( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

587: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:29.26 ID:HInKDduj0
( ・∀・)「いや、いつになっても、雪っつうもんはきれーじゃのう」

ミ,,゚Д゚彡「ああ、ニューギニアの森ん中じゃまずこんな景色は拝めん」

<ヽ`∀´>「ちと寒いがの」

時折、パチンと音を立てる囲炉裏の火を囲んで、三人の老人がはんてんを着て
話し込んでいた。

外には雪が舞い、縁側の向こう側には白い化粧をした庭木が寒そうに立っている。
それゆえ、木に巻かれた藁の色、赤々としたマンリョウの色が雪と対比して
美しさがより際だって見えた。
普段はニシキゴイが優雅に泳ぐ庭の池も、たまに赤い魚体が老人たちの目に映るだけで、
水面はしいんとしている。
戸を開けはなっているのでたまに雪が囲炉裏のそばまで吹き込んで、融けて水になる。
老人たちは寒いはずだが、

ミ,,゚Д゚彡「そうか……もう64年も昔か……」

<ヽ`∀´>「時間っつうんは早いもんじゃのう……」

( ・∀・)「んだ、こないだまで戦争してて、ちょっと前にはオリンピックがあって、
      ……バブルがはじけたのも、21世紀になったのも、つい昨日のことのようじゃ」

懐かしそうな目をして、囲炉裏を時たま見ながら、庭の方を向いていつまでも話し込んでいた。

589: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:45.02 ID:HInKDduj0
囲炉裏には鉄鍋が吊され、その中には色とりどりの具材がコトコトと音を立てながら
いい匂いを出していた。
そして鉄鍋をぐるりと取り囲むようにして、ヤマメの塩焼きがじゅうじゅうと、時折
肉汁を滴らせながら湯気を立てている。

( ・∀・)「そろそろかのう……」

老人の一人が舌なめずりをする。

その時。

『失礼します』

声とともに襖が開き、中から

ハハ ロ -ロ)ハ「ビールをお持ちしました」

どう見ても日本人ではない――金髪で、眼鏡の奥の瞳は深い緑だ――が、
えらくきれいな女性がお盆とビール、グラスを持って囲炉裏の部屋に入ってきた。

ミ,,゚Д゚彡「おう、すまんの」

ひげの長い老人が当然のように迎え入れる。

( ・∀・)(誰じゃい、あの別嬪さんは?)

<ヽ`∀´>(あれじゃ、ミ,,゚Д゚彡の孫の嫁さんじゃ)

591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:35:11.55 ID:HInKDduj0
ハハ ロ -ロ)ハ「そろそろ鍋も食べられるんじゃ無いでしょうか?」

拙い部分もあるが、一生懸命勉強したのだろう、日本語で老人たちに鍋を勧める。

( ・∀・)「もう食おうと思っていたところじゃ。娘さんや、あんたも食べなさい」

ハハ ロ -ロ)ハ「ではお言葉に甘えて」

静かな空間で、鍋をつつく箸の音、グラスに注がれたビールの泡の音が、話の声とともに部屋に響く。
鍋の中身が半分くらいになった頃だろうか。

ハハ ロ -ロ)ハ「いい眺めですね……」

外を見たハハ ロ -ロ)ハが、ふと呟いた。

ミ,,゚Д゚彡「おお、そう思うかね?」

ハハ ロ -ロ)ハ「ええ、とても……」

静かに降り続く雪を、彼女はじっと眺め続ける。

<ヽ`∀´>「おふ、あつあつあつ……」

( ・∀・)「ははは、ヤマメは熱いぞ、ベロ火傷したか?」

隣で笑いながら酒を飲む老人たちの声に我に返ったのか、彼女はまたビールの瓶を開ける。

ハハ ロ -ロ)ハ「あ、もっとビールどうぞ……」

静かな時間を物語るように、また囲炉裏が、パチンと音を立てた。

593: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:36:08.51 ID:HInKDduj0
>>587>>589>>591
雪と囲炉裏の歌のようです



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