( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

752: 川 ゚ -゚)は成仏するようです [1/3] :2008/02/03(日) 06:41:21.30 ID:0pmbeS3jO
( A )「…クー……。」

彼女が死んでから、何日経ったのだろうか。いや、何週間か、もしかすると何ヶ月なのかもしれない。
いずれにせよ、オレには途方もなく長い時間をこの暗い部屋で過ごしたように感じられた。
その間オレは、何度も泣こうとした。…でも、一度として泣けなかった。
人間本当に悲しい時は泣けない、というのはどうやら事実なようだ。

小さく音を立てて腹がなる。しかし、食欲は全く湧いてこなかった。
最近、ご飯を食べていない…いや、正確には食べても胃が拒絶するので食べるのをやめたのだが。
元々貧弱だった体がさらに弱っていくのをひしひしと感じる。
…クーにまた逢える日も、そう遠くないかもしれないな。

そう思った時、不意に何度目になるかわからない電話のベルが鳴り響いた。

どうせまたブーンか誰かだろう…しょうがない、一回くらい出てやるか…でもその後電話線を切ろう。

そう思いながら受話器を取った。
しかし、受話器から聞こえてきた声は全くの想定外、本来ならありえない人のものであった。

「…久しぶりだな、ドクオ。」

('A`)「………へっ?」

間違えようがなかった。だからこそありえなかった。だって彼女は―――。

753: 川 ゚ -゚)は成仏するようです [2/3] :2008/02/03(日) 06:46:36.68 ID:0pmbeS3jO
川 ゚ -゚)「私は死んでから、ずっと君を見ていたぞ。全く、情けないな。」

(;'A`)「ク、クー…なのか……?だけどお前今…生きているじゃないか。」

川 ゚ -゚)「……いや、私は生きてないよ。確かに死んだ。ドクオだって見ただろう?」

('A`)「……………。」

川 ゚ -゚)「私はもう死んだんだ。私はもう生きれない。
……だから…ドクオには私の分まで、生きて欲しいんだ。」

( A )「……オレはそんなに…強い人間じゃない…。」

川 ゚ ー゚)「大丈夫だ、君自身は非力でも、君にはそばで支えてくれる友人たちがいる。」

( A )「……………。」

川 ゚ -゚)「そろそろ、時間だ…。」

( A )「…待って…待ってくれよ…。」

川 - )「…すまない。
最後に一言……ドクオなんて、大っ嫌いだ。」

754: 川 ゚ -゚)は成仏するようです [3/3] :2008/02/03(日) 06:48:09.62 ID:0pmbeS3jO
……ツー…ツー…ツー…ツー…

('A;)「相変わらず…嘘つくの、下手だなぁ」

気付けばあれほど流せなかった涙が、頬を伝った。
するとそれは次第に次から次へと溢れだし、ついには止まらなくなる…。

人の死は、悲しい。特にそれが親しい人のものならば、なおさらである。
しかし、それを乗り越えなければ前には進めない。
そこで停滞していては、死んだ人も悲しむはめになるだけだ。

だからオレは、生きていく。
彼女の分まで精一杯、生き抜いてみせる。だから、安心して成仏してくれ、クー…。

その後、クーから電話がかかってくることは二度となかった。



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