( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

922:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:23:46.43 ID:k9QwCbOs0
小さい頃から、親の言うことを良く聞くいい子だった。
小学校へあがれば、当然のように学級委員になり、私立の中学校・高校を経て、国立の大学も主席で卒業した。
そして、当然のように僕は大企業の社員となった。全て、順風満帆だった。

仕事にもなれ、やりがいを見出せたのが、就職してから五年後のことだった。
新人の頃からお世話してくれたモララーさんのお陰もあってか、順調に出世コースも歩んでいた。
しかし――あるとき、僕は見つけてしまった。

(;^ω^) (これって……)

そのとき、僕は会社の管理データを整理する業務を行っていた。パソコンは得意だったので、余裕だった。
順中に仕事が進んでいく中、僕はあるフォルダを見つけた。その内容は――この会社の、不正隠匿情報。

(#^ω^) (これは間違ったことだお! 断じて許すわけにはいかないお!)

昔から正義感の強かった僕は、すぐに行動に移そうとした。
しかし、色々考えた末、僕の兄貴分であるモララーさんに相談することにした。

( ・∀・) 「とんでもないものを見つけてしまったな。運の悪いやつだ」

(#^ω^) 「これは立派な犯罪ですお! 客を騙すなんて最悪ですお!」

( ・∀・) 「それで、お前はどうしたいんだ?」

( ^ω^) 「告発するつもりですお。あとになってバレるより、絶対ましですお」

923:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:24:39.20 ID:k9QwCbOs0
僕は、自分の正義を貫いたつもりだった。そして、それが間違っているとも思っていなかった。
しかし、モララーさんは僕と違う考えを持っていた。

( ・∀・) 「なあ、たとえば君が告発して、問題になったとしよう。果たして、何人の人がリストラにあい、生活苦に陥るかな?」

( ^ω^) 「……それはある程度、仕方の無いことですお」

( ・∀・) 「君のような、有望な若い衆なら、再就職も難しくないだろう。しかし、僕のような40台半ばの人間はどうだろうな?」

( ^ω^) 「……」

( ・∀・) 「ましてや、今回の件は僕の部署から出た問題だ。僕はクビは免れない。これほどの大企業なら、マスコミもうるさいだろう。
      僕と家族にはもう、安息の日は訪れないだろうな」

(;^ω^) 「……」

そのとき、初めて正義が揺るぎそうになった。お世話になった人の、人生を秤にかけることはできなかった。
不正は良くない。詐欺は良くない。そんなの当たり前だ。
じゃあ、人の人生を奪うことは――?

924:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:25:33.83 ID:k9QwCbOs0
(  ω ) 「……でも」

( ・∀・) 「……」

( ^ω^) 「僕は戦いますお。自分の正義を捨てた先には、なにも残りませんお」

( ・∀・) 「そうか。この件は、社長に報告しておくよ」

そう言うと、モララーさんは静かに立ち去っていった。その背中からは、全く感情を読み取ることはできなかった。

僕は、この先苦しい思いをしながら、生き抜き、戦うことになるだろう。
でも、僕は――

「 告 発 し ま す お ! 」

( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです END



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