーお願いします」
(;・∀・)「おwまwえwらww」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャwwww」
(*゚∀゚)(こんな馬鹿が友達で……俺は意外と幸せなのかもしれないなっ)
- 752: 川 ゚ -゚)は成仏するようです [1/3] :2008/02/03(日) 06:41:21.30 ID:0pmbeS3jO
- ( A )「…クー……。」
彼女が死んでから、何日経ったのだろうか。いや、何週間か、もしかすると何ヶ月なのかもしれない。
いずれにせよ、オレには途方もなく長い時間をこの暗い部屋で過ごしたように感じられた。
その間オレは、何度も泣こうとした。…でも、一度として泣けなかった。
人間本当に悲しい時は泣けない、というのはどうやら事実なようだ。
小さく音を立てて腹がなる。しかし、食欲は全く湧いてこなかった。
最近、ご飯を食べていない…いや、正確には食べても胃が拒絶するので食べるのをやめたのだが。
元々貧弱だった体がさらに弱っていくのをひしひしと感じる。
…クーにまた逢える日も、そう遠くないかもしれないな。
そう思った時、不意に何度目になるかわからない電話のベルが鳴り響いた。
どうせまたブーンか誰かだろう…しょうがない、一回くらい出てやるか…でもその後電話線を切ろう。
そう思いながら受話器を取った。
しかし、受話器から聞こえてきた声は全くの想定外、本来ならありえない人のものであった。
「…久しぶりだな、ドクオ。」
('A`)「………へっ?」
間違えようがなかった。だからこそありえなかった。だって彼女は―――。
- 753: 川 ゚ -゚)は成仏するようです [2/3] :2008/02/03(日) 06:46:36.68 ID:0pmbeS3jO
- 川 ゚ -゚)「私は死んでから、ずっと君を見ていたぞ。全く、情けないな。」
(;'A`)「ク、クー…なのか……?だけどお前今…生きているじゃないか。」
川 ゚ -゚)「……いや、私は生きてないよ。確かに死んだ。ドクオだって見ただろう?」
('A`)「……………。」
川 ゚ -゚)「私はもう死んだんだ。私はもう生きれない。
……だから…ドクオには私の分まで、生きて欲しいんだ。」
( A )「……オレはそんなに…強い人間じゃない…。」
川 ゚ ー゚)「大丈夫だ、君自身は非力でも、君にはそばで支えてくれる友人たちがいる。」
( A )「……………。」
川 ゚ -゚)「そろそろ、時間だ…。」
( A )「…待って…待ってくれよ…。」
川 - )「…すまない。
最後に一言……ドクオなんて、大っ嫌いだ。」
- 754: 川 ゚ -゚)は成仏するようです [3/3] :2008/02/03(日) 06:48:09.62 ID:0pmbeS3jO
- ……ツー…ツー…ツー…ツー…
('A;)「相変わらず…嘘つくの、下手だなぁ」
気付けばあれほど流せなかった涙が、頬を伝った。
するとそれは次第に次から次へと溢れだし、ついには止まらなくなる…。
人の死は、悲しい。特にそれが親しい人のものならば、なおさらである。
しかし、それを乗り越えなければ前には進めない。
そこで停滞していては、死んだ人も悲しむはめになるだけだ。
だからオレは、生きていく。
彼女の分まで精一杯、生き抜いてみせる。だから、安心して成仏してくれ、クー…。
その後、クーから電話がかかってくることは二度となかった。
- 763:川゚ -゚)は仕えるようです [1/3] :2008/02/03(日) 11:25:28.19 ID:5QJ9Xu8tO
- 私はあなたをお慕いしております。
たとえあなたが他の誰かと一緒になったとしても……
( ^ω^)「クー、ちょっと」
川゚ -゚)「はい、ホライゾン殿」
私は14のときこの屋敷に奉公娘として連れてこられた。もう五年になる。
( ^ω^)「明日はいよいよ取引の日だお。取引には条件があるから相手方に粗相の無いように」
川゚ -゚)「仰せのとおり」
所詮私と彼は主従関係。それ以上でも以下でもない。
でも私は彼に思いを寄せていた。彼もそれに気付いていた。
翌日、その日がやってきた。
取引先の娘もまた彼のことを愛していた。
ξ゚听)ξ「ホライゾン様〜!今日は私たちの結納の日ですね!」
……なんだって?私はそんなこと聞いていないぞ
( ^ω^)「……すまない、クー、これが条件なんだお……」
川゚ -゚)「……はい」
( ^ω^)「クーに頼みがあるお、今夜……」
頼みとは離れに二人分の布団を敷くことだった。私は断れなかった。
- 764:川゚ -゚)は仕えるようです [2/3] :2008/02/03(日) 11:26:51.55 ID:5QJ9Xu8tO
- ξ゚听)ξ「あんた、ここの女中?」
川゚ -゚)「はい」
ξ゚听)ξ「あらそう、これからよろしく」
その娘は私をじろじろみると言った。
その夜
川゚ -゚)「……終わりました」
そう、全て終わったのだ。
( ^ω^)「ご苦労だったお」
川゚ -゚)「ごゆっくりどうぞ」
ξ゚听)ξ「ホライゾン様ー……」
私は戸を閉める。戸に寄り掛かってずるずるしゃがみこむ。
川 - )「っ………ふ………」
中からは音はしない。が、やがては……
そんなの絶対聞きたくない。でも体に力が入らない。
川; -;)「……」
なんとか体を奮い立たせて母屋に戻ると御隠居に体調が悪いと伝え休んだ。
- 765:川゚ -゚)は仕えるようです [3/3] :2008/02/03(日) 11:29:09.88 ID:5QJ9Xu8tO
- 翌日はいつも通りに起床した。あの二人は起きてこなかった。
私はあなたに一生仕えます。
それが私の運命だから。
たとえあの人との間に子供ができたとしても、子供に尽くします。
(完)
- 778:('A`)ドクオがPS3を睨んでいるようです :2008/02/03(日) 12:52:28.04 ID:k9QwCbOs0
- ('A`) 「……」
俺は今、自室のロッキングチェアーに腰をかけながら、ある物体に視線を集中させている。
「ある物体」とは、発売当時、あまりの高値のため全く売れず、少し前に大幅値下げされたPS3である。
('A`) 「はぁ……」
ソニー厨だった俺は、発売前からWiiやXBOX360などには目もくれず、PS3を買うと決めていた。
しかし、中学生の財布に諭吉が七、八人もいるはずがなく、カーチャンに泣きついて買ってもらった。
('A`) 「なんで初期に買っちゃったんだろ」
常識外の価格、ソフトのバリエーションの少なさ、その他もろもろ……。
後続のソフトに興味も持てず、今ではもっぱらDVDを見ることにしか使っていない。
自慢げに光を反射する、この黒い物体に、ドクオは不意に怒りの感情を覚えた。
(#'A`) 「くそ! こんなもの、こんなものがあるから!」
学校ではWiiの話題でもちきりで、更にスマブラXが発売されてからというもの、その勢いは更に増している。
しまいには、XBOX360、PSP、価格低下後のPS3を持っている連中にも、馬鹿にされる始末。
もともと学校で浮いていた俺は、更に浮いた存在となってしまった。
PS3を買った翌日の、「お、お、お、おおれ! PS3買っちゃ、ちゃたにょ!」という俺の発言は、今現在の状況とのギャップもあってか、滑稽な物まねの的とされていた。
- 779:('A`)ドクオがPS3を睨んでいるようです :2008/02/03(日) 12:55:29.96 ID:k9QwCbOs0
- ('A`) 「もう嫌だ……」
俺は机から、金槌を取り出す。しばらく使わずに、錆びてしまったそれは、まるで今のPS3のようだ。
一時の感情に任せると、後々良くない結果が待っているのは充分承知している。だが、こうでもしないと今の気持ちに収まりがつかない。
俺はPS3に、思い切り金槌を振り下ろした――
* * * * * * * * * * * * * *
('A`) 「カーチャン! PS3欲しいんだけどさ……」
J( 'ー`)し 「今使っているゲーム機じゃダメなのかい?」
('A`) 「今使っているやつの、新しいバージョンなんだ。みんな買うって言ってる」
J( 'ー`)し 「でもねぇ、カーチャンは、まだあのゲーム機は使えると思うんだよ」
(;A;) 「……今買わないと、クラスのみんなから乗り遅れちゃうんだよ!」
(;A;) 「頼むよ! カーチャン!一生のお願いだ!」
J( 'ー`)し 「……わかったよ。今度一緒に買いに行こうね」
('∀`*) 「カーチャン!!」
* * * * * * * * * * * * * *
俺は目頭が熱くなるのを感じた。
PS3を買うために、パートを増やしたカーチャン。あまりの高価格にも、嫌な顔一つ見せずに、PS3を買ってくれたカーチャン。
小さい頃から、いつま我がままばかり言う俺を、女で一つで育ててくれたカーチャン。
(;A;) 「PS3を売れば、日帰り旅行くらいプレゼントできるよな……」
俺はPS3に向けていた金槌を、静かに机に戻した。
- 781:('A`)ドクオがPS3を睨んでいるようです :2008/02/03(日) 12:57:29.02 ID:k9QwCbOs0
結果から言うと、PS3はネットオークションで五万円で売れた。
既に生産中止になっていたことで、希少価値があがっていたらしい。嬉しい誤算だ。
( ・∀・) 「おい、今日もスマブラやろーぜー!」
( ^ω^) 「僕も参加するお!」
( ^д^)9m 「お前らプギャーwwwwwさせてやるぜ!」
('A`) 「かかってこいよ! さ、俺ん家に行こうぜ!」
( ・∀・) ( ^ω^)「「「 お う ! 」」」 ( ^д^)9m
時代? 時代はやっぱ、Wiiですよ。スマブラとセットで、四万円程度の、嬉しい価格でしたしね。
おかげ様で、今では僕もクラスの人気者です。ありがとう、任天堂。ありがとう、今はどこか遠くにいるPS3。
カーチャンには。余った良心で肩たたき券をあげた。
おわり
- 800:( ^ω^)ブーンは風と共に戦い抜くようです :2008/02/03(日) 14:35:28.92 ID:JRshFJox0
- コポコポと不気味な、水の沸く音がした。
部屋全体は薄暗いのだが、所々にまるでオブジェのように配置された縦長のカプセルが不気味な緑に輝き、その光が辺りを照らしているため、物を見るのに問題はない。
その部屋の中心、小さな椅子に腰掛け、不気味な光で薄緑に輝く白いテーブルに肘をかけ、コップに入ったコーヒーをすする女がいた。
唐突に、女が首を後ろに回し、部屋と外とをつなぐ扉を見る。
外からは、扉をノックする小さな音がしていた。
「入れ」
女の言葉の後、金属製の扉がノブをまわす音とともに開いた。
そこからでてきたのは、体躯の良い、白衣をまとった男であった。
そのとこが何か言葉を言おうと、口を開いたのだが、女は自分の口に人差し指を当てるジェスチャーをし、それを見ると男は喉まで出掛かったその言葉を呑み込んだ。
「余計なことは聞く気はしない。結果はどうなんだ」
「……成功と言って過言ではないでしょう」
男が、今度は低い声でしっかりと話す。
「過言ではない? なんだ、その言い方は」
女はコーヒーを静かに啜り、キッと男の顔をにらむ。
「披験体への付加は成功しました。
しかし、その用途に至って……私はやはり納得がいきません」
「未だにそんなことを言うのか、お前は。
いいか、私がしているのはリサイクルなんだよ?
未来も何もないんだ。有効に使ってやるだけいいではないか」
- 801:( ^ω^)ブーンは風と共に戦い抜くようです :2008/02/03(日) 14:36:50.02 ID:JRshFJox0
- 男の言葉に対して、嘲笑しながら女はそう言った。
男はというと、短くため息をつき、顔を落とした。
「それにだな」
次いで口を開いたのは、女であった。
その言葉に、男は顔を上げ、女の目を見る。
「私はマキナの意志を次いでいるに過ぎない。
お前だってマキナに仕えていたんだ。なのに何故、喜ばないんだ」
男がはっとした表情で、いつもは細めている目を少し開いた。
「……マキナは、もういません」
そして、短くはき捨てた。
その言葉の後、再び女の嘲笑が部屋に響いた。
「マキナがいないだと? 笑わせるなよ。
マキナは未だ死んでいないし、私がこうやってその意志を継いでいるんだ。
私が生きている限り、この実験が無駄になることも……失敗することもない」
「……馬鹿馬鹿しい」
「あ?」
男の言葉に、女が声を荒げる。
コーヒーを再度、今度は乱暴に音を立てながら啜り、カップは叩きつけるようにしてテーブルに置いた女は、椅子を蹴飛ばして立ち上がり、男の眼前まで迫った。
男より幾分身長が低いため、端から見れば滑稽ではあるが、女の気迫のある表情を前にし、男は一瞬竦んでしまったが、すぐに姿勢を直した。
- 802:( ^ω^)ブーンは風と共に戦い抜くようです :2008/02/03(日) 14:37:22.67 ID:JRshFJox0
- 「今、なんて言った」
乱暴な目線を男に送りながら、女が言う。
当の男はというと、ばつの悪そうな顔をし、しかし目線は女の目を離さずに口を開く。
「あなたがマキナに執着している限り、そんなのは無理なことであり、馬鹿馬鹿しいことです」
「マキナを侮辱するな!」
女の拳が、言葉と同時に素早く男のわき腹を捕らえた。
鈍い音がすると同時に、男が歯を食いしばる。女ながらに相当な力を持つようで、攻撃を直に受けた男は膝を地に折り、悶絶した。
それを見た女は、何も思ってはいないようであった。
先ほどまで男を見上げていた目線は、今度は見下げる目線になって。
その視線の冷たいことはこの上なく、男はそれをもう直視していることは出来なかった。
「いいか? お前がこうしてここで生きていられるのも、私とマキナがあってこそなんだぞ?
それを侮辱するということは、どういうことなのか……すこし理解したほうが良い。
お前なんぞはいつ消し去ってしまっても、私には問題ないということを忘れるなよ」
女はそれ以上何も言わずに、男がこの部屋に入るときに使った扉を開け、そこから外へ出て行った。
その背中を見つめる男の表情は、苦悶で満ち溢れていた。
そう。おそらく、体の痛みからではないであろう、苦悶が。
- 805: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 14:46:47.48 ID:2dExTwmqO
- (#'A`)「許さねえ!!絶対許さねえ!」
(#´・ω・`)「黙れ。ぶち殺すぞこのチンカスが」
(#'A`)「うっせえ手前ぇが死ね!!つーか殺す」
テコテコ
(( ・∀・)「喧嘩イクナイ。VIPはヤパーリ荒れてるね」
キラキラ
( ・∀・)ノ+。*「ひねもすマターリマターリかな」
キラ
*。(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「まあ、そんなことより僕と浮気した君の嫁の話でもしようか」
。キラ
+('A`)「……」
('A`)「おう、クーの腰の動きについてkwsk」
( ・∀・)「仲良し仲良しw」
- 806: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 14:47:44.29 ID:2dExTwmqO
- (*;ー;)「ギコくん……ギコくん……!!」
テットコテットコ
((( ・∀・)「どしたのー?」
(*;ー;)「ギコくんが……安価でお酒飲んで川に飛び込んじゃったの。助けて……」
( ・∀・)「いいよー」
キラキラ
( ・∀・)ノ+。'「ひねもすサパーリサパーリかな」
キラ
。+(*゚ー;)「……」
(*゚ー゚)「……やっぱり、あんなムサい男いつまでも心配してたって仕方ないわよね。次探そ次」
( ・∀・)「助けたよ。『君は』ね」
- 807: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 14:48:44.85 ID:2dExTwmqO
- ξ゚听)ξ「あらモララー。私……もう疲れたわ」
( ・∀・)「何がー?」
ξ゚听)ξ「金髪縦ロール美女、ツンデレ、貧乳、乱暴、お嬢様……どうして私はテンプレどおりじゃないといけないの?」
( ・∀・)(あれ、ツンデレってそんなテンプレートだったっけ?)
( ・∀・)「なら、違うAAになればいいじゃない」
ξ゚听)ξ「それが叶うならどれだけいいか」
キラキラ
( ・∀・)ノ+。'「ひねもすクルーリクルーリかな」
キラーン
+。'ξ )ξ「きゃっ」
ξ。A。)ξ 「な、世界が逆転して……」
( ・∀・)「……」
にゅ
( ・∀・∀・)「……テンプレに載らない悲しさでも味わえばいいよ」
了
- 832:雪・ささやかな幸せ 1/3 ◆tOPTGOuTpU :2008/02/03(日) 15:41:27.07 ID:hcscLDQS0
- 幼い頃から南国で過ごしてきたためか、雪に遭遇したことはなかった。
白い、冷たい粉のようなものが天からヒラヒラ舞って来る。
ありえないと鼻で笑ったこともあるし、漫画やドラマの誇張表現だと思っていた。
大学進学のため僕は一人で上京した。
そのまま東京の企業に就職した。
東京は故郷より遥かに寒いけれど、それでも雪は滅多に降らなかった。
でも、煩務に追われているうちに、そんなことはどうでもよくなっていった。
もしかしたら、僕は雪を間近で見たことがあるかもしれない。
けれど、もう興味の範疇に入っていなかったのだ。
二年目の冬、故郷のことすら忘れそうになっていた頃、故郷の恋人からいつものように手紙が届いた。
いつも、他愛のない言葉のやり取りなのだけれど、今回は違っていた。
自分も上京したい、新年辺りに少し泊まらせて。そんな内容だった。
師走の忙しさに辟易していた僕は、大した考えも抱かずにOKの返事を出した。
ようやく仕事が一段落し、そのまま新年に雪崩れ込もうとしていた。
丁度その、大晦日に故郷の恋人ツンが僕のアパートにやって来た。
やけにでかい旅行鞄と共に、やけに口を尖らせながら。
( ^ω^)「久しぶりだお」
ξ゚听)ξ「そうね」
いつにも増してつっけんどんだった。
- 833:雪・ささやかな幸せ 1/3 ◆tOPTGOuTpU :2008/02/03(日) 15:42:32.76 ID:hcscLDQS0
- 雪のように真っ白な、やけに物々しいトレンチコートを着込んでいた。
お世辞にも似合っているとは思わない。大方、故郷はコートの品揃えが良くないのだろう。
ツンはコートを脱ぐと、僕の差し出したホットの缶コーヒーをしばらく見つめていた。
やがて、溜息をつきながら、
ξ゚听)ξ「なんか……やっぱ寒いね」
( ^ω^)「お?」
暖房はちゃんと効いているはずだけど……とエアコンのリモコンを確認した。
やはり、異常は無かった。
そういえば、ツンは全くコーヒーに興味が無いようだった。
無糖ブラックが好きなはずなのに……。
勧めると、「いい」と突っぱねた答えが返ってきた。
どうすればよいのか分からず、僕はコタツの中で悶々としていた。
時々足がツンのと当たり、その度に二人でモジモジした。
何故だろう……もう僕達は二十歳を越えているし、知り合ってから十年も経つのに。……
ひどく森閑した年末だった。
テレビをつけると、テレビの中の馬鹿騒ぎと今の状況のあまりのギャップに笑いそうになる。
僅かであるが、心が弾んだような気がした。見ると、ツンの顔も若干綻んでいる。
( ^ω^)「じゃ……そろそろ夕飯作るかお」
立ち上がって、冷蔵庫を確認した。なぜか豆腐くらいしかまともな食材がなかった。
冷凍室にはコンビニで買った冷凍用の鍋焼きうどんが丁度二つ入っていた。
だが、一瞬躊躇ってから僕は止すことにした。
ツンに言う。
(;^ω^)「なんも無いお!」
- 834:雪・ささやかな幸せ 1/3 ◆tOPTGOuTpU :2008/02/03(日) 15:43:31.51 ID:hcscLDQS0
- ξ゚听)ξ「そこにあるじゃない」
ツンの指差した先には、仕送りの野菜が入ったダンボールが据え置かれていた。
ξ゚ー゚)ξ「鍋にしましょ」
野菜のほかには、冷蔵庫の中の豆腐……それとせいぜいマロニーしかない。
やたら質素な鍋だと思ったが、僕も頷いた。
クツクツ具材を煮込んでいる鍋に箸をつけながら、二人で大晦日特集を観た。
テレビのテンションの高さに驚かされ、また、励まされたような気分になる。
そのうち、二人で顔を見合わせた。そうして笑った。酒が入っていないのに、幸せな気分に満たされた。
ξ゚ー゚)ξ「「あけましておめでとうございます」」(^ω^ )
鍋の後片付けをし終えた頃で、新年になった。
二人でコタツに入り、ヌクヌクと身体を暖める。
ツンが窓の方をしきりに見るので、僕もつられて覗くと、窓の向こう側で雪が舞っていた。
ああ……これが雪か……雪だったのか……。
生まれて初めて雪と出会ったような気になった。
ξ゚ー゚)ξ「ねぇ、コーヒーメーカーってある?」
( ^ω^)「お? 多分、埃が積もってると思うけど、食器棚にあるお」
ξ゚ー゚)ξ「よかった、お土産に有名なのを持ってきたの」
僕の現状や、友達の近況、ツンのことなどを一通り話合う。
それすら終わった辺りで、二人でコタツのまま眠りこくった。
朝が来て起き上がると、ツンがコーヒーを入れたマグカップを差し出してくれた。(終)
- 842:( ^ω^)ブーンとコタツ :2008/02/03(日) 16:23:18.83 ID:uSmu0h1KO
- ( ^ω^) ドッくん
('A`) あ?
( ^ω^) みかんあげるお
('A`) あぁ ありがとう
( ^ω^) 寒いおね
('A`) だがコタツん中はあったけぇ
( ^ω^) のほほんだお
('A`) 温泉に入りたいな
( ^ω^) 温泉の素ならあるおw
('A`) 本物のだよw
- 843:( ^ω^)ブーンとコタツ :2008/02/03(日) 16:23:58.03 ID:uSmu0h1KO
- ('A`) みかん食べよ
( ^ω^)っ□←ティッシュ
('A`) ありがとう
ブシュ
('A`) あ−…
( ^ω^)やっちゃったおね
('A`) ごめん…
( ^ω^) 気にすんなお
('A`) すまんな
( ^ω^) 暖かけりゃ平気だお
('A`) ? おう
- 844:( ^ω^)ブーンとコタツ :2008/02/03(日) 16:24:30.83 ID:uSmu0h1KO
- ( ^ω^) 少し寝るかお
('A`) 俺も寝ようかな
( ^ω^) !?
('A`) どした?
( ^ω^) ドッくん ブーンの脚に脚を乗っけてるかお?
('A`) いや? なんで?
( ^ω^) …………
( ^ω^) 一体何なんだお!
バッ
( ´∀`) ZZzz....
( ^ω^) ………
('A`) ………
- 846:ささやかな幸せ 1/3 :2008/02/03(日) 16:30:31.82 ID:Yc9AoUje0
- ヒートと初めて出会ったときには、少々ひいたのは事実だ。
なんてうるさくて、がさつな女の子なんだろうと思った。
でも、なんて綺麗な瞳で、まっすぐにこっちを見るんだろうとも思った。
今思えばあのときから、こっちの心も奪われてたのかもしれない。
そんな彼女の直球で豪快な求愛に負け、結婚して5年。
やがて、可愛い子供も生まれた。
これがささやかな幸せか。いや、俺には十分すぎるほどの幸せだ。
僕らの娘、でぃも彼女譲りの綺麗な瞳をしていた。
ただ、僕に似たのか病弱だった。
とくに皮膚が弱く、すぐあせもが出来る。
今もおとなしくしてるが、どうやら体が痒そうだ。
( ゚д゚ )「でぃ?体が痒くないか?」
(#゚;;-゚)「ウン…デモ、マダダイジョウブ」
( ゚д゚ )「パパ、いい入浴剤買ってきたんだよ。
うまくいけば、体のかゆみも楽になるかも」
(#゚;;-゚)「……ホントウ?」
( ゚д゚ )「試してみるかい?」
(#゚;;-゚)「ウン!パパトオフロハイル」
- 847: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 16:31:17.65 ID:Yc9AoUje0
- 六一〇ハップという古い入浴剤は、皮膚病に効果があるとのこと。
とりあえず湯船にぶちこみ、でぃといっしょに風呂に入った。
二人で肩まで浸かっていると、ヒートの叫びが聞こえた。
ノハ;゚听)「おおおおおい、ダンナあああ!!でぃぃぃ!!」
( ゚д゚ )「ヒート、どうした」
ノハ;゚听)「逃げろおおおおお!!化け物だああああああ」
私が全裸で風呂場から飛び出すと、泣きながらヒートが抱きついてきた。
ノハ;凵G)「ダンナああああ!!無事かあああああ!!」
( ゚д゚ )「おまえこそ、無事でよかった」
夫婦の愛を確かめている間もなく、向こうからのろのろと奴が近づいて来た。
(*゚0゚;;)「(*゚0゚;;)(*゚0゚;;)(*゚0゚;;)」
(;゚д゚ )「うわあああああああああああ」
入浴剤や風呂おけ、洗剤などなど。
俺はその辺にあるものを手当たり次第に投げつけた。
- 848:ささやかな幸せ 3/3 >>847が2/2 :2008/02/03(日) 16:32:31.89 ID:Yc9AoUje0
- いいか、みんな
(゚д゚ )
(| y |)
サンポール ( ゚д゚) 六一〇ハップ
ヽ/| y |ヽ/
°。o
( ゚д゚) 。o°o。
(ヽ/ヽ/
_
=(_)○_
――化け物は倒したが、俺は自分も家族も守れなかった。
- 860:( ・∀・) こちらモララー整形クリニック。のようです :2008/02/03(日) 18:04:09.12 ID:k9QwCbOs0
- Case3.愛される顔の定義
季節は冬。ビルの四階にあるこの事務所は、一階の寒さに比べたら、まだましかもしれない。
だが室内でも、厚着をしなければ耐えることもできない。なんとも歯がゆい季節になったものだ。
( ・∀・) 「あー、寒いと思ったら雪が降ってるよ」
川 ゚ -゚) 「こんな日に客なんか来るんでしょうか?」
つい最近、助手として雇ったクーがお茶を入れてくれる。冷たいお茶が歯に染みた。多分嫌がらせ。
治療成功のつもりだったのだが、相変わらずの無表情だ。
( ・∀・) 「関東で雪が積もるなんて珍しい。ところで、第一助手のドクオはどこにいったんだい?」
川 ゚ -゚) 「買い物、といってました」
クーが答えると同時に、バタンとドアの開く音がした。さっそく、ドクオが帰ってきたようだ。
( <●>A<●>) 「ただいまー」
( ・∀・) 「やあ、相変わらずの目力だね」
川 ゚ -゚) 「ワドルドゥが二匹いるのかと思ったぞ」
二人のさりげない精神的攻撃に、普段のドクオなら涙目になってしまう。しかし、今日はニヤニヤと微笑んでいた。
その手に下がっている袋には、「トイ・THE・らスだよー(^0^)」と書いてあった。
(;・∀・) 「おい、ドクオ。まさかその中身は……」
( <●>A<●>) 「話題のWiiとスマブラX買ってきましたよ!!」
川* ゚ -゚) 「「 k t k r ! ! 」」 (・∀・ *)
三人は、営業中ということも忘れて、早速スマブラをやりはじめた。
- 861:( ・∀・) こちらモララー整形クリニック。のようです :2008/02/03(日) 18:05:47.51 ID:k9QwCbOs0
- 事務所にある、小さなテレビに向かって座る三人の男女。
その画面には、カービィ、マリオ、ネスといった任天堂の話題のキャラ達が、所狭しと戦いを繰り広げている。
川 ゚ -゚) 「また私の勝利だな」
( ・∀・) 「また二位か。クー、勝ったならもっと嬉しそうな顔をしたまえ。ドクオのように表情豊かにしなさい」
( <;>A<;>) 「全部最下位だぁぁぁぁぁ!!」
画面には、クーの操っていたカービィが勝利のダンスを踊っている。
それを見て、ドクオがポツリと呟いた。
( <●>A<●>) 「それにしても……。カービィってすごい人気ありますよね。どうしてだろう?」
( ・∀・) 「君にしては面白い疑問をもつね。実はね、キャラの顔作りには秘密があるんだよ」
( <●>A<●>) 「へぇ、どんなのですか?」
( ・∀・) 「目は丸く、両目は近く、顔も丸くだね」
川 ゚ -゚) 「と、いいますと?」
( ・∀・) 「まあ下の例を見てくれ。左は条件を全部満たした顔、右は全部条件を満たしてない顔だ」
1 (・∀・) 2 <▼ ∀ ▼>
( ・∀・) 「どっちが可愛いかな。一目瞭然じゃないか?」
( <●>A<●>) 「あ〜、確かに。つまり、カービィはほぼ全部の条件を満たしているわけですね?」
( ・∀・) 「そういうことだ」
- 862:( ・∀・) こちらモララー整形クリニック。のようです :2008/02/03(日) 18:06:55.77 ID:k9QwCbOs0
- 川 ゚ -゚) 「しかし、モララー先生。その条件には、少々間違いがあると思います」
( ・∀・) 「へえ、どこが問題なんだい?」
川 ゚ -゚) 「目は丸く、両目は近く、顔も丸くの条件を満たした顔には、こんなのもあります」
1 ( <●>A<●>)
( <●>A<●>) 「どう見ても俺です。本当にありがとうございました」
川 ゚ -゚) 「どうです? 先生」
(;・∀・) 「むぅ、確かに。私の研究も、まだまだ発展途上のようだね」
( <●>A<●>) 「……」
( ・∀・) 「……」
川 ゚ -゚) 「……」
( <;>A<;>) 「死ね! 氏ねじゃなくて死ね! お前ら全員、整形しゅじゅちゅに失敗して死ね!」
そう叫ぶと、ドクオは泣きながらここを出て行った。その後姿は、なんとも滑稽だったと、後にクーは証言する。
川 ゚ ー゚) 「かんでましたね」
( ・∀・) 「放っておけばそのうち戻ってくるだろう。さ、スマブラの続きをやろうではないか」
その後、二人は夜中までスマブラを楽しんだ。
翌日、ドクオが雪だるまになって帰ってきたのは、また別のお話です。
Case3.愛される顔の定義 執刀完了
- 863:( ・∀・) こちらモララー整形クリニック。のようです :2008/02/03(日) 18:08:20.70 ID:k9QwCbOs0
- 投下終了\(^0^)/
なんでドクオの顔(ryって疑問もったひとは、蛇屋さんにあるCase1とCase2を見てくれたらわかるかも
ボッコボコに批評してくれたら嬉しい
- 875:他殺願望 ◆y7/jBFQ5SY :2008/02/03(日) 19:20:40.62 ID:hNidenhj0
- 「私、死にたいって思うことがあるの」
僕の腕にもたれかかりながら、デレは物騒な事を言い出した。慌ててデレの顔に目を向けると、いたずらっぽい瞳で笑っている。
なんだ、冗談か。僕は僕の腕に絡み付いているデレのいましめを解き、デレの肩を掴んで強引に引き寄せた。
デレは少しだけ呻き声を上げたが、気付かない振りをした。甘いカクテルの匂いに混じって、より濃く甘ったるい香りが昇ってくる。
香水は付けるなとあれ程言っておいたのに。僕はデレの顎先に指を当て、顔をこちらに向けさせる。
「冗談じゃないわよ」
デレは小さな子供に言い聞かせるような口調でそう言い、唇付近の頬に軽く口付けてきた。温めの吐息がふりかかる。
カウンター越しのバーテンダーを一瞥する。無表情を装っているが、ちらちらと視線を寄こしていることが解る。
口髭など生やしているが、まだ顔には若さが目立つ。無意識の内に自分と比べてしまっていることに気付き、グラスを呷った。
咽から胸が一気に焼灼されていく。痺れた口内から熱い息を吐き出し、デレの方へと向きなおした。
「酔ってるのかお?」
「違う」。デレは僕の質問を、屹然とした態度で否定した。
「私ね、綺麗な内に死んでおきたいの。皺だらけで、髪にも艶が無くなって、そんなになってまで生きていたくないの。
生き恥よ。そんな姿を誰かに見られて、覚えられたりなんかしたら、それこそ不幸だと思わない? 想像するだけで身震いしちゃう。
それとね、ただ死ぬだけじゃだめなの。自殺なんてみっともないのはいや。本当は、誰かに殺して欲しいって、そう思ってるの」
デレはあの時のような濡れた瞳で見上げてくる。僕はデレの髪を撫でながら、バーの薄い照明へと視線を移した。
「自殺なんてしたら、表面上はかわいそうだなんて言いながら、みんな心の中で馬鹿にして笑うもの。そんなの耐えられない。
私はね、みんなに心から悲しんで欲しいの。あんなに良い子だったのに、殺されるなんてかわいそうに、不運だったねって」
「そろそろ、出ようか」
僕はデレの体を抱き寄せ、立ち上がった。デレも自分から体を預けてきた。酩酊こそしていないものの、やはり体は重い。
会計時に、表示された金額より多めに払う。口髭を生やしたバーテンダーは、無言のまま受け取った。
- 876: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 19:21:10.90 ID:hNidenhj0
- 外には雪が降り出していた。デレは無邪気な顔をして、落ちてくる雪を掴もうとしている。綺麗なものだ。
デレを見ていると胸の高まりが抑えられなくなる。頬の赤く染まった箇所目掛けて、口をつけた。唇を伝い、デレの体温が感じられる。
デレはくすぐったそうに僕から離れたが、顔は笑ったままだ。今度は、どちらからともなく、唇同士を近づけた。
ビルの隙間の暗がりで、僕はデレの体をまさぐった。依然雪は降り続けているが、まるで寒さを感じない。
体内に満たされた熱い酒が燃料となって、体の火照りに拍車をかけていた。デレも同様のようで、寒がっている様子はない。
男には存在しない場所を、丁寧に、丹念に愛撫した。デレは小さな嬌声を上げ始めている。唇も締まりきっていない。
自分の行為に素直な反応が返ってくることは、僕のやる気を増進させるのに、一役も二役も買っていた。
「さっきのつづきなんだけどね」
荒い呼吸の隙間を縫って、デレは話しかけてきた。僕は言葉を返さず、デレのやわらかさを堪能する。
鼻を首筋に沿わせて、デレ本来の、人間が生み出す汗と皮膚の匂いを嗅ぎ取ろうとする。だが、忌々しい香水の香りが邪魔をする。
僕は舌を這わせて、纏わりつく香水の匂いを全部舐めとってしまおうとした。だが僕の企みは、デレが身を捩ったことによって阻まれた。
「私、わかったの。一番綺麗な愛って、どちらかが死んで初めて完成されるんだって。だってそうじゃない?
思い出は現実と違って、汚れたりしないもの。いつまでも綺麗なままだわ。悲恋だけが、綺麗なままでいられる愛なの。
私は、綺麗なまま愛されたいわ。ねえ、内藤さん。私のこと、すき? 私のこと、愛してる? もし愛してるなら――」
デレの言葉を聞いている内に、僕は手を止めてしまった。次に言われるであろう言葉が、想像できてしまったから。
いつの間にかデレは呼吸も整って、まるで恋人同士がするような瞳で僕の事を見ていた。無邪気な笑顔をしている。
しかし、今はその笑顔が残酷なものに感じられた。虫を殺す子供の笑顔。そう感じる原因は、僕の心にあるのだろうか。
「私のこと、殺してくれない?」
「それは……」
息を呑む。言葉は思い浮かんでいる。だが、口に出せない。そんな僕の怯えを見抜いているのか、デレはより一層やわらかく笑った。
「そうよね、無理言ってごめんなさい。ううん、気にしないで。おかしなこと言ってるなって、自分でもそう思ってたもの。だって――」
- 877:他殺願望 ◆y7/jBFQ5SY :2008/02/03(日) 19:21:42.16 ID:hNidenhj0
- 突然、腹の中心に冷たい感触が侵入してきた。冷たい感触は全身に波及していき、鋭い痛みと灼熱の恐怖を喚起させた。
神経のすべてが腹の中心に据えられたため、天地は真逆になり、立っているのか、いないのか、それすらも解らなく、考えられなくなる。
腹に溜まっていた酒が、抉じ開けられた脱出口から漏れ出していく。危機感を覚えた僕は、必死になって両手を押し付けた。
今度は背面から冷たい感触が侵入してきた。視界がぐるりと回る。もはや、傷口を抑えることも叶わない。
頭の中が、逃げなければという思考に埋め尽くされていく。どこに向かっているかも、動いているかも解らぬまま、地面と思しき場所を這った。
ぬめったものが手を滑らせ、思ったように地面を掻くことができない。焦れば焦るほど、掴むのは空気だけになってしまう。
「内藤さん、おねえちゃんのこと好きなんだもんね。おねえちゃんのこと愛してるんだもんね。知ってたよ、私は知ってた。
私が香水つけるのをいやがったのも、匂いが移ると困るからだよね。それとも、おねえちゃんと同じ香水を使うからいやだったのかしら?」
重たいものが圧し掛かってきた。残っていた酸素と酒が、一滴残らず吐き出される。今は痛みよりも、酸素が欲しい。
しかしすることは変わらず、腕を伸ばして空を掻くだけだった。だがそれすらも、デレの体によって押さえつけられる。
デレは全身を使って僕に抱きついていた。脚も手もがっちりと、しかし乱暴な感じはしない。むしろ、とても優しく、愛おしそうに。
「良かったね、内藤さん。おねえちゃんはきっと、ううん、絶対悲しんでくれるよ。ずっと、ずーっと愛しつづけてくれるよ」
最後に見たのは、間近に迫ったデレの顔。無邪気で残酷な、子供の笑顔。触れ合った唇からは、ツンと同じ匂いがした――。
デレは血溜まりの中でうつ伏せになっている内藤を、心底うらやましく思っていた。綺麗で、美しいとさえ思っていた。
これから内藤は、綺麗な思い出とともに姉の中で愛されつづけるのだ。自分がその一翼を担えたことは誇りに思うが、それでは足りない。
やはり、殺す側ではなく、殺される側にならなければならない。生きる不浄を払拭し、逸速く綺麗な存在にならなければならない。
自分が殺される甘美な想像に浸り、デレは恍惚とした。巨大なナイフが腕や脚、生きるのに必要な器官、女の大事に差し込まれていく。
けれど、想像は想像。痛みも喜びも、現実によって飲み込まれてしまう。だからこそデレは、自分を愛してくれる人を探さなければならなかった。
自分の望みを叶えてくれる、殺してくれるほど愛の深い男を。デレの頭からは、すでに、内藤のことなど忘れ去られていた。
『他殺願望』 〜終〜
- 879:('A`)ドクオが世界の時を止めるようです :2008/02/03(日) 19:26:39.12 ID:hzNjE7Bl0
- ('A`)「もうすぐバイトかー・・・かったりー・・・時間が止まれば良いのになー」
溜息と一緒に言葉を吐き出す、時計を見るともう四時、五時にはバイトに出かけなければいけない。
沸騰した水をカップラーメンに入れ、タイマーを三分間セットする。
雑誌の漫画を読みながら時間を潰す、漫画の内容はある日突然時間を止められるようになった主人公が世界征服をたくらむ、というものだ。
陳腐でよくあるストーリーだが、なかなか面白い。
・・・そろそろタイマーが・・・あれ?
まったく動いていない、壊れたか?
そういえばさっきからやけに外が静かだ、俺の家は通りに面していて車がひっきりなしに通っているはずなのに。
窓を開けて、外を見回す。
('A`)「こ、これ・・・は・・・」
ふと、時間よとまれ・・・と言ってみただけなのに。
本当に、本当に時間が止まってしまうとは思わなかった。
風も吹かず、車も止まり、道行く人々は不自然な体勢のままで動きを止めている。
('A`)「じ、時間を動け!」
再び動き出す世界。
いつの間に俺はスタンドを身につけたのだろうか?
それにしても、時が止まったら何が出来るだろう?
道行く女を無理やり犯すことも出来る、銀行に忍び込んで大金をせしめる事も出来る。
なんでも、できる。
そう思うが早いか、俺は家の裏手の大通りへと飛び出していた。
('A`)「ザ・ワールド! 時よ止まれ!」
一度言ってみたかったんだ、こういうの。
やはり人々は動きを止めてしまう、動けるのは俺だけ・・・だ。
- 880:('A`)ドクオが世界の時を止めるようです :2008/02/03(日) 19:29:59.52 ID:hzNjE7Bl0
- 近くにいた若い女性の胸を揉みしだく、反応は無い、手に感触だけが残る。
(*'A`)「うひょおぉぉぉぉ!」
夢中で胸を触り続け、唇まで奪う。
時が止められるってこんな楽しいのか、DIOの気持ちが分からないでもない。
そうだ、次は宝石でも奪ってやろうか。
しかし一番近くの宝石店まで歩いていくのはいささか時間が掛かる。
・・・やってみよう、か。
バイクに乗っている男性を引き摺り下ろし、自分が跨る。
男性はバイクに乗った格好のままで街路樹を見つめている。
一度友達のバイクを運転したことがある、なんとかなるはずだ。
アクセルを踏む、お、走り出した。
(*'A`)「おお、楽しいぜぇぇぇぇ!」
風は感じないが、確かに俺は走っている。
止まったままの車が少々邪魔だが、それ以上に無免許で堂々と走り回れる喜びのほうが大きかった。
ふと横を見た、女子高生の集団が会話しながら歩いている一シーンのままで止まっている。
何れも可愛い子の集団、ぜひ彼女たちで童貞を捨てたいものだ。
バイクを止めようと前を見る、角から車が出てくる一シーンが見えた。
(;'A`)「やばっ・・・」
- 881:('A`)ドクオが世界の時を止めるようです :2008/02/03(日) 19:30:36.36 ID:hzNjE7Bl0
- そう思ったときにはもう遅い、地面が5,6メートルほど下に見える。。
地面に叩きつけられ、骨が砕け、折れるのを感じた。
例えようのない激痛が体中を駆け巡る。
頭から血が垂れていくのを感じた。
(;'A`)「いてぇ・・・いてぇよぉ・・・」
必死で辺りを見回すが、誰も硬直したまま動かない。
誰か、助けてくれ、死にたくない、嫌だ。
だんだんと体が動かなくなっていく、死ぬのか?
俺は?
嫌だ、助けてくれ。
(; A )「・・・れ・・・か・・・」
声が出ない、瞼が異常に思い。
眠い、眠い・・・。
そのまま俺の意識は途切れた。
時が止まったままの世界を残したまま。
('A`)ドクオが世界の時を止めるようです END
- 889: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 19:36:18.86 ID:k9QwCbOs0
- 乙!勢いでてきたな。
お題全部使って書いてみたのを投下する。
@VIP
A電話
Bあの頃の思い出
C奇
D妄想
E手紙
F日本刀
G怪
H反則
Iメタボリック
J季節はずれ
K空
L雪
MWiiとPS3
Nささやかな幸せ
O悲
- 891:( ^ω^)16個のお題を全部使って書いてみたようです :2008/02/03(日) 19:37:47.81 ID:k9QwCbOs0
- 僕は今、いきつけの喫茶店で人を待っている。
ガラス張りの店内からは、外の様子が覗える。もう春先だというのに、季節はずれの小雪が待っていた。
きっと、彼女は震えながらここへやってくることだろう。
ああ、早く彼女と談笑しながら、コーヒーを啜りたい。それが、僕のささやかな幸せだから。
( ^ω^) (ちょっと待てよ……)
ふと、脳裏に不安がよぎる。果たして、彼女はちゃんとここへ辿り着けるのだろうか。
彼女に携帯に電話をかけてみようか。いや、もしかしたらサイレントマナーで気づかないかもしれない。
きっと、彼女は困っているだろう。世の中、どんな予想外のことがあるかわかったもんじゃない。
(;^ω^) (それにしても遅いお……。はっ! もしかしたら!)
―― 以下、妄想 ――
ξ゚听)ξ 「ブーン……。今日、私を呼び出したってことは、なにか話があるのよね」
ξ゚听)ξ 「はっ! もしかしたら、別れ話かもしれないわ!……もし、そうだったら悲しいわ」
ξ;゚听)ξ「私ブーンと別れたくない! こうなったら、手紙で私の気持ちを伝えるわ! ブーンのこと、どれほど大事に思っているかを」
ξ゚听)ξ 「書き出しは……『拝啓、年末のクリスマス商戦もWiiの大勝利で、PS3を買った人も売った人も懐の寒くなる季節も過ぎまして……」
―― 以上、妄想 ――
- 892:( ^ω^)16個のお題を全部使って書いてみたようです :2008/02/03(日) 19:39:01.56 ID:k9QwCbOs0
- これはいけない。彼女に伝えなくては、「僕も大好きだよ」と。
僕は腕時計を見る。既に、待ち合わせの時間を二十分オーバーしていた。
(;^ω^) (本当に遅いお。普段、遅刻なんて絶対しないのに。はっ、もしや手紙を書けなくて困ってる!?)
―― 以下、妄想 ――
ξ゚听)ξ 「えーと、『あなたの反則的な笑顔には……』 だめ! こんな文じゃ、ブーンには全然伝わらないの!」
ξ;凵G)ξ 「もう別れるしかないのね! こうなったら、ヤケ食いしてやる!」
ガツガツムシャムシャ
ξ )゚听 )ξ ゲプッ
ξ )゚听 )ξ 「あら、メタボになっちゃったわ」
―― 以上、妄想 ――
(;^ω^) 「これはいかんお! 早く止めにいかなくちゃいけないお!!」
( ^ω^) (いや、待てよ……)
僕は携帯電話を取り出す。インターネットに接続し、2ちゃんねるを開いた。
( ^ω^) (もし、これをネタにVIPにスレ立てしたらどうなるお……?)
- 893:( ^ω^)16個のお題を全部使って書いてみたようです :2008/02/03(日) 19:40:15.00 ID:k9QwCbOs0
- ―― 以下、妄想 ――
今日、奇々怪々な出来事が起こった
1 :名無しのVIPPER:2008/03/03(日)
昨日まで相武紗希似だった彼女が、今日見たらマツコ・デラックスになってた。
痩せていたあの頃が懐かしい……。
2:名無しのVIPPER:2008/03/03(日)
以下、日本刀についた語るスレ
(中略)
1000:名無しのVIPPER:2008/03/03(日)
1000なら日本刀最強は虎轍
―― 以上、妄想 ――
( ^ω^) 「ちょwwwwwっうぇwwwwwwwww 2のレスで流れもっていかれたおwwww」
( ^ω^) 「お……?」
再び外を見ると、雪は雨に変わっていた。灰色の空から降りそそぐ雨が、さきほどまで雪で浮かれていた人々の全身を打つ。
彼女がいた。見知らぬ男と腕を組みながら、二人で同じ傘に入っている。
( ;ω;) 「あれ、これも妄想かお? 視界がぼやけるから、きっと妄想なんだお!」
―― 以上、現実 ――
おわり
- 897:( ^ω^)16個のお題を全部使って書いてみたようです :2008/02/03(日) 19:43:57.08 ID:k9QwCbOs0
- 以上投下終わり
1レスめに
A電話D妄想E手紙J季節はずれL雪 MWiiとPS3 Nささやかな幸せO悲
2レスめに
@VIP H反則 Iメタボリック
3レスめに
Bあの頃の思い出 C奇 F日本刀 G怪 K空
無理やりだー\(^0^)/
批評あればしてくれ
- 904:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:51:51.30 ID:3w3Ou4u30
- 二十年前
ノ
('ー`)「ダンシンオールナイッ!」
( (7
< ヽ
( ^ω^)「ほぎゃあ、ほぎゃあ」
十五年前
ノ
('ー`)「時には娼婦のようにぃ〜♪」
( (7
< ヽ
( ^ω^)「ママ、それなんだお?」
- 905:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:52:42.38 ID:3w3Ou4u30
- 十年前
ノ
('ー`)「やめてぇ〜♪ 愛してないなら〜♪」
( (7
< ヽ
(;^ω^)「母ちゃん、恥ずかしいからやめてくれお」
五年前
ノ
('ー`)「イエスタディ〜♪」
( (7
< ヽ
(#`ω´)「てめぇババアそれやめろっつってんだお!!」
- 906:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:53:34.89 ID:3w3Ou4u30
- 現在
('A`)「お前ホント熟女好きだよな」
( ^ω^)「ああ、これだけはやめられない」
このお話からわかること
「三つ子の魂百まで」
- 907:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:54:21.24 ID:3w3Ou4u30
- (*゚ー゚)「おにいちゃん! おにいちゃん起きてよっ!」
('A`)「ん、ああ……ふぁあぁあぁ」
(゚ヽ゚*)「もう! おにいちゃんってばまた遅くまでゲームしてたんでしょ!」
('A`)「うるさいなあ……なんでお前が気にするんだよ」
(*゚ー゚)「そりゃ気にするよ!」
('A`)「はあ? なんでだよ」
(*////)「う、うるさいなっ! なんだっていいでしょっ!」
('A`)「まあいいけどさ……朝飯もうできてんの?」
(*゚ー゚)「うんっ!」
- 908:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:55:01.54 ID:3w3Ou4u30
- ('A`)「あーでもその前にシャワー浴びたいかも」
(*゚ー゚)「あ、今日の朝ご飯はトーストだから大丈夫だよ」
('A`)「そう? じゃあささっと済ましちゃうかな」
(*゚ー゚)「……あ、あのさ、おにいちゃん」
('A`)「ん、なに?」
(*////)「あの……ボクも一緒に入っていい?」
('A`)「え……」
- 909:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:55:39.85 ID:3w3Ou4u30
- ('A`)「よーし、じゃあ男同士で入るか!」
(*゚ー゚)「うんっ!」
このお話からわかること
「こんなかわいい子が女なわけないだろ」
- 922:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:23:46.43 ID:k9QwCbOs0
- 小さい頃から、親の言うことを良く聞くいい子だった。
小学校へあがれば、当然のように学級委員になり、私立の中学校・高校を経て、国立の大学も主席で卒業した。
そして、当然のように僕は大企業の社員となった。全て、順風満帆だった。
仕事にもなれ、やりがいを見出せたのが、就職してから五年後のことだった。
新人の頃からお世話してくれたモララーさんのお陰もあってか、順調に出世コースも歩んでいた。
しかし――あるとき、僕は見つけてしまった。
(;^ω^) (これって……)
そのとき、僕は会社の管理データを整理する業務を行っていた。パソコンは得意だったので、余裕だった。
順中に仕事が進んでいく中、僕はあるフォルダを見つけた。その内容は――この会社の、不正隠匿情報。
(#^ω^) (これは間違ったことだお! 断じて許すわけにはいかないお!)
昔から正義感の強かった僕は、すぐに行動に移そうとした。
しかし、色々考えた末、僕の兄貴分であるモララーさんに相談することにした。
( ・∀・) 「とんでもないものを見つけてしまったな。運の悪いやつだ」
(#^ω^) 「これは立派な犯罪ですお! 客を騙すなんて最悪ですお!」
( ・∀・) 「それで、お前はどうしたいんだ?」
( ^ω^) 「告発するつもりですお。あとになってバレるより、絶対ましですお」
- 923:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:24:39.20 ID:k9QwCbOs0
- 僕は、自分の正義を貫いたつもりだった。そして、それが間違っているとも思っていなかった。
しかし、モララーさんは僕と違う考えを持っていた。
( ・∀・) 「なあ、たとえば君が告発して、問題になったとしよう。果たして、何人の人がリストラにあい、生活苦に陥るかな?」
( ^ω^) 「……それはある程度、仕方の無いことですお」
( ・∀・) 「君のような、有望な若い衆なら、再就職も難しくないだろう。しかし、僕のような40台半ばの人間はどうだろうな?」
( ^ω^) 「……」
( ・∀・) 「ましてや、今回の件は僕の部署から出た問題だ。僕はクビは免れない。これほどの大企業なら、マスコミもうるさいだろう。
僕と家族にはもう、安息の日は訪れないだろうな」
(;^ω^) 「……」
そのとき、初めて正義が揺るぎそうになった。お世話になった人の、人生を秤にかけることはできなかった。
不正は良くない。詐欺は良くない。そんなの当たり前だ。
じゃあ、人の人生を奪うことは――?
- 924:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:25:33.83 ID:k9QwCbOs0
- ( ω ) 「……でも」
( ・∀・) 「……」
( ^ω^) 「僕は戦いますお。自分の正義を捨てた先には、なにも残りませんお」
( ・∀・) 「そうか。この件は、社長に報告しておくよ」
そう言うと、モララーさんは静かに立ち去っていった。その背中からは、全く感情を読み取ることはできなかった。
僕は、この先苦しい思いをしながら、生き抜き、戦うことになるだろう。
でも、僕は――
「 告 発 し ま す お ! 」
( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです END
- 942:( ^ω^)ブーンがWiiを買ったようです :2008/02/03(日) 20:46:14.30 ID:oKUh3V1G0
- ( ^ω^)「ふーふーんふーん」
('A`)「お、何だよ。ブーン、ご機嫌ちゃんだな?」
( ^ω^)「フッヒヒヒ! 何があったと、思うお?」
(´・ω・`)「うーん、そうだねえ。彼女でも出来たのかい?」
('A`)「それは独身貴族への挑戦か? ええ? 彼女持ちのリア充よ」
(;´・ω・`)「い、いや、そんなつもりじゃ……」
(*^ω^)「まあまあ、喧嘩は止めるお。教えてやるお」
ブーンは教室の隅へと進み、大きな窓の前で両手を広げた。
くるりとターンし、ドクオとショボンに満面の笑みをぶつける。
( ^ω^)「Wiiを、買ってもらえるんだお!!」
- 943:( ^ω^)ブーンがWiiを買ったようです :2008/02/03(日) 20:47:27.30 ID:oKUh3V1G0
- ('A`;)「マ、マジ?」
(;´・ω・`)「彼女持ちで成績優秀、学校一のブルジョワリア充である、僕でさえ持っていないのに……」
( ^ω^)「自分でリア充とか言うなよ」
(´・ω・`)「さーせん」
('∀`)「じゃあさ、今日早速遊びに行こうぜ!」
( ^ω^)「いいお! レッツカモンだお!」
(´・ω・`)「ちなみに、ソフトは何を買ったんだい?」
('A`)「え、ソフト、先に買ったのか?」
( ^ω^)「ふ、ふ。遊びに来てからのお楽しみだお。
強いて言えば、ツンデレとクーデレが織りなす、
デレデレRPGの最高傑作の一作品だお」
(´・ω・`)「へえ、どんなソフトだろ。楽しみだよ」
(*^ω^)「ふっふーん。全キャラ攻略したら、貸してやるお」
(´・ω・`)「お、そうかい。期待してるよ」
本日最後の授業が始まり、皆が席に着く中、ドクオが一人呟いた。
('A`;)「…………、まさかな。あのソフトじゃないよな」
- 944:( ^ω^)ブーンがWiiを買ったようです :2008/02/03(日) 20:49:24.67 ID:oKUh3V1G0
- (´・ω・`)「や。早速来たよ」
('A`)「お、おじゃましまーす」
( ^ω^)「フフフ、それではお目に掛けてしんぜよう。
我が至高のゲームソフトッ!!」
(;´・ω・`)「こ、これは……。いや、まさか」
('A`;)「ああ、そうさ。間違いないよ、ショボン」
( ^ω^)「ツンデーレの野望だお!」
(´・ω・`)「これ、……いいにくいんだけど」
('A`;)「ああ、ハードが違うぜ」
( ^ω^)「え……。でも、大丈夫! PS3なら持ってるお!!
危なかったおー。危うくプレイできないとこだったお」
(´・ω・`)「なーんだ。なら、大丈夫だね。でしょ? ドクオ」
('A`;)「お、おいショボン。お前は、ゲームに詳しくないんだな……」
(´・ω・`)「え、どういうこと?」
('A`)「よく見ろ……このソフトの、必要ハードは――その、どちらでもない――
というか、今はもう……、売っていないであろう、伝説のハード――
この懐かしのハードを用いることにより、立体感の創出を試みた、ゲーム
……そのハードこそ」
( ^ω^)「なにこれ、バーチャル……ボーイ?」
end\(^0^)/
- 952:(´・ω・`)岩手のようです ◆R38CE/IWYU :2008/02/03(日) 21:25:30.62 ID:m6ZfSo1C0
- (´・ω・`)「見てみろよハイン。この立派な雪景色を! 銀世界だぜ! シルバーワールドだぜ!」
悠然と聳える岩手山を背景に、ショボンは雪原を走り回った。
その無邪気にはしゃぐ姿は、まるで子供のよう。少なくとも先日籍を入れた30代の男には見えない。
アロハシャツと半ズボンといった、ラフな服装が余計に若く見せているのかもしれない。
从#゚∀从「うっせー! 何時代のわんぱく少年なんだよ、お前は!」
白い息を吐きながら、新妻のハインは怒鳴り散らした。
雪と同じ、純白のビキニ。麦わら帽子。
彼女の服装もまた、その場には相応しいとは言えないものであった。
(´・ω・`)「はははwwwwこんな新婚旅行も悪くないだろwwwwwwwww
グアムに行くつもりが、手違いで岩手に来ちゃったけどさ、せっかくだしエンジョイしようぜ」
从#゚∀从「飛行機間違えるんなんてありえねぇだろ! やけに早い到着だったなぁー……とか思ったら
花巻空港だったんだぞ! 機内で既にこの格好だった自分らもどうかと思うけどね!」
(´・ω・`)「これが原因で離婚なんてしませんよねぇ?」
从 ゚∀从「前向きに検討してるぜ」
(´・ω・`)「ど、どういう前向きなんだ……?」
- 953:(´・ω・`)岩手のようです ◆R38CE/IWYU :2008/02/03(日) 21:26:04.77 ID:m6ZfSo1C0
- 焦った様子を見せるショボンだったが、「まぁいいか」と笑って、かまくらを作り出した。
妙に手つきが慣れている。驚く事に十分後には、大人二人が入れるドームが完成した。
从 ゚∀从「悔しいけどあったけぇ……」
(´・ω・`)「うん、そこでハロゲンヒーター拾った」
从#゚∀从「うおおおい! 何で俺一人かまくらに押し込めて、自分は科学の力で温まっているんだ!」
(´・ω・`)「そんなに大声出すなよ。狐が逃げちゃうだろ」
从 ゚∀从「あ? 狐なんざ、いるわけが……」
('A`) コーン
从 ゚∀从「い……いた……」
('A`) とんがりコーン
从 ゚∀从「とんがりコーン!?」
(´・ω・`)「『かたゆき かんこ。しみ雪 しんこ』」
从 ゚∀从「何だ、その歌……?」
- 954:(´・ω・`)岩手のようです ◆R38CE/IWYU :2008/02/03(日) 21:26:43.31 ID:m6ZfSo1C0
- (´・ω・`)「宮沢賢治。雪わたりさ。小さい頃よく聴かせられた。
『きつねの子ぁ よめぃほしい ほしい』ってね。
すごく懐かしい気持ちになるんだ……雪を見るとね。今は都会に雪は降らんからなぁ」
从 ゚∀从「へへ……ふるさとってわけかい。
そう考えたら、岩手って地も悪くねぇなぁ」
(´・ω・`)「いや、僕の故郷は熊本だ」
从 ゚∀从「おい」
('A`) りコーン
END
- 970:悪魔 ◆T9PYzG/qaQ :2008/02/03(日) 22:01:34.68 ID:QMiCbIAi0
- ( ^ω^)「なんか面白いことないかお?」
自分の部屋の中でぼそりと呟いた。
当然返答は返ってこないはずだ。
なぜなら自分一人しかいないからだ。
しかし、ハスキーな声で返答が返ってきた。
从 ゚∀从「ありますよ」
( ^ω^)「うわっ、誰だお!」
彼女は自分のことを悪魔といった。
いまいち信じられない、ブーンは内心そう思った。
( ^ω^)「で、おもしろいことってなんだお?」
从 ゚∀从「貴方の願い事をかなえることです」
( ^ω^)「んじゃ、ブーンに使い切れないくらいのお金をくれお」
冗談混じりに言ってみた。
彼女は不気味な笑みを見せながらうなずき、なにやらぶつくさ呪文を唱えた。
从 ゚∀从「どれくらい所望ですか?」
( ^ω^)「そうだなぁ、二億円が欲しいお」
从 ゚∀从「……、はい、これで貴方は二億円手に入れました」
周囲を見渡してみたが特に何も起こってもいない。
変わったことといえば先ほどまでここにいた悪魔がいつの間にか消えていたことだ。
- 971:悪魔 ◆T9PYzG/qaQ :2008/02/03(日) 22:02:45.13 ID:QMiCbIAi0
- (;^ω^)「なんだったんだお……」
ブーンは不思議に思いながらいつものようにパソコンに向かいネットサーフィンを始めた。
途中、むしょうにお腹が空いた。
時計を見ると午後三時になったところだ。
ブーンは台所でお菓子を探したがあいにくきらしていた。
しょうがなくブーンはコンビニへ買い物に行くことにした。
( ^ω^)「そういや悪魔って言ってたなぁ、あの子、もし本当だったら結構危険だったお」
などと独り言をしゃべりながら道を行くと宝くじが落ちていた。
ブーンはあの悪魔の言っていたことをとりあえず信じて拾うことにした。
買い物を済ませてお菓子をほおばりながら家にあった新聞の宝くじの当選表を見ると、
(;^ω^)「あ、あ、あったお! 一等だお!」
金額を見てみるとおよそ二億円が当選したことになる。
確かにあの悪魔は本物だったようだ。
しかし不安がある。
それは代償のことだ。
ブーンは少し考えたが、目先の金額に目がくらみ、そんなことを忘れて家族の帰りを待った。
――そして二ヶ月後
ブーンは相変わらず変わらない暮らしをしていた。
変わったことといえば自分の身の回りにあるものが一段階上の上質なものになっていることだ。
もちろんパソコンも例外ではない。
( ^ω^)「いやー、快適だお」
- 972:悪魔 ◆T9PYzG/qaQ :2008/02/03(日) 22:04:40.71 ID:QMiCbIAi0
- ボソッと独り言をつぶやく。
思えばあの悪魔に感謝せねばなるまい。
从 ゚∀从「それはよかったです」
(;^ω^)「あ、悪魔かお。驚かさないでくれお」
从 ゚∀从「そういえば貴方に代償を教えるのを忘れていました」
長い間忘れていた不安が今再びよみがえった。
何をされるのか、全く分からない。
(;^ω^)「なんなんだお?」
从 ゚∀从「そんな怖くはありませんよ。
次の人以降の願い事を叶えるための触媒とするんです」
(;^ω^)「それって、ブーンの願い事の場合はどうなるんだお?」
从 ゚∀从「貴方の願い事の場合、前の人以前の運を貴方に集約させました」
(;^ω^)「その人たちはどうなるんだお?」
从 ゚∀从「私にはよくわかりませんが、たぶん不慮の事故で死にます」
(;^ω^)「そんな……、ところでブーンには何をするんだお?」
何を渡さなければいけないのか。
そう考えていると悪魔はもったいぶるように、
从 ゚∀从「次の人は厄介な願い事を頼まれましてね、以前の人からずっともらっていても全然足りないんですよ」
(;^ω^)「な、何をだお……?」
从 ゚∀从「不老不死を叶えるために以前の人の命をもらっても全然不死には足りないんです」
彼女はまだ血が滴る鎌を持ち、今まさにブーンの命をもらうためにふるおうとしているところだった。
――END――
- 976:('A`)揺れる刃のようです ◆zS3MCsRvy2 :2008/02/03(日) 22:14:27.39 ID:6HABwCHp0
- ( ・∀・)「毒尾さんは鶏肋みたいな人だ」
とは、街道沿いの尾布町に所在をおく、中国故事に長じた者の弁である。
鶏肋とは平たくいえば鶏ガラのことだ。
後漢の末、中国稀代の英傑曹操が「捨てるには惜しいが、実益のない土地だ」として、
漢中を諦め撤退する際に発した言葉とされている。
すなわち大したことはないが、見過ごすのも勿体ないもののたとえである。
しかし鶏ガラは湯に浸せば極上のだしが出る。
それには、ガラよりも大きな器が必要である。
ある日、毒尾が久方ぶりの夜散歩に出かけたときのこと。
道を行く途中で顔馴染みの行商人とすれ違った際、
( ´∀`)「毒尾さん、今宵は冷えますよ。羽織でも着ていきなさいな」
と訊かれた。それに対して、
('A`)「いらぬ。そんなもの着ていったって、邪魔で仕方ねェ」
毒尾は羽織が嫌いだった。羽織には、家紋が入っているからだ。
毒尾には良い家柄もなければ、誇れる肩書きもない。
ゆえに、士族のはしくれであるにもかかわらず、浮浪人がごとく奔放にふるまうことを性分としていた。
( ´∀`)「そうですか。でしたら私はこれで――」
と、商人が傘の角度をなおしつつ毒尾に別れを告げようとしたときである。
- 977:('A`)揺れる刃のようです ◆zS3MCsRvy2 :2008/02/03(日) 22:15:41.25 ID:6HABwCHp0
- (・∀ ・)「――御免ッ!」
道端の青臭い草むらより、鋭い声と共に見知らぬ影が猛禽のような瞬発で商人に飛びかかった。
右手には二尺六寸ほどの刀が握られている。
突然の出来事。商人が事態を把握する間もなく、男の凶刃は禍々しくきらめき、闇夜を切り裂きながら疾走した。
('A`)(辻斬りか――!)
一旦背後へと跳躍した毒尾が腰の刀を抜いたときには、既に商人の首は無残にも刎ねられていた。
頭部を失った首からは絶命の証である血飛沫が噴き上がっている。
(#'A`)「貴様!」
毒尾は無頼ではあったが、不義ではなかった。
先程息絶えた商人は、幾度か世話になった男。義理合いにある者を殺した人物を赦す気はさらさらなかった。
それに見る限り、眼前の男は殺人嗜好を持った異常者である。刀の扱いにも慣れている。
おそらく、以前にもこのような狼藉をはたらいたことがあるのだろう。遠慮など不要。
(・∀ ・)「いい太刀だな」
と、辻斬りは毒尾に語りかけた。月を詠うような優美な声であった。
(・∀ ・)「……命ともども貰い受ける!」
辻斬りは風となって疾駆した。対して、毒尾の構えは切っ先を下げた下段。
下段とは、言いかえれば狡猾である。対応と防御に優れた「受け」の構えだった。
('A`)「無骨よ!」
称賛の言葉ではない。我が刀にかかれば、何者だろうと骨が無いのに等しいという意味である。
- 978:('A`)揺れる刃のようです ◆zS3MCsRvy2 :2008/02/03(日) 22:17:21.48 ID:6HABwCHp0
- 毒尾は接近してくる男を見据えつつ、よきところで刀を振り上げて男の刀身を受け止め、弾いた。
次いで二の太刀。先に振るったのは辻斬りである。
しかしその顎が満足することはなかった。右袈裟斬りに下ろされた刀は、毒尾の袴をかすめるにとどまった。
毒尾は一歩も前に踏み込んでいない。逆に、一合目を交えた後に、うしろに下がっていたのだ。
(#'A`)「うらァ!!」
男の刀が空を切っている間に、毒尾は一気に詰め寄った。
刀は既に最初の一太刀で舞い上がっている。
そのまま上段から勢いよく刀を振り下ろし、男の耳を切り落としたのち、冷たい刃は肩口へと吸い込まれていった。
肩から腹にかけて深い傷を負った男はその場にくずおれて、やがて動かなくなった。
勝負ありである。
('A`)「……くそ!」
毒尾は血煙を上げる二つの亡骸を見下ろしながら、自分の行動を省みた。
あのとき、なぜ商人をかばおうと考えなかったのか。
即座に抜刀していれば、商人の面に立って打ちあうだけの余裕はあったはずだ。
自分はこんな狭い世界の義理さえ果たせない人間なのか。
('A`)(……いや、違う!)
毒尾はかぶりを振った。彼の思考は、常人とはひどく逸脱した方向へと向かった。
('A`)(この男の義理など、果たすべきものではなかっただけだ! 俺が果たすべき義理は他にある!)
毒尾は思った。今夜の事件は、こんな狭小な町になど留まるなという、天からのお告げなのだ、と。
彼が尾布町を離れたのは、翌日の朝のことである。
――終――
- 983: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:31:02.41 ID:xWSL4Hm2O
- お題
C奇
K空
L雪
O悲
+状況背景イメージ http://www.nicovideo.jp/watch/sm1613775
( ^ω^)が雪風に躍るようです
- 984: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:35:29.62 ID:xWSL4Hm2O
<<宗教は麻薬だ。お前もそう思うだろ? 俺の片翼>>
<<ああ、全くだ。僕の片翼>>
雪風吹き荒ぶ空の高み、 雪の吹き荒れる遥かな高空、
妖精二匹舞い踊る。 白銀の戦闘機が二機、絡まり合う。
オカシク
( ^ω^)<<正常な判断能力を失わせる、さらに蔓延して周りも奇しくする。お前のように>>
_
( ゚∀゚)<<素晴らしい答えだ、片翼ゥ! ――でもその答えじゃ、99点だ>>
風の皇と雪の女王の御前試合、 吹雪の壁を斬り裂き、
二者光の刀を打ち合わせる。 蒼灼のレーザーが撃ち交わされる。
( ^ω^)<<へぇ……なら残りの一点は何だ?>>
_
( ゚∀゚)<<簡単さ――ずっとお前と殺り合いたかったんだよ、俺は>>
<<耄碌大佐殿の信教なんざどうでもいいんだよ。この紛争には乗っからせて貰っただけ>>
( ^ω^)<<……ふん、なるほど>>
- 985: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:37:14.99 ID:xWSL4Hm2O
両雄、其の実力は互角。
二羽の禽は嘗ての姿と勢いを取り戻し、
眼は互いの尾を狙い定め、
彼らはウロボロスの蛇となる。
刹那の薙ぎと紙一重の避けを繰り返す。
<<国防空軍全機に通達、歌姫が成層圏を突破した!>>
( ^ω^)<<聞いたか? 僕の片翼>>
_
( ゚∀゚)<<ああ、聞いたよ? 俺の片翼>>
妖精天声を聞き、
二人の英雄は戦の終わりを悟った。
片やは上へ、片やは下に、
しかし、彼らは刃を収めようとはしなかった。
刃を突き向け舞い昇る。
天と地を背後に、アフターバーナーが煌く。
- 986: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:39:02.17 ID:xWSL4Hm2O
( ^ω^)<<どうするんだ? もう12時だぞシンデレラ、パーティーは終わりだ>>
_
( ゚∀゚)<<なに、勿論――>>
散り逝った仲間の無念を背に、
彼の悲しみはトリガーに指を掛けた。
( ^ω^)<<――硝子の靴を持った王子様が迎えに来てくれる?>>
_
( ゚∀゚)<<――そう、そして二次会だ!>>(end)
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