( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)
- 331: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:06:04.12 ID:78KcO8fg0
- 流れる教頭先生のダミ声。それに合わせて動き出す周り。
/ ,' 3「これから避難訓練を始めます。生徒の皆さんは速やかにグラウンドに避難してください」
ああ。ハイ。そうですか。設定は地震が起こって調理室のガス栓的なものが壊れて火が出てきたって。
火が回る前に逃げてくださいですって。ああ、ハイ。そうですか。
そんな怠いこと、俺は出来なくて、逃げるふりをしてトイレで適当に時間をつぶしていた。
先生には保健室に行ってくるといったが、どうせ保健室に行ったって追い出されるだけだ。
ちなみに俺の学校の保健室は避難訓練だろうが授業参観だろうが具合が悪ければいけるようになっている。
あー、そろそろ帰っても良いかな、と思って教室に戻ったが誰もいなかった。
ふう、とため息を吐いて自分の席に座ろうとした時だった。不意に、背後から声が聞こえた。
(*゚∀゚)「あんた、死んでるよ」
これが本番だったらね。
笑ってきたのは保健委員の女だった。
グラウンドからは教頭先生のダミ声が聞こえた。よくこんな声を聞いている生徒が居るもんだと思った。
(*゚∀゚)「今はねー。火災発生から6分47秒。調理室の上にあるこのクラスは火に包まれているわよ」
ふふふふ。あんた今更丸焦げよ、とまた笑う。
今更珍しい高い位置で縛られているポニーテール。そして赤い赤いスカーフ。俺はまたため息を吐いた。
膝下と決められているスカート。白と決められたソックス。第一ボタンもあけてはいけない学ラン。
決めつけられた校則。古びた校舎。汚い黒板。
- 334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:07:34.87 ID:78KcO8fg0
- (*゚∀゚)「ねー。知ってる?」
(,,゚Д゚)「……何」
(*゚∀゚)「この学校でねー、昔ねー、女の子が屋上から飛び降りたんだってー」
(,,゚Д゚)「……へぇ」
(*゚∀゚)「落ちるときって一体、どんな感じなのかな?」
首をかしげて、髪が揺れる。ふふふ、少しだけ上品な笑い方。俺はベランダに出て空を眺めた。
下では多くの生徒と少数の先生が座って教頭先生のお話を聞いていた。怠くないのかね。
ああ、はいはいはい。座って聞くふりが大切なんだよね。
(*゚∀゚)「ねーえー」
(,,゚Д゚)「何?」
(*゚∀゚)「おちてみないー?」
は? と俺は後ろを振り返る。窓から流れてきた風に、奴の赤いスカーフが揺れる。ニヤリと笑う奴。
膝下と決められているスカートが揺れる。白と決められたソックス。第一ボタンもあけてはいけない制服。
決めつけられた古くからの校則。いつのまにか古びた校舎。白い後が残る汚い黒板。
(*゚∀゚)「どうせ私達、今更丸焦げ。死んでるよー」
- 335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/01(金) 23:09:04.91 ID:78KcO8fg0
- 首をかしげて、髪が揺れる。ふふふ、少しだけ上品な笑い方。俺は目を細める。
今更珍しい高い位置で縛られているポニーテール。そして揺れる揺れる赤い赤いスカーフ。
胸が焼けこげるような感覚。麻痺していく脳髄。女は俺の元へやってきて、不意に俺の手を握った。
(*゚∀゚)「どうせ焼け死んでるよ。私達。だから――」
膝下と決められているスカートは風と共に揺れる。白と決められたソックス。第一ボタンもあけてはいけない制服。
決めつけられた古くからの厳しい校則。いつのまにか古びてしまった校舎。白い後が微妙に残る汚い黒板。
流れる教頭先生のダミ声。それに合わせて動き出す周り。よくこんな声を聞いている生徒が居るもんだ。
(*゚∀゚)「一緒に落ちてみようよ」
首をかしげて、髪が揺れる。ふふふ、少しだけ上品な笑い方。俺は目を細めて、笑った。
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