( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

671: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:25:02.42 ID:MDEo8u4h0
('A`)「123、124、125,6,7、」

無意味とわかっていても数えるしかなかった。
いや、無意味というわけではない。単なるドクオの義務感だ。数えなければという強迫観念。

たったいま撃ち殺した人間の数を数えているのだ。

('A`)「ったく、いい加減諦めろっつーの。俺が絶対途中でやめないってのはわかっただろ?」

弾装の心配がないコスモガンなので弾切れはありえない。
相手にしているのはとりあえず一個大隊なので向こうのネタ切れもありえない。
そしてドクオの感覚もいろいろおかしいので、途中で人殺しをやめることもない。
先ほどから無数の弾丸がドクオにぶち込まれ続けてはいるが、まったく当たる気配がない。

この虐殺が終わるのは向こうがごめんなさいもうしませんと謝って帰る時か、あるいは全滅したときしかない。

('A`)「根性が空になるか物量が空になるかという究極の二択だ。
   なのにあいつら、任務でよく死ねるな。それだけ自分たちの勝利を疑っていないというわけか」

それでも、ドクオはやめるわけにはいかない。
自分の背後には、絶対に抜かれるわけには行かない場所がある。

('A`)「…俺ぁごめんだぞ。俺は俺がいずれ殺すまで死なない。
   当然あいつらもあいつら自身が殺さない限り、他人になんか殺させない…!!」

672: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:25:18.81 ID:MDEo8u4h0
「上等だねぇ、殺し屋」

不意に、ドクオの隣の敵兵たちが衝撃波で巻き上げられた。
地面にそいつらが激突したとき、全員が首筋を切り裂かれて息絶えていた。
ちらりと視線をやる。

そこには、日本刀を高速抜刀する知り合いの顔。

( ゚∀゚)「殺し屋。君の言うとおりだとして、君が殺した人間に関して責任はどうつもりだ?」
('A`)「以前言ったことと何も変わらん。その分まで俺が背負って生き続けてやる」
( ゚∀゚)「この圧倒的物量を前にそこまで大口叩けるんなら、信用するさ。
     さぁ行こうぜ、二人でこいつら叩き潰してやろう」

余計なおせっかいだと、ドクオは殺劇を続けながら笑った。
ジョルジュも楽しそうに笑っている。

「それを聞いちゃ黙ってられないね」
「そうよ、ドクオの癖に」
「めでたしめでたしのために、僕も頑張るお」

ドクオとジョルジュの間をすり抜けて、人影が二人の前方へと躍り出る。

それと同時に、大挙して押し寄せていた敵の一部が一瞬で氷付けにされた。

更に続けざま、その氷が粉微塵に破砕される。

ドクオは、新たに現れた知り合い共にため息をついた。

673: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 21:25:32.87 ID:MDEo8u4h0
('A`)「馬鹿じゃねぇの? 俺一人で何とかするって言ったのに」
(´・ω・`)「君一人に背負わせちゃ寝覚めが悪いからね」
ξ゚听)ξ 「私らも混ぜなさい。そして一緒に責任とって生きるのよ」
( ^ω^)「僕たちのために、僕らの背後で生き続ける彼らのために。
       そして彼らを壊すものたちを叩き潰すために」

反則染みた力を持ったこの一団がそろってしまえば、もう勝負するまでもない。
最強の切り札が揃ってしまった。あーあしらねーぞと、ドクオは敵の一団に笑いかける。

('A`)「お前たちは塵にも灰にも帰れない。さよならは今のうちに言っておく!!」

突進してきた兵士の太い腹をあっさり吹き飛ばし、ドクオは再び走り出す。



十分後、この戦場はまっ平らにされてしまった。
彼らは守るべきものを守り、消せない恐怖を敵に刻み込んで終わらせたのだ。

その日の夜、一月という冬真っ盛りの北国に似合わない雨が降った。

地面の血を流すように。
傷つかずにすんだ者を祝福するように。
彼らの背負ったものを、少しでも洗おうとするように。

fin



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