( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

126: ( ^ω^)奇妙な賭けのようです :2008/02/01(金) 20:48:36.27 ID:1Ox/i6aH0
僕がバーで飲んでいると、隣に見知らぬ男が座った。
 そして彼は僕にこう言った。

 (´・ω・`)「やぁ、お兄さん。よかったら賭けをしないか?」

 文字通り酔狂で僕はそれに応じた。

 ( ^ω^)「いいお。どんな賭けだお?」

 (´・ω・`)「なぁに、簡単さ。キミが上を見れば私の勝ち、でどうだい?」

 ( ^ω^)「…意味がわからないお?」

 (´・ω・`)「つまりはね、私は何とかしてキミが上を見るように仕向けるから、キミはそれに耐えればいい」

 そういうコトか。それならば簡単だ。
いくら酔っているとはいえ、その程度のことには耐える自信があった。

 ( ^ω^)「僕が勝ったら何かくれるのかお?」

 (´・ω・`)「私がキミの分も奢ろう。キミが負ければ、その逆だ」

 成る程、それはシンプルで良い。そう思い、僕はそれに合意した。

 (´・ω・`)「始めようか。では、合図代わりに乾杯と行こう」

 こうして、僕たちの賭けは始まった。

128: ( ^ω^)奇妙な賭けのようです :2008/02/01(金) 20:50:00.45 ID:1Ox/i6aH0
彼は僕の隙を狙う算段なのか、しきりに語りかけてきた。
その手に乗るかと、僕は警戒しつつも、思いの外巧みな彼の話術に半ば魅了されていた。

 そうこうしているうちに、気付けば僕たちは1時間ほど語り合っていた。
一向に彼から仕掛けてくる気配は無い。が、これが罠に違いない。
恐らくもうすぐ仕掛けてくる、そう思って警戒していると、彼は

 (´・ω・`)「おっと、もうこんな時間だ。帰らないと…」

 と、腕時計を見て言い、あっさりと負けを認めてしまった。

 ( ^ω^)「お?僕の勝ち、かお?」

 (´・ω・`)「あぁ、そうさ。仕掛けようと思ったんだが、ついキミと話すのが楽しくて忘れてしまった」

 彼は照れくさそうに言うと、財布から1万円札を抜き出し、僕に差し出す。

 (´・ω・`)「悪いが、急がなくちゃいけないんだ。これでキミと私の2人分支払っといてくれないか?」

 僕は礼を言いつつ、それを受け取る。

 ( ^ω^)「ごちそうさまだお。今日は楽しかったし、またいつか会えるといいお」

 (´・ω・`)「あぁ、全くだ。こちらこそありがとう」

 そう言って笑いながら、彼は手を差し伸べる。
僕は彼とまた会えることを願いながら、がっちりと握手を交わす。

131: ( ^ω^)奇妙な賭けのようです :2008/02/01(金) 20:51:07.58 ID:1Ox/i6aH0
(´・ω・`)「では、またいつか」

 その言葉を最後に、彼は店の外へ消えた。

 
 ( ^ω^)「おかしなヒトだったお」

 そう呟きつつ、僕は上機嫌で残りの酒を喉に押し込む。
会計は2人併せて8000円程。彼が残した1万円でまだお釣りが来る。
帰りにコンビニでも寄ろうか、そんなことを考えつつ、彼の万札を手に取った。

 …あれ?

 僕はその万札に違和感を感じた。
なにやら、紙質がいつもと違うような、そんな気がする。

 (;^ω^)「まさか、偽札?!」

 慌てて透かしを確認しようと、僕は天井に釣り下げられたランプに向かって万札をかざした。

 ( ^ω^)「…あ」

 僕は驚愕した。
 透かしの部分には見慣れた福沢諭吉の顔はなく、代わりに

 『ほら、上を見た ごちそうさま』

 と書かれてあったのだった。  

=終=



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